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2014年9月23日 (火)

最初期のくるり

Title:くるりの一回転
Musician:くるり

先日、待望のニューアルバム「THE PIER」をリリースしたくるり。そのアルバムリリースに先駆け、「note」というSNSサイトの中の公式ファンクラブページにおいて、彼らが一番はじめにリリースしたカセットテープ「くるりの一回転」が配信により発売されました。

参考:くるり、デビュー前音源をnoteで販売

この作品は1996年、まだ大学1年生だった岸田繁、佐藤征史、そしてオリジナルメンバーだった森信行の3人によって録音された作品。まだデビューなど全く考えられていない、大学生の「素人」だった時代の作品です。

いままでもその存在は知られていたものの、入手が極めて困難だった、「幻の作品」ともいえるこの作品が、いきなり配信でリリースされたというのはファンにとっては非常にうれしいニュース。私もさっそくダウンロードしてきました。

さて、そんな本作を聴いてまず感じたのは、まだ結成間もない素人バンドながらも、既に確固たる個性と才能を強く感じさせるという点でした。「完成度」という話になると確かにさほど高くはないかもしれません。音質は決してよくありませんし、バンドサウンドも非常に荒削りなものを感じます。

ただ一方で派手さはないもののしっかりと心に残るメロディーラインと、オルタナ系のギターロックながらも一方ではどこか和風のにおいを感じさせるサウンドには、強烈な個性を感じさせます。「虹」「マイオールドタイマー」といったデビュー後に発表された曲が既に収録されていますが、この時点でくるりとしての個性をちゃんと発揮していた、という証拠でしょう。

アルバム全体の雰囲気としては、今から考えるとかなりロックテイストの強い作風になっています。「夜行列車と烏瓜」ではもっくんのへヴィーなドラミングが耳を惹きますし、「家族の肖像」のように、サイケなサウンドを押し出した、ちょっと不気味な楽曲も収録されていたりします。また「雫が咲いたら」では、後のくるりの作品に頻発する3拍子の曲になっており、この頃から既に「くるりらしさ」が形になっていたことを感じます。

ロックテイストの強い作風に荒々しいバンドサウンドという意味では、アルバム全体の雰囲気としては彼らの2作目のアルバム「図鑑」に近い雰囲気を感じさせる作品でした。確かに音質が悪いサウンドや荒削りさを感じるバンドサウンドはまだ「プロ」と言えるレベルではないかもしれません。ただ間違いなくくるりが好きなら十分すぎるほど楽しめる作品だと思います。

ダウンロードは1曲100円×7曲=700円に、「note」上の公式ファンクラブ「純情息子」の入会料が300円、計1,000円でこの作品を聴けますが、間違いなく1,000円の価値のあるアルバムだと思います。ファンクラブに入会しなくても試聴はできるので、まずそこでチェックしてみるのも手かも。試聴サイトだと、「note」上でしか聴けないように感じるかもしれませんが、ファンクラブのサイトだと、ちゃんとm4a形式でダウンロードも可能なのでご安心を。ファンなら間違いなくチェックすべき作品だと思います。いつまで配信販売が続くかわからないので、いまのうちに急げ!

くるりofficial note
https://note.mu/quruli

評価:★★★★★

くるり 過去の作品
Philharmonic or die
魂のゆくえ
僕の住んでいた街
言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
ベスト オブ くるり TOWER OF MUSIC LOVER 2
奇跡 オリジナルサウンドトラック
坩堝の電圧

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