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2014年5月18日 (日)

「伝説」のバンドの歴史

Title:MARIES MANIA
Musician:毛皮のマリーズ

2006年にアルバム「戦争をしよう」でデビュー。2011年のアルバム「ティン・パン・アレイ」がチャート6位を記録し、まさにこれからという人気絶頂の2011年に突然の解散を発表。ラストアルバム「THE END」をリリース後、その年の12月31日をもって解散しました。

そんな「伝説」的なバンドの最初で、おそらく最後となるベスト盤。なんかやっつけなタイトルといい、手抜きなジャケットといい、どう考えてもバンドメンバー本人たちの無許可でリリースされたようなベスト盤。もっとも、この手のベスト盤にありそうな、メンバーからの「文句」は特になく。おそらく、本人たちにとっては「もう終わったバンド」ということなのでしょう。⇒コメントでご指摘をいただきました。おもいっきり本人たちも選曲にかかわっているみたいですね。失礼しました・・・。

私個人は、毛皮のマリーズを聴いたのはちょっと遅く、2010年のセルフタイトル「毛皮のマリーズ」から。いわばブレイク寸前に聴き始めた後乗り組。それなのでこのベスト盤ではじめて彼らの過去の作品を聴いてみました。

アルバム「ティン・パン・アレイ」がリリースされたころ、昔からのファンが良く言っていたのが、「最近の曲はあまりバンドの色が薄くなった」という話。今回のベスト盤で過去の作品をあらためて聴いたのですが、確かに昔はガレージバンドとしてへヴィーなバンドサウンドが全面に出ていたのに対して、このアルバムでいえばDisc2に収録された作品は、あきらかにバンドの色が後ろに下がっています。

ただ、だからといって初期の作品と後期の作品に関して毛皮のマリーズの本質的な部分はあまり変わったように感じませんでした。それは初期にしろ後期にしろ志磨遼平のワンマン的な色合いが強いという点。初期の作品も後期の作品と同じく、彼の描くエヴァーグリーンな雰囲気の甘いポップなメロディーが楽曲全体に流れていますし、なによりもサウンドこそ「バンドサウンド」ながらも、正直バンド色は薄めのように感じます。

むしろ初期の作品は、へヴィーなバンドサウンドと甘いメロディーがいわば対立関係のようにぶつかりあっていて、楽曲全体としてのバランスが少々悪いようにも感じました。そのため、Disc1を聴いて感じてしまったのは「ちょっとくどいな」という印象。ただでさえちょっとくどめなメロディーにへヴィーなバンドサウンドはちょっと屋上屋を重ねるような印象すら受けました。

その点Disc2はサウンドがすっきりしてその分、メロディーラインの良さだけが浮かび上がってきたような印象。スウィートでポップなメロディーラインの魅力的な楽曲が続きます。バンドサウンドが後ろに仕上がってしまい、志磨遼平のワンマン色が強くなったという意味で初期からのファンにとっては不満を感じるのもわかりますが、個人的にはグッと良くなったように思います。「ティン・パン・アレイ」以降、売上がグッと伸びたのも納得がいきます。

それだけにバンドを解散させたのは、志磨遼平のやりたいことはもうバンドではできないから・・・と思っていたのですが、そのためすぐに別のバンドをはじめた、というのはちょっと驚き。彼自身が強いバンド幻想を持っていた、ということなのでしょうか。

そんな毛皮のマリーズの歴史がつまったアルバムで、彼らの全貌がわかるベスト盤。後追いながらも、この素敵なバンドを知るには最適なベスト盤。ドレスコーズではじめて志磨遼平を知った方も是非。

評価:★★★★★

毛皮のマリーズ 過去の作品
毛皮のマリーズ
ティン・パン・アレイ
THE END


ほかに聴いたアルバム

NEW MORNING/MISIA

メロディーは決して悪くはありません。MISIAのボーカルはいつも以上に冴えまくっていて実に魅力的。ただ・・・正直あまりおもしろくない・・・。おそらく一番の理由は、いかにもMISIAらしい作品が並んでいて、新しさがないから、なんでしょう。それに加えて前半、アレンジが平凡で面白味がありません。特に打ち込みのサウンドがどうもチープに聴こえてしまいます。

ただ一方、後半に入ると「幸せをフォーエバー」のようなメロディーにインパクトがあり聴かせるナンバーがあったり、「Re-Brain」のようなちょっとラテンが入ったアレンジが印象的だったりおもしろい曲が続き、一気に良くはなるのですが・・・。後半はよかったし、なによりMISIAのボーカルのすごみが、さらに増した感じがあり、彼女自体の成長も感じられるアルバムだとは思うのですが。そういう意味で惜しさを感じるアルバムでした。

評価:★★★★

MISIA 過去の作品
EIGHTH WORLD
JUST BALLADE
SOUL QUEST
MISIAの森-Forest Covers-
Super Best Records-15th Celebration-

echo/Plastic Tree

プラトゥリ初となるミニアルバム。7曲入り30分弱のミニアルバムながら、メンバー全員が作詞作曲に参加するなど意欲的な作品。いつも通りナルシスティックなボーカルに耽美的な雰囲気の楽曲はPlastic Treeらしく、ある種のヴィジュアル系っぽい雰囲気を出しつつ、シューゲイザーやらイギリスのオルタナ系ギターロックからの影響をうまく取り入れている手法はさすが。30分ながらもなかなか濃い内容のミニアルバムでした。

評価:★★★★

Plastic Tree 過去の作品
B面画報
ウツセミ
ゲシュタルト崩壊
ドナドナ
ALL TIME THE BEST
アンモナイト
インク

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コメント

ゆういちさん、こんばんは。

毛皮のマリーズのベストですが、収録曲の選曲はすべてマリーズのメンバーが行ったので、無許可どころかガッツリとメンバーが関わっていますよ。
(確かTV.Brosでの志麿さんの連載に詳しいことが載ってました)

まあ、ここ最近HYやクリープハイプなどレコード会社が勝手に出したベスト盤が世に出てるので、そう思ってしまうのもしょうがないですけどね…

(生意気言ってスイマセンでした。)

投稿: 通りすがりの読者 | 2014年5月19日 (月) 01時45分

>通りすがりの読者さん
そうでしたか!メンバーが選曲におもいっきり関わっていましたか!失礼しました。ジャケットがあまりにもやっつけなので(笑)てっきり・・・と思っていました。ご指摘、どうもありがとうございました。

投稿: ゆういち | 2014年5月29日 (木) 01時04分

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