まさかの第4弾!
Title:レシキ
Musician:レキシ
まさかの・・・といってもすっかりレキシとしての活動が定着しちゃったんですけどね。SUPER BUTTER DOG池田貴文のソロプロジェクト、レキシの4thアルバム。相変わらず、日本史ネタを楽曲の中にちりばめた、ユーモラスな楽曲が展開されています。
今回のアルバムで一番の特徴的だったのが、いままでの作品でメインとなっていたファンク的な要素が薄れ、ポップな要素が強くなったという点でしょう。ナイアガラサウンド風の「キャッチミー岡っ引きさん」からはじまり、秦基博あらため旗本ひろしが参加する「年貢 for you」も、秦基博が歌いそうな爽やかなポップチューンになっています。
後半の「憲法セブンティーン」や「ドゥ・ザ・キャッスル」みたいなファンキーなナンバーもあるのですが、アルバム全体に軽快なポップというひとつの筋を感じられる作品になっていました。
ただし、基本的な路線はいつものレキシそのまま。今回も豪華なゲストが多数参加。持田香織(ELT)が、もち政宗の名前でそのクリアなボーカルを聴かせてくれますし、ちょっとジャジーな「お犬様」では二階堂和美あらため尼んだが可愛らしい歌声を聴かせてくれてます。
ユーモラスな歌詞も冴えまくっています。「僕の印籠知りませんか?」ではタイトル通り、印籠をなくした御仁が印籠を探しまくる歌詞が笑えますし、一番笑えたのは、ニセレキシことタブラ奏者のU-zhaanが参加した「Takeda,」で、歌詞カードに記載されているそのまま「織田に負けた武田のやり場のない感情と、馬を思う切ない気持ちを、ニセレキシのタブラにのせて。」というナンバー。一度聴いただけで捧腹絶倒の(ある意味、わけのわからない)楽曲に仕上がっています。
すっかりレキシとしての活動が板についてきた彼。特にライブでの人気はうなぎのぼりみたいで、8月にはついに武道館での単独ライブも決定!まだまだレキシの勢いは止まらなさそう。それも納得の、最初から最後まで楽しめるアルバムでした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
YANKEE/米津玄師
もともと、ボカロ系のプロデューサー「ハチ」としてネットコミュニティーで人気のあった彼が、自らの名前で、自らの歌唱でリリースしたアルバムの2枚目。前作同様、基本的にはギターロックがベースな一方、ストリングスや打ち込みなどを取り入れてバンドという形態にこだわらないスタイルや、ロックバンドとは異なった奇抜な展開がユニーク。また、ハイテンポの曲が多く、その目くるめくサウンドの展開とあわせて、良くも悪くも情報量過多なサウンドでネット発のミュージシャンっぽいな、という印象。ただ、ポップなメロに独特な世界観は前作同様で、ネットコミュニティー以外にも十分アピールできるだけの内容になっています。
評価:★★★★
米津玄師 過去の作品
diorama
For Bored Dancers/TAMTAM
今、話題の5人組レゲエバンドのメジャーデビュー作。6曲入りのミニアルバムなのですが、タビーなサウンドと、サイケな雰囲気もかもしだすへヴィーでノイジーなギターサウンドが非常に心地よい反面、女性ボーカルは端正で、メロディーも至ってポップ。特に切なさを感じさせるメロディーが胸に来るものがあります。へヴィネスさ、タビーな部分とポップな部分のバランスがおもしろいバンドです。サウンドもメロもそれだけを切り取るとちょっとインパクト不足な感じもするのですが、これからが楽しみになるバンドです。
評価:★★★★
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