話題の狼たち
Title:Beef Chicken Pork
Musician:MAN WITH A MISSION
今年秋、アメリカデビューが決定した話題の狼バンド。このアルバムはアメリカでの発売が予定されている、彼らの代表曲を英語でリメイクしたコンピレーションアルバム。ライブでの定番曲を集めたベスト盤的役割を果たすアルバムでもあるようです。
で、以前のCD評を見ていただければわかると思うのですが、正直彼らの楽曲はいまひとつピンと来ていませんでした。良くも悪くも「普通のパンク」といった感じで特に突き抜けたような部分はなく、なぜ彼らがあれだけ人気が出たのは、少々不思議にすら感じていました。
そんな私ですが、このコンピレーションアルバムははじめて彼らのアルバムに聴き入ってしまいました。テンポのよいリズム感と勢いあるサウンド、さらにポップなメロディーライン。特に、聴いているだけでテンションのあがるようなリズムカルなサウンドに、そこへ載る適度にへヴィーで、適度にキャッチーなメロディーのバランスが絶妙。リスナーをグイグイ引き込むような勢いを感じさせます
メロディーラインは良くも悪くもちょっとベタな部分があって、平凡な歌謡曲っぽい部分も垣間見れるのですが、今回のアルバムでは英語詞の影響か、そこがさほど気になりません。逆に、このベタさが彼らのサウンドをより「聴きやすい」ものとしているように感じました。
うん、今回のアルバムではじめて彼らがなぜあれだけヒットしているのかわかったような気がします。確かにこのテンションの高さ、ロックが好きならはまるかも。最近話題のMAN WITH A MISSIONがどんなバンドが知るためには最適な1枚と言えると思います。
評価:★★★★★
Title:Tales of Purefly
Musician:MAN WITH A MISSION
で、その次に聴いたのがこのニューアルバム。コンピ盤がよかっただけに期待したのですが・・・うーん、いまいち。以前のオリジナルアルバムと似たような感想(^^;;1曲1曲ではいい曲はあるのですが、アルバムを通して聴くと、いまひとつピンと来ません。
今回のアルバムは、メンバー書下ろしの物語をテーマとしたコンセプトアルバム。ただ、基本的な路線はいつもと一緒。へヴィーだけどポップでリズミカルな楽曲が並んでいます。個人的にいまひとつだと思うのは、まずへヴィー路線の曲がちょっと似たようなタイプの曲が多く感じてしまう点。あとひとつ、メロディーがどうも悪い意味でベタな歌謡曲テイストで、いまひとつメロからMAN WITH A MISSIONらしさを感じられない点でした。
特に今回はアルバムコンセプトからか、メロディーにどこかファンタジックで、憂いの要素を感じさせる曲が多く、それがまた一種のベタさを強調してしまった感じが・・・。もちろん、今回のアルバムにも聴かせる曲は少なくないのですが、アルバムを通して聴くと、やはりいまひとつピンと来ない、そんなアルバムでした。
評価:★★★
MAN WITH A MISSION 過去の作品
Trick or Treat e.p.
MASH UP THE WORLD
ほかに聴いたアルバム
ENCORE/清水翔太
清水翔太といえば、R&Bをベースにしながらポップ寄りの曲を歌うシンガーというイメージが強いのですが、2年ぶりとなったニューアルバムでは明確に、R&Bとは異なる路線の曲がメインとなっています。しかし残念ながら前半に関しては、平凡なラブバラードの連続。ラップの入った曲もあるのですが、これがまたおざなりにチープな内容。いかにもなレゲエ調の曲などもあったりして、正直、ちょっとうんざりとしてしまいました。
しかし、その雰囲気がガラッと変わったのはキャロル・キングの「You've Got A Freind」のカバーから。しんみり原曲のメロの良さをかみしめるような名カバーになっていましたし、続く「シンガーソングライターの唄」でもアコースティックなサウンドがベースのフォーキーにメロディアスなメロを聴かせる名曲。最後の「ENCORE」はあきらかに浜省をイメージした雰囲気が笑ってしまったののの、パワフルに聴かせるナンバーになっていました。
基本的にシンプルなメロディーと歌詞のポップスの方が変に凝った曲よりもおもしろいなぁ。前半は正直つまらなかったのですが、後半はそのイメージを一変する名曲揃い。そういう意味ではとても惜しいアルバムでした。
評価:★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2014年」カテゴリの記事
- まだまだ「実」だけど(2014.12.29)
- ロック入門...的な(2014.12.28)
- 踊れるロック(2014.12.27)
- レトロなガレージサウンドが心地よい(2014.12.26)
- 社会派三部作完結編(2014.12.23)
コメント