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2014年9月19日 (金)

久々の新作もスタンスは不変

Title:Where The Light Remains
Musician:HAWAIIAN6

哀愁あふれるメロディーラインが人気を集めるメロコアバンドHAWAIIAN6のニューアルバム。ちょっと意外なことに、フルアルバムとしては前作「BONDS」から約5年ぶり、ミニアルバムでも前作「The Grails」より約1年8か月ぶりという、久々の新作。その間、ベーシストのRYOSUKEが脱退し、新ベーシストのGUREが加入するなど、バンドの体制にも大きな変化がありました。

そんなバンドの体制を変え、新たな一歩をスタートさせた彼らの新作。ただ、特設サイトの映像の中でYUTAが「バンドをはじめた時からテーマを一度も変えていない」と語っていますが、その言葉の通り、今回の新作でも基本的に彼らのスタンスは不変。歌詞にしてもメロディーにしてもHAWAIIAN6のスタンスに大きな変化はありません。

PVが作成された「Wisdom Tree」でも基本的にいままでの彼らと同じく、歌謡曲の影響すら感じられるような哀愁感たっぷりのメロディーが大きなインパクトとなっています。若干一本調子な部分とある種のベタな部分は感じるのですが、やはり日本人の壺をついてくるようなそのメロディーラインは耳をひくものがあります。その魅力は久しぶりの新譜でも変わっていません。

ただ一方でPVを作成されたもう1作である「Forever Young」ではメジャーコードのメロディアスな作風になっており、こちらはHAWAIIAN6らしいというよりも、いかにもメロコアといった雰囲気のポップなメロディーが特徴となっています。今回のアルバム、他にも「Break Your Fate,Make Your Way」のようなポップなメロが特徴的な作品も多く、アルバムの中でのひとつのインパクトとなっています。

全英語詞の歌詞の世界も基本的にいままでと同じスタンス。現実を直視した上で前向きのメッセージを発する彼らの歌詞にも変化はありません。思えばメロコアというジャンルのバンド、彼らがデビューしたころは数多く活動をしていました。ここ最近、確かにハードなロックバンドは多大な人気を博していますが、その多くはマキシマム・ザ・ホルモンにしろFACTにしろへヴィーなハードコア系のバンドがメイン。彼らのようなパンク色の強いメロコアバンドは一時期に比べて数が少なくなってしまったようにも感じます。

彼らの今回のアルバムも、ベスト10入りを続けていたいままでのフルアルバムと比べて最高位14位と残念ながらベスト10入りは果たせなかったように、一時期に比べれば若干人気は下向きになっている点は否定できません。ただそんな状況の中、そのスタンスを変えず活動を続ける彼らの姿には自分たちの活動に対する確固たる自信を感じさせます。今回のアルバムはある意味実に彼ららしい作品になっており、若干のマンネリ地味も否定はできません。ただそれでもそんな中で彼らの作品に対する自信を感じさせる内容になっているように感じました。

評価:★★★★

HAWAIIAN6 過去の作品
BONDS
The Grails

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アルバムレビュー(邦楽)2014年」カテゴリの記事

コメント

ゆういちさん、こんばんは。

HAWAIIAN6のYUTAはここ最近、女性アイドルグループのPASSPO☆やベイビーレイズ、さらには声優の佐藤聡美などに日本語詞の楽曲を提供しているので、もしかしたら今回の作品には日本語詞の曲があるかもと思っていたんですが、今回も全編英詞なんですね。
まあおそらく、バンドと作家活動を区別するために日本語曲をやらない方針なんでしょうけど、個人的には一度YUTAのボーカルで日本語曲を聴いてみたいです。

投稿: 通りすがりの読者 | 2014年9月20日 (土) 02時08分

>通りすがりの読者さん
確かにHAWAIIAN6のYUTAは最近、様々な楽曲提供でがんばっているみたいですね。ただ、HAWAIIAN6はいつもと同じスタンスでした。HAWAIIAN6の曲を日本語で、私も聴いてみたいですね。特にいい歌詞を書いているだけに、日本語で聴きたいんですけどね~。

投稿: ゆういち | 2014年10月 9日 (木) 00時24分

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