久々の復帰作
Title:THE SWINGIN’ SIXTIES
Muscian:the brilliant green
最近はすっかりTommy february6とTommy heavenly6がメインになってしまい、すっかり「忘れられた」存在になりかけているthe brilliant green。2010年にアルバムをリリースした後、音沙汰がありませんでしたが、このたび活動を再開。4年ぶりとなるニューアルバムは過去の彼女たちのヒット曲を網羅したセルフカバーアルバムとなりました。
今回のアルバムをセルフカバーアルバムにした理由というのは、活動再開にあたって、トミフェブ、トミヘブからファンになったリスナー層にブリグリというミュージシャンを知ってもらう、という意図があったとか。そのため、セルフカバーアルバムながらもベスト盤のような様相になっています。
アレンジの内容もそう。一応タイトル通り、「60年代ロック」をイメージしたアレンジがされており、原曲に比べてアコースティックテイストが増したようなアレンジになっています。トミフェブやトミヘブはいずれもデコレーションケーキのようなコテコテのアレンジになっていただけに、ブリグリについては逆の方向性を向いたというのちょっと意外な印象を受けました。ただ個人的にはトミフェブやトミヘブのアレンジには完全に飽きが来ていただけに、シンプルなサウンドにブリグリの魅力を再認識できました。
ただ、60年代ロックをテーマとはいえ、基本的には原曲を大きく変えたようなアレンジはありません。「ああ、そう言われれば」程度の変更の曲がほとんど。おそらくセルフカバーの主眼がトミフェブ、トミヘブから入ったファンに向けて、というところにあるためでしょう。そのため、ベスト盤のような感覚で楽しむことが出来ます。
そうするとあらためて感じるのはthe brilliant greenというミュージシャンの魅力。90年代のオルタナ系ギターロック直系のサウンドに川瀬智子のキュートなボーカルが強いインパクトを産んでいます。彼女たちがデビューしたころ、この手の音を出すギターロックバンドは比較的数多くいたのですが、気が付いたらほとんどが消えてしまいましたね。それだけに、今となってはthe brillian greenの存在の貴重性が、より増したように思います。
残念ながら活動再開後のブリグリは作曲を担当する奥田俊作はバックでサポート的な位置にまわり、表に出てくるのは川瀬智子ひとりになるということ。どちらかというとブリグリはバンドスタイルの方がそのサウンドにマッチしているだけに、事実上の川瀬智子ソロプロジェクトになるのはちょっと残念。ただ、今回のアルバムを聴いて、これからのthe brilliant greenとしての活動が楽しみになってきました。というよりもぶっちゃけ、トミフェブとトミヘブは飽きた(^^;;次は純粋な新譜になるのでしょうか?楽しみです。
評価:★★★★★
the brilliant green 過去の作品
the brilliant green complete single collection’97-’08
BLACKOUT
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