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2014年4月19日 (土)

グワナにロックなグルーヴが融合

Title:Unity
Musician:Hassan Hakmoun

「モロッコのレゲエ」と呼ばれる西アフリカのトランス音楽、グワナ。その代表的なミュージシャン、Hassan Hakmounのニューアルバムがリリースされました。以前、ライブベスト盤を紹介したことがありますが、オリジナルアルバムとしては12年ぶりとなる新作だそうです。

その以前紹介した「SPIRIT」ではトランシーなサウンドが魅力的と紹介したのですが、今回のアルバム、その魅力を紹介するとなると、ちょっと陳腐な表現かもしれませんが「グルーヴィー」。ギターサウンドをはじめ、バンドの醸し出す独特のへヴィーな「うねり」を前面に押し出したような作風になっています。

まさに今回のアルバム、1曲目の「Zidokan」の出だしこそ、このアルバムの雰囲気を物語るのではないでしょうか。まずスネアドラムの音から楽曲がスタート。ドラムが奏でる規則正しいリズムにからむように重いギターサウンドが載ります。ある意味、非常にロック的な出だし。ただ一方では楽曲に入ると典型的なコールアンドレスポンスの曲調に、ギターサウンドも同じフレーズを続ける、ミニマル的な展開となります。

ロック的なグルーヴ感を強く押し出しつつ、基本的な路線はグワナの要素をしっかりと残した楽曲。今回のアルバムには、そういうグワナに軸足を置きつつ、ロックの要素を取り入れて、結果、ロック的なグルーヴ感を楽曲に加えていた作品が多く見受けられました。

そういうスタンスは必ずしもロックとのコラボのみにとどまりません。「Amarmoussaoi」などではパーカッションがどこかラテン風。それ以外にもラテンの雰囲気を感じるような楽曲が多くありました。またユニークなところでは「Moulay Ahmed」では日本語らしき歌が聴こえてくるのですが・・・(^^;;彼、奥さんが日本人ということで、これはやはり聴いたまんま、空耳ではなく日本語なのでしょうか?

今回のアルバムはグワナを主軸に様々な音楽的要素を取り込んで、グワナという音楽の可能性を広げている・・・偉そうに言っているのですが、グワナについて詳しくもないのですが(^^;;そんな印象を受けたアルバムでした。

また一方では「Balili」など軽快なパーカッションをベースにトランシーにトリップできるようなアップテンポなナンバーも収録されており、こちらもとても魅力的。「Boudarbalayi」は静かに聴かせる歌を軸に、バックに静かに鳴り響くパーカッションが印象的などこか幻想的な雰囲気すら感じるナンバーで、こちらはより「アフリカ的」なものも感じます。

とにかく、アフリカ音楽として楽しめる一方、ロックリスナーにも彼の奏でるグルーヴ感はとても魅力的に感じるのではないでしょうか。そういう意味でもおすすめできる1枚です。

評価:★★★★★

Hassan Hakmoun 過去の作品
SPIRIT(邦題 スピリット~ライヴの軌跡)


ほかに聴いたアルバム

Les Revenants/MOGWAI

MOGWAIの今回の作品はイギリスのテレビドラマのサントラだそうです。もちろん、そのテレビドラマは日本では見れないのですが・・・でも、テレビドラマの音楽をMOGWAIが担当するってすごい・・・。

通常、サントラ盤はどうしてもドラマの中の効果音的な使われ方をする曲が多くなり、ドラマを見ていない人には退屈に感じさせる部分があるのですが、このアルバムはどのトラックも、1つの曲として成り立っているためMOGWAIのアルバムとして十分楽しめます。むしろ、ピアノの美しい音色にノイジーなギターサウンドがかぶさる曲の数々は、彼らにとってみては比較的シンプルなのですが、MOGWAIの魅力がしっかり伝わってきて、かついい意味でわかりやすい内容になっています。特に唯一の歌モノ「What Are They Doing In Heaven Today?」はアコースティックなサウンドに美メロが特徴的の絶品に仕上がっています。

MOGWAIのアルバムとして聴くべきおすすめできるアルバム。サントラといって、聴かないでおくにはあまりにもったいない1枚です。

評価:★★★★★

MOGWAI 過去の作品
The Hawk Is Howling
HARDCORE WILL NEVER DIE,BUT YOU WILL
Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000
Earth Division EP
Rave Tapes

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