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2014年7月 5日 (土)

ジャック・ホワイトの魅力が凝縮

Title:Lazaretto
Musician:Jack White

ご存じ元White Stripesのボーカル&ギタリスト、ジャック・ホワイトのソロ2作目。Jack Whiteといえば、White Stripesの時代からルーツ志向のロックンロールナンバーで音楽ファンを楽しませてくれてきました。ソロ第2弾となる本作にも、そんなルーツ志向の彼らしいロックナンバーが多く収録されています。ただ一方、ルーツロックのみならず様々な音楽性が垣間見れ、かつ、全体的には非常にポップな感触に仕上がったアルバムになっていました。

ルーツ志向で最も「らしい」といえるのがタイトルチューンでもある「Lazaretto」。へヴィーなギターリフが主軸となるロックナンバー。おなじロックナンバーといえば、「High Ball Stepper」もジャック・ホワイトのギターサウンドがさく裂しているインストナンバーになっています。

一方、そんなガレージテイストのロックナンバーのみならず、例えば「Temporary Ground」ではカントリー、「Entitlement」ではフォークと、様々な音楽の要素を今回のアルバムでは取り入れています。ただ、どの曲も基本的にはルーツに対するリスペクトを感じられる点、ジャック・ホワイトらしい、と言えるかもしれません。ちょっと毛色のかわったところでは「That Black Bat Licorice」。ダイナミックなリズムがどこか日本の祭り囃子に通じるようなところが・・・・・・もちろん、本人は意識していないとは思うのですが(^^;;

そんな様々な音楽性を垣間見せながらも、アルバム全体としては非常にポップな雰囲気に仕上がっていたのも大きな特徴。例えば冒頭を飾る「Three Women」は、こちらもリフ主導のガレージ風のナンバーなのですが、そのリフをピアノが奏でていることによって、爽やかでポップな雰囲気に仕上げています。他にもラストナンバー「Want and Able」に至っては、メロディーラインが素晴らしく、「美メロ」と言ってしまってもいいほどのナンバーに仕上がっていました。

ソロ第1弾も、ヘビーなギターロックを主導にアコースティックな作品も取り入れた作品になっていましたが、今回のアルバムも、その路線をさらにすすめた格好。彼のコアな部分であるルーツロックにちゃんと軸足を置きつつ、様々な音楽性を取り入れたうえで、メロディーメイカーとしての実力も発揮した作品になっていました。

前作はその結果、少々物足りなさも感じたのですが、今回はメロにしてもサウンドにしても、魅力的な内容になっており、ジャック・ホワイトというミュージシャンの様々な要素を1枚のアルバムに凝縮した内容のように感じました。もう、「元White Stripes」という肩書が全く不要になったように感じられる、そんな傑作でした。

評価:★★★★★

Jack White 過去の作品
BLUNDERBUSS

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