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2014年7月15日 (火)

新作はコード譜付

Title:音街巡旅I
Musician:空気公団

昨年の2月から6月まで行われたライブツアー「音街巡旅2013」。今回のアルバムはその時のライブ音源に音をつけくわえることにより再構成されたアルバム。いわば企画盤的な内容になっています。よくよく考えると、その時のツアーの基となった「夜はそのまなざしの先に流れる」もライブレコーディングにスタジオ録音で音を重ねたスタイルだっただけに、少々、屋上に屋を重ねていないか?ということも思ってしまったのですが・・・。

今回のアルバムでひとつ特徴的なのがそのジャケット。歌詞カードのところについているのはコード譜。このコード譜により空気公団の楽曲の展開がわかるようになっています。ただ、今回のジャケット、B5サイズの大きなジャケットにも拘わらず、基本的に載っているのはこのコード譜のみ。逆に思った以上の情報量の少なさにちょっとビックリしてしまいます。

ただ逆に、彼女たちとしては伝えるべきものは音楽のみ、という点がよりクローズアップされているのかもしれません。そもそも空気公団というバンド自体、あまり雑誌などで積極的にプロモーションしている印象もありませんし、以前はほとんどライブも行っていませんでした。その奏でる音楽だけで勝負、というスタンスがこのコード譜という歌詞カードに象徴されているようにも感じました。

その楽曲の方ですが、今回のアレンジも基本的にシンプル。後半の「天空橋にて」のようなちょっと幻想的な曲調の作風もありましたが、基本的にはピアノとアコースティックギターを最小限に入れただけのアレンジ。シンプルなだけに、どこか緊張感が楽曲から漂っている、というのもライブ録音ならではでしょうか。ここらへんは前作「夜はそのまなざしの先に流れる」に通じるような点も感じました。

しかし今回のアルバム、通して聴いて正直な感想としてちょっと地味すぎたかなぁ、という印象を抱きました。いや、地味な作風というのは失礼ながら空気公団全体を通じてのイメージではあるのですが、ただ、そんな中でも1曲2曲、アップテンポに垢抜けた曲があったりしてひとつのインパクトとなっていたりするのですが、今回のアルバムに関しては最初から最後まで比較的淡々とすすむようなイメージ。そのため、正直言うと、ちょっと物足りなさも感じてしまいました。

いや、1曲1曲は間違いなく良質なポップソングが揃っていると思うのですが、同時にちょっと内向きな部分も強く出てしまったように感じる作品。ちょっと惜しい印象を受けたアルバムでした。

評価:★★★★

空気公団 過去の作品
空気公団作品集
メロディ
ぼくらの空気公団
春愁秋思
LIVE春愁秋思
夜はそのまなざしの先に流れる
くうきにみつる(くうきにみつる)


ほかに聴いたアルバム

20 FLAKES~Coupling Collection~/ザ・クロマニヨンズ

ライブ盤、シングルベストとリリースされて、クロマニヨンズ今度のアイテムはシングルのカップリング曲集。もっともシングルのカップリングといっても基本的にそこはクロマニヨンズ、楽曲のタイプ的にはシングルとそんなに大差はありません。ただ一方では「マナティ」のようなレゲエテイストの曲だったり「ヤッターキング2009」みたいなアニソンのカバーだったり、シングルとはちょっと異なる、彼らの遊び心が感じるナンバーが間に挟まっているところが楽しい作品になっています。

評価:★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~

Ballada/安室奈美恵

安室奈美恵のバラード集。「SWEET 19 BLUES」や大ヒットした「CAN YOU CELEBRATE?」なども収録されています。1曲1曲はもちろん名曲揃い。ただ、アルバム全体としてはどうも物足りなさを感じます。まずバキバキのEDMチューンでカッコよくキメてくれる安室奈美恵らしさが出ている楽曲と比べると、比較的「よくありがち」なバラードナンバーが多く、安室奈美恵の個性が薄く感じる点も理由のひとつ。また、安室奈美恵の歌唱力はもちろん申し分ないと思うのですが、パワフルに声量を聴かせるタイプでも独特な声色や表現力で圧倒するタイプでもなく、正直あまりバラードシンガーといったタイプでもないのも理由のひとつ。そういう意味ではオリジナルアルバムの中の1曲としては文句なしの作品でも、それを集めると、全体としてはちょっと物足りなさを感じてしまいました。

評価:★★★★

安室奈美恵 過去の作品
BEST FICTION
Past<Future
Checkmate!
Uncontrolled
FEEL
namie amuro FEEL tour 2013

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