夏の夜のモノノケ
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット BON-DANCE TOUR 2014 ~Summer of Queen mosquito Tour!
会場:名古屋TOKUZO 日時:2014年8月2日(土)19:00~
ご存じソウル・フラワー・ユニオンの別働部隊、モノノケ・サミットのライブに行ってきました。ワンマンライブで彼らを見るのは約3年ぶり。前回のクワトロは平日の開催ということもあってガラガラだったのですが、土曜の夜の開催となった今日はほぼ満員でした。しかし、そんな中会場に入って案内されたのが・・・なんと最前列!偶然席が空いていたのですが、予想外のことでビックリ。ドキドキワクワクしながら開演を待ちます。定時10分くらい過ぎたところで登場したのがまずこの日のゲストLikkle Mai。元Dry&Heavyのボーカルとして活躍し、その後、ソロとしてキャリアを重ねている女性シンガー。彼女とギターリストのThe Kの2人からなるLikkle Mai&The K名義でのステージ。ゲストにモノノケのクラリネット、大熊ワタルも参加して3人でのステージとなりました。
ステージは最初、レゲエソングのカバーからスタートしたのですが、途中、ニューエストモデルの「報道機関が優しく君を包む」のカバーも披露。さらにその後、「秋田音頭」に「チャグチャグ馬コ」さらに「炭坑節」といった民謡カバーが続きます。モノノケのライブのゲストとはいえ、レゲエシンガーというイメージがあったのでこの民謡カバーの連続はちょっと意外。そしてそれがおもしろいことに微妙にレゲエ風の横ノリのアレンジになっていて、レゲエと民謡って意外と相性がいいじゃん!と感じさせるステージでした。
最後はオリジナル。Likkle Maiは東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県宮古市出身なのだそうですが、その震災について歌った「北国の春」。震災の話を具体的に描写した歌詞が胸をうちます。ステージは約45分。半数以上が民謡のカバーでちょっと予想していたのとは異なるステージでしたが、とても楽しめたライブでした。Likkle Maiはドラヘヴィのイメージがあったのでちょっとごっついお姉さん的なイメージがあったのですが、実際見てみると意外と小柄で華奢な感じでこちらもちょっと意外なイメージでした。
そして開演時間から50分程度を経過し、ついに待望のモノノケサミットが登場!最前列なのですぐ近くに中川さんが(笑)。座りながらのステージだったのですが、本当に目の前での演奏は大迫力。中川さんが持っていたセットリストが透けて見えたのですが(笑)、なるべく見ないようにしながらライブを楽しみました(笑)。
ライブは最初は「水平節」のカバーからスタート。その後メドレーでモノノケらしい昔の大衆歌が続いた後、添田唖蝉坊の「ああ金の世」。さらにソウルフラワーユニオンの「辺野古節」へと続きます。
MCでは、伊丹英子が沖縄からやってきたのですが台風に備えて4日前くらいにこちらへ来たそうですが、すでに満員で、なんとか確保したチケット代が4万にもなったという話(!)。さらに「沖縄より名古屋の方が暑いです」という話に会場がみんな「あ~(そうだろうなぁ)」となったのは、暑いことになれている名古屋人らしい反応(笑)。その後もモノノケではおなじみの「ああわからない」「アリラン」さらにソウルフラワーの代表曲「満月の夕」と続き、中川敬曰く「比較的最近のナンバー」で「お富さん」。「モノノケとしては最近のナンバーだろ?」というMCで会場を笑わせていました。
そして中盤からはLikkle MaiとThe Kが再びステージ上へ。モノノケとLikkle Mai&The Kのセッションとなりました。ここからステージではLikkle Maiがボーカルをとったナンバーと中川敬がボーカルをとったナンバーが交互に披露。Likkle Maiは民謡の「相馬盆唄」や岡林信康の「紅の舟唄」といったこれまたレゲエシンガーから考えるとちょっと意外なカバー。一方、中川ボーカルでは、震災後、東北に行った時、現地で受けまくったという「おいらの船は300とん」や、さらにその東北で歌碑を見つけたことからレパートリーとなった森進一の「港町ブルース」などを披露。「港町ブルース」では森進一のようなしゃがれ声での歌い方をしていたのですが、中川さん曰く「みんな歌ってみ?絶対こういう歌い方になるから」だそうです(笑)。
さらにLikkle Maiボーカルでこれまた添田唖蝉坊の「ノンキ節」、中川ボーカルで高田渡の「生活の柄」と続き、そしてLikkle Maiボーカルでの最後のカバーはレゲエの神様ボブ・マーリーの「One Love」。最後の最後にレゲエシンガーとしての本領発揮といった感じでした。ただ、バックはモノノケでの演奏なのでどこか民謡風な不思議なカバーなのがまた魅力的。そして最後は榎本健一の「これが自由というものか」のカバー。60年くらい前の曲なのですが、歌詞がまるで今の状況を描写しているかのような内容が一部で話題となったそうで、次のソウルフラワーのアルバムに収録する予定の曲だそうです。次のアルバムを先取りするかのようなちょっとお得な選曲で本編は終わりました。
もちろんその後は盛大なアンコールへ。再びLikkle Mai&The Kを含めたメンバー全員でステージ上に集まります。アンコール一発目はLikkle Maiボーカルで美空ひばりの「お祭りマンボ」へ。まさにアンコールを飾るにふさわしい大盛り上がりのナンバー。そしてさらに盛り上がったのはラスト、中川ボーカルで「アンパンマンのマーチ」。こちらも東日本大震災での被災者への支援ライブで「子供たちの誰もが知っている曲を」というリクエストにこたえてレパートリーになったナンバー。個人的にもとても聴きたかっただけに、ライブで聴けたのはとてもうれしかったです。
そしてこれで締めくくり、と思いきや、さらに再度のアンコールが。ここでは比較的すんなりメンバーが再登場して再度のアンコールになります。オーラスを飾るのは「さよなら港」。この日は観客は椅子に座っての観戦だったのですが、最後の最後でみんなでスタンドアップ。みんなで手をあげて、盛り上がりつつライブが終了となりました。
Likkle Mai&The Kのステージが45分程度、モノノケのステージが2時間程度、合計3時間弱のステージでした。最前列で見ていたのでメンバーそれぞれの動きもとてもよくわかって迫力あるステージ。しばしば中川さんと目があって、ちょっと恥ずかしかった感じも(笑)。楽曲はどれもユニークな曲ばかりで、あっという間の3時間弱でした。
今回も、若干MCで原発や消費税ネタもあったものの、Twitterなどとは異なり政治的なネタはほとんどなく、基本的に純粋にノリにノレて楽しい曲が続くステージ。昔の曲がメインなのに、今聴いても全く魅力を失っていない演奏を聴かせてくれました。モノノケのステージは何度見ても本当に楽しいなぁ。次のワンマンにも是非足を運びたいです!
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