ウルフルズ、完全復活
Title:ONE MIND
Musician:ウルフルズ
2009年7月、惜しまれつつその活動を休止したウルフルズ。その彼らが、4年半ぶりに帰ってきたのが今年の2月。そしてついに待望のニューアルバムがリリースされました。オリジナルアルバムとしての前作「KEEP ON,MOVE ON」から6年半。まさに待ちに待った新作で完全復活を宣言しています。
そんな久々となったニューアルバムは、待ちに待ったファンにとってはおそらくうれしくなるような、ちゃんとウルフルズらしさを満載したアルバムになっていました。「あーだこーだそーだ!」は彼ららしい背中を押してくれるような応援歌になっていますし、配信先行シングルとしてリリースされた「どうでもよすぎ」は彼ららしいルーツ志向のロックンロールナンバー。皮肉を入れたユーモラスな歌詞もインパクト大です。アルバムの核になりそうな楽曲「ヒーロー」は、とても暖かみを感じる歌詞が実に魅力的な曲に仕上げています。
ちょっとユーモラスな作風としては、ちょっとグループサウンズ風の「ブヤカシャー!」なんて曲が入っていたり、エアロスミス風のハードロックなギターリフで構成された「メイド イン ジャパン」なんて曲もあったり、ロックンロールやソウルミュージック志向な作風を軸としながらも、バラエティー富んだ作風をユーモラスに聴かせてくれます。これもまた、ウルフルズらしい、と言えるかもしれません。
ただ、そんなウルフルズらしさを主軸としながらも今回のアルバムでは全体としてソウルやファンクを前面に出した作品よりもポップでメロディアスな楽曲が目立ったように思います。そのため、アルバム全体としては柔らかさを感じる作風になっていました。
この点ではちょっとパンチ不足かな、という感じも否定はできないのですが、そんなポップなメロにしても、ちゃんとウルフルズらしい暖かみとソウルフルな要素も感じられ、間違いなく彼らなりの魅力を感じる曲ばかり。復帰後の第一弾として、ちゃんと彼らの魅力を伝えるアルバムになっていたと思います。
ちなみに初回盤は2枚組となっており、もう1枚は全10曲入りのベスト盤。こちらは「ガッツだぜ!!」や「それが答えだ」などのウルフルズの代表曲が収録。10曲というコンパクトな内容といい、ウルフルズ初心者にもピッタリな内容。こちらも復帰第一弾として、はじめてウルフルズに触れる方向け、ということなのでしょうか。あらためて彼らの実力、魅力を知るにはうってつけの作品でした。
評価:★★★★★
ウルフルズ 過去の作品
KEEP ON,MOVING ON
ほかに聴いたアルバム
The Early Days Selection/柴田淳
柴淳のドリーミュージック時代の楽曲を収録した初期ベスト。どうも本人が関与しない部分でリリースされた作品のようです。ただ、収録されている作品はどれも絶品。切ない女心をストレートに綴った歌詞に、聴いていて胸が締め付けられるようなメロディーは実に素晴らしく、柴田淳というミュージシャンの魅力が凝縮されています。正直、全編バラードという点がちょっと物足りなさも覚えるのですが・・・柴淳の入門盤としては最適な作品だと思います。
評価:★★★★★
柴田淳 過去の作品
親愛なる君へ
ゴーストライター
僕たちの未来
COVER 70's
あなたと見た夢 君のいない朝
Billborda Live 2013
DRESS2/TM NETWORK
TM NETWORKの最新作は、1989年にリリースされた"リプロダクションアルバム"「DRESS」の第2弾。要するに過去の彼らの楽曲を再構築したリミックスアルバム。「DRESS」では基本的に外部のミュージシャンがリミックスを手掛けたのに対して、本作では小室哲哉本人が過去のTM NETWORKの楽曲をリミックスしています。
今回の小室のリミックスは、それなりに今風な音にアップデートされてはいるのですが、基本的には必要以上に今風を追及せずに、彼らしいトランス色を入れたリミックスがメイン。それなりに原曲のアレンジの色を生かしたものとなっているため、おそらくファンにとってもさほど違和感がなく聴くことが出来るのではないでしょうか。まあ、この手のリミックスはTMファンなら昔から慣れていそうですし(^^;;
ただもっとも、原曲のアレンジに対して必要以上に音数を入れたり長くしたりするリミックスが基本なのでファン以外の方に勧められるか、と言われるとちょっと微妙な点は否めません。完全なファンズアイテムといった感じ。昔からのファンの方なら素直に楽しめるかも。そういう方以外は「・・・」ですが。
評価:★★★
TM NETWORK 過去の作品
SPEEDWAY
TM NETWORK THE SINGLES 1
TM NETWORK THE SINGLES 2
TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2014年」カテゴリの記事
- まだまだ「実」だけど(2014.12.29)
- ロック入門...的な(2014.12.28)
- 踊れるロック(2014.12.27)
- レトロなガレージサウンドが心地よい(2014.12.26)
- 社会派三部作完結編(2014.12.23)
コメント