若手バンドによるトリビュート
Title:ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-
結成から25年が経過した今でも第一線で活動を続けるバンドthe pillows。そんな彼らの結成25周年を記念してトリビュートアルバムがリリースされました。
the pillowsへのトリビュートアルバムといえば10年前、ミスチルやバンプなどが参加して話題となった「シンクロナイズド・ロッカーズ」がリリースされています(もう10年も前になるのか・・・)。この時はどちらかというとベテランバンドが多く参加したトリビュートとなっていますが今回の作品は、9mm Parabellum BulletやBase Ball Bear、東京カランコロンやグッドモーニングアメリカといった新進気鋭のバンドが多く参加しています。大ベテランバンドになった今でもこれだけ若手のバンドからリスペクトされるthe pillowsというバンドのすごさをあらためて実感させられるラインナップになっていました。
「シンクロナイズド・ロッカーズ」ではthe pillowsの曲を自分たちの土俵にあげて自分たちの曲にしてカバーしているミュージシャンも少なくなかった印象があります。それに対して本作は、やはり若手バンドメインだからでしょうか、基本的に原曲に忠実なカバーがメイン。そこに自分たちのバンドとしての味付けをちょっと加えたようなカバーがほとんどでした。
その結果、正直、「この曲がこうなるのか?」というような驚きやミュージシャンの圧倒的な個性を感じるカバーはありませんでした。ただその一方、the pillowsというバンドへの愛情は強く感じますし、なによりも楽曲自体のメロディーや歌詞の良さを再認識させられました。
9mm Parabellum Bulletの「インスタントミュージック」などは、9mmのイメージとはちょっと違う、軽いテイストのギターロックアレンジ。ただ、そんな中でもちゃんと9mmらしいグルーヴ感を入れており、彼らのバンドとしての実力も再認識しました。東京カランコロンの「ノンフィクション」は、このアルバムでは少ない自分たちの土俵にthe pillowsの曲をあげたようなカバーで、東京カランコロンらしい明るいポップスさが楽しいカバーになっていたと思います。
WHITE ASHの「White Ash」やグッドモーニングアメリカの「この世の果てまで」はパンキッシュなアレンジで勢いがあり、とても若々しさを感じました。これらの曲に限らず全体的に若々しさを感じる楽曲が多く、さすが若手バンドを集めたカバーだけあるな、という印象も受けました。
一方ちょっと残念だったのは髭の「ストレンジカメレオン」で、本編は原曲に忠実なカバーでよかったのですが、アウトロで延々とサイケなアレンジが続き、完全に蛇足。個性の出し方をなんか間違えちゃっているような印象を受けた、ちょっと残念なカバーでした。
とはいえ、アルバム全体としてはthe pillowsへの素直な愛情を感じるカバー曲が並び、the pillowsの曲の良さをあらためて感じられるアルバムになっていました。あまりに若手バンドばかりでちょっと心配していたカバーアルバムだったのですが、予想外に良い内容だったと思います。参加ミュージシャンもファンはもちろん、the pillowsのファンも十分楽しめるアルバムだと思います。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
namie amuro FEEL tour 2013/安室奈美恵
昨年8月から12月まで行われたツアーも模様を収録したライブ盤。基本的にはDVDとしてリリースされていますが、おそらくそのDVDのプロモーションを兼ねてなのでしょうか、同じ内容をCD化し、レンタル限定でリリースしています。
しかしこれ、レンタル限定でリリースするのはもったいない・・・。確かに収録曲はDVDと一緒ですし、映像があった方がよいのでしょうが、CD音源を聴くだけでもライブの盛り上がりが伝わってきます。特に今風なEDMのナンバーに載る彼女のキレのあるボーカルは、CDで聴くだけでも十分魅力は伝わってきますし、今なおボーカリストとして脂がのりまくっているように感じます。これは彼女のライブ、一度行っておかないといけないなぁ・・・そう感じるほど、迫力の伝わるライブ音源。DVDは見ていないのですが、むしろCDで耳からだけの情報だからこそ、よりその迫力が伝わる部分もあるのでは?
評価:★★★★★
安室奈美恵 過去の作品
BEST FICTION
Past<Future
Checkmate!
Uncontrolled
FEEL
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