素朴な美メロにはまります。
Title:Into The Lime
Musician:The New Mendicants
Teenage Fanclubのノーマン・ブレイクと、Pernice Brothersのジョー・パーニスが組んだ新バンド。ごめんなさい、Pernice Brothersは聴いたことがないのですが、Teenage Fanclubといえば、私も大好きなバンド。また、ノーマン・ブレイクといえば、以前、ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキと組んだバンドJonnyのアルバム「Jonny」が個人的に壺にはまり、2011年の個人の洋楽年間ベストアルバムに選んだほど。それだけに、今回のアルバムももちろん購入しました!
そして、この内容はその期待に見事沿った美メロの連続になっていました。まず耳を惹いたのが2曲目の「A Very Sorry Christmas」。ほどよくギターを聴かせるバンドサウンドに、メロディーがとにかく絶品。キューっと胸がしめつけられるようなポップだけど切なさが同居するメロディーが実に見事。そう、こういうメロディーが聴きたかったんだよ!と思わず叫びたくなるような名曲でした。
ただ、そんな美メロがアルバム全体に流れているのですが、アルバム全体としてはアコースティックな感触の強いアルバムになっています。「Follow You Down」や「By the Time it Gets Dark」あたりは特にアコギを中心としたサウンド構成に。ただ、それでももちろん、切ないメロディーは楽曲全体に流れています。
また、今回のアルバムでもうひとつ特徴的だったのは、ボーカル2人のハーモニー。これに関しては特に光っていたのが「If You Only Knew Her」でしょうか。この静かに聴かせる2人のハーモニーがまた絶妙でした。
で、ここまでこのアルバムの聴き所として書いてきた美メロにしても、アコースティックなサウンドにしてもハーモニーにしても、アルバムの中ではそんな特徴を「これでもか」といった感じで聴かせる感じではなくサラリと流しているんですよね。要するに、アルバム全体の印象としてはとても素朴。そしてそのシンプルな素朴さが、とても暖かい雰囲気を作り出しています。アルバムを通して聴いても30分強という短さも、そんな押し付けがましくないこのアルバムらしい長さと言えるかもしれません。
ただ、そんなアルバムの中でちょっと浮いていたのがラストの「Lifelike Hair」。ちょうど先日紹介したTEMPLESのような60年代サイケポップのようなナンバー。他の曲と比べると、明らかに違うタイプでちょっと違和感があるのですが・・・これはこれで、アルバムの中の「異物」としておもしろいのかもしれません。
さて今回のアルバム、もちろんTeenage Fanclubの曲は良く知っているのですがPernice Brothersは初耳。楽曲によってはちょっとアメリカンロックなテイストの曲があったので、もっとアメリカンロックなバンドなのかなぁ、と思ってYou Tubeでちょっと試聴してみたのですが・・・思いっきりTeenage Fanclubと同系統の美メロポップバンドで、はまってしまいました(笑)。彼らのアルバムもチェックしてみなくては!こういう出会いもいいですよね!
そんな訳でシンプルな作風に派手さはないのですが、聴けば聴くほどはまっていってしまう傑作でした。洋楽アルバム本年度最初のベスト盤候補か?美メロポップが好きなら、手放しでお薦めしたい傑作です。
評価:★★★★★
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