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2014年6月16日 (月)

アジアの大衆音楽

Title:橋の下世界音楽祭 SOUL BEAT ASIA 2012 完全実況生活劇&録音

Hashinoshita_cd_dvd

ちょうど先日も、ライブレポートをアップしたのですが、毎年、Turtle Island主催により豊田市で行われている「橋の下世界音楽祭」。今年で3回目となるこのイベントは、アジアの大衆音楽をテーマに、日本や沖縄、さらにはアジアの民謡や民俗音楽、あるいはそれらの音楽をベースとしたロックやポップを奏でるようなバンドやミュージシャンを多数集めて、一部では話題になっています。

今回紹介するのは、そのイベントの第1回目、要するにおととしに行われた「橋の下世界音楽祭」の模様を収録したCDとDVD。実は去年からすでに発売していたのですが、昨年、音楽祭に足を運んだ時はスルーしてしまい、今年、会場で購入してきました。

この年の橋の下音楽祭は、私も見逃していて参加していなかったのですが、基本的に参加した昨年、今年と同様、海外組も含めて多くの魅力的なミュージシャンが参加しています。そして、彼らに共通している点、古くから日本、あるいはアジア各国の大衆の間に引き継がれてきた音楽をその楽曲に取り入れている点。まさに文字通りの大衆音楽と言えるでしょう。

そしてそんな大衆音楽の大きな特徴が、いわゆる頭で考えた音楽ではなく、私たちの普段の営みから自然発生的にわきあがってきた音楽ということ。そのため、聴いているだけで、身体がそのリズムに反応してしまいますし、また、会場も、まさに老若男女一体となってみんなで楽しんでいるのが伝わってきます。

ここに収録されているどのミュージシャンも実に魅力的。個人的には民謡とロックを見事融合させたようなアラゲホンジがとても魅力に感じましたし、山本大の三味線の演奏も、お祭り囃子とは異なる緊迫感あるステージが大きな魅力。海外勢、モンゴル族のロックを聴かせてくれるHANGGAIや、このイベントの主催者TURTLE ISLANDのステージも迫力満点で、音楽が本来持っているパワーを感じます。

DVDの方も、ステージを撮るだけではなく、合間合間に会場の模様などを写していて、会場の雰囲気がとてもよく伝わってきます。あまり凝った内容ではなく、ただただ会場の雰囲気を収めただけ、という内容なのですが、それが逆に会場の空気をよりリアルに伝えてくれているように感じました。

ちょっと残念なのは曲名の記載がなく、詳しいミュージシャンの説明がないこと。まあ、曲の名前なんぞ、曲を聴く時に関係ない、ということなのでしょうか。また、OKI DUB AINU BANDはCD、DVDともに未収録という点。権利関係でなにか問題があったのでしょうか。先日の橋の下でも素晴らしい演奏を聴かせてくれていただけに非常に残念です。

ちなみにこのアイテム、おそらく来年の「橋の下世界音楽祭」でも発売されるでしょうが、こちらの通販サイトでも販売されています。興味がある方は是非。しかしこのアイテム、2013年版や2014年版も発売されないかなぁ~。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

上陸/MONSTER大陸

今、注目の新人4人組バンド。昨年、フジロックにも出演した彼らですが、何が注目かというとその音楽のジャンル。彼らが奏でるのはバリバリのブルースロック。特に千賀太郎のブルースハープが、大きなインパクトとなっています。

そんな彼らの2ndアルバム。「Everything’ s going to be alright」みたいな王道を行くブルースナンバーもありつつ、ブルースロックナンバーもありつつ、全体的にはロックンロールの色あいが強いナンバー。ただ全体的にはアップテンポで踊れるナンバーが多く、どうもブルースというと「座ってじっくり聴く、渋い音楽」的なイメージが強い今の日本においては、ブルースの本来持っているエンターテイメントな側面を体現化したようなバンドになっています。これを機に、若い世代ももっとブルースの魅力にはまってくれるとうれしい感じ。タイプ的にはTHE BAWDIESあたりに通じる部分も多く、今後、もっともっと注目を集めそう。とても楽しみなバンドでした。

評価:★★★★★

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