« コンプレックスの塊 | トップページ | ネタ切れ気味? »

2014年8月10日 (日)

オリジナルもいいけどカバーもね!

Title:20周年ベスト
Musician:栗コーダーカルテット

リコーダーやウクレレをメインにシンプルで暖かい楽曲を奏でる4人組バンド栗コーダーカルテット。その彼らが結成20周年ということでリリースしたベスト盤です。非常にシンプルなメロディーとサウンドを奏でるバンドですが、リーダーの栗原正己はじめ、メンバーそれぞれがソロでも活動し(というかむしろそれぞれのソロがメイン?)、数多くのミュージシャンとのセッションや、他のバンドでの活動で活躍している彼ら。そんな実力派の彼らだからこそ、リコーダーとウクレレというシンプルなアレンジでも、実に味わい深い楽曲を聴かせてくれます。

今回のベスト盤は2枚組となっており、1枚目はオリジナル、2枚目はカバーという構成。オリジナルでおそらくよく知られているのは1曲目の「ピタゴラスイッチオープニングテーマ」でしょう。ご存じNHKで放送されている教育番組「ピタゴラスイッチ」のオープニングテーマ。その印象的なフレーズはどこかで聴いたことある方も多いはず?他の曲もシンプルでポップなナンバーがメインなのですが、インストの曲ながらも思わず口ずさんでしまうようなポピュラリティーとインパクトがあります。時々、テレビ番組のBGMとかで使われていたりするケースもあるので、どこかで聴いたことある曲もあるかも?

そんなオリジナルも魅力的ですが、個人的に彼らの真骨頂はむしろカバーの方に感じます。2枚目がそんなカバー曲をあつめた内容。こちらで有名なのは間違いなく「帝国のマーチ」。ご存じスターウォーズのダースベイダーのテーマなのですが、これをウクレレとリコーダーで脱力感たっぷりでカバーしており、昔、ネットで「やる気のないダースベーダーのテーマ」として話題となったのでご存じの方も多いはず。

ただこの曲に限らず邦洋問わず数々の名曲をウクレレとリコーダーをメインにカバーしているのですが、このアレンジぶりが見事。「ウルトラセブンの歌」「テクノポリス」なども原曲とは異なる脱力テイストたっぷりにカバーしていてとてもユニークなのですが、ちゃんと曲のコアになるような部分の魅力は残しているため、曲の良さはきちんと伝わってきます。一方では「やさしさに包まれたなら」「As Tears Go By」などは原曲に負けていないのでは?と思うほどの暖かい名カバーに仕上がっています。ここらへん、ちゃんと曲を自分たちなりに解釈し、しっかり自分たちの土俵に乗せてカバーできるというのは、栗コーダーの実力を感じさせます。

ちなみにここでは散々「ウクレレとリコーダー」という表現を使い、また、それは間違いではないのですが、彼らの曲は、決して単純にウクレレとリコーダーだけで構成されていない、という点もおもしろいところ。昔、彼らのライブに行った時にその楽器について詳しく説明してくれたのですが、このアルバムでも聴けば聴くほどシンプルながらも様々な味わいのある楽器がなっていることに気が付きます。シンプルなようでいろんな楽器により意外と複雑な構成になっているのも彼らの大きな魅力だと思います。

実は彼ら、5年前に「15周年ベスト」というベスト盤をリリースしており、わずか5年でのベスト盤。そういう意味ではちょっと時期尚早では?といった感もないわけではないのですが、ただその間、なにげにミニアルバムや企画盤も含めて何枚ものアルバムをリリースするなど精力的な活動を続けており、わずか5年とはいえ、あらたなベスト盤リリースも仕方ないことなのかも・・・。とりあえず間違いなく今の時点での栗コーダーの魅力がつまったベスト盤になっていると思います。シンプルなだけに幅広い層にお勧めできるアルバムです。

評価:★★★★★

栗コーダーカルテット 過去の作品
15周年ベスト
夏から秋へ渡る橋
渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)

遠くの友達
生渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)
羊どろぼう
ウクレレ栗コーダー2~UNIVERSAL 100th Anniversary~
あの歌 この歌


ほかに聴いたアルバム

二十九歳/Base Ball Bear

フルアルバムとしては約2年7ヶ月ぶりとなるベボベの新作。ポップでメロディアスなギターロックがとても心地よく、インパクトあるフレーズが耳を惹きます。いい意味でちょっとベタさを感じる楽曲はある種の「J-POP的」。ベボベとしての勢いも感じる作品になっています。ただ一方で全16曲70分強の内容はちょっと長すぎ・・・。「THE CUT」のようなRHYMESTERをフューチャーした曲もありますが、基本的にさほどバリエーションの多いバンドではないだけに、後半ちょっとダレてしまいました。もうちょっと曲数を絞って60分程度にまとめれば最高傑作なりえた作品だったのに・・・。

評価:★★★★

Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235
CYPRESS GIRLS
DETECTIVE BOYS

新呼吸
初恋
バンドBのベスト
THE CUT

|

« コンプレックスの塊 | トップページ | ネタ切れ気味? »

アルバムレビュー(邦楽)2014年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/505136/56955164

この記事へのトラックバック一覧です: オリジナルもいいけどカバーもね!:

« コンプレックスの塊 | トップページ | ネタ切れ気味? »