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2014年7月11日 (金)

名曲も少なくないけど

Title:48:13
Musician:KASABIAN

イギリスでは国民的バンドとなっているKASABIANの約3年ぶりとなるニューアルバム。イギリスのアルバムチャートでは当たり前のように1位を獲得。その人気ぶりをみせつけています。タイトルの「48:13」はこのアルバムの曲の長さ。こういうシンプルなタイトルのつけ方をするあたり、このアルバムに対する自信があるから、なのでしょうか。

さてそんなニューアルバムですが、感想は?と言われると、うーん、難しいなぁ、と感じてしまいました。まず間違いなく前半は傑作と言える内容だったと思います。イントロを挟んで事実上の1曲目となる「Bumblebeee」はダイナミックなバンドサウンドが耳を惹いたかと思えば、ゆっくりとうねるような歌がスタート。このグルーヴィーなメロディーラインにパンキッシュなサウンドは、まさにイギリスのギターロックそのもの。続く「Stevie」もテンポよいメロとノイジーなギターサウンドは、UKロック好きにはたまらない楽曲ではないでしょうか。

ここらへん、ちょっとoasisを彷彿とさせ、日本人にとっても壺なのですが、それ以上にイギリス人にとっても壺にはまるようなサウンドなのでしょうか。だからこそ、これで5作連続チャート1位を獲得しているということ?ちゃんとリスナーの壺はきちんと押さえてあり、そういう意味では安心して聴ける、いいアルバムになっていました。

ただ、ちょっとそれが怪しくなってきているのが中盤あたりから。ここらへんから今回のアルバム、シンセが目立ちエレクトロ色が強くなるのですが、これがどうもエレクトロサウンドの使い方が中途半端でつまらなさを感じてしまいました。

例えばアルバムの中盤「Treat」では、6分を超えるアルバム一番の長さの曲なのですが、シンセの音が目立つ一方、エレクトロな要素をいかしているわけでもなく、ちょっとダラダラした印象を受けてしまいましたし、同じくエレクトロサウンドが目立つ「Explodes」も、シンセを取り入れて、逆に序盤のようなダイナミズムさが薄くなってしまい、物足りなさを覚えてしまいました。

アルバム全体としては彼らの実力を感じさせる名曲が少なくない反面、ちょっとどうかなぁ、と感じさせる曲もあり、特にいまひとつな曲が後半に並んでいたため、アルバムを聴き終わった後の印象はあまり良くありませんでした。ただ、再度最初から聴いてみると、確かに前半にいい曲が並んでいて、3にするほどの凡作といった感じでもなく・・・。ちょっと煮え切らない感想を抱いてしまった、そんな作品でした。

評価:★★★★

KASABIAN 過去の作品
West Ryder Pauper Lunatic Asylum
VELOCIRAPTOR!

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