青春ミッチー!
Title:さらば!!青春のファンタスティックス
Musician:及川光博&THE FANTASTIX
ミッチーが、THE FANTASTIXとの名義でリリースされた3部作の最終作。今作のテーマは「青春学園モノ」。ジャケットからしてまさに「青春!」といった雰囲気ですが、楽曲もまさに青春まっただ中といった雰囲気の曲が並んでいます。
「放課後ジュリエット」では「中間テストも終わって」なんてフレーズが出てきたり、「恋の生徒怪長」では、まさにそのもの「生徒会」なんて言葉が登場したり。あまりに学園モノそのまんまの内容なのですが、さすがにこれ、40代半ばのミッチーが歌うのは厳しいんじゃない?と最初思ってしまいました。
・・・が、そこはさすがミッチー(笑)。正直、聴いていてほとんど違和感ないのがさすがです。もちろん、それは彼がいまだに若々しい王子様だから(笑)。いや、冗談とかではなく、いまだにこのフレッシュさを保ち続けるのは、さすがです。
楽曲の方は基本的にいつものミッチー節。ビックバンドが入ってライブ映えしそうな「天の川ランデヴー」、ファンキーな「がむしゃら!NIGHT☆PARTY」、ミディアムテンポでしんみり聴かせる「ふたり」など、ミッチーらしい楽曲が並んでいました。ある意味、新しさはありませんが、ファンがミッチーに求める壺をきちんとついている曲が並んでいて、安心して聴ける内容と言えるかもしれません。
3部作ということで似たような構成になっていたとはいえ、前2作にあったカバー曲は今回はなし。また、コミカルな楽曲もありませんでした。その一方、コーラスのMINAMIがメインボーカルをつとめた「優・等・生」や、軽快なアニソン風の「恋の生徒怪長」など、いままで2作品とはちょっとひねった構成になっていたようにも感じます。もっとも、中盤のコントは今回も健在ですが(笑)。
テーマ性もはっきりしており、ライブ映えがしそうな曲も多く、ライブが盛り上がるだろうな、と感じるアルバム。もっとも、目新しさがあまりないだけにファン向けな要素が強いのかもしれませんが。一方で、ファンにとっては安心して聴ける、満足いくアルバムだと思います。
評価:★★★★
及川光博 過去の作品
RAINBOW-MAN
美しき僕らの世界
喝采
銀河伝説
ファンタスティック城の怪人
ほかに聴いたアルバム
"Z"OOM/ねごと
4人組ガールズバンドの6曲入りとなるミニアルバム。シンセなどの打ち込みを入れて、サウンド構成には幅があるものの、逆にバンドらしさが薄くなってしまっているは相変わらず。今回のアルバムは前作「5」に比べるとメロディーに力を入れ、とくにガールズバンドらしい「かわいらしさ」を強く感じるアルバムになっていました。ただ、そうだとするといまひとつメロディーのインパクト不足が気になります。彼女たちのアルバム、総じて「ねごと」らしさが見えているような見えていないような・・・そんな印象を受けてしまいます。
評価:★★★★
第五作品集「無題」Remix Album/downy
レーベル「術ノ穴」を主宰するFragmentをホストに迎えた、downyの傑作「第五作品集『無題』」のリミックスアルバム。基本的にはビートを強調する今風のアレンジによるリミックスがメイン。「この楽曲がこんな風に!」みたいなリミックスはないものの、downyの世界を広げるような作品は、downyのアルバムと同じく、シンプルそうながらも凝ったアレンジにゾクゾクさせられることの連続。downyの新たな作品として十分機能する内容で、リミックスだから、といって忌避するのはあまりにももったいない傑作でした。
評価:★★★★★
downy 過去の作品
第五作品集「無題」
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