カバーアルバム&コラボ盤
Title:Re:6-feat
Musician:10-FEET
Title:6-feat 2
Musician:10-FEET
2枚同時にリリースされた10-FEETのニューアルバムがなかなかユニーク。「Re:6-feat」は10-FEETが影響を受けた様々な楽曲をカバーしたカバーアルバム。一方「6-feat 2」は彼らの楽曲を、様々なミュージシャンとコラボしたアルバム。10-FEETが他のミュージシャンの曲を演奏するアルバムと、10-FEETの曲を他のミュージシャンが演奏するアルバム・・・まさに対照的な作品となっています。ちなみに、この2作品にライブDVDをつけたセットも販売されていますが、このライブDVDは未見です。
カバーの選曲は比較的ストレート。GREEN DAYの「BASKET CASE」やハイスタの「Stay Gold」など、さもありなんといった選曲になっています。BOOWYの「NO.NEWYORK」やエレカシの「今宵の月のように」はメロコアという彼らの路線からはちょっとはずれますが、それでも彼らの楽曲の中に感じる邦楽的な要素から鑑みて、特に意外な選曲といった感じはありません。
一方コラボの方も、スカパラやRHYMESTERみたいなちょっと違う畑からのコラボもありますが、こちらは逆にスカパラやRHYMESTERの方が、様々なジャンルのミュージシャンとコラボをしている「常連」。そういう意味で逆に意外性はありません。ただとはいえ、様々なミュージシャンとのコラボは京都大作戦などのイベントも主催し、様々なミュージシャンとの交流もある10-FEETならでは、ともいえるかもしれません。
そんなある種、カバーにしろコラボにしろあまり意外性がないといえばない組み合わせになっているのですが、この意外性のなさがよくも悪くも10-FEETらしいのかな、という印象も受けました。
例えば「Re:6-feat」の方で顕著だったのですが、カバーにしても基本的には原曲に忠実なアレンジ。ただその一方で10-FEETらしいメロコア的な要素を加えています。それはいわゆるノイジーなパンクロック風にカバーすることにより、非常に心地よいバンドサウンドを加えているという点。ここらへん、10-FEETらしいなぁ、と感じると同時に意外性はありません。もっとも、こういうリスナーの期待にしっかり答える、という側面では彼らのバンドとしての実力を感じます。
「6-feat 2」の方でも基本的には10-FEETの持ち味を出しつつ、一方ではコラボ相手それぞれの色を出したコラボ。こちらも予想通りといった感じで、良くも悪くも意外性はありません。ただこちらにしても、相手との相性を考えつつ、きちんと自分たちの色も相手の色も殺さずプレイできるという点、彼らの実力を感じさせます。
そんな訳で、この「意外性のなさ」という点に10-FEETとしてのバンドの実力を感じることが出来ました。「安心して聴ける」という点でもファンにとっては間違いなくお勧めできるアルバムだと思います。ただもちろんその反面、もちろん既存の10-FEETとしての枠組みを超えていないという点、カバーアルバム、コラボアルバムとしてはもちろんマイナス。まあ、ファンからの期待に応えるという点と、意外性の追求の両立は非常に難しいものではありますが・・・。とりあえず純粋に10-FEETの楽曲を楽しむという意味では文句なしの2枚だと思います。次はそろそろオリジナルを・・・。
評価:どちらも★★★★
10-FEET 過去の作品
VANDALIZE
Life is sweet
thread
ほかに聴いたアルバム
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2013
毎年恒例、ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のライブイベント「NANO-MUGEN FES. 」(2013年は「NANO-MUGEN. CIRCUIT」として開催)に出演するミュージシャンの曲を集めたコンピレーション。漠然と聴いていると、パワーポップやギターポップ系がほとんどでアジカンメンバーの音楽的嗜好もよくわかります。相変わらずおもしろい新人ミュージシャンをいろいろと紹介しており、個人的には爽やかなアコースティックポップ、岩崎愛の「花束」や、ちょっとくるりっぽい?スカートの「ストーリー」がよかったなぁ。また海外勢も参加しており、Sara Radieの「There's A Change」はキュートなガールズポップになっており個人的にも好み。選曲センスの良さは相変わらず。アジカン好きでなくても十分楽しめる作品だと思います。
評価:★★★★★
NANO-MUGEN COMPILATION 過去の作品
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2008
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2012
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