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2014年7月 6日 (日)

泡のような愛

Tilte:泡のような愛だった
Musician:aiko

約1年11ヵ月ぶりとなるaikoのニューアルバム。とにかくまず感じるのは、うん、安心の安定感。もちろん、それはポップシンガーである彼女にとって決して悪い意味ではありません。高いクオリティーを持ったメロディアスなポップソングはデビュー以来大きな変化はないものの、15年を経過しても全く飽きのこない力を持っています。

今回のアルバムの特徴はまずその歌詞でしょう。「泡のような愛だった」という切ないタイトルがつけられたアルバムですが、全体的に切ない歌詞の曲が目立った印象がありました。

例えば「明日の歌」は、タイトルからして前向きな応援歌的な曲かと思いきや、内容は別れた恋人を思う歌詞が切ないナンバー。「遊園地」なんかも明るいタイトルで、楽曲もホーンセッションなどを入れて明るい雰囲気ながら、歌詞は

「二度と行けないあの場所 何回目をつぶれば
消えて行くのだろう あなたのいる遊園地」

(「遊園地」より 作詞 AIKO)

と、こちらも別れた恋人を思う切ないナンバー。そしてラストを飾る「卒業式」も・・・こちらはタイトルそのまま、いうまでないですね。

そんな「コンセプトアルバム」・・・とまでいくかどうかは微妙ですが、一本、切ない歌詞という筋が通ったアルバムになっている本作。一方で今回のアルバム、もうひとつ特徴的に感じたのは比較的素直なポップソングが多かったという点。要するに、前作「時のシルエット」ではいつも以上に出していたaiko節がちょっと薄めのアルバムになっていました。

aiko節というのは、ブルーノートを多用して、ポップソングながらもブルージーにすら感じられる彼女独特の楽曲展開。「染まる夢」あたりにちょっとaiko節っぽい部分は感じられたのですが、今回のアルバムではそんな彼女らしい独特の展開を持った楽曲はほとんどありませんでした。

個人的にはこの点についてはちょっと残念なのですが、もっとも、それによってアルバム全体のクオリティーが下がるわけではありません。ちゃんとaikoらしいインパクトあるポップソングがアルバム全体にわたって聴かせてくれています。本作もまた極上のポップアルバムになっている点は間違いないでしょう。

またアレンジも「透明ドロップ」のようなギターロック路線があったり、ホーンセッションを入れたりと、様々なバリエーションも展開。その点でも最後まで飽きることなく聴くことが出来るアルバムになっていました。

そういう意味で本作も、ファンにとっては納得の、安心して聴けるポップアルバムになっていました。さすがaiko、といった感じですね。これからもまだまだ傑作のポップソングを次々と聴くことが出来そうです。

評価:★★★★★

aiko 過去の作品
秘密
BABY
まとめI
まとめII

時のシルエット


ほかに聴いたアルバム

IMMORTALIS/sukekiyo

DIR EN GREYのボーカル、京によるソロプロジェクトのデビューアルバム。作風としては、DIRよりもよりダークな雰囲気と哀愁感あるメロディーが前に出て、逆にメタリックなサウンドは後ろに下がった感じ。DIR EN GREYの路線を引き継ぎつつもバンド色が弱くなった、という意味ではソロっぽい作品。ただ、DIR EN GREYよりもある種の「癖」が強くなった感じで、これが受け入れられないと、ちょっと厳しいかも。個人的には正直、ちょっと苦手かも。出来としては決して悪くはないと思うのですが・・・下記の評価は個人的な好みも含めて・・・。

評価:★★★

We Love PIANO MAN~Tribute To Billy Joel

ビリー・ジョエルの名盤「PIANO MAN」のリリースから40年。それを記念し、日本のミュージシャンたちによるビリー・ジョエルのトリビュートアルバムがリリースされました。槇原敬之やオリジナル・ラヴ田島貴男、ゴスペラーズらそうそうたるメンバーが顔をそろえています。

ただ、その内容については一言で言ってしまうと、普通。もともとビリー・ジョエル自体、基本的にポップなメロディーが売りのミュージシャンなだけに、そのメロディーをはずさずちゃんと歌えば、それなりのカバーに仕上がるはず。で、原曲を思いっきり崩すようなミュージシャンもおらず、基本的には予想した通りの内容。それ以上でも以下でもありません。もっとも今風にエレクトロなサウンドを入れてくるミュージシャンも少なくなかったのですが、ただでさえ派手めなビリー・ジョエルの曲だから、正直、エレクトロサウンドが入るとちょっと仰々しい感じが。蛇足だったような印象も。

そんな訳で、悪いカバーではなく、参加しているミュージシャンが好きならチェックしてみても損のないアルバムだと思います。ただ、参加ミュージシャンに興味はないけど、ビリーのファンだから、という方には積極的にはお勧めできないかも。あと、「日本のビリー・ジョエル」我らがKANちゃんが参加していない点もマイナスかも。

評価:★★★

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