両極端な販売戦略
今週もアルバムチャートは新譜が少な目のため、シングル・アルバム同時更新となります。
今週のシングルチャート
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今週は1位と2位でその両極端な販売戦略をとるシングルが並んでいます。
まず1位はEXILEとその関連ユニットから結成されたEXILE TRIBE「THE REVOLUTION」が獲得。初動32万1千枚は前作EXILE TRIBE名義だった「BURNING UP」の26万3千枚(1位)よりアップ。歌詞に繰り返し出てくる「自分革命」という言葉がこっぱずかしくて仕方ありません(苦笑)。
そしてそれに続く2位はゴールデンボンバー「ローラの傷だらけ」が入ってきています。言うまでもなくタイトルは西城秀樹の1974年の大ヒット曲のパロディー。ただ楽曲自体はメロも歌詞も歌謡曲テイストの真面目(といっても終盤に「落ち」も・・・)な曲。初動4万2千枚は前作「101回目の呪い」の15万7千枚(1位)から大幅ダウンという結果になりました。
ただ今回話題になったのがその売り方。写真を一切載せない白いジャケットに、今時珍しい1種のみ発売。特典もなく純粋に「曲」だけで売りにいった戦略が話題となりました。ある意味、「曲」だけでシングルを売るというのはちょっと前まで当たり前の話だっただけに、こういうことが話題になることが逆に情けない話なのですが・・・。前回のシングルが4種発売だったので、初動大幅ダウンは仕方ないところでしょうか。
一方1位EXILE TRIBEは今回、CDにライブチケットをつけるという戦略で売上を伸ばしています。昨年、この方法でEXILEのシングル「EXILE PRIDE」が大きく売上を伸ばしましたが、その手法ということ。ある意味1位2位でシングルの売り方が両極端にわかれた結果となっています。
3位はL'Arc~en~CielのHYDEとOBLIVION DUSTのK.A.ZによるプロジェクトVAMPS「GET AWAY」がランクイン。疾走感あるロックサウンドはカッコいいんだけどちょっとありふれた感も・・・。初動売上3万5千枚は前作「AHEAD」の5万枚(3位)よりダウン。
続いて4位以下の初登場ですが、まず4位。タッキー&翼「抱夏-ダキナツ-」がこの位置。もろ昭和歌謡曲テイストが印象的なナンバー。初動2万9千枚は前作「僕のそばには星がある」の4万3千枚(2位)からダウン。発売形態が5形態から4形態という要因はあるものの、ちょっと厳しい結果となりました。
5位はハロプロ系アイドルスマイレージ「嗚呼 すすきの」がランクイン。こちらもアレンジは今風EDMだけどメロも歌詞もまんま昭和歌謡曲路線。初動2万8千枚は前作「ミステリーナイト!」の3万4千枚(2位)からダウン。
7位にももういっちょ女性アイドルグループ。PASSPO☆「向日葵」が入ってきています。前作に引き続きガールズロック風のナンバー。初動2万4千枚は前作「Perfect Sky」の2万1千枚(7位)からアップ。
8位は韓流。韓国の4人組バンドCNBLUE「Go your way」がランクイン。初動2万4千枚は前作「Truth」の3万5千枚からダウン。9月にこの曲も含むニューアルバムのリリースが予定しており、その影響でしょうか。
9位にはアニメやゲームソングを中心に歌う女性シンガー藍井エイル「IGNITE」がランクイン。こちらはアニメ「ソードアート・オンラインII」オープニング・テーマ。マイナーコード主体でドラマチックに盛り上げる手法はいかにもアニソンっぽい雰囲気。シングルでのベスト10入りは2012年の「INNOCENCE」以来4作ぶり。初動売上2万1千枚は前作「虹の音」の3千枚(31位)(ただし2週目に11位(5千枚)にランクアップ)から大きくアップしています。
最後10位には橘真琴(鈴木達央)「TVアニメ『Free!-Eternal Summer-』キャラクターソングシリーズ Vol.2 橘真琴(流線の行方)」がランクイン。タイトル通り、テレビアニメ「Free!」の登場人物によるキャラクターソング。いかにもなアイドルソングが多いキャラソンですが、この曲はメロディーが意外と聴かせるアイドルテイストは薄めなナンバーになっています。初動売上1万5千枚は、同じキャラクターの前作「TVアニメ『Free!』キャラクターソング Vol.2/未来へのストローク」の1万6千枚(17位)よりダウンながらも低水準のチャートに助けられてのベスト10入り。ちなみに今週はこの「Free!」のキャラクターソングがもう1枚、七瀬遙(島崎信長)名義の「TVアニメ『Free!-Eternal Summer-』キャラクターソングシリーズ Vol.1 七瀬遙(Deep Moment)」がランクインしていますが、こちらは惜しくも11位という結果となっています。
今週のアルバムチャート
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今週も新譜は少な目。初登場はわずか4枚でした。
そんな中1位を獲得したのはDreams Come Trueの「ATTACK25」。デビュー25周年となる彼女たちが、それを記念してリリースしたニューアルバム。そりゃあ「25」といえば「アタック」だよね(笑)。初動9万枚は前作「LOVE CENTRAL」の9万2千枚(2位)から若干のダウン。
2位はジャニーズ系。山下智久「遊」がランクイン。完全生産限定によるアルバムで、ダンスナンバーを集めた7曲入りのミニアルバム。初動2万5千枚は前作「A NUDE」の6万3千枚(2位)から大幅ダウン。
3位はももくろの姉妹グループで名古屋在住のメンバーにより結成されたアイドルグループチームしゃちほこのデビューアルバム「ひまつぶし」がランクイン。初動売上は1万9千枚。直近のシングル「いいくらし」の3万4千枚(2位)からダウンしているのはアイドルならではな感じ。
続いて4位以下ですが、初登場はわずか1枚のみ。7位に女性シンガーソングライター阿部真央のシングルベスト「シングルコレクション19-24」がランクイン。タイトルの「19-24」の意味は、「19歳から24歳の時に作成したシングル」という意味らしいです。初動売上8千枚は前作「貴方を好きな私」の1万1千枚(7位)からダウン。ベスト盤が売上を落とすというのは浮動層を確保していないという意味で厳しい感じ。
一方、今週は返り咲きも1組。ダフトパンクのカバーが話題となったアメリカのアカペラグループPentatonix「PTX Vols.1&2」が先週の16位から6位にランクアップ。売上も4千枚から8千枚と伸ばしています。サマソニ出演のために来日し、テレビ番組にも出演するなど日本での露出アップがランクアップの大きな要因のよう。まだまだロングヒットも期待できそうなグループです。
今週のチャート評は以上。また来週の水曜日に!
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コメント
金爆は今回のシングルで実際にファンがどれくらいいるかというのもわかりましたね
前作初動が15.7万枚(4種)
それから踏まえると一種あたり約3.9万枚
今回の初動が4.2万
むしろ増加してます
まだまだ金爆人気は続きそうですね
ワンコインで6曲入り、僕は金爆を支持しますよ~
投稿: softman | 2014年8月27日 (水) 23時31分
ゆういち様
こんばんは
ゴールデンボンバーは良心的ですね。
ショップはヴァージョン売りを、本当はやりたくないけれども依存しているので、愛憎半ばで複雑でしょうね。
エグザイルはチケット付きですか。
すごいですね。
価格にもよりますが
シングルの値段でライヴチケットが見られる、
またはある程度お得な価格なのであれば
こちらも良心的なのかな、と思います。
投稿: GAOHEWGII | 2014年8月28日 (木) 18時18分
>softmanさん
純粋に販売形態数で割ると前作を上回るので、健闘といったことも言えるかもしれません。こういう「挑戦」をするミュージシャンが他にも増えるといいんですけどね。
>GAOHEWGIIさん
>シングルの値段でライヴチケットが見られる
残念ながら違います。ライブ代はシングルとは別に発生していて、両者まとめて12,000円のようです。そういう意味でもかなりアコギな商売をしている印象が・・・。
投稿: ゆういち | 2014年8月31日 (日) 01時02分