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2014年9月 6日 (土)

みんなLINDBERGが好きだった

Title:LINDBERG TRIBUTE~みんなのリンドバーグ~

90年にシングル「今すぐKiss Me」が大ヒットし、その後も「BELIEVE IN LOVE」「恋をしようよYeah!Yeah!」など数々の曲をヒットさせ一世を風靡したロックバンドLINDBERG。今回、なんとそのトリビュートアルバムがリリースされました。

LINDBERGは個人的に中学から高校にかけて大ファンだったグループなのですが、正直、LINDBERGは「売れ筋のポップスバンド」というイメージが強く、決して「音楽ファン」からの評価が高いグループといった感じではなく、また「LINDBERGに影響されて」というミュージシャンにもあまりお目にかかったことがありません。それだけに(ファンだった人がこういうことを言うのもなんなんですが)トリビュートアルバムというのはかなり意外に感じました。

しかし、そこに集まったミュージシャンたちは実力派揃い。トリビュートアルバムと名乗るアルバムに時々ある、売るために有名どころを参加させました、みたいな「お前、そもそもカバー元のミュージシャンを知っているの?」的なミュージシャンはあまりおらず、なにげに「みんなLINDBERGが好きだったのね」と感じる参加メンバーになっています。

ただそんな中でも、特にLINDBERGに対する愛情を感じさせるカバーとそうでないカバーがわかれた内容になっています。「愛情を感じさせるカバー」の代表格がN'夙川BOYSの「DESTINATION」。選曲からして、LINDBERGの曲の中でもあまり「ベスト盤」にも収録されたことのない「知る人ぞ知る」的な曲なのですが、カバーも、原曲の雰囲気、良さをしっかり残しつつもN'夙川BOYSらしい味付けがしっかりされている名カバーになっています。ボーカルリンダdadaの節回しは全盛期の渡瀬マキそのままで、おそらくファンなんだろうなぁ、ということを感じられます。

同じく名カバーだったのが花*花の「LOOKING FOR A RAINBOW」。こちらはファンにはおなじみなのですが、シングルカットされていない曲からの選曲。これをブルージーにカバーしており、原曲の意外な良さをうまく引き出していますし、個人的には花*花のブラックミュージックからの影響を感じられるのもおもしろいカバーでした。

他にもガガガSPの「大キライ!」も、パンキッシュでユニークなカバーが、原曲の良さを残しつつ、ガガガSPの曲になっていましたし、バンドじゃないもん!の「もっと愛しあいましょ」も完全なアイドルソングになっており、こちらも非常にユニークに仕上げていました。

一方でちょっと残念だったのは岸谷香の「今すぐKiss Me」。プリンセスプリンセスとして同時期(プリプリの方がちょっと先輩格ですが)に人気を博していたボーカリストによるカバーですが、アコースティックなアレンジがちょっとチグハグな印象。参加者の中で一番意外だった矢野顕子も、子供たちが聴いていた、ということでの参加なのですが、「GLORY DAY」のカバーは矢野顕子のパターンにあてはめただけ、といった感じのカバーで、数々の名曲の素晴らしいカバーを聴かせてくれてきた彼女にしてはいまひとつの出来だったように感じます。

ただ、アルバム全体としては、原曲そのままの10-FEET「LITTLE WING」、同じLINDBERGと同世代、森高千里「BELIEVE IN LOVE」、アコースティックなアレンジが意外と原曲とマッチした近藤夏子「GAMBAらなくちゃね」などちゃんと壺を押さえたカバーが多く、アルバム全体としてはLINDBERGファンにとっても納得の仕上がりになっていたのではないでしょうか。

私が中高生の頃は、中高生にとっては当時人気だったB'zやチャゲアスと同じくらいの人気を得ていたバンドでしたが、やはり昔はみんなLINDBERGが好きだったんだね、ということを感じられるトリビュートアルバム。本当の意味で「トリビュート」されていることを感じる内容でした。今年、再結成し継続的な活動を再開することを発表したLINDBERG。正直、このことについては微妙な感想を持ってしまうのですが・・・また、全盛期のような名曲を聴くことが出来ればうれしいのですが・・・。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Nancy/浅井健一

前作「PIL」から1年半ぶりとなる浅井健一ソロ名義による新作。一時期よりは作品発表のペースが落ちており、落ち着いた曲づくりに取り掛かっているように感じます。ただ、全体的に静かに聴かせる曲の多い本作も、アルバム全体としては良くも悪くも浅井健一らしい曲が並んでおり、インパクトあってリスナーを惹きつけるようなナンバーがなく、物足りなさを感じます。パターン化されちゃっているような印象も。前作「PIL」のような、「これは」と期待できるようなカッコいい曲もなかったのも残念・・・。

評価:★★★

浅井健一 過去の作品
Sphinx Rose
PIL

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