2枚目を占うミニアルバム
Title:HARD TO SAY NO EP
Musician:THE STRYPES
60年代のロックンロールを現在に再現させたかのような、テンションの高いルーツロックが大きな話題を呼び、日本でも注目を集めたTHE STRYPES。1stアルバム「SNAPSHOT」も高い評価を得ましたが、新作が早くもリリースされました。今回の作品は、全6曲入りのミニアルバム。新曲4曲に日本でのライブの模様を収録したライブ音源2曲を収録したアルバムになっています。
本人たち曰く、「2枚目はへヴィーになる」という公言していただけに、その方向性を占うこのEPの内容には注目を集めました。まず結論としてはタイトルチューンの「HARD TO SAY」は、確かにいままでの作品と比べるとへヴィーになった印象はあります。
まず楽曲をスタートさせて飛び込んでくるギターサウンドは、間違いなくいままでの曲に比べると厚みが増していますし、楽曲全体にぶっといベースの音がブンブンと鳴り響きます。
ただ、それではいままでのTHE STRYPESのイメージから大きく異なるか、と言われるとそれもまた違います。ギターサウンドを主導としたシンプルなバンドサウンドというスタイルはかわりませんし、1曲3分程度という曲の短さもそのまんま。基本、ポップなメロディーが流れていますし、いままでのガレージロックという枠組みから大きく離れるものではありません。
また、続く「SO THEY SAY」などのナンバーは、ギターリフをメインに構成されたいままでのTHE STRYPESらしいロックンロールナンバー。こちらも「SNAPSHOT」までの路線が気に入っている方にとっては安心して聴けるナンバーだと思います。
そしてなによりTHE STRYPESとして変わらないのがロックンロールに対する愛情。このアルバムでも難しいこと抜きにして、ロックなサウンドを鳴らしたいというバンドの情熱を感じられました。
THE STRYPESというバンドの魅力をきちんと保ちつつ、新たな一歩を踏み出したアルバム。ある意味、デビューアルバムに続くアルバムとしては理想的なスタイルと言えるかもしれません。次のアルバムが楽しみになってくるミニアルバムでした。
評価:★★★★★
THE STRYPES 過去の作品
BLUE COLLAR JANE
SNAPSHOT
ほかに聴いたアルバム
Night Visions/Imagine Dragons
このアルバムが大ヒットを記録したアメリカのロックバンド。打ち込みをつかったかなりドラマチックな作風で、スケール感の大きさを感じる内容。ちょっと泥臭さを感じさせる点といい、いかにもアメリカのスタジアムバンドっぽい雰囲気。正直、ちょっと大味な感じがして、あまり好みのタイプではないかなぁ。
評価:★★★
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