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2014年4月

2014年4月30日 (水)

シングルアルバムどちらも1枚目

今週もアルバムは初登場少な目のため、シングルアルバム同時更新です。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位はジャニーズ系の新人。ジャニーズWEST「ええじゃないか」がランクインです。コテコテの関西ノリのデビューシングル。正直、関ジャニもいるし、こういうコテコテの大阪ネタはお腹いっぱいなんですが。初動売上は26万2千枚を記録していますが、今回のCD、4種類の販売形態+「MY BEST CD」というジャケットとカップリングを組み合わせられる形態のCDも発売しているとか。CD購入者対象のイベントも組みまくっているみたいで、ジャニーズ系も、AKBやらハロプロやらと大差がなくなってきているのね・・・という印象を強く抱きます。

2位はEXILEの弟分ユニットGENERATIONS from EXILE TRIBE「NEVER LET YOU GO」。爽やかでアップテンポなポップチューンです。初動売上8万6千枚は前作「HOT SHOT」の10万6千枚(2位)からダウン。

3位にはアニメキャラクターによるアイドルユニットμ's「それは僕たちの奇跡」。アニメ「ラブライブ!」オープニングテーマ。初動売上6万5千枚は前作「タカラモノズ」の3万6千枚(4位)から大幅アップし、初のベスト3ヒットとなりました。

4位以下初登場。まず4位に韓国の4人組バンドCNBLUE「Truth」がランクイン。本作はファンキーなポップチューン。初動売上3万5千枚は前作「Lady」の4万2千枚からダウン。

5位にはSCANDAL「Departure」が入ってきています。ちょっと切ない雰囲気でいかにもJ-POP的なポップスロック。初動売上は3万枚。前作「Over Drive」の1万5千枚(7位)よりアップ。ただ、前作はアルバムの先行シングルだっただけに売上を大きく落としていました。前々作「下弦の月」の2万8千枚よりは若干のアップにとどまっています。

6位以下は女性アイドルグループが目立つチャートに。6位にpalet「Keep on Lovin' You」、10位に夢みるアドレセンス「マワルセカイ」がそれぞれランクイン。paletはこれが2作目のベスト10ヒットで、初動2万1千枚は前作「Believe in Yourself!」の2万1千枚(9位)から横バイ。夢みるアドレセンスは3枚目のシングルで初のベスト10ヒットとなりました。また、このほか、7位にHKT48「桜、みんなで食べた」が先週の24位から急上昇しベスト10返り咲きとなっています。

8位には男女混合のダンスユニットDream5「Break Out」がランクイン。軽快なエレクトロチューン。テレビ東京系アニメ「妖怪ウォッチ」エンディングテーマ。初動1万6千枚は前作「We are Dreamer」の1万4千枚(7位)から若干アップ。「妖怪ウォッチ」は今、子供たちの間で大人気と聞いたのですが、タイアップ効果はあまりなかった模様。

そしてそんな中、孤軍奮闘なのが9位初登場秦基博「ダイアローグ・モノローグ」。初動売上1万5千枚は前作「言ノ葉」の1万1千枚(11位)からアップし、2012年の「エンドロールEP」以来のベスト10ヒットとなりました。彼らしい暖かい雰囲気のポップソング。ただ、残念ながら今回の売上増は、このCDにライブチケットを付けた影響のようで、複雑な気分です・・・。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは今週も新譜は少な目です。

そんな中で1位を獲得したのがAKB48の派生ユニット、Not yetの1stアルバム「already」。既にデビューから3年、シングル5枚をリリースしていますが、初のアルバムとなりました。初動売上は6万8千枚。シングルとしては直近作「ヒリヒリの花」の10万7千枚(1位)からは大きくダウン。まあ、アイドルのアルバムの売り上げはこんなものか・・・。

2位には米津玄師「YANKEE」がランクイン。もともとはハチという名義で初音ミクを使用した楽曲をニコニコ動画にアップし大評判を呼んだいわゆるボカロP。本人歌唱による前作「diorama」が初動売上2万5千枚最高位6位というヒットを記録しましたが、本作はそれを上回る初動3万枚、初のベスト3入りという結果となりました。

3位はMay J.「Heartful Song Covers」が先週の4位からアップし、2週ぶりにベスト3に返り咲いています。

続いて4位以下の初登場ですが、まずは5位。和楽器バンド「ボカロ三昧」が入ってきました。タイトル通り、和楽器を用いてボーカロイド曲をカバーしたアルバム。なかなかおもしろいアイディアで、デビューアルバムがいきなりのベスト10ヒットとなりました。

7位にはTM NETWORK「DRESS2」がランクイン。彼ら曰く「セルフリプロダクトアルバム」だそうで、要するに彼らの過去の楽曲をあらためてアレンジしレコーディングしたセルフカバーアルバム。1989年に同じコンセプトのアルバム「DRESS」をリリースしていますが、それに続く続編という位置づけだそうです。本人たちが関与したアルバムとしては2007年の「SPEEDWAY」以来。アルバムでのベスト10入りは、1999年の「STARBOX」以来、オリジナルアルバムでは91年の「EXPO」以来となり、活動再開後はアルバムでは初のベスト10入りとなります。ただし初動1万1千枚は、「SPEEDWAY」の1万6千枚からダウンしています。

最後、10位にスウェーデン出身3人組バンドDirty Loops「Loopified(邦題 ダーティー・ループス)が先週の16位からランクアップし、2週目にして初のベスト10ヒットとなりました。もともと、人気歌手の曲をカバーしYou Tubeにアップしていたところを、かのデイヴィット・フォスターに見いだされ、彼のツアーに帯同したことから話題となったバンド。フュージョンテイストのポップは日本人にもかなり耳馴染みやすい曲なので、まだまだヒットを記録するかも。

今週のヒットチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年4月29日 (火)

リセットせよ!!!

Title:RESET
Musician:ATARI TEENAGE RIOT

活動再開後2作目、3年ぶりとなるATARI TEENAGE RIOT。相変わらず世界に対して強烈なメッセージを発し続ける彼ら。今回、「RESET」というタイトルチューンでは

「そろそろお前はこう自問すべきだ
『お前の未来はまだ自分のものか』
時には最初からやり直したくならないか?
リセットせよ!!!」

(「Reset」より 訳詞 今井スミ)

という強烈なアジテーションをかましており、その勢いは全く衰えることがありません。

他にもこのアルバムのおそらく核となるであろう「J1M1」では

「奴らはけっと君を罰しようとする
君の良心を罪だと決めつけて
そうせずにはいられないの
そんな奴らに屈しないで!」

(「J1M1」より 訳詞 今井スミ)

というメッセージも。まさに全編、私たちを自分の思うがままに規制しようとする「勢力」に対してのアンチテーゼを、へヴィーなデジタルビートにのせて展開しています。

そんな今回のアルバムで個人的に一番印象に残ったメッセージが「Street Grime」の中の歌詞。

「憎悪に燃える者達はくだらない捏造をでっち上げ、自分の憎悪を正当化する」
(「Street Grime」より 訳詞 今井スミ)

残念ながら現在の日本で、特に韓国人に対してのいわゆるヘイトスピーチが少なからずみられるようになってしまいました。ヘイトスピーチを行っている本人たちは論外なのですが、驚くことに、特に保守勢力から韓国の反日政策や「在日特権」を盾に正当化する意見すら見受けられます。

このフレーズはそんな連中に対してにぶつけられているように感じました。彼らは差別感情という一種の憎悪を正当化しようとしています。しかし、古今東西、差別を行うものは必ず差別に対して何らかの正当性を与えようとします。例えば先日も取り上げた映画「それでも夜は明ける」では、奴隷主が聖書を片手に黒人差別を正当化するシーンが出てきます。例えば日本におけるいわゆる同和差別においても「穢れ」という概念で差別を正当化しようとします。差別主義者たちは必ず自分たちが行う差別を何らかの理屈をつけ正当化しようとする、自分たちが差別する側にまわらないためにもその事実は心に刻むべきだと、このフレーズを聴いて強く感じました。

ただ、そんな今の社会に対する強いメッセージを続々と繰り出している彼らのアルバムですが、正直アルバムの出来としては、ちょっと物足りなさも感じてしまいました。基本的にはいつも通りのへヴィーなデジタルビートにアジテーションのようなラップが載るスタイル。今回のアルバムはそんな中でへヴィーなサウンドがちょっと薄れ、良くも悪くも聴きやすくなったように感じます。

その結果、一度聴いただけで心臓を突かれるような強烈なインパクトを持つ楽曲は少なくなっていたかな、という印象を受けました。確かに「J1M1」のように心躍るナンバーも少なくなく、ライブは盛り上がるだろうな、という印象はあったのですが。その点、ちょっと残念に感じました。

もっとも、上にも書いた通りメッセージの強烈さは今回のアルバムにも変わりありません。世界に差別や貧困が残り、多くの弱者が一握りの強者に支配され続けるうちは彼らのその強烈なメッセージはまだまだ尽きることがなさそうです・・・・・・・残念ながら。

評価:★★★★

ATARI TEENAGE RIOT 過去の作品
ATARI TEENAGE RIOT 1992-2000
IS THIS HYPERREAL?
INTRODUCING DIGITAL HARDCORE

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2014年4月28日 (月)

早くも3度目の来日

Johnny Winter Japan Tour 2014

会場 名古屋ボトムライン 日時 2014年4月12日(土) 18:00~

Johnnylive

長らく「来日していない最後の大物」と呼ばれつつ、2011年、ついに初来日を果たしたブルースギタリスト、ジョニー・ウィンター。その時、よっぽど日本が気に入ったのか、その後もたびたび来日し、これが3度目となる来日ツアー。やはり「リビング・レジェンド」である彼のライブを一度は見ておきたいと思い、ボトムラインまで足を運びました。

会場に入るとだいたい8割程度の入り。そして、客の年齢層が高い・・・(^^;;平均で50歳くらいでしょうか?30代くらいの方もチラホラは見受けられたのですが、圧倒的に多い50代60代。ロックおやじ大集合といった感じのライブでした(^^;;

開演予定時間から10分くらいが経過すると、バンドメンバー自ら、開演のアナウンスを行い(あとでドラムのTommy Curialeだとわかったのですが)ライブがスタート。メンバーがステージ上にあらわれると、最後にバンドメンバーが手をひいてジョニー・ウィンターご本人が登場。もちろん会場は大いに盛り上がります。

最初はバンドメンバーでジャム演奏を行った後、まずはいきなり「Johnny B Goode」からスタート。会場はいきなりハイテンションとなりました。かなり分厚いバンドサウンドで、ハードな演奏を聴かせてくれました・・・が、うーん、ジョニー・ウィンターご本人は声が全く出ていない・・・ちょっと辛い感じのステージでした。

その後はレイ・チャールズやマディー・ウォーターズなどのカバーをまじえつつライブを展開。バンドは迫力満点のグルーヴィーなサウンドを聴かせてくれました。ただ、残念ながら、ジョニー・ウィンターのギターはちょっと控えめ。声もあまり出ていませんでしたし、特にアップテンポなロックンロールナンバーについては会場の盛り上がりで助かっていた部分が多かったように思います。バンドメンバーが、ジョニー・ウィンターの演奏をバックからお膳立てしていたステージ、というイメージがありました。

もっとも一方ではマディー・ウォーターズの「Got my mojo workin'」などミディアムなブルースナンバーのカバーに関しては、この渋いボーカルとゆっくりとしたジョニー・ウィンターのギターがいい味を出していて、彼くらいの年齢だからこそのステージをみせてくれました。

本編は約1時間超で終了。その後、もちろんアンコールへ。やがて再びメンバーが登場。この時、ジョニー本人はテンガロンハットをかぶっての再登場となりました。

で、このアンコールのジョニーの演奏は素晴らしかったです。2曲だけだったのですが、スライドギターをギュンギュンと聴かせる演奏。本編はバンドメンバーにお膳立てされたステージといった印象だったのですが、アンコールの演奏では、バンドをジョニー本人のギターで引っ張って行っているような迫力あるギタープレイを聴かせてくれました。最後を締めくくった「Highway 61 Revisited」では会場の盛り上がりも最高潮に。最後の最後で彼のギタリストのすごさを実感できました。

ライブは約1時間半程度。正直、予想以上に短い時間でしたが、まあ、御年70才のジョニーのことを考えると仕方ないのかなぁ。この日は最初から最後まで椅子に座っていて、残念ながら立ってのギタープレイは聴けませんでした。ただ、ちょっと70才としては彼、ふけすぎているのが気になります。まだ日本とアメリカを往復する長旅に耐えられるだけにお元気なようですが・・・。

正直どちらかというと昔からのファンが想い出にひかるようなステージ。ただ、もっともバンドメンバーは一流揃いで迫力のあるグルーヴィーな演奏は楽しめましたし、ジョニー本人もアンコールではさすがのギタープレイを聴くことが出来ました。満足か、と言われると時間も短かったし、ちょっと物足りなさもあるのですが、まあ、仕方ないかな、といった印象でしょうか。とりあえずジョニー・ウィンターご本人を見れた!プレイを聴けた!という意味で楽しめたステージでした。

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2014年4月27日 (日)

話題の狼たち

Title:Beef Chicken Pork
Musician:MAN WITH A MISSION

今年秋、アメリカデビューが決定した話題の狼バンド。このアルバムはアメリカでの発売が予定されている、彼らの代表曲を英語でリメイクしたコンピレーションアルバム。ライブでの定番曲を集めたベスト盤的役割を果たすアルバムでもあるようです。

で、以前のCD評を見ていただければわかると思うのですが、正直彼らの楽曲はいまひとつピンと来ていませんでした。良くも悪くも「普通のパンク」といった感じで特に突き抜けたような部分はなく、なぜ彼らがあれだけ人気が出たのは、少々不思議にすら感じていました。

そんな私ですが、このコンピレーションアルバムははじめて彼らのアルバムに聴き入ってしまいました。テンポのよいリズム感と勢いあるサウンド、さらにポップなメロディーライン。特に、聴いているだけでテンションのあがるようなリズムカルなサウンドに、そこへ載る適度にへヴィーで、適度にキャッチーなメロディーのバランスが絶妙。リスナーをグイグイ引き込むような勢いを感じさせます

メロディーラインは良くも悪くもちょっとベタな部分があって、平凡な歌謡曲っぽい部分も垣間見れるのですが、今回のアルバムでは英語詞の影響か、そこがさほど気になりません。逆に、このベタさが彼らのサウンドをより「聴きやすい」ものとしているように感じました。

うん、今回のアルバムではじめて彼らがなぜあれだけヒットしているのかわかったような気がします。確かにこのテンションの高さ、ロックが好きならはまるかも。最近話題のMAN WITH A MISSIONがどんなバンドが知るためには最適な1枚と言えると思います。

評価:★★★★★

Title:Tales of Purefly
Musician:MAN WITH A MISSION

で、その次に聴いたのがこのニューアルバム。コンピ盤がよかっただけに期待したのですが・・・うーん、いまいち。以前のオリジナルアルバムと似たような感想(^^;;1曲1曲ではいい曲はあるのですが、アルバムを通して聴くと、いまひとつピンと来ません。

今回のアルバムは、メンバー書下ろしの物語をテーマとしたコンセプトアルバム。ただ、基本的な路線はいつもと一緒。へヴィーだけどポップでリズミカルな楽曲が並んでいます。個人的にいまひとつだと思うのは、まずへヴィー路線の曲がちょっと似たようなタイプの曲が多く感じてしまう点。あとひとつ、メロディーがどうも悪い意味でベタな歌謡曲テイストで、いまひとつメロからMAN WITH A MISSIONらしさを感じられない点でした。

特に今回はアルバムコンセプトからか、メロディーにどこかファンタジックで、憂いの要素を感じさせる曲が多く、それがまた一種のベタさを強調してしまった感じが・・・。もちろん、今回のアルバムにも聴かせる曲は少なくないのですが、アルバムを通して聴くと、やはりいまひとつピンと来ない、そんなアルバムでした。

評価:★★★

MAN WITH A MISSION 過去の作品
Trick or Treat e.p.
MASH UP THE WORLD


ほかに聴いたアルバム

ENCORE/清水翔太

清水翔太といえば、R&Bをベースにしながらポップ寄りの曲を歌うシンガーというイメージが強いのですが、2年ぶりとなったニューアルバムでは明確に、R&Bとは異なる路線の曲がメインとなっています。しかし残念ながら前半に関しては、平凡なラブバラードの連続。ラップの入った曲もあるのですが、これがまたおざなりにチープな内容。いかにもなレゲエ調の曲などもあったりして、正直、ちょっとうんざりとしてしまいました。

しかし、その雰囲気がガラッと変わったのはキャロル・キングの「You've Got A Freind」のカバーから。しんみり原曲のメロの良さをかみしめるような名カバーになっていましたし、続く「シンガーソングライターの唄」でもアコースティックなサウンドがベースのフォーキーにメロディアスなメロを聴かせる名曲。最後の「ENCORE」はあきらかに浜省をイメージした雰囲気が笑ってしまったののの、パワフルに聴かせるナンバーになっていました。

基本的にシンプルなメロディーと歌詞のポップスの方が変に凝った曲よりもおもしろいなぁ。前半は正直つまらなかったのですが、後半はそのイメージを一変する名曲揃い。そういう意味ではとても惜しいアルバムでした。

評価:★★★★

清水翔太 過去の作品
Umbrella
Journey
COLORS
NATURALLY
MELODY

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2014年4月26日 (土)

今なお輝く歌声

Title:スーパー・シック~雪村いづみ オールタイム・ベストアルバム
Musician:雪村いづみ

雪村いづみ、というと正直言うと「名前は知っているけど・・・」程度の認識。江利チエミ、美空ひばりとともに「三人娘」と呼ばれていた昭和30年代頃の人気歌手、程度しか知りません。デビュー60周年を記念してリリースされた今回のアルバムも、「佐野元春監修」という話題性から、日本の戦後ポップス史の「お勉強」のつもりで聴いてみたアルバムでした。

2枚組CD+DVDとなった今回のアルバム。CDは「MONO Years」と「STEREO Years」と明確に時代をわけて収録。「MONO Years」では戦後すぐの天才少女と言われた少女歌手時代の曲を、「STEREO Years」では1960年に1年間のアメリカ公演を成功させてから現在までの曲を収録。こちらは佐野元春とのコラボ曲の新曲「トーキョー・シック」「もう憎しみはない」も収録されています。また、DVDには昭和30年代の映画で歌う貴重な歌唱シーンから、2012年のNHK「SONGS」でのステージの模様まで、貴重な映像が収録されています。

さて、そんな訳で戦後歌謡曲を知るという目的で聴いてみたアルバムなのですが、聴き始めて、洋楽のテイストをたっぷり含んだ、今、J-POPや洋楽に慣れ親しんだ耳で聴いても全く抵抗感のない作風にビックリしました。確かに、過去のヒット曲を聴く過程で、戦後すぐの昭和30年代頃は、意外と洋楽テイストの強いヒット曲が多い、という印象はあったのですが、それにしても彼女の楽曲は、いまでもともすればとても「モダン」なものとして輝いています。

基本的にビックバンドを従えてのジャズ風のアレンジがメインなのですが、ラテン風だったりミュージカル風だったりアメリカンポップだったり、洋楽の様々なジャンルをうまく楽曲に取り入れています。「STEREO Years」の作品では、シャンソンやニューミュージック風の曲にも挑戦。松任谷由実の「ひこうき雲」のカバーもあり(もともと雪村いづみへの楽曲提供を意図して書かれたそうですが)、これがまた彼女の包容力ある歌声で歌われると絶品なカバーに仕上がっています。

そんな中でもおもしろかったのが「フジヤマ・ママ」。もともとはアメリカのジャンプ・ブルース歌手アイスティーン・アレンの曲だそうですが、これが力強いソウルフルなシャウトのソウルフルなナンバー。ロックンロールな色合いも強く、1958年(昭和33年)のヒット曲だそうですが、こんな曲が昭和30年代前半の日本で聴かれていたという事実にビックリ。他にも「火の玉ロック」「ビバップ・ルーラ」など、ロックンロールテイストの強い曲も歌っており、ビートルズ以前にも日本でロックンロールが受容されていたことに驚かされます。

これだけ洋楽テイストの強い曲を歌いこなせるのは、彼女のすぐれたリズム感ゆえんのように感じました。彼女のリズムは歌謡曲的なスクエアなリズムではなく、ジャジーな曲ではちゃんとスウィングしており、ロックンロールなナンバーではちゃんとロックンロールのリズムをとっています。実際、ミッキー・カーティスと共演した「恋の片道切符」では、共演者からの影響か歌謡曲的なべたっとしたリズムになってしまい、とたんに歌謡曲的な作風になってしまっていました。

正直、2枚のアルバムのうち、間違いなくはまったのは「MONO Years」の方。「STEREO Years」でも、前述の「ひこうき雲」や、佐野元春との共演曲など魅力的な曲も多かったのですが、最近の曲になればなるほど、「無難な」ニューミュージック色が強くなってしまったように思います。それでもあくまでも洋楽テイストに拘り、よくありがちな演歌・歌謡曲路線とは全く無縁なのはさすがですが。

60年代のロックンロール、あるいは昔のスタンダードポップスが好きなら、意外と彼女の歌声にはまってしまうかも?これだけすぐれた楽曲が、戦後すぐの日本でヒットしていたという事実に驚きつつ、はまってしまいましたベスト盤でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

ロックンロール・ファンタジー/宇宙まお

なぜか「ROCKIN' ON JAPAN」でベタ押しの女性シンガーソングライター宇宙まおの初のフルアルバム。内容は良くも悪くもシンプルなガールズロックといった感じ。正直「ロックの神様」のような、ロックが云々歌う歌詞には鼻白む感じがするのですが、「あの子がすき」のようなシンプルなラブソングなどでは、24歳の彼女らしい、飾りのない気持ちが反映されていて好印象。変に肩の力を入れない方がいいのかも。

評価:★★★★

宇宙まお 過去の作品
ワンダーポップ

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名古屋圏フェス・イベント情報2014 (4/26)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。本格的なフェスシーズン到来し、続々と新情報が入ってきています。11月頃まで週1で更新予定です。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

イベントについているタグの種類
形態・・・【野外】【屋内】【ライブサーキット】【街角ライブ】
ステージ・・・【複数ステージ】【単独ステージ】
【サブステージ制】→ひとつの会場でステージが2つあり、交互に演奏する形態
場所・・・【都市型】【郊外型】【山中】【海辺】
ジャンル・・・【Rock】【Pop】【HIP HOP】【Punk】【Club】【Reggae】【Idol】【Jazz】【World】
その他出し物・・・【屋台】→食べ物の屋台の出店あり 【マーケット】→雑貨屋やフリマの出店あり
【非音楽イベント】→音楽以外のイベントあり
その他・・・【外タレ】【無料】【オールナイト】【キャンプ可】【キャンプ前提】

4/26更新
<開催決定>
SSMC2014、FREEDOM NAGOYA 2014、M.O.S.H.2014
<出演者追加>
今池"遊覧"音楽祭、UP PARK CAMP 2014 SHIMA REGGAE FESTIVAL、中津川THE SOLAR BUDOKAN 2014
<Time Table発表>
リゾームライブラリーIII、森道市場2014~フランシスコの海へ~
<終了>
びわこJAZZフェスティバル in 東近江2014

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2014年4月25日 (金)

ミュージシャンたちの思いがつまったアルバム

Title:MUSIC FROM AND INSPIRED BY 12 YEARS A SLAVE
(邦題 「それでも夜は明ける」ミュージック・フロム&インスパイアド・バイ・ザ・フィルム)

アカデミー脚本賞を受賞し、日本でも話題となった映画「それでも夜は明ける」。このアルバム、その映画の「サントラ」とはちょっと違います。映画で使われた曲も収録されていますが、エグゼクティヴ・プロデューサーのJohn Legendが声をかけたミュージシャンに映画を見せ、そこからインスパイアされた楽曲を収めるという形式のアルバム。サントラというよりも、この「映画」をテーマとしたコンセプトアルバムといった雰囲気の作品になっています。

映画「それでも夜は明ける」は私も先日映画館で見て、その感想をこのサイトでもアップしました(参照)。不要に感情的な部分を取り去って、事実を淡々と見せるようなつくりの映画で、必要以上の説明がないからこそ、逆に心につきささる作品でした。このアルバムもJohn Legend自ら「必要最小限のプロダクションにしたかった」と語っているようで、非常に音数を絞った作品が並んでいました。それはある意味、映画の作り方と通じる部分があるように思います。

しかし、音数を絞ってシンプルにしたからこそ、映画と同様、1曲1曲が心に突き刺さってくるようなアルバムになっていました。映画でも使われていたJohn Legend自ら歌う「ROLL JORDAN ROLL」は、まさに彼のボーカルをそのままさらけだしたような生々しい、しかしとても感情のこもった歌声が突き刺さりますし、やはり一番印象的だったのがAlicia Keysの「QUEEN OF THE FIELD(PATSEY'S SONG)」。劇中に登場するパッツィーに捧げた曲で優しく悲し気に、しかしどこか力強さを感じる楽曲は、まさに映画に登場するパッツィーのイメージそのものと言えるかもしれません。

また、Alabama Shakesの「DRIVE MAN」も非常に印象的。最初、ブリトニー・ハワードのボーカルと所々入るタンバリンのリズムのみからスタート。まるで奴隷たちが何の楽器もなく淡々と自分たちの歌を歌うような場面を思い起こすような楽曲になっています。また、映画の中で主人公ソロモン・ノーサップがはじめて自らの意思で黒人霊歌を歌うという印象的かつ重要なシーンで歌われる「ROLL JORDAN ROLL」も、おそらくそのシーンの歌唱をそのまま収録されており、映画を思い起こされる収録曲になっています。

そしてこれらの曲に限らずどの曲も、とても映画に対して強い思いを感じる楽曲になっていました。特にアメリカの黒人は、先祖をたどると必ずどこかで奴隷にぶつかりますがだからこそこの映画に私たちが思う以上に強い感銘を受け、その思いを歌にぶつけたのではないでしょうか。ライナーツノートのよるとJohn Legend本人も先祖のペイトン・ポリーは奴隷から解放された後、子供たちが誘拐され奴隷とされて、その後南北戦争が終わるまで子供たちは奴隷から解放されなかったという、この映画に通じるような祖先がいたそうです。それだけに、この映画にかける思いも誰よりも強いものがあったのでしょう。そしてそんな彼らの思いは、間違いなくこのアルバムを通じて私たちにも伝わってきました。

他にも映画で使われた、主人公が奏でるバイオリン曲や映画で繰り返し使われるメロディーなども収録されており映画を見た人にとっては映画のシーンを思い起こされる部分もたくさん。もっとも、普通のサントラ盤みたいに映画を見てないといまひとつ楽しめない、というアルバムではなく、むしろ参加ミュージシャンが気になるのなら映画関係なく要チェックのアルバムだと思います。

もちろん、楽曲の内容から映画に強くからむだけに映画もあわせてみたいところ。映画の方も文句なしにお勧めの作品なので、これを機に、映画とこのアルバムをどちらも是非。

評価:★★★★★

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2014年4月24日 (木)

いまだ第一線

ユニコーンツアー2014 イーガジャケジョロ

会場 名古屋国際会議場センチュリーホール 日時 2014年4月8日(火) 18:45~

Uni_live1

以前から足を運びたかったミュージシャンの一組、ユニコーンのライブに行ってきました。ちょうど先日、ここでも紹介したばかりのアルバム「イーガジャケジョロ」リリース後のツアー。会場は左の写真の通りソールドアウト。根強い人気を感じさせます。

さすが会場で見かけるファン層は、私と同年代かそれ以上、30後半から40代の方がメイン。親子連れもチラホラ。もちろん、若い人もチラホラ見受けられました。ある意味、居心地はいいライブでした(笑)。

ライブは予定時間から10分くらい経過した後スタート。ステージを覆う幕が落ちると、メンバーがそこに立っていて、ステージ中央にはどこかで見たようなピンクのドア・・・「どこでもドア」が(笑)。曲がはじまるとそのドアが開き、中からマイクを片手にEBIが登場。1曲目はアルバム「イーガジャケジョロ」から「夢見た男」からスタート。その後、「どこでもドア」は一度退場し、「KEEP ON ROCK'N ROLL」、そして懐かしいナンバー「スターな男」で会場は盛り上がります。

短いMCの後は「あなたが太陽」とこれまたちょっと懐かしい「あやかりたい'65」へ。その後は「どこでもドア」が再登場し、中から再びEBIが(笑)。ここからはEBIがメインのコーナー。マイク片手に「お前BABY」「Have A Nice Day」を客席を盛り上げつつ歌い上げます。

そのまま今度はABEDONがステージ中央へ。そのまま「WAO!」に突入し、会場はさらにヒートアップ。続く「鳥の特急便」では、へヴィーなバンドサウンドを聴かせてくれました。

ここで楽曲は一度ストップし、なぜか街中を車でめぐるような映像が会場に流れます。しばらくその映像が流れたかと思うと、いつの間にかステージ中央にタクシーを模したセットが。ここでABEDONとタクシー運転手ふんする川西幸一のコント(?)らしき出し物があった後、アルバムの中でも特にコミカルなナンバー「俺のタクシー」へ。最初、川西幸一が「毎度名鉄タクシーをご乗車いただきありがとうございました」と地元のタクシー会社の名前を出した時は会場から拍手が。そして中央のタクシーを模したセットはドラムセットになって、ここからは川西幸一がメインのコーナー。「俺のタクシー」が演奏される後ろでは、この楽曲の内容に沿って、メンバー全員で扮したコントの映像が流れました。

その後、川西幸一がセンターのまま「トキメキーノ」「イーガジャケジョロ」と続きます。さらに「We are All Right」と続き、会場は暗く、怪しい煙が立ち上る中、「ユトリDEATH」ではこれまたへヴィーメタルばりのハードな演奏を怪しげな雰囲気のステージで聴かせてくれました。

それが終わるとメンバー全員一度退場。会場にはてっしー一人が残り、彼ひとりでキーボードを弾き語りながら「それだけのこと」をしんみり歌い上げます。

そしてメンバー全員が再びステージへ。奥田民生がMCで「ここまででやりたいことは全部やりました。時間が余ったので、残りの時間でコンサートらしいことをやります」という彼ららしいコメントの後後半戦へ。「早口カレー」「オレンジジュース」「HELLO」と続いた後、おなじみのフレーズが流れ「大迷惑」へ!ここはやはり会場から大きな歓声がわき、一気にテンションはマックスになりました。

さらに「Boys&Girls」、さらに「Feel So Moon」とアルバムの中でもアゲアゲなナンバーが続き会場のテンションはマックスのまま本編終了へ。もちろん、大きなアンコールが起きます。

Uni_live2

(→会場外に設置されていた顔に穴が開いた「イーガジャケジョロ」の記念撮影用パネル)

アンコールでは、なぜかいきなりユニコーン世代には懐かしい「ヒゲのテーマ」が流れだし、チェック柄の派手な服に大きなリボンをつけたABEDONが登場。ピッチを異様にあげたマイクをつかいながら、メンバー紹介へ。全員同じチェック柄の派手な服を着て、「ヒゲのテーマ」にあわせて踊りながらステージに入ってきました。

さらにABEDONが「ここでクイズです」とMCへ。「名古屋名物で鉄板に乗った食べ物は、ちんぽこである」というとんでもないクイズを、さらには「答えは『はい』か『YES』で答えてください」というフリの後、「はいYES!」へ。こちら「イーガジャケジョロ」の「セブン&アイ盤」にしか収録されておらず、私も未聴のナンバーだっただけに、まさか演るとは思わず、ちょっとビックリ。はじめて聴けてうれしかったのですが。

この曲1曲で、メンバーは再びステージ外へ。もちろん再度のアンコールへ。再び登場した彼らは、今度はツアーTシャツを着て登場。そしてオーラスは名曲「すばらしい日々」!これもまたとても聴いてみたかったナンバーだけに、すごくうれしかったなぁ。最後は締めるところはちゃんと締め、2時間半におよぶライブは幕を下ろしました。

はじめて見たユニコーンのライブ。大ベテランの彼らなだけに、ステージは卒なく、聴かせるところはちゃんと聴かせ、盛り上げるところは盛り上げ、笑わせるところは笑わせるステージ。さらにメンバー全員の見せ場がちゃんと用意されているところはさすがです。

今回のライブで一番驚いたのは、アルバムからの曲を演るのはもちろんとして、ほとんどの曲が再結成後のナンバーで、昔のナンバーはあまり演奏しなかったこと。正直、昔のナンバーも聴きたかっただけにちょっと残念なのですが(とはいえ「大迷惑」や「すばらしい日々」など聴きたかった曲はキチンと聴けたのですが)、最近のナンバーがメインでも会場はしっかり盛り上がり、かつライブが終わった後に満足感が残るステージになっていました。彼らが、再結成バンドにありがちな「昔の名前で食べている」訳ではなく、いまでも第一線で活動を続ける現役のバンドであることが、今回のライブでも強く実感できました。

そんな訳でライブの内容には全く文句なく、期待通り、いや期待以上に楽しいステージでした。ただ一方ちょっと気になったのがこの日のファン層。ほとんどが私と同年代以上ということは、おそらく昔ファンになった方がメイン。これだけ現役感あるバンドなので、もうちょっと再結成後にファンになったような若いファン層も多いかと思っていたのですが(もちろん、そういうファンの方もチラホラはいましたが)。この点はちょっと残念。もっともっと若い方にユニコーンの良さを知ってほしいなぁ。これだけ素晴らしいステージを見せてくれるバンドなだけに、ちょっともったいなさも感じました。

とはいえ、とても楽しかったステージ。また近いうちに彼らのライブには足を運びたいです!

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2014年4月23日 (水)

イベントで勝負(苦笑)

先週に引き続き今週もアルバムチャートの初登場が少な目のため、シングルアルバム同時更新です。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

とりあえずまたアイドル系が目立つチャートになっています。

1位はモーニング娘。'14「時空を超え 宇宙を超え」。前作に引き続き今風のEDMテイストのアレンジのナンバー。初動売上11万9千枚は前作「笑顔の君は太陽さ」の14万9千枚(1位)からダウン。本作も相変わらずドーピングしまくりのイベント攻勢で売り上げをあげています。CD種類別の集計となるサウンドスキャンでは、最高位が通常版で、売上はわずか7千枚の3位にとどまっています。

続く2位はきゃりーぱみゅぱみゅ「ファミリーパーティー」。映画「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」主題歌。初動1万5千枚は、惜しくもベスト10落ちとなった前作「ゆめのはじまりんりん」の1万2千枚(11位)からアップ。タイアップ効果もさることながら、初回盤のDVDを2種類にした効果も。クレしん映画主題歌という影響か、基本、エレクトロ路線は相変わらずながらも、インパクトよりもメロディーを重視した印象。

3位にはアニメイラストのみで顔出ししないアイドルユニットClariS「STEP」がランクイン。初登場3位は前作「CLICK」の7位よりアップしているものの売上は2万枚から1万5千枚にダウン。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず5位にDANCE EARTH PARTY「PEACE SUNSHINE」がランクイン。EXILE、GENERATIONS、E-girlsのメンバーからなるダンスユニットの2作目。ラテンフレーバーの軽快なダンスチューン。初動売上1万3千枚は、前作「イノチノリズム」の1万5千枚(5位)からダウン。

6位はもう一組アイドルグループが。Rev.from DVL「LOVE-arigatou-」がランクイン。メンバーのひとり橋本環奈が「天使すぎるアイドル」として話題となったグループ。彼女の話題性もあってデビューシングルでいきなりのベスト10入りです。ただ、ルックスが売りのはずのアイドルにおいて、「かわいい」ということが話題になるって正直どうなのよ?また、今回のシングルの売り方もかなり露骨な複数枚買い戦略が話題になり、悪い意味でも話題になってしまいました。→参考サイト

初登場最後は10位に男性3人組ポップユニット、ソナーポケット「ai」がランクイン。昨年5月の「片想い。~リナリア~」以来3作ぶりのベスト10入り。ただ、初動売上9千枚は、14位に終わった前作「X'masラブストーリー。」の1万4千枚からダウンしています。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートは今週もちょっと寂しいチャートに

まず1位は人気女性声優水樹奈々「SUPERNAL LIBERTY」が獲得。1位獲得は2009年の「ULTIMATE DIAMOND」以来3作ぶり。ただ、初動売上は7万6千枚と前作「ROCKBOUND NEIGHBORS」の9万6千枚(2位)よりダウンしてしまいました。

2位は先週まで2週連続1位だった福山雅治「HUMAN」がワンランクダウンながらも2位をキープ。3位はロングヒットを記録中の「アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック」がワンランクダウン。売上も1万8千枚から1万7千枚と1千枚のみの減でロングヒットを続けています。

続いて4位以下の初登場ですが、まず5位にBIGMAMA「Roclassick2」がランクインしています。ロックバンドBIGMAMAがクラシックをテーマにクラシックの名曲のフレーズを曲に織り込む形で作成されたコンセプトアルバムの第2弾。なんと、このアルバムで初のベスト10ヒットとなりました。ただし、売上はわずか6千枚。最高位14位だった前作「君想う、故に我在り」の8千枚からダウンしています。

7位には、人気男性声優江口拓也、木村良平、代永翼の3人からなるユニット、Trignal「so funny」が入ってきました。2作目にして初のフルアルバムで、シングルアルバム通じてこちらも初のベスト10ヒット。ただし、初動売上は5千枚とベスト10としてはかなりの低水準。もっともミニアルバムの前作「PARTY」の4千枚(34位)よりはアップしています。

8位初登場は女性シンガーソングライターZAQのデビューアルバム「NOISY Lab.」。もともとニコニコ動画の「歌ってみた」コーナーで話題となったシンガーで、ベスト10入りはデビューシングル「Sparkling Daydream」の8位以来2作目。

今週の初登場は以上。かなり寂しいチャートとなったアルバムチャートですが、そんな中で返り咲きが1組。イギリスの男性アイドルグループOne Direction「Midnight Memories」が先週の16位から9位に返り咲き。3月17日付チャートの8位以来、6週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。売上も先週の4,884枚から5,151枚にアップ。ロングヒットを続けています。

今週のヒットチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年4月22日 (火)

大人の遊び

Title:イーガジャケジョロ
Musician:UNICORN

ここ最近、90年代のバンドが次々と活動再開していますが、その中でおそらくもっとも順調に活動を進めているのが彼らではないでしょうか。活動再開後もコンスタントにシングルやアルバムをリリースし、ツアーを行っており、彼らなりのマイペースさを保ちつつも、着々と活動を進めています。

彼らがマイペースながらも確実に活動を進められる理由はおそらくメンバーそれぞれのバンドや他のメンバーとの距離感がちょうどよいからのような気がします。メンバーそれぞれが、奥田民生や阿部義晴あらためABEDONはそれぞれソロ活動を進めながら、他のメンバーは電大としての活動を行うなど、バンドとは異なる活動を進めています。そのため、必要以上にバンドにこだわらず、良い関係を続けられる大きな理由のような印象を受けます。

今回のニューアルバムは、まさにそんな彼らが、ユニコーンというバンドで自由に遊んだ結果生まれたアルバムのように感じました。まさに「大人の遊び」。メンバーそれぞれがユニコーンというバンドで思いっきり遊んだ結果生まれたアルバムではないでしょうか。

そもそも「イーガジャケジョロ」というアルバムタイトル自体、意味のない言葉遊び。アルバムはそんなタイトル曲からスタートします。その後もパーティーチューン風(あくまでも「風」なところがユニークな)「夢見た男」、タイトルそのものがとぼけた雰囲気の「早口カレー」など、ユニークな楽曲が並んでいます。

後半も、タクシーに荷物を忘れた実話を歌った「俺のタクシー」やら、タイトル通りのデスメタル風ナンバー「ユトリDEATH」など、ユーモラスな楽曲が並んでいます。でも、「大人の遊び」が「大人」たるゆえんは、どの曲もベースはとてもしっかりとしたロックナンバーにしあがている点。「イーガジャケジョロ」は歌詞はユニークですが、本格的なブルースのサウンドがバックには流れていますし、「夢見た男」も、基本的にはオールドスタイルなロックンロールナンバー。ベースがしっかりとしており、締めているところは締めているからこそ、そのうえで自由に遊びまわれる・・・これぞ実力派の彼らだからこそ出来る「大人の遊び」だと思います。

ちなみに今回のアルバムは奥田民生ボーカルがアルバムの半分を下回っているところも特徴的。本人曰く「電大の3人(川西・EBI・手島)が自分たちで歌いたがって、みんな(歌を)振ってくれない」と語っているそうですが、ただ、それでも彼がさほどボーカルを取らなかったのは、やはりソロはソロで充実した活動を続けているからこそ生まれる余裕なのではないでしょうか。そういう点もまた、メンバーそれぞれバンドといい距離感を保っている証拠のように感じます。

「大人の遊び」で出来上がったアルバムなのですが、それでもこれだけの傑作をいともたやすくリリースしてしまうあたり、さすがといった感じ。いや、むしろ「大人の遊び」として自由に作ったからこそ、これだけの傑作になったのではないでしょうか。今後もマイペースな活動が期待でいる彼ら。そんなマイペースな彼らだからこそ、これからも傑作を期待できそうです。

評価:★★★★★

ユニコーン 過去の作品
シャンブル
I LOVE UNICORN~FAN BEST
URMX
Z
ZII
Quarter Century Single Best
Quarter Century Live Best


ほかに聴いたアルバム

TAPESTRY OF SONGS-THE BEST OF ANGELA AKI/アンジェラ・アキ

今年秋、アメリカの大学への音楽留学を決め、日本での音楽活動の無期限活動休止を宣言したアンジェラ・アキ。いままでの活動にひとつの区切りをつけるためでしょう、初となるベストアルバムがリリースされました。基本的にピアノの弾き語りで聴かせるミディアムテンポのナンバーが多く、良くも悪くも優等生的とは思うのですが、洋楽からの影響も強く感じる丁寧な曲づくりには好感が持てます。メロディアスなピアノポップはエルトン・ジョンやビリー・ジョエルなどのピアノポップ好きなら間違いなくはまりそう。

評価:★★★★★

アンジェラ・アキ 過去の作品
ANSWER
LIFE
WHITE
SONGBOOK
BLUE

フィードバックファイル2/ASIAN KUNG-FU GENERATION

シングルのカップリングや「NANO-MUGEN COMPILATION」にのみ収録されている、アルバム未収録音源をまとめたレア音源集の第2弾。そういういわば「寄せ集め」の音源集のため、アルバムとしてはまとまりがないのですが、バラバラな曲調がまたアジカンの音楽性が意外と幅広いんだな、と実感させられます。「夜を越えて」のようなシングル曲としても十分通用しそうなインパクトある曲もありますし、レア音源集として忌避しないでアジカンが好きなら聴くべきアルバム。

評価:★★★★★

ASIAN KUNG-FU GENERATION 過去の作品
ワールドワールドワールド
未だ見ぬ明日に
サーフ ブンガク カマクラ
マジックディスク
BEST HIT AKG
ランドマーク
THE RECORDING at NHK CR-509 STUDIO

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2014年4月21日 (月)

偉大なるバンドへのトリビュート

昨年5月、bloodthirsty butchersの吉村秀樹が急逝という衝撃的なニュースが飛び込んできました。bloodthirsty buthcersといえば、数多くのロックバンドがリスペクトの対象としてあげるバンド。そのギタリスト兼ボーカリストの突然の訃報は、多くのミュージシャン、音楽ファンにとってあまりにもショッキングなニュースでした。

そんなbutchersがいかに多くのミュージシャンにリスペクトされていたかがわかるトリビュートアルバムがリリースされました。

Title:Yes,We Love butchers~Tribute to bloodthirsty butchers~Mumps

Title:Yes,We Love butchers~Tribute to bloodthirsty butchers~Abandoned Puppy

奈良美智のジャケットもインパクトある2枚のトリビュートアルバム。驚くことに、さらにあと2枚のトリビュートアルバムリリースが予定されているあたり、彼らがいかに多くのミュージシャンのリスペクトされていたかがわかるかと思います。

butchersというと、実に個性的、独特なバンドサウンドで奏でる分厚いサウンドが耳を惹きますが、その一方、根本に流れているのは意外とメロディアスなメロディーライン(まあ、これはbutchersのアルバムを聴けばわかることなのですが)。今回のトリビュートでは、各自自分たちのバンドのスタイルでbutchersの曲をカバーした結果、彼らのポピュラリティーな側面がより表に出た仕上がりになっているように感じました。

そういうポップでしっかりしたメロディーが根本にあるため、基本的にはどのバンドも無難にはカバーしているような印象を受けました。その上で各自、いかに個性を加えていくのか、そこでバンドによって良し悪しの差が出たように感じました。

「Mumps」に関しては、怒髪天の「I'm on fire」では彼ららしいファンクやスカの要素を加えたアレンジがおもしろく、THE NOVEMBERSの「11月」も、幻想的な雰囲気のインストになっており、butchersとはまた異なった世界を繰り広げているのがおもしろく感じました。また向井秀徳の「プールサイド」もギター1本でキッチリ聴かせているのはさすがでしょう。ただ、思ったより向井秀徳としての個性を前面に出していないのは、butchersへの配慮でしょうか?

一方で、「Mumps」に関してはより良し悪しがバンドによってクッキリ出ていたような。MONOBRIGHT「サラバ世界君主」あたりは普通のギターロックになってしまっていてちょっと残念だったように感じます。

この2枚では、どちらかというと「Abandoned Puppy」の方がおもしろかったように感じます。特にこちらはバンドサウンドで迫力を感じさせる曲が多く、いわばbutchersと真っ向勝負することによって、リスペクトをあらわしているように感じました。

ACIDMANの「襟がゆれてる」やBRAHMAN「散文とブルース」などはまさにbutchersと真っ向勝負に挑んだような迫力あるサウンドで、どうだ!と言わんばかりのバンドサウンドを聴かせてくれるカッコいいナンバー。ちょっと個性的なカバーといえば八田ケンヂの「9月」はアコギでフォーキーにアレンジしており、こちらはbutchersのポップな側面を押し出したカバーになっていました。

まさにどのバンドからもbutchersへの愛情がヒシヒシ伝わってくるカバー。bloodthirsty butchersというバンドが、いかに多くのミュージシャンから愛された偉大なバンドだということが実感できます。どちらも、butchersファンはもちろん、参加ミュージシャンのファンにもお勧めの作品です。

評価:
「Mumps」★★★★
「Abandoned Puppy」★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BEST(2003-2013)/オレスカバンド

タイトル通り、昨年、結成10周年を迎えた女の子6人組スカバンドの初となるベスト盤。結成10年のベテランバンドとはいえ、結成当初、全員中学生だったそうで、それゆえ、まだメンバー全員20代という若いバンド。軽快で若々しいポップ色の強い楽曲からロックンロール色の強い曲、スカのリズムを強調した曲やレゲエっぽいサマーチューンなど、楽曲にはバラエティーを持たせつつ、とても楽しませてくれるポップチューンがメイン。なによりホーンセッションの明るい爽やかなサウンドが、女の子らしい爽快感とマッチしています。とはいえ、バラエティー豊かだった前半に対して、後半、ちょっと似たようなタイプの曲が並んでいたのはちょっとマイナス。とはいえ、とても楽しい1枚でした。

評価:★★★★

オレスカバンド 過去の作品
What a Wonderful World! vol.1
What a Wonderful World! vol.2

COLOR
Hot Number

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2014年4月20日 (日)

お花見のついでに

ZIP SPRING SQUARE

会場 鶴舞公園特設ステージ 日時 2014年4月5日(土)

桜の花が満開からちょっと散り始めた4月5日、名古屋のラジオ局ZIP FMのイベントライブ、ZIP SPRING SQUAREに足を運びました。

とはいえ、今回はライブ以上にお目当ては桜の花。鶴舞公園は名古屋市内でも花見のメッカのひとつ。桜が満開のこの日、ちょっとしたお花見がてらのライブでした。

Zipspring1

こんな感じで、桜の花が咲き誇っていました。

Zipspring2

花見客もたくさん押し寄せて、真昼間にも関わらず、各所で宴会が行われていました。

Zipspring3

桜の花は満開からちょっと散り始め。舞い散る桜の花もきれいでした。

Zipspring4

ライスステージはそんなお花見の会場の中にポツンと立っている感じ。一応、ZIP FM側で設置した屋台もありましたが、他にも屋台はたくさん。お花見の中の余興といった雰囲気のライブイベントになっていました。

NIKIIE

私が会場についてたのはこの日の12時半頃。会場の屋台で焼きそばをほおばりながら、最初に登場してきたのはNIKIIEという女性シンガーでした。彼女はこの日、名前も含めてまったくはじめて知るミュージシャン。1人のみでのステージで、キーボードのみでの弾き語りのステージでした。

基本的に聴かせるバラード系がメインのシンガー。ただ、自身のボーカルもキーボードの演奏も比較的力強さを感じるステージでした。彼女自身の雰囲気もかわいらしい方なのですが、一本筋が通ったような力強いものを感じます。

この日は全4曲。もちろん曲ははじめて聴く曲ばかりだったのですが、最後には新曲「どこまでも」を披露し、30分程度のステージが終わりました。個人的には、もうちょっと彼女だけの個性がほしい感じもしたのですが、力強い歌声が印象に残るステージでした。

Ms.OOJA

その後、しばらくして登場したのが地元四日市出身の女性シンガーMs.OOJA。キーボードとギターとの3人編成でのアコースティックなステージとなりました。

最初は軽快なナンバーの「It's OK」からスタート。その後、バラードナンバー「Be...」でしっかり聴かせ、3曲目には新曲「また恋をすることなど」を披露。こちら、なんと作詞はかの古内東子!基本的にすっかり恋を忘れてしまったような「大人」な女性が、ある瞬間、再びある男性に恋をしたことを描いたラブバラード。古内東子らしいしっかりした風景描写、心象描写が印象的なナンバーでした。

ラストは「また会える日まで」で、こちらは彼女自身の出身小学校の四日市の三浜小学校が廃校になることから、その小学校に送った歌。原曲ではその小学生のコーラスも入っているようで、歌詞はベタながらもやはり思い入れのある歌詞なだけに、印象に残るものがありました。

そんな訳で彼女も全4曲30分程度のステージ。Ms.OOJAは名前は知っていたのですが、曲を聴くのはこれがはじめて。彼女、R&B系と思っていたのですが、今回歌った曲はどれもあまりR&B色の強くない普通のJ-POP。古内東子と組んでいたりして、クラブシーンで最初歌っていたのでR&B的なイメージがついていたのですが、彼女自身、あまりそのジャンルに拘りはなさそう・・・。

彼女も確かに歌は安定していましたし、楽曲も決して悪くはないのですが、やはりちょっとMs.OOJAならではの個性という面が薄く、「普通のJ-POPS」みたいに印象付けられてしまいました。ただ、ラストの「また会える日まで」はさすがに聴かせますね。とても心に残るナンバーでした。

そんな訳でこのイベント自体はその後もラジオの公開収録などが続き、その翌日もイベントはあったようですが、ライブはここで終了。その後、公園内をプラプラ散歩した後、家路につきました。とりあえずこの日はポカポカ陽気の谷間でちょっと涼しかったのですが、美しい桜を堪能できた1日でした。

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2014年4月19日 (土)

グワナにロックなグルーヴが融合

Title:Unity
Musician:Hassan Hakmoun

「モロッコのレゲエ」と呼ばれる西アフリカのトランス音楽、グワナ。その代表的なミュージシャン、Hassan Hakmounのニューアルバムがリリースされました。以前、ライブベスト盤を紹介したことがありますが、オリジナルアルバムとしては12年ぶりとなる新作だそうです。

その以前紹介した「SPIRIT」ではトランシーなサウンドが魅力的と紹介したのですが、今回のアルバム、その魅力を紹介するとなると、ちょっと陳腐な表現かもしれませんが「グルーヴィー」。ギターサウンドをはじめ、バンドの醸し出す独特のへヴィーな「うねり」を前面に押し出したような作風になっています。

まさに今回のアルバム、1曲目の「Zidokan」の出だしこそ、このアルバムの雰囲気を物語るのではないでしょうか。まずスネアドラムの音から楽曲がスタート。ドラムが奏でる規則正しいリズムにからむように重いギターサウンドが載ります。ある意味、非常にロック的な出だし。ただ一方では楽曲に入ると典型的なコールアンドレスポンスの曲調に、ギターサウンドも同じフレーズを続ける、ミニマル的な展開となります。

ロック的なグルーヴ感を強く押し出しつつ、基本的な路線はグワナの要素をしっかりと残した楽曲。今回のアルバムには、そういうグワナに軸足を置きつつ、ロックの要素を取り入れて、結果、ロック的なグルーヴ感を楽曲に加えていた作品が多く見受けられました。

そういうスタンスは必ずしもロックとのコラボのみにとどまりません。「Amarmoussaoi」などではパーカッションがどこかラテン風。それ以外にもラテンの雰囲気を感じるような楽曲が多くありました。またユニークなところでは「Moulay Ahmed」では日本語らしき歌が聴こえてくるのですが・・・(^^;;彼、奥さんが日本人ということで、これはやはり聴いたまんま、空耳ではなく日本語なのでしょうか?

今回のアルバムはグワナを主軸に様々な音楽的要素を取り込んで、グワナという音楽の可能性を広げている・・・偉そうに言っているのですが、グワナについて詳しくもないのですが(^^;;そんな印象を受けたアルバムでした。

また一方では「Balili」など軽快なパーカッションをベースにトランシーにトリップできるようなアップテンポなナンバーも収録されており、こちらもとても魅力的。「Boudarbalayi」は静かに聴かせる歌を軸に、バックに静かに鳴り響くパーカッションが印象的などこか幻想的な雰囲気すら感じるナンバーで、こちらはより「アフリカ的」なものも感じます。

とにかく、アフリカ音楽として楽しめる一方、ロックリスナーにも彼の奏でるグルーヴ感はとても魅力的に感じるのではないでしょうか。そういう意味でもおすすめできる1枚です。

評価:★★★★★

Hassan Hakmoun 過去の作品
SPIRIT(邦題 スピリット~ライヴの軌跡)


ほかに聴いたアルバム

Les Revenants/MOGWAI

MOGWAIの今回の作品はイギリスのテレビドラマのサントラだそうです。もちろん、そのテレビドラマは日本では見れないのですが・・・でも、テレビドラマの音楽をMOGWAIが担当するってすごい・・・。

通常、サントラ盤はどうしてもドラマの中の効果音的な使われ方をする曲が多くなり、ドラマを見ていない人には退屈に感じさせる部分があるのですが、このアルバムはどのトラックも、1つの曲として成り立っているためMOGWAIのアルバムとして十分楽しめます。むしろ、ピアノの美しい音色にノイジーなギターサウンドがかぶさる曲の数々は、彼らにとってみては比較的シンプルなのですが、MOGWAIの魅力がしっかり伝わってきて、かついい意味でわかりやすい内容になっています。特に唯一の歌モノ「What Are They Doing In Heaven Today?」はアコースティックなサウンドに美メロが特徴的の絶品に仕上がっています。

MOGWAIのアルバムとして聴くべきおすすめできるアルバム。サントラといって、聴かないでおくにはあまりにもったいない1枚です。

評価:★★★★★

MOGWAI 過去の作品
The Hawk Is Howling
HARDCORE WILL NEVER DIE,BUT YOU WILL
Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000
Earth Division EP
Rave Tapes

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名古屋圏フェス・イベント情報2014 (4/19)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。本格的なフェスシーズン到来し、続々と新情報が入ってきています。11月頃まで週1で更新予定です。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

イベントについているタグの種類
形態・・・【野外】【屋内】【ライブサーキット】【街角ライブ】
ステージ・・・【複数ステージ】【単独ステージ】
【サブステージ制】→ひとつの会場でステージが2つあり、交互に演奏する形態
場所・・・【都市型】【郊外型】【山中】【海辺】
ジャンル・・・【Rock】【Pop】【HIP HOP】【Punk】【Club】【Reggae】【Idol】【Jazz】【World】
その他出し物・・・【屋台】→食べ物の屋台の出店あり 【マーケット】→雑貨屋やフリマの出店あり
【非音楽イベント】→音楽以外のイベントあり
その他・・・【外タレ】【無料】【オールナイト】【キャンプ可】【キャンプ前提】

4/19更新
<開催決定>
愛知REGGAE BREEZE2014、岡崎ジャズストリート2014
<出演者追加>
今池"遊覧"音楽祭、栄ミナミ音楽祭2014、SOUL BEAT ASIA 橋の下世界音楽祭、SAKAE SP-RING 2014、UP PARK CAMP 2014 SHIMA REGGAE FESTIVAL、まんまる音楽祭2014、中津川THE SOLAR BUDOKAN 2014
<Time Table発表>
びわこJAZZフェスティバル in 東近江2014

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報2014 (4/19)"

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2014年4月18日 (金)

次のアルバムへの「つなぎ」?

Title:パ・ド・プレ
Musician:Cocco

2006年の活動再開後、マイペースな活動が続くCocco。このアルバムもベスト盤を挟んでオリジナルとしては3年7か月ぶり、かつ、それだけ間が空いたにも関わらず、ミニアルバムでのリリースとなりました。

ただ、これだけリリース間隔があいたのですが、そこにはスランプ、産みの苦しみ、というものは感じません。もともと、Coccoというミュージシャンは、どうしても音楽を演りたい、というよりも、自分自身を表現するのに音楽しかない、というスタンスを感じるミュージシャンでした。それが一種自分の身を削るような音楽表現にもつながっていました。

しかしここ最近、彼女は映画や舞台といった場でも活躍をはじめました。それは彼女自身、音楽以外でも自分を表現する場所をみつけた、ということでしょう。その結果、音楽は、自らを表現する唯一の場所、よりも、純粋に楽しむものに変わったような印象を受けます。だからこそ、マイペースに4年近いインターバルを経てのアルバムでも、スランプや産みの苦しみ、という表現は適切ではないように思いました。

また、音楽活動再開後の彼女の曲は以前の曲に比べて優しい視点からの曲が増えていますが、このアルバムもまさにそんな彼女の優しいまなざしが感じられます。例えば「ありとあらゆる力の限り」では

「見届ける 最後まで
遠くまで 遥かまで
どうか 生きて」

(「ありとあらゆる力の限り」より 作詞 Cocco)

と歌っていますし、「キラ星」では

「逃げ道も道だって
さあ 生きてみろ
ここまでおいで」

(「キラ星」より 作詞 Cocco)

と優しい視点の歌詞が続きます。今回の曲は失恋、あるいはなにか大切なものを失ったようなイメージの曲が多いのですが、そのうえで彼女の歌声はリスナーの心を優しく包み込むように響きます。最後を締めるのが子守唄「ゆりかごのうた」のカバーというのも、そんな彼女の心のうちからくる選曲なのでしょう。

また、それに伴いメロディーやサウンドもとても優しい音に仕上がっていました。今回の作品は基本的にシンプルでアコースティックなアレンジがメイン。「キラ星」は分厚いバンドサウンドのアレンジになっていましたが、それでもシンプルなメロディーラインを優しく聴かせる楽曲になっています。

活動再開後の作品は、以前に比べて「ガツン」と来るような曲がなかったり、ちょっとマンネリを感じるようなイメージがありました。確かに今回のアルバムでも、そういう「ガツン」と来るようなタイプの曲はありませんし、基本、いつも通りのCoccoです。

ただ、シンプルなメロディーとサウンド、そして優しい歌詞と歌声が見事にマッチしており、このアルバムからはマンネリさや、「ガツン」と来ないことによる物足りなさはありませんでした。個人的に、活動再開後の最高傑作かも。いい意味で肩の力も抜けたようにも思います。

今回のアルバムタイトルは、バレエ用語で「繋ぎ」とか「間」とかいう意味だそうです。そうだとしたら、このアルバムをつなぎとして、近いうちに新たな作品がリリースされるのか?来るべき新作が楽しみになってくるようなアルバムでした。

評価:★★★★★

Cocco 過去の作品
エメラルド
ザ・ベスト盤


ほかに聴いたアルバム

Line The Wall/BO NINGEN

かなりユニークな名前のこのバンドは、ロンドン在住日本人4人組のバンドで、日本人オンリーながらも活動の拠点はイギリス。逆輸入という形で日本でも話題になっているバンドです。ただ、イギリスを活動拠点していながらも、楽曲は日本語詞。メロディーにもどこか日本的な哀愁を感じさせ、ひょっとしたらそこが逆にイギリスでも受けているのかもしれません。

楽曲は、ノイジーなギターが展開するサイケロック。時には比較的シンプルだったり、ハードロック風だったり、シューゲイザーっぽかったりと楽曲によって様々なスタイルに展開するのがおもしろかったりします。メロやサウンド含め、ちょっと不気味な雰囲気を醸し出しているのもユニーク。イギリスが活動拠点ということで、場合によってはイギリスでブレイクしちゃうのか?

評価:★★★★

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2014年4月17日 (木)

父の意志を受け継ぎつつも

Title:A Long Way To The Beginning
(邦題 ロング・ウェイ・トゥ・ザ・ビギニング~始まりへの長い道のり)
Musician:SEUN KUTI&EGYPT80

アフロビートの創始者としてその名を知られるFela Kuti。その末子にして、FelaのバンドEGYPT80を引き継いでいるSEUN KUTIの3枚目となるアルバムがリリースされました。前作「RISE」ではブライナン・イーノをプロデューサーとして迎えましたが、今回のアルバムでは新進気鋭のジャズピアノ/キーボード奏者として話題のロバート・グラスパーをプロデューサーとして迎えています。

基本的にファンキーなアフロビートと、ミニマルなサウンドとコール&レスポンスを繰り返し、昂揚感を煽るサウンドは前作と同様であり、かつ、Fela Kutiのアフロビートの根本の部分は、彼がきちんと引き継いでいるように感じます。以前、フジロックで素晴らしいステージを見せてくれましたが、今回のアルバムもライブでトリップできそうな、そんな風景が思い浮かぶ作品だと思います。

ただ、本作の特徴として、ロバート・グラスパーのプロデュースワークの影響でしょうか、以前の作品に比べて垢抜けた印象があります。というよりも、アフロ・ビートのサウンドに、様々な音楽の要素を加えてきました。

例えば「IMF」「African Smoke」ではラップを加えてきていますし、「Higher Consciousness」では、最初の入りがかなりジャジーな雰囲気で驚いた方もいるのではないでしょうか。「Ohun Aiye」では終始ラテンなリズムとサウンドが鳴り響いていて、アフロ・ビートとはちょっと異なる楽しいナンバーになっていますし、「Black Woman」では今風のR&Bを彷彿とさせるようなメロウな歌が流れたりしています。

ちょっとうがった見方をすると、こういうサウンドアプローチは、アフリカ音楽の西洋化という見方もあるようです。確かに気持ちはわからないことはないのですが、ただ、Fela Kutiから受け継がれたアフロ・ビートをただ奏でるわけでなく、西洋音楽、特にアメリカのポップミュージックとの出会いによって、あらたなサウンドを作り出そうという、Seun Kutiの意思もここからは感じられました。

もちろん、この方向性は一歩間違えると彼のアフロ・ビートが単なるイージー・リスニングとなる危険性もあります。しかし、SeunとEgypt80が奏でるビートは迫力と緊張感があふれ、そんな心配は杞憂のかなたへと捨て去っています。

また、彼の書く歌詞も強烈。特に本作では国内盤には対訳がついてきており、その歌詞の内容が私たちにも理解できるのですが、そんな中、「IMF」では、「IMF」=国際通貨基金を、「International Mother Fucker」と読み替えて、西洋圏の資本主義に対して強烈なメッセージを投げかけています。この歌詞は英語が理解できない私たちにとってもさすがにストレートに伝わってくる内容になってきました。

前作よりもいい意味で聴きやすく、メッセージ性もストレートで、個人的には前作よりも気に入った内容になっていました。フジロックのステージが非常に印象に残っている彼らだからこそ、また来日してこのアルバムをステージで見せてほしいなぁ。父の意思を受け継ぎつつ、新たな一歩を感じさせる傑作でした。

評価:★★★★★

SEUN KUTI&EGYPT80 過去の作品
FROM AFRICA WITH FURY:RISE

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2014年4月16日 (水)

SMAPが手堅く1位獲得

今週はアルバムチャートの初登場が少な目のため、シングルアルバム同時更新です。

今週のシングルチャート

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今週1位はSMAPのニューシングル「Yes we are」が獲得。さかいゆう作曲のバラードナンバーで両A面の「ココカラ」はなんとTRICERATOPS和田唱作詞作曲。ただし、こちらもロックンロールナンバーではなく、ミディアムテンポのメロウなポップスになっています。初動売上は13万8千枚。前作「シャレオツ」の20万7千枚(1位)から大きくダウンです。

2位はSEKAI NO OWARI「炎と森のカーニバル」。昨年の夏、同タイトルの野外ライブとライブツアーが行われましたが、こちらもそんなライブの雰囲気を引き継ぐようなファンタジックな雰囲気の楽しいナンバー。初動売上6万6千枚は、残念ながら1位を獲得した前作「スノーマジックファンタジー」の10万枚からダウンです。

3位は先週1位乃木坂46「気づいたら片想い」が2ランクダウンでこの位置です。

続いて4位以下初登場ですが、まずは4位。おなじみ水森かおり「島根恋旅」がランクイン。初動1万5千枚は前作「伊勢めぐり」の1万2千枚(8位)からアップ。相変わらず何の面白味もない様式化された演歌に地名を入れただけの「ご当地」路線。

5位から7位はアイドルグループが並びました。5位は男性アイドルグループDa-iCE「TOKI」、そして6位7位は女性アイドルグループ、6位Tokyo Cheer2 Party「進め!フレッシュマン」7位愛乙女★DOLL「High Jump!!」と並んでいます。

Da-iCEはK-POP風のアップテンポナンバー。初動売上1万5千枚は前作「SHOUT IT OUT」の1万4千枚(4位)から若干のアップ。Tokyo Cheer2 Partyははちゃめちゃな路線はももクロあたりを参考にしたのでしょうか。初動売上1万1千枚は前作「いいじゃん!」の8千枚(8位)よりアップ。愛乙女★DOLLは90年代J-POPの王道路線で雰囲気的には前作に続きアニソンっぽい雰囲気。初動売上1万1千枚は前作「蒼い空を望むなら」の1万4千枚(9位)よりダウンです。

8位は人気女性声優小倉唯と石原夏織によるユニットゆいかおり「LUCKY DUCKY!!」がランクイン。初動売上7千枚。8作目のシングルで初のベスト10入り。ただし初動売上7千枚は前作「Shiny Blue」(16位)から横バイで低水準のチャートに助けられた模様。

初登場最後9位はヴィジュアル系バンドvistlip「Period」が入ってきています。2011年リリースの「SINDRA」以来5作ぶりのベスト10ヒット。楽曲は、90年代のヴィジュアル系を思い出すような正統派のビートロック路線。初動売上7千枚は前作「CHIMERA」(13位)からこちらも横バイになっています。


今週のアルバムチャート

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こちらは2週連続。

今週1位は、先週1位福山雅治「HUMAN」が4万3千枚を売り上げて2週連続の1位を獲得。2位には「アナと雪の女王 オリジナルサウンドトラック」がワンランクアップで2位(ただし売上は2万6千枚から1万8千枚にダウン)。さらに3位にはMay J.「Heartful Song Covers」が先週6位からランクアップ。初登場から3週目にして初のベスト3入りとなりました(ただし売上は2万枚から1万4千枚にダウン)。

初登場最高位は4位。STAR☆ANIS「TVアニメ/データカードダス アイカツ! ベストアルバム Calendar Girls」。ゲーム「アイカツ!」とそこから派生したテレビアニメで使われる楽曲で収録したベスト盤が、初動1万2千枚でこの位置にランクインです。

続く初登場は7位。人気女性声優喜多村英梨「証×明 -SHOMEI-」がランクイン。これが2作目のアルバムで2作連続ベスト10入り。ただし初動売上は9千枚で、前作「RE;STORY」の1万6千枚(5位)を大きく下回ってしまいました。

8位にはロックバンドTHE BACK HORN「暁のファンファーレ」が入ってきました。初動売上は7千枚。直近は昨年9月にリリースしたB面ベスト「B-SIDE THE BACK HORN」で、こちらの初動6千枚(19位)よりアップ。オリジナルとしての前作「リヴスコール」の1万1千枚(10位)からは大きくダウン。厳しい結果となりました。

9位は「黒子のバスケ DRAMA THEATER 3rd GAMES 『すれ違っているかもしれません』」。タイトル通り、人気アニメ「黒子のバスケ」のドラマCD。ドラマCDとしては2012年11月の「黒子のバスケ DRAMA THEATER 2nd GAMES『それがボクたちのバスケです』」以来1年5か月ぶりというこの手のアイテムとしてはちょっと珍しいスパンの長さ。初動売上6千枚は、その「2nd GAMES」の1万4千枚(10位)の半減以下という厳しい結果になっています。

最後10位にはロックバンドザ・クロマニヨンズのシングル集「13 PEBBLES ~Single Collection~」がランクインです。彼ら初となるシングル集で5月にはカップリング曲集「20 FLAKES ~Coupling Collection~」もリリース予定。初動売上は6千枚で、直近のリリース、ライブ盤「ザ・クロマニヨンズ ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン」(11位)からほぼ横バイ。直近のオリジナル「YETI vs CROMAGNON」の1万7千枚(4位)からは大きくダウンです。

しかし、ザ・クロマニヨンズもすでに8年目。ヒロトとマーシーは、ブルーハーツもハイロウズも10年で畳んでいます。クロマニヨンズはここに来て初のライブ盤を出して、シングル集を出してカップリング曲集を出して・・・ひょっとして、これは・・・・・・。

今週のシングル&アルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年4月15日 (火)

さらに一回り成長

Title:RAY
Musician:BUMP OF CHICKEN

約3年3ヶ月ぶりとなるBUMP OF CHICKENの新作。その間、ベスト盤のリリースもありましたし、コンスタントにシングルがリリースされていたのですが、やはり待ちに待ったアルバムといった感じでしょう。

今回のアルバムでは、ベスト盤に引き続き、BOR-ARというアプリをダウンロードしてCDのジャケットや歌詞カードにかざすと、映像が飛び出してくる仕組み。↓こんな感じで

Bumpar_2

こちら、今回は山崎貴監督を迎えたストーリームービーになっています。ストーリー自体はさほど凝ったものじゃないのですが、バンプらしいファンタジックな内容が、ARの中で繰り広げられていて、単純にワクワクするような内容に。とても楽しい仕掛けになっていました。

さて、そんな久しぶりの新譜なのですが、待ちに待っただけの傑作に仕上がっていました。まずなにより名曲だったのがタイトルナンバー「RAY」。メロディーにしろサウンドにしろ実にBUMPらしさを感じる作品なのですが、電子音を軽く入れることによって、歌詞の世界にもつながるような明るさを感じさせます。かつ、いつものバンプなのですが、全体的にスケール感を覚える作品で、彼らが一回り大きくなったように感じました。

この「いつものバンプらしいギターロックなのにスケール感を覚える」という曲は「RAY」だけではありません。「虹を待つ人」や「ラストワン」といった曲でも同じようにスケール感を覚えます。J-POPでスケール感を出すために、最近、安直にストリングスを導入するバンドが多いのですが、彼らはいままでのバンドサウンドを奏でつつ、スケールの大きさを出すことに成功しています。そういう意味でも、彼らがさらなる成長を遂げたように感じます。

また、この「RAY」をはじめとして、アルバム全体としてとても明るい「光」のようなものを感じました。例えば「RAY」にはこんな歌詞が歌われています。

「○×△どれかなんて 皆とくらべてどうかなんて
確かめる間もない程 人生は最高だ」

(「RAY」より 作詞 Motoo Fujiwara)

人生にはいろいろとあるけれども、それも含めて人生は素晴らしい、今回のアルバムで彼らはそう声高に歌っているように感じました。実際、他にもこんな歌詞があります。

「色々と難しくて 続ける事以外で
生きている事 確かめられない
報われないままでも 感じなくなっても
決して消えない 光を知っている」

(「firefly」より 作詞 Motoo Fujiwara)

「信じたままで 会えないままで どんどん僕は大人になる
それでも君と 笑っているよ ずっと友達でしょう」

(「友達の唄」より 作詞 Motoo Fujiwara)

バンプっていうと、ファンタジックな作風のイメージもあって若者向けバンドというイメージも強いのですが、こういう内容の歌詞はともすればある程度年齢の行った人の方が心に来るものがあるように思います。そう思ってあらためて彼らのプロフィールを見ると、そうか、メンバー全員、今年もう35歳になるんですね・・・。確かにこういう歌詞って、30代半ばだからこそかける歌詞なのかもしれません。

でも昔のバンプのイメージをちゃんと残したまま、年齢なりの成長を遂げているという点に、彼らの実力を感じます。というのも、どうしても若者向けのイメージの強いミュージシャンはそれを引きずりすぎて、30代40代になると年齢と楽曲のイメージがチグハグになって「痛い」雰囲気になってしまうミュージシャンも少なくないから。しかしバンプは違いました。彼らは年齢ねりに、さらに一回り大きく成長を遂げたように感じます。

期待以上に素晴らしい傑作で、年間ベストレベルかも。正直、初期からのファンによくありがちなのですが、彼らの最高傑作はいまだに「THE LIVING DEAD」というイメージがあったのですが、本作はそれを超えたかも。いやBUMP OF CHICKENというバンドの素晴らしさを再認識させられたアルバムでした。

評価:★★★★★

BUMP OF CHICKEN 過去の作品
orbital period
COSMONAUT
BUMP OF CHICKEN Ⅰ[1999-2004]
BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]


ほかに聴いたアルバム

黒と影/黒夢

活動再開後2作目となる黒夢のニューアルバム。へヴィーでノイジーなギターロックに、実に個性的な清春のボーカルが展開。メロディーには歌謡曲っぽい雰囲気もあり、それも含めて、実に黒夢らしいアルバムに。ファンには満足行きそうな内容な半面、ファン以外にとっては波及しずらい雰囲気も。正直、少々内向きな雰囲気を感じてしまいました。

評価:★★★

黒夢 過去の作品
Headache and Dub Reel Inch

スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD" /スキマスイッチ

なんかツアーを行う毎に恒例になったスキマスイッチのライブアルバム。もちろん名曲そろいですし、ライブは楽しそうでその雰囲気も伝わってきます。ただライブ自体は安定感があり、ツアー毎にライブアルバムをリリースするほど、ライブ毎に違う顔を見せるようなタイプではないと思うのですが。ただ、ベスト盤リリース直後のツアーという意味でベスト盤的な選曲になっていて、そういう意味ではお勧めできるかも。

評価:★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"

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2014年4月14日 (月)

おもしろい曲もあるのですが

沖縄のロックバンド、HYが、ベストアルバムとオリジナルアルバムを同時にリリースしました。

Title:HY SUPER BEST
Musician:HY

このいかにもやっつけなジャケット写真とアルバムタイトルからもわかるように、例のごとく、移籍前のレコード会社が、本人たちに無断でリリースしたベスト盤。先日話題となったクリープハイプみたいにこれに関してバンド側からベスト盤を完全に否定するようなコメントはないものの、「聴きたい方は、是非、聴いて下さい。」という消極的なコメントがされています。

さて、HYの楽曲についてイメージする風景。それは公営の海水浴場の安いスピーカーから流れてきそうなそんな音楽(^^;;さわやかなサウンドは、まさに夏の海に流れるのがピッタリな一方で、良くも悪くも優等生的。メロディーは爽やかなポップだけども、良くも悪くも目新しさはありませんし、一応ラップを入れてミクスチャーロックの態をなしているものの、「ラップを入れるのがはやっているみたいなので、なんとなく入れました」程度の内容。このベスト盤にも収録されている「いちばん近くに」はNHKの朝の連ドラの主題歌に起用されていますが、良くも悪くもNHKの連ドラの主題歌のイメージもピッタリ来るような「爽やか好青年たち」というイメージがあります。

ただ一方では「よくあるJ-POP」で終わらせてしまうには惜しい名曲もチラホラあったりします。特に仲宗根泉がメインボーカルを取るバラード系ナンバーは、沖縄民謡の風味も加えてあって、個性的なバラードナンバーに仕上げてあって絶品。「あなた」などもなかなかの名バラードなのですが、「時をこえ」は、沖縄の歴史を背景にしたような歌詞も含めて、間違いなく名曲だと言えるナンバーになっています。

「是非とも聴いてほしい曲」も間違いなく含まれているベスト盤だと思うのですが、一方で、正直、メロにしても歌詞にしてもあまり面白みのないナンバーも少なくなく、そういう意味では惜しいバンドだな、という感じがします。個人的にはもっと沖縄音楽的な要素を強く打ち出した方がおもしろいのになぁ、と思ったのですが・・・。

評価:★★★

Title:GLOCAL
Musician:
HY

で、こちらが同日発売のオリジナルアルバム。爽やかなポップソングが並んでおり、こちらも良くも悪くもHYらしい作品。正直、全体的にサラッと聴けてしまって、ひっかかりは少ないなぁ。今回も、「帰る場所」のような仲宗根泉ボーカルの沖縄民謡のテイストが入ったバラードナンバーがあって、こちらに関してはなかなかおもしろいな、と思ったのですが、物足りなさを感じてしまったオリジナルアルバムでした。

評価:★★★

HY 過去の作品
Whistle
PARADE
Route29


ほかに聴いたアルバム

イマジナリー・モノフィクション/ヒトリエ

初音ミクを使用した、いわゆるボカロPとして人気を博し、「アンハッピーリフレイン」がオリコンチャート6位を記録するなど大ヒットしたwawoka率いるロックバンドのデビュー作。基本的にマイナーコード主体のギターロックなのですが、様々な音を取り入れて全体的にごっちゃになっているのが、いまどきのJ-POPらしい感じ。いまひとつ音楽的なルーツが見えにくいルーツレスな部分もJ-POPらしいところ。かなりハイテンポで、マシンガンのように繰り出される歌が、初音ミクに歌わせることを前提になっていそうな感じなのが、いかにもボカロP率いるバンドらしい感じが。良くも悪くも「いまどきのボカロP」が作りそうなアルバムになっているのがおもしろいところなのですが、こうやってネットコミュニティーから飛び出してくるようなミュージシャンが今度増えてきそう。まだまだボカロP出身の、もっともっとおもしろいミュージシャンも登場してきそう。

評価:★★★★

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2014年4月13日 (日)

今後が楽しみになる2作目

Title:a boy
Musician:家入レオ

2012年デビューシングル「サブリナ」がいきなりヒットを記録してブレイクした、女性シンガーソングライター家入レオの2作目。YUI、絢香を輩出した音楽プロデューサー西尾芳彦が主宰する「音楽塾ヴォイス」出身なのですが、YUIがYUIとしての活動を休止し、絢香の活動も活動休止を経て停滞気味な中、一人、彼女たちの穴を埋めるべくがんばっている、という印象があります。

デビューアルバム「LEO」は、楽曲は良く完成度の高いアルバムでした。ただ、この「完成度が高い」というのが曲者。いわゆる「現役女子高生シンガー」としてデビューした彼女ですが、この完成度の高さには「つくられた感」もチラホラ。実際、共作者として西尾芳彦がクレジットされているのですが、これ、実質は彼が作ってない?なんてことを感じたことも・・・。

今回のアルバムに関しても、この良くも悪くも完成度の高い作風は変わっていません。ただ、デビューシングルの「サブリナ」や「Shine」みたいな、一度聴いたら忘れられないようなサビの楽曲は少なく、そういう意味では若干地味な印象も受けます。ただ、サビがわかりやすくあか抜けていない曲が増えたという点で、本作も基本的に西尾芳彦と作曲は共作している曲が多いのですが、家入レオの関与する割合が増えたのでは?と邪推してしまいます。

その傾向には歌詞にも見て取れ、前作ではいかにもな中二病的な歌詞が多いのが気になったのですが、本作では中二病的な歌詞はグッと減りました。まあ「Free」みたいな、相変わらずな雰囲気の曲もあるのですが、例えば先行シングルの「チョコレート」では、タイトル通り、バレンタインデーのチョコレートをめぐる女の子の気持ちが描かれていて、等身大の彼女の姿を感じます。この曲に限らず、家入レオという19歳の女の子の等身大の姿があらわれた歌詞が多くなったように感じます。まあ、これはどちらかというと彼女自身が成長して、無理に自分を大きく見せることがなくなった、という側面の方が大きいのかも。

また、相変わらず楽曲に関しては90年代初頭のガールズポップを彷彿とさせるようなJ-POP路線のポップスロックがメイン。「希望の地球」など、前向きな歌詞も含めていかにも90年代っぽい路線。そういう意味では「おっさんホイホイ」な感じなのは相変わらずなのですが、ポップなメロが心地よい、適度にハードなギターロックは聴いていて素直に楽しめるポップソングとなっています。

インパクトという面では前作に劣るものの、その分、彼女の成長が感じられたアルバムになっていました。そういう意味でも今後が楽しみになってくるようなアルバム。まだまだ若干19歳の彼女。これからもどんどんと成長していきそうな予感のする作品でした。

評価:★★★★

家入レオ 過去の作品
LEO

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2014年4月12日 (土)

あらたなチャレンジはしつつも・・・。

Title:新世界
Musician:ゆず

前作「LAND」からわずか9か月、ゆずのニューアルバムが早くもリリースされました。今回のアルバムのテーマは「懐か新しい」だそうで、そのコンセプトの通り、彼らの新たな挑戦と、懐かしさを感じるナンバーが同居したアルバムになっています。

「新しい挑戦」として一番特徴的だったのは、新進気鋭のミュージシャンたちが参加しているところ。前作「LAND」でも参加した前山田健一やでんぱ組Incへの楽曲提供でも話題となった玉屋2060%などが編曲や作曲に参加しています。

彼らが参加してバリエーションが増えたのが中盤。「ユートピア」のような、お祭り囃子も入った昭和レトロな雰囲気の楽曲や、比較的へヴィーなギターロックを聴かせてくれる「レトロフューチャー」などといった様々なタイプの曲が展開しています。そんな中でも「幸せの定義」はエレクトロサウンドをちょっと入れたものの、基本フォーキーなゆずらしい楽曲で、まさにこのアルバムのコンセプトにピッタリの楽曲と言えるかもしれません。

一方で「懐かし」さを感じさせるのが「所沢」「四間道路」。特に「所沢」は路上ライブ時代にすでに歌われていた曲だそうで、ゆずらしいシンプルでフォーキーなメロディー、温かみのあり物語性ある歌詞などの内容がとても印象的なナンバーになっています。

このバラエティー豊かな新たな挑戦という側面と、懐かしいフォーキーな側面が同じアルバムに同居する構成はとてもおもしろかったと思います。個人的に、前山田健一編曲はゴチャゴチャしすぎているように感じてあまり好きではこともあって、やはりシンプルでフォーキーな作風の曲の方がゆずには合っていると思うのですが、それでもそこにとどまらない彼らの挑戦を感じることが出来ますし、そこから彼らの新たな可能性も感じます。

ただ、その一方でこのアルバム、ひとつかなり懸念する点がありました。それはシングル曲。「ヒカレ」「雨のち晴レルヤ」あたりが顕著なのですが、ストリングスをつかって、必要以上にスケール感を出そうとしているシングルがここ最近目立っています。おそらく「栄光の架橋」のヒット以降の傾向なのかもしれません。確かに、以前はアコースティックなサウンドと地続きなこれらの曲もおもしろかったのですが、これだけ次々とリリースされると、正直かなり飽きてしまいました。

アルバム全体としては「懐か新しい」というコンセプトはおもしろかったですし、それに沿った試みもそれなりにうまくいっているようにも感じます。ただ一方、ストリングスをつかってスケール感を表現する安直な作品がちょっと続きすぎており、その点、ちょっと聴いていてダレてしまった部分もありました。そういう意味で、とても惜しいアルバムであり、ゆずのこれからが楽しみになると同時に、不安も感じさせる作品のように思います。個人的にはシンプルなアコースティックな作風の方が、彼らの持ち味は生きると思うのですが・・・。

評価:★★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO
2-NI-
YUZU YOU[2006-2011]
LAND

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名古屋圏フェス・イベント情報2014 (4/12)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。さて、4月に突入し、本格的なフェスシーズン到来。今週からは週1で更新予定です。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

イベントについているタグの種類
形態・・・【野外】【屋内】【ライブサーキット】【街角ライブ】
ステージ・・・【複数ステージ】【単独ステージ】
【サブステージ制】→ひとつの会場でステージが2つあり、交互に演奏する形態
場所・・・【都市型】【郊外型】【山中】【海辺】
ジャンル・・・【Rock】【Pop】【HIP HOP】【Punk】【Club】【Reggae】【Idol】【Jazz】【World】
その他出し物・・・【屋台】→食べ物の屋台の出店あり 【マーケット】→雑貨屋やフリマの出店あり
【非音楽イベント】→音楽以外のイベントあり
その他・・・【外タレ】【無料】【オールナイト】【キャンプ可】【キャンプ前提】

4/12更新
<開催決定>
今池"遊覧"音楽祭、OUR FAVIRITE THINGS、ランティス祭り2014、
WINDBLOW'14、TREASURE05X、やらまいかミュージックフェスティバルin浜松
<出演者追加>
アーステイ名古屋2014 Around the tower、栄ミナミ音楽祭2014、森道市場2014~フランシスコの海へ~、SOUL BEAT ASIA 橋の下世界音楽祭、豊田ジャズスクエア、TAICOCLUB'14、頂ITADAKI2014、SAKAE SP-RING 2014、FUKUNE MUSIC FES.2014、OUR FAVORITE THINGS、中津川THE SOLAR BUDOKAN2014
<Area Map発表>
びわこJAZZフェスティバルin東近江2014、豊田ジャズスクエア
<Time Table発表>
豊田ジャズスクエア
<終了>
PUNKSPRING2014、
ZIP SPRING SQUARE 2014

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報2014 (4/12)"

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2014年4月11日 (金)

「HAPPY」が大ヒット

Title:G I R L
Musician:PHARRELL WILLIAMS

現在、アメリカのヒットチャートで1位を独走し、大ヒットをしている「HAPPY」という曲をご存じでしょうか。日本のラジオでもかかりまくっているのでサビを聴けば聴いたことある、という方も多いと思います。軽快でそれでいてメロウな曲調、妙にインパクトのあるサビのフレーズを聴けば、一度で忘れられないようなそんなポップチューン。おそらく、今年最大級のヒット曲になりそうなのですが、これぞ今回紹介するPHARRELL WILLIAMSの楽曲。もちろん、このアルバムにも収録されています。

PHARRELL WILLIAMSはご存じ、アメリカの大人気プロデューサー集団、ザ・ネプチューンズの一員で、N*E*R*Dのメンバーとしても活躍しています。2006年のアルバム「In My Mind」でソロデビュー。それから8年、ようやく発売されたのがこの2枚目となるソロアルバムです。

N*E*R*Dも心地よいポップソングを聴かせてくれるユニットですが、このアルバムもとにかく気持ちのよいポップアルバム。おそらく「HAPPY」を気に入った方にとっては、間違いなく気に入るアルバムではないでしょうか。

楽曲は、どこか80年代テイストのあるサウンドにファンキーなリズムがベース。美メロとも称せられるようなメロディアスなメロディーラインが奏でられるポップソングの連続になっています。かなり軽快な「Brand New」は、底抜けの明るさを感じられ、続く「Hunter」はどこかマイケルジャクソン風?「Come Get It Bae」は大ヒットナンバー「HAPPY」に続くだけに、比較的似たような雰囲気のナンバー。ファンキーな「Gust Of Wind」は、出だしのストリングスの美しさだけで胸がときめきます。

全体的に80年代を感じさせるようなナンバーは、決して「目新しい」といった感じではありません。しかし、聴く者の心をとらえるような美しいメロディーラインの連続に、思わず心ときめいてしまいます。比較的シンプルに、メロディーの美しさで勝負、という点はポップソングらしいポップソングですし、そういう曲がちゃんと大ヒットを記録している、という事実はやはりうれしくなってしまいます。

ジャンル的にはR&Bになるかと思いますが、そんなジャンル分けは無視して、特に80年代のような軽快で明るいポップソングが好き、という方には要チェックのアルバムだと思います。心地よいメロディーの傑作です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Holy Fire/FOALS

前作「TOTAL LIFE FOREVER」が高い評価を確保したイギリスの5人組ロックバンドの新作。前作同様、80年代風なニューウェーヴ路線に、ファンキーな要素も加え、かつドリーミーにまとめたサウンドがとても心地よい作風。前作以上にメロディーはポピュラリティーを増し、いい意味で聴きやすくなった印象も。

評価:★★★★★

FOALS 過去の作品
TOTAL LIFE FOREVER

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2014年4月10日 (木)

話題の映画サントラがベスト3入り

今週のアルバムチャート

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まず1位は、やはり強いあの男性シンガー。

1位は福山雅治「HUMAN」が獲得。アルバムとしては約4年10ヶ月ぶりと、かなり久々のリリースとなりました。初の2枚組になるアルバムで、うち1枚はこの約5年の間にリリースしたシングルがまとめて収録されています。ちなみにジャケット写真はもちろん福山雅治本人の脳の断面図で、ファンではないとちょっとグロテスク?初動売上は21万3千枚で、前作「残響」の26万枚(1位)からダウン。ただ前々作「5年モノ」の初動22万枚とほぼ同水準で、根強い人気を感じます。

2位は先週1位のKis-My-Ft2「HIT!HIT!HIT!」がワンランクダウン。そして3位。「アナと雪の女王 オリジナルサウンドトラック」。先週の4位からランクアップし、登場から7週目にして初のベスト3ヒットとなりました(ただし売上は先週の3万1千枚から2万6千枚にダウン)。映画は大ヒットを記録し、評判になっているみたいですね。楽曲の方も、松たか子や神田沙也加、さらにピエール瀧が歌う日本語版も話題になっているようですが、残念ながらこれらの楽曲はこのアルバムでは未収録。ただし、配信限定でリリースされており、こちらはiTunesチャートでも大ヒットを記録しているようです。ちなみにアメリカビルボードチャートでも2週連続1位を獲得するなど、海外でも大ヒットを記録しているようです。

続いて4位以下の初登場ですが、まず4位に加藤ミリヤ×清水翔太「THE BEST」が入ってきました。タイトル通り、加藤ミリヤと清水翔太のデュオ曲を集めたアルバム。初動売上2万3千枚で、加藤ミリヤの直近作「LOVELAND」の2万9千枚(3位)からはダウンしていますが、清水翔太「ENCORE」の1万2千枚(11位)からはアップという結果になっています。

5位にはOLDCODEX「A Silent, within The Roar」がこの位置。声優の鈴木達央のバンドプロジェクトだそうで、アルバムでは初のベスト10ヒット。初動2万1千枚は前作「CONTRAST SILVER」の5千枚(28位)から大きくアップ。

7位初登場はMISIA「NEW MORNING」。約2年8か月ぶりとなるニューアルバム。初動売上1万9千枚は前作「SOUL QUEST」から横バイ(7位)。ここ数作、7万→5万4千枚→1万9千枚と凋落傾向が続いていましたが、ようやく下げ止まりました。

8位にはμ's「ラブライブ!Solo Live! collection Memorial BOX II」がランクイン。アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ」の中のユニット、μ'sメンバーによるソロCDをまとめたボックスセット。定価1万8千円というお値段ながらも見事ベスト10入り。ここらへん、アニメファンの財力の強さを感じます・・・。

続いて9位に人気女性声優三森すずこ「好きっ」が入ってきています。アルバムとしてはこれがデビューアルバム。初動売上1万4千枚は、直近のシングル「ユニバーページ」の1万2千枚(5位)から若干のアップとなっています。

最後、10位には女性シンガーソングライターRihwaのメジャーデビューアルバム「BORDERLESS」が入ってきています。今年2月にリリースしたシングル「春風」がドラマタイアップもありヒットを記録しましたが、その影響でアルバムも見事ベスト10ヒット。ただ、初動売上1万1千枚は、「春風」の初動1万6千枚(7位)からダウンしており、楽曲のファンをいまひとつ引っ張りきれなかった感じが。今後にちょっと気にかかる数字です。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年4月 9日 (水)

またアイドル系が目立つも・・・

今週のシングルチャート

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今週もアイドル勢が目立つものの、他にも様々なタイプのミュージシャンの新曲も。

まずベスト3はAKB、韓流、ジャニーズと御三家(?)が並びました。1位はAKB系。乃木坂46「気づいたら片思い」。和風で清純派路線の王道アイドルソング。初動売上45万7千枚は前作「バレッタ」の39万5千枚(1位)よりアップ。ただ、乃木坂46についてはこんな話もあるみたいで、なんかここ最近、すっかりシングルチャートが曲を競う場ではなく「ドーピング合戦」になってしまっている感じが。

2位はK-POPのアイドルグループB.A.P「NO MERCY」がランクイン。デビュー以来統一して、ハードコアラップ風の曲となっています。初動売上4万枚は、前作「ONE SHOT」の1万8千枚(10位)から大きくアップし、初のベスト3入り。

そして3位はジャニーズ系。中山優馬「High Five」。ソロ2枚目のシングルで爽やかなアップテンポチューンはちょっとEXILE系っぽい?今時のナンバー。初動売上3万4千枚は前作「Missing Piece」の4万5千枚(2位)からダウン。

続いて4位以下の初登場。まずは4位。平井堅「グロテスク feat.安室奈美恵」が入ってきました。タイトル通り、安室奈美恵を迎えたコラボチューン。EDMテイストのナンバーは、安室奈美恵からの影響も強く感じるナンバーでなかなかカッコいい楽曲に仕上がっています。安室奈美恵をフューチャーした話題性もあり、初動売上は3万枚と前作「告白」の2万6千枚(5位)からアップしています。

5位はK-POP。5人組バンドFTISLAND「未体験Future」がランクイン。ポップなギターロックですが、ちょっとハードテイストはONE OK ROCKあたりの路線を意識しているのでしょうか?初動2万2千枚は前作「beautiful」の1万6千枚よりアップ。複数枚買わせて応募できる企画を行うなど、ドーピング効果も大きい模様。

そして6位は演歌。福田こうへい「峠越え」が入ってきました。これといって特徴のないド演歌なのですが、なぜか売れていますね。前作「南部蝉しぐれ」はロングヒットの末、最高位8位までランクをあげましたが、本作は初動1万2千枚で初登場で前作の最高位を超えてきました。

7位はアイドルグループアイドリング!!!からの派生ユニットアイドリングNEO「Sakuraホライズン」。今年は妙に多いサクラソングですが、またリリースですか。ちなみに前作に続きプロデューサーはSPEEDのプロデューサーとして有名な伊秩弘将・・・なのですが、SPEEDの曲と比べると、平凡な印象が。初動売上1万1千枚は前作「mero mero」の1万3千枚(14位)からダウンしていますが、低水準のチャートに助けられ2作目にして初のベスト10ヒット。

そして最後、9位にはヴィジュアル系バンドカメレオ「♪ラララ♪」が入ってきました。明るいテイストのポップ路線なのですが、ナルシスちっくな歌い方や高音部で展開するポップな曲調は典型的なヴィジュアル系っぽい曲調。初動売上7千枚は前作「妄想日記」の2千枚(38位)から大きくアップし、初のベスト10ヒットとなりました。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2014年4月 8日 (火)

話題のラップクルーの新作

Title:Page 2:Mind Over Matter
Musician:SIMI LAB

前作「Page1:ANATOMY OF INSANE」が大きな話題となり、一気に注目をあつめた神奈川は相模原を中心に活動するHIP HOPクルー、SIMI LABの約2年半ぶりとなるニューアルバム。前作の評判は聴いていたもののいままで聴けず、これがSIMI LABではじめて聴くアルバムになるのですが、これがまたメチャクチャカッコいい!!まず聴いてゾクゾクっとくるようなアルバムで、期待以上の作品でした。

まず強く印象に残ったのが、まずそのトラック。音数を絞ったシンプルなトラックがメインで、ビートを強調したトラックが、ある種のスタイリッシュさを感じます。リズムという点では、複雑なリズムラインの「Karma」「Kommunicator」あたりが印象的。ほかにも楽曲枚に様々な要素を入れつつ、バラエティー富んだ作風からは耳が離せません。

菊地成孔をサックスで迎えた「Dawn」は、そのサックスのフリーキーなサウンドが狂気的なサウンドを奏でていますし、「Come To The Throne」でもフリージャズ風なサウンドを構築しています。また、「Worth Life」ではスペーシーに、「Player」ではどこかユーモラスに、エレクトロサウンドもうまく用いています。ロック的な要素はトラックからは薄いのですが、「Oasis」からはちょっとブルージーな雰囲気も感じられます。

そんなトラックだけでも非常に耳を惹きつけられるのですが、もちろん、メインとなるラップもカッコいい!個人的に好みな、日本語を一言一言丁寧に綴る、というタイプのラップではないものの、しっかりとリズミカルに言葉を刻んでおり、なによりもメンバー全員のマイクリレーが決まっていました。マイクリレーで一番印象的だったのは「Mind Over Matter」かな。なによりも特徴的だったのが、メンバーの一人に女性ラッパーMARIAが参加している点。ちょっと泥臭い男性ラッパーの中にひとり女性ラッパーが混じることにより、楽曲にインパクトが加わります。「Dawn」のようなメロウなボーカルを聴かせてくれるナンバーもあったりして、彼女の存在がこのクルーの中でも大きいように感じました。

またリリックもアルバムで強い印象を与えてくれます。このSIMI LABの特徴として、メンバーの多くが外国人とのハーフということ。日本の中でいわゆるマイノリティーな彼らが、その出自を歌った「Roots」は特に印象的。前半は

「もう搾取される運命ってのがこの国の仕掛け」
(「Dawn」より 作詞 MARIA,DyyPRIDE,OMSB,USOWA)

「荒野と化した極東の都市東京」
(「Oasis」より 作詞 OMSB,DyyPRIDE,MARIA,JUMA)

のように、現実をどこか醒めた目で厳しく切り取っているような描写が多いのですが、後半になると日常を描いた「Worth Life」や、「Roots」のように個人的な描写、身の回りの描写が増え、最後「Come To The Throne」「We Just」ではSIMI LABとして前向きな方向性を感じる曲でアルバムは締めくくられます。

地方都市でマイノリティーで、というと、ちょっと前なら単純にアンダーグラウンド、ギャングスターの方向に向かいそうな印象もあるのですが、彼らのリリックからは、その手の「やばさ」はあまり感じません。そういう意味でも新しい時代のユニットと言えるのかもしれません。

最初から最後まで聴きどころたくさんのアルバムで、まさに鳥肌モノという表現がピッタリくるような作品だったと思います。間違いなく、今年のベスト盤候補の1枚。話題のユニットなだけに、ラップ好きはもちろん、そうでなくても要チェックな重要盤です。

評価:★★★★★

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2014年4月 7日 (月)

愛情あふれるカバーアルバム

Title:GOING BACK HOME
Musician:THE BAWDIES

最近、よく洋楽が聴かれなくなった、という話を聴きます。確かに最近、以前ほどは洋楽の大ヒットアルバムというのが少なくなりましたし、ミュージックシーンにおいても洋楽からの影響をあまり感じないようなミュージシャンも増えてきました。もちろんそれは邦楽のクオリティーがあがり、洋楽との差が少なくなってきたというポジティブな理由もあるのでしょうが、一方では全体的に音楽シーンが内向きになっている、ネガティブな風潮も感じます。

ただ、そんな状況の中でおもしろいのが、海外のロックンロールやブルース、ソウルなどの影響をダイレクトに受けているTHE BAWDIESが人気を博している点。彼らは歌詞も英語であって、いわば歌詞の側面から日本のリスナーに親近感、という感じでもありません。THE BAWDIESがこれだけ売れているという事実からすると、洋楽が売れない、というのは売ろうとしないレコード会社側の怠慢では??

まあそれはともかく。今回リリースされたのは彼らの結成10周年を迎えて制作された初となるカバーアルバム。彼らに強い影響を与えた主にソウルやR&B、ブルースの楽曲をカバーしています。

彼ら曰く、入門編として選曲されたアルバムということで、確かにRay Charles「What'd I Say」やSam&Dave「Soul Man」(彼らのライブの始まりの音楽ですね!)など、スタンダードナンバーがメインの選曲になっています。正直、超有名って感じかなぁ、というくらいのちょっと渋い選曲もあるのですが、確かにこの曲をきっかけにさかのぼって、ソウルやR&Bの世界に入り込める、そんなアルバムだったと思います。

基本的に彼らがリスペクトするミュージシャンたちの曲のカバーだけあって、原曲を大きく変化させたような曲はありません。例えばHowlin' Wolfの「Spoonful」では、あのしゃがれ声の迫力あるボーカルに、必死に追いつこうとしているROYのボーカルがとても好感が持てるカバーになっています。

ただ、その一方で原曲に従いつつも、それなりにTHE BAWDIESなりの解釈を加えつつ、ちゃんとTHE BAWDIESというバンドが、2014年という今の時代に奏でるサウンドにつくりあげています。音圧が増えたという点もあるのですが、ガレージバンドとしてのフィルターを通しているような印象を受けました。そういう意味では、単なる一方的な敬愛だけではなく、THE BAWDIESとしての主張と、今のバンドの自信も感じられるカバーだと思います。

THE BAWDIESのファンなら、これを機に原曲もあさってほしいなぁ、という感じもします。特に、邦楽しか聴かないTHE BAWDIESのファンにとっては、洋楽への最適なガイドブックにもなるのではないでしょうか?まあ、時代性もあるので、いきなり原曲を聴いてもピンと来ないかもしれませんが・・・そういう方は、今話題のTHE STRYPESとかいかが?

そんな訳で、ソウルやR&B、ブルースに深い愛情を抱く彼らが、バンドとしての自信を得た結成10年たった今だからこそリリースできたようなカバーアルバムだったと思います。THE BAWDIESの先人に対する愛情と、そしてバンドとしての実力を実感できたアルバムでした。

評価:★★★★★

THE BAWDIES 過去の作品
THIS IS MY STORY
THERE'S NO TURNING BACK
LIVE THE LIFE I LOVE
1-2-3


ほかに聴いたアルバム

どこまでいくの実況録音145分/ハナレグミ,So many tears

スカパラ茂木欣一、加藤隆志と、FISHMANSやPolarisで活躍する柏原譲からなるロックバンド、So many tearsとハナレグミとのコラボライブの模様を収録したライブ盤。ゲストとしてスカパラの沖祐市も加えた豪華なラインナップで、本人たちの曲のみならず、スカパラやSUPER BUTTER DOG、FISHMANSのカバーに、さらにはマイケル・ジャクソンや杏里のカバーまで収録。みっちり2枚組145分のボリューミーな内容になっています。

実力的には折り紙付きなメンバーで、会場の盛り上がりはライブ盤を通じても伝わってきます・・・・・・が、これだけのメンバーのライブとしては、正直、聴いていてちょっと物足りなさを感じました。おそらく、特にSUPER BUTTER DOGの楽曲が、ロック寄り、それもハードロックっぽくアレンジされすぎていて、ファンキーさが薄くなった印象があるのが大きいのかなぁ。そのため、全体的にちょっとアレンジがのべっとした雰囲気になったように思います。生で見ればもっと楽しかったのかもしれませんが・・・。もちろん、各曲は名曲揃いで、決して悪いアルバムではないと思いますし、ファンなら要チェックの1枚なのは間違いないのですが。

評価:★★★

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2014年4月 6日 (日)

ソウル・フラワー・ユニオンの歴史

Title:SOUL FLOWER BOX 1993-1999
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン

Soulflower

リリースはもう2年半も前でいまさらながら感もあるのですが・・・ベスト盤のリリースや、評伝の発売で個人的にソウル・フラワー熱が高まり一気に買ってしまいました(笑)。ソウル・フラワー・ユニオンのCDボックスセット。キューン・ソニー時代にリリースされたソウル・フラワー・ユニオンのアルバム4枚にソウルシャリスト・エスケイプ名義のアルバムを紙ジャケ化して収録。さらにはレア音源を集めた「レアリティーズ 1995~2005」を加えた6枚組のボックスセットです。

ソウル・フラワーのアルバムは、初期の作品でまだ聴いていないものや、CDを持っていないアルバムもあったので、ちょうどいい機会ということもあり購入。ズシリと重いボックスに、解説や写真を収めたブックレットもついてきています。

アルバムのリリース順にあらためてソウル・フラワー・ユニオンのアルバムを聴いて、あらためてソウル・フラワー・ユニオンというバンドが、時代に応じて、どんどん「日本のロック」という独自の音楽性を確保していった過程がよくわかります。

どちらかというとメスカリン・ドライブの色合いが強いデビューアルバム「カムイ・イピリマ」に続く「ワタツミ・ヤマツミ」は初期の傑作。トラッド風味はこのころから健在で、いわゆる「エンヤトット」的な要素も見え隠れしつつも、まだまだ後のアルバムのような、和風なリズムを取り入れた要素は薄い感じ。ただ、名曲「レプン・カムイ」や、勢いのあるロックナンバー「リベラリストに踏絵を」は初期ならではの名曲。この段階でひとつの完成形に到達してしまったような印象すらあります。

それがさらに新たな一歩進み始めたのが、1995年の阪神淡路大震災と、そこでのモノノケ・サミットとしての活動を経た「エレクトロ・アジール・バップ」で、ここで彼らの音楽性に明らかな変化が。日本の昔からの民衆歌を取り込んだ、「エンヤトット」的な要素が一気に強くなります。

そしておそらくそんな日本の大衆音楽を自分たちのものとしたのが続く「ウィンズ・フェアグラウンド」。まさにソウル・フラワー・ユニオンの新たな到達点であり、彼らのキャリアにとってもっとも勢いのある時期のように思います。

このボックスセットには収録されていませんが、さらに推し進めて、日本の大衆音楽を取り込んだうえで、欧米のロックとは全くことなる「日本のロック」を完成させたのが続く「スクリューボール・コメディー」で、私が彼らのアルバムにはじめて触れたのもこのアルバム。その当時、すっかりはまったのですが、初期アルバムから聴きなおしても、おそらく彼らの最高傑作は、「ウィンズ・フェアグラウンド」か「スクリューボール・コメディー」と言えるのではないでしょうか。それだけこの時期の彼らの勢いはすさまじいものがあります。

そして、このボックスセットの目玉が「レアリティーズ」。様々なミュージシャンとのコラボ曲や、オムニバスアルバムに参加した曲などが収録されています。それだけに楽曲の種類もバラバラ。沖縄民謡から歌謡曲、フォークやトラッドなど多種多様。それにも拘わらず、様々なミュージシャンとのコラボの中でも、一本筋の通った、ソウル・フラワー・ユニオンらしさを感じます。アルバム全体としてチグハグさすら感じる曲調なのに、一方ではまとまりすら感じさせる、ちょっと不思議な雰囲気のアルバムでした。

Web通販限定で、15,000円というちょっとファン以外には手が出にくい商品ですが、ファンなら買い、といいたいけど、アルバム全部持っている方は、さすがに「レアリティーズ」のみ目当てでこのお値段はキツイかなぁ。未発表音源の「ラリラリ東京(Part 2)」も短いインスト曲で、過度な期待はできない作品ですし・・・。評価はそういう意味も込めて。ただ、内容自体はもちろん名曲揃い。7枚のアルバム、一気に聴きとおせます。まだまだ個人的なソウル・フラワー熱は続きそうです。

評価:★★★★

ソウル・フラワー・ユニオン 過去の作品
満月の夕~90's シングルズ
カンテ・ディアスポラ
アーリー・ソウル・フラワー・シングルズ(ニューエスト・モデル&メスカリン・ドライブ)
エグザイル・オン・メイン・ビーチ
キャンプ・バンゲア
キセキの渚
踊れ!踊らされる前に
ザ・ベスト・オブ・ソウル・フラワー・ユニオン 1993-2013


ほかに聴いたアルバム

濡れない音符/湯川潮音

約3年ぶりとなる湯川潮音のニューアルバム。アコギとピアノとストリングスをメインとしたアコースティックなサウンドで、ポップだけれどもちょっとファンタジックな雰囲気が魅力的。「笛吹きの少年」ではworld's end girlfriendがアレンジにも参加しています。もっとも基本的にはシンプルでメロディアス、彼女の澄んだ歌声を生かしたポップがメイン。ちょっとここ最新のアルバム、インパクトが薄いのが気になるのですが。

評価:★★★★

湯川潮音 過去の作品
灰色とわたし
Sweet Children O'Mine
クレシェンド

願いがかわるまでに/川本真琴

川本真琴名義としては3年ぶりとなるニューアルバムは5曲入りのミニアルバム。今風なリズムの「fish」「gradation」、80年代っぽい「That star in the vicinity of the moon」など、わずか5曲入りでもバリエーションが多く、最後の「FUNCTION」のようなソウルテイストが若干強いかな?一方、タイトルナンバー「願いがかわるまでに」はノスタルジックな雰囲気が漂うメロディアスな曲で、メロディーメイカーとしての実力も感じます。

ちょっと地味な雰囲気が強かった前作「音楽の世界へようこそ」と比べるとポピュラリティーは増した感がある一方、バラバラな作風で彼女の方向性もちょっとぼやけたような印象も。川本真琴の魅力は十分に感じられるのですが。

評価:★★★★

川本真琴 過去の作品
音楽の世界へようこそ(川本真琴feat.TIGAR FAKE FUR)
The Complete Single Collection 1996~2001

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2014年4月 5日 (土)

それでも夜は明ける

ちょっと前の話なのですが、一見するとなにげない経済ニュースなのに、とても不気味さを感じさせたニュースがありました。テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の中の特集で、ミャンマーに進出する日本企業を支援するコンサルの話が取り上げられていたのですが、そのコンサルの説明会の中で、ミャンマーの人件費の話が取り上げられ、参加した日本企業への売り文句として、人件費が中国の4分の1であるという事実が、人型のグラフを用いて説明されていました。

もちろんコンサルに中国人やミャンマー人への差別的な意図は全くありません。ミャンマーの人件費が安いという事実を淡々と説明したにすぎません。しかし、そこには「人件費」の向こうに生きている人間がいるという事実がまったく無視されています。「人件費」という数字だけをみつめて、その「数字」をカットすることだけを考えている彼らの模様を映したニュースに、非常に不気味なものを感じました。

アカデミー賞作品賞を受賞して日本でも一躍話題となった映画「それでも夜は明ける」を、見ました。自由黒人であった主人公が(この北部での自由黒人という制度自体、この映画ではじめて知ったのですが)南部に誘拐され奴隷にさせられるも、奇跡的に救出される実話を描いた作品。監督はイギリスの黒人映画監督、スティーヴ・マックイーンで、黒人の映画監督の作品としてはじめてアカデミー作品賞を授賞したことでも話題となりました。

そして、私が冒頭に取り上げたニュースは、まさにこの映画を見ているうちに思い出したニュースでした。

続きを読む "それでも夜は明ける"

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2014年4月 4日 (金)

楽しいSEAMOと・・・・・・

今日紹介するのは、ちょっと遅くなってしまいましたが、昨年末と今年年始にリリースされたSEAMO塾長の2枚のアルバムです。

Title:TO THE FUTURE
Musician:SEAMO

まずは昨年末にリリースされたニューアルバム。今回のアルバムは、全編エレクトロサウンドの曲が多かったのが特徴的。タイトルチューンでイントロ的な「TO THE FUTURE」から、女性ボーカルをフューチャーしたメロディアスな「Perfect Moon」、さらにシンセのサウンドでスケール感を出した「NO.1」など、エレクトロサウンドを前面に出したような曲が並んでいます。また以前SPYAIRと組んで壺を得たのでしょうか、「ネバーギブアップ」みたいなロックテイストの強い曲も目立ちました。

そしてアップテンポな曲に関しては、そんなエレクトロサウンドがダンサナブルに響き、ちょうど良い効果に。いつものSEAMO通りなのですが、アゲアゲなナンバーに関してはやはり素直に楽しく感じます。今回のアルバムに関しては、やはり「I'm Sorry」は楽しかったです。歌詞もとてもコミカルで、素直に楽しく聴けるポップチューン。また、同じ名古屋の盟友、HOME MADE家族やnobody knows+、MsOOJAと組んだ「未来への種」もマイクリレーがとても楽しいナンバーになっていました。

ただ一方で、あまりにも売れ線そのままのベタベタな曲も少なくなかったのは残念。特に、本作に限った話じゃないかもしれませんが、「つよがり」のようなメロウなバラードナンバーは、あまりにメロにひねりがなさすぎて、あまり面白みはありません。

前作「REVOLUTION」もそうだったのですが、楽しいナンバーとつまらないナンバーの振れ幅が大きいんだよなぁ。ちなみにラストにはシーモネーター名義のエロ曲「抱くぞ」も収録されているのですが、これはあまりにもタイトルそのままのナンバーで、正直、つまらなかった・・・。シーモネーター名義の曲にははずれがなかったのですが、残念です。

アルバム全体としては前作の方が良かったかなぁ。ただ、聴いていて楽しくなる曲も少なくないため、十分に楽しめる作品ではあったのですが。

評価:★★★★

で、こちらは年初に出たラブソング集。

Title:LOVE SONG COLLECTION
Musician:SEAMO

「TO THE FUTURE」の感想でSEAMOの曲はおもしろい曲とつまらない曲の振れ幅が大きい、と書いたのですが、特につまらないと感じるのがラブソング群(苦笑)。そしてこちらが、そんなSEAMOのラブソングをあつめた企画盤です。

なにがつまらないかというと、いかにも売れ線狙いのベタなメロディー・・・というのもあるのですが、歌詞がその大きな要素。ストレートなラブソング、というと響きはいいのですが、たとえば「好き」という曲なら、「好き」から何一歩も歌詞に進展がありません。

例えばこのアルバムにも収録されている「君に1日1回「好き」と言う」なんかが典型的なのですが、はっきりいえば歌詞で、このタイトル以上のことは何一つとして言っていません。そうじゃなくて「好き」というと「どのように好きか」とか「君を好きになると至った物語」とか、「君を好きだと思う自分の内面」とかを織り込まないと「歌詞」と言えないと思うんですよね。

この傾向って、別に彼だけじゃなくてここ最近の売れ筋のJ-POPに共通した傾向。「ここ最近のJ-POPは歌詞が陳腐」という意見はよく聞かれますし、それに対して、「そうじゃない曲もある」と言いたいのですが、残念ながらSEAMOのラブソングに関してはその傾向が否定できません。

いや、決して悪い曲ばかりじゃないんですよ。BENNIE Kと組んだ「a love story」なんかはなかなかおもしろかったし、大ヒットした「マタアイマショウ」は、ヒットしただけあってやはりメロディーは良いと思います。その他の曲もアルバムの中の1曲、ならあまり気にならないのかもしれませんが・・・ちょっとそのタイプの曲だけ延々と続くのは辛いなぁ。どちらかというと、やはりSEAMOはアップテンポな盛り上がるナンバーを聴きたい・・・。

評価:★★★

SEAMO 過去の作品
Round About
Stock Delivery
SCRAP&BUILD
Best of SEAMO
5WOMEN
MESSENGER
ONE LIFE
コラボ伝説

REVOLUTION

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2014年4月 3日 (木)

アルバムチャートも新譜ラッシュ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週はアルバムチャートも新譜ラッシュ。主に3月26日発売分がランクインしており、決算期直前リリースという、決算対策もあるのでしょうか。

そんな中、1位を獲得したのがジャニーズ系。Kis-My-Ft2「HIT!HIT!HIT!」が入ってきました。アルバム2枚で早くもベスト盤というあたり、いかにも決算対策らしいリリース・・・。初動売上は21万7千枚で直近のオリジナル「Goodいくぜ!」の22万2千枚(1位)から若干のダウン。まあ、ファン以外にはほとんど波及しないんでしょうね、このタイプのアイドルは。

2位3位はロックバンドが並びました。まず2位にback number「ラブストーリー」。哀愁あるメロディアスなナンバーが特徴的の、人気上昇中のスリーピースバンド。初動売上3万8千枚は前作「blues」の2万6千枚(7位)から大きくアップ。シングルアルバム通じてはじめてのベスト3入りで、もちろん2位は自己最高位です。

そして3位にはユニコーン「イーガジャケジョロ」。意味不明なタイトルが彼ららしい作品(笑)。初動売上3万5千枚は、前作のミニアルバム「ZII」の3万3千枚(3位)からはアップしましたが、オリジナルフルアルバムの前作「Z」の5万4千枚(2位)からはダウンしてしまっています。

続いて4位以下の初登場。まずは韓流男性アイドルグループMYNAME「FIVE STARS」が5位にランクイン。日本では2枚目となるアルバム。初動売上3万枚は、前作「WE ARE MYNAME」の2万7千枚(3位)からアップしています。

6位には女性シンガーMay.J「Heartful Song Covers」が入ってきています。テレビ朝日系バラエティー「関ジャニの仕分け∞」に「歌が上手いシンガー」として出演していますが、こちらはカバー第2弾。今後はこういう風なカラオケ歌手として進んでいくのでしょうか?前作「Summer Ballad Covers」もカバーアルバムでしたが、初動売上は2万9千枚で前作の4万6千枚(4位)からダウン。

続く7位もカバーアルバム「私とドリカム-DREAMS COME TRUE 25th ANNIVERSARY BEST COVERS-」。ただしこちらは、ドリカムデビュー25周年を記念してリリースされた、いきものがかりやmiwaといったミュージシャンがドリカムの楽曲をカバーしたトリビュートアルバムです。

8位にはもう一組ロックバンドが。the HIATUS「Keeper Of The Flame」が入ってきています。初動売上2万7千枚は前作「A World Of Pandemounium」の3万2千枚(6位)よりダウン。

初登場最後は10位。「A REALM REBORN:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」がランクイン。タイトル通り、14作目となったファイナル・ファンタジー最新作のサウンドトラック。初動売上2万1千枚。ちなみに前作「FF XIII」のサントラは、初動3万3千枚(3位)を記録していますのでそちらからはダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年4月 2日 (水)

またアイドル勢がズラリ

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のシングルチャートはアイドル勢が目立つチャートになりました。

1位はAKB系。NMB48「高嶺の林檎」が1位獲得。初動売上は40万5千枚。前作「カモネギックス」の37万4千枚よりアップ。ただし、前々作「僕らのユリイカ」の48万1千枚(1位)よりはダウン。ここ最近、31万7千枚→48万1千枚→37万4千枚→40万5千枚といまひとつ売上の変動が大きい状況が続いています。ちなみにAKB系では先週1位だったSKE48「未来とは?」が2ランクダウンで3位をキープしています。

2位は三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「S.A.K.U.R.A.」。一時期、飽きられた感が強かった桜ソングが、今年はまた戻ってきたような。ただ、こちらは桜ソングにありがちなバラードナンバーではなく、リズミカルなエレクトロナンバー。初動売上10万9千枚は前作「SO RIGHT」の11万枚(2位)から微減。

続いては4位以下の初登場なのですが、今週は男女問わずアイドル系が目立ちました。

男性アイドル勢では4位超特急「ikki!!!!!i!!」、6位にBOYFRIEND「My Avator」がそれぞれランクイン。ちなみに超特急は日本人グループ、BOYFRIENDは韓流です。超特急の方は、完全にジャニーズ系っぽいアイドルチューン。和風な雰囲気なのは、昔のジャニーズ系アイドルグループ忍者を彷彿させる??BOYFRIENDは今風のエレクトロナンバー。

超特急は初動3万2千枚で前作「Kiss My Baby」の2万1千枚(8位)からアップで、4位は自己最高位。ライブチケット付の限定盤がリリースされたそうで、その影響も?BOYFRIENDは初動2万3千枚で前作「Pinky Santa」の3万5千枚(5位)からダウン。

一方、女性アイドル勢では5位にTHEポッシボー「勇気スーパーボール!」、7位にPASSPO☆「Perfect Sky」がそれぞれランクイン。ポッシボーはアップテンポなトランス風アイドルチューン。初動2万5千枚は前作「乙女!Be Ambitious!」の1万5千枚(5位)よりアップ。PASSPO☆は本作ではバンド形態に挑戦したガールズロックナンバー。初動2万1千枚は前作「Growing Up」の1万7千枚(9位)からアップ。

8位9位にはゲームの登場キャラクターによるキャラソンがランクイン。女性用スマートフォン向けゲーム「ときめきレストラン☆☆☆」登場人物によるアイドルユニットX.I.P.「Naughty!!!」が8位、3 Majesty「Royal Trinity」が9位にそれぞれランクイン。初動はどちらも1万7千枚。こういうキャラクターを「アイドル」にしてCD発売と結びつけるゲームが、男女問わずどんどん出てきていますね・・・。

最後、10位にはDreams Come True「AGAIN」が入ってきました。吉田美和の伸びやかなボーカルで聴かせるドリカムらしいさわやかなポップナンバー。初動売上1万4千枚は前作「さぁ鐘を鳴らせ」の2万1千枚からダウン。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2014年4月 1日 (火)

OKAMOTO'Sの挑戦

Title:Let It V
Musician:OKAMOTO'S

このアルバムの前にリリースされたシングルでOKAMOTO'Sはひとつ新しい挑戦を行っています。それが四つ打ち。このアルバムにも収録されている「JOY JOY JOY」、さらにその次のシングル「SEXY BODY」では、ライブで踊れる四つ打ちのリズムを取り入れたダンスナンバーになっています。

しかしファンからの反応は、公式サイトのインタビューによると、思ったより「変わった」という意見は少なく、むしろ「OKAMOTO'Sらしい」という声が多かったとか。結局、自分自身が振り切れないことに気がついた彼らは、四つ打ちで振り切れるわけではなく、「曲がよくてメロディーがよい」といういままでのスタンスでこのアルバムを作成したそうです。

ただ、この四つ打ちのシングルを聴いても「OKAMOTO'Sらしい」という感想が寄せられたというのは、とてもよくわかる感じがします。というのも基本的にいままでのOKAMOTO'Sも、ルーツ志向ながらもそれに振り切れることなく、様々なジャンルの音楽で楽しむことがひとつのスタンスだったから。そんな中に四つ打ちの楽曲があっても何ら不思議ではありません。

このアルバムでも、くるりの岸田繁プロデュースが話題となった「HAPPY BIRTHDAY」のようなロックンロール色が強い曲や、モータウンビートが軽快な「告白」のような、どちらかというとロックンロールのルーツ的な要素の曲もあるかと思えば、「Kill Dreams」はprimal screamあたりを彷彿とさせるようなロックナンバーですし、「Let's Go!Hurry Up!」では軽快なスカなリズムが楽しいパンキッシュなナンバー。さらに最後を飾る「虹」は、まさに本人曰く「大滝詠一とフィル・スペクターへのオマージュ」というまんまの曲。ひとつのジャンルにこだわるわけではなく、様々なジャンルの音楽に挑戦しています。

また、セルフタイトルの前作同様、ある種の「洋楽」っぽさへのこだわりすらいい意味であまり強く感じられず、J-POP的ともいえるほどポップな曲の連続。そういう意味では幅広い層にアピールできるアルバムだと思います。実際、話題性に反してなかなか伸び悩んでいたアルバムセールスも上向きになっており、本作では初のベスト20入りも果たしています。

そしてなによりメンバー本人が楽しそうに演奏していることが伝わってくるのも大きな特徴。そのため、聴いているこちらもなんだか楽しくなってくるようなアルバムになっていました。

前作でひとつ壁を乗り越えた感のあった彼らでしたが、前作が決して奇跡の1枚ではなく、ちゃんと彼らの実力に基づいたものであることを証明した傑作だったと思います。彼らの大ブレイクはそう遠い将来の出来事ではなさそうです。

評価:★★★★★

OKAMOTO'S 過去の作品
10'S
オカモトズに夢中
欲望
OKAMOTO'S

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