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2014年3月11日 (火)

日本でももっと注目されてもいいと思うのですが・・・。

Title:The Best of Keane
Musician:Keane

Coldplay、Travis、Keane・・・個人的にこの3バンドはどうしても似たような印象を抱いてしまいます。いずれも切ない美メロを前面に押し出したポップスロックバンド。90年代後半から2000年代前半にデビューし、イギリスで大ブレイク。ちょっとしたブームを巻き起こしました。

現時点での本国での人気はColdplay>Keane>Travisという順番でしょうか。Coldplayについては言うまでもありません。イギリス本国のみならずアメリカをはじめ全世界でブレイク。グラミー賞を獲得し、いうまでもなく現在、もっともビックなバンドの一組になっています。しかしKeaneも決して負けてはいません。イギリスではデビュー以来すべてのオリジナルアルバムが1位を獲得。「Under the Iron Sea」「Pefect Symmetry」ではビルボードでのベスト10ヒットを果たしました。

なのになぜか日本ではKeaneの知名度は極端に低くなっています。Coldplay>Travis>Keaneといった感じでしょうか。前々作「Perfect Symmetry」では、ついに国内盤発売すらなくなってしまいました(直近作「Strangeland」では無事国内盤の発売もありましたが・・・)。

比較的輪郭のはっきりしたポップなメロディーラインは日本人好みだと思うのですが・・・・。今回発売された彼ら初のベスト盤では、そんな彼らのメロディーセンスの良さをあらためて実感できる内容になっていました。

今回のアルバムは、彼らの代表曲がリリース順に収録されています。そのため、彼らの歩みが非常によくわかる展開に。特にアルバムの序盤、「Hopes And Fears」からの楽曲が特に絶品。特に彼らの代表曲とも言える「Somewhere Only We Know」は、何度聴いても胸に響いてきます。

ただちょっと残念だったのは中盤。「Under the Iron Sea」以降、新たな挑戦を感じさせる曲や、スケール感のある曲に挑戦しています。おそらくデビュー作が大ヒットを記録しただけに新たな一歩を踏み出そうとしたのでしょうし、スタジアムバンドとして成長を遂げようとがんばったのでしょう。事実、この時期の曲も十分ポップで魅力的ではあると思います。ただ、新たな挑戦にしてもスケール感にしてもちょっと中途半端。スタジアムバンドを狙って失敗しちゃったかなぁ、という印象も受けました。

でもうれしいのは、最近の作品については再び美メロが復活してきています。中盤にような新たな挑戦というよりは、彼らの持ち味であるメロディーを生かしたシンプルな曲が増えてきています。特に「Sovereign Light Cafe」はそんな彼らの持ち味が最も生かされた名曲と言えるのではないでしょうか。その後新曲2曲がおさめられていますが、どちらもメロディーにインパクトがあり、今後のKeaneも楽しみになってくる作品でした。

DISC2には未発表曲やシングルのカップリングが収録。こちらもKeaneの魅力がしっかりと伝わってくるポップソングが数多く収録されており、ベスト盤同様、楽しむことができます。

しかし、これだけメランコリックなインパクトのあるメロを書くんだから、もっと日本でも注目されてもいいと思うんだけどなぁ。確かに、中盤の中途半端さはバンドとしての限界も感じたのですが、それを差し引いても十分すぎる魅力的な楽曲が並んでいます。ColdplayやTravisが好きなら彼らもぜひとも聴いてほしい。その第1歩としておすすめのベスト盤です。

評価:★★★★★

KEANE 過去の作品
Perfect Symmetry
NIGHT TRAIN
Strangeland


ほかに聴いたアルバム

2013 Grammy Nominees

日本でもおなじみグラミー賞のノミネート作品を収録したオムニバスアルバム。その年の音楽シーンを知るには最適な1枚。正直ちょっとつまらなかった2011年ヴァージョンから、2012年ヴァージョンはグッとおもしろくなりましたが、2013年はさらにバラエティー豊かなおもしろい曲が並んでいます。例えばロックにしても、The Black Keys、Jack WhiteやAlabama Shakesのようなルーツ志向の楽曲から、Fun.のようなみんなが聴いていて楽しくなるような曲まで並んでいますし、Katy Perryのようなガールズポップ、Frank OceanのようなメロウなR&B、Mumford&Sonsのような爽やかなカントリー路線と実に楽曲の色彩が豊か。例えばアイドル系がはやると、猫も杓子もアイドルに走るような日本とは異なるシーンの多様性を感じます。それがいい意味で音楽シーンに勢いを与えているように感じました。邦楽しか聴いていない方にこそ、ぜひとも聴いてほしいオムニバスです。

評価:★★★★★

Grammy Nominees 過去の作品
2011 GRAMMY NOMINEES
2012 GRAMMY NOMINEES

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アルバムレビュー(洋楽)2014年」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
いつも楽しく拝見してます。
コールドプレイたち3バンド、90年代後半にデビューと書かれてますが、該当するのはトラヴィスだけで、コープレとキーンはゼロ年代デビューの間違いでは?
日本での人気は、確かにコープレは別格ですがトラとキーンはどっこいどっこいだと思います。
ロキノンなどがあまりキーンを取り上げてくれないので、トラ>キーンと感じるかもしれませんが、CDの売り上げは同じ程度では?
個人的には日本のTV番組のBGMでときどきキーンが使われるので、むしろキーンのほうが知名度があるように感じます。

投稿: ten | 2014年3月13日 (木) 00時23分

>tenさん
はじめまして。書き込みありがとうございます。
確かに、ColdplayとKeaneのデビューは2000年代に入ってからでしたね(^^;;申し訳ありません。訂正させていただきます。
TravisとKeaneの人気は、手元に売上枚数のデータはないのですが、Travisは「12 Memories」が最高位19位、Keaneは「Under The Iron Sea」が20位と、確かにそれほど差はないようですが、直近作はTravis25位に対して、Keane58位と差が出てしまいましたし、来日公演でもTravisが東京国際フォーラム(キャパ5,000)に対してZepp Tokyo(キャパ2,700)が最高なので、やはりTravisの方が人気先行にしているように感じます。
ただ、ご指摘の通り「>>」というほどの差はないように思いますので修正しました。ご指摘、どうもありがとうございました。よろしければまた遊びに来てください!

投稿: ゆういち | 2014年3月14日 (金) 00時45分

ゆういちさん、レスありがとうございます。
生意気なことをいろいろと書き込んで、申し訳ありませんでした。
まあ、トラもキーンもゆういちさんのおっしゃるとおり、日本人受けするメロディなので、
自分もこの2バンドを機会があれば周りに布教したいと思います(^o^)

投稿: ten | 2014年3月15日 (土) 18時05分

>tenさん
いえいえ、こちらこそ、いろいろとご指摘どうもありがとうございました。どちらも日本でもっともっと売れていいバンドだと思いますので、ぜひとも布教してくださいね!

投稿: ゆういち | 2014年3月26日 (水) 23時57分

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