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2014年2月22日 (土)

1年前に聴いていたら・・・

Title:LONG.LIVE.A$AP
Musician:A$AP ROCKY

各種メディア等で紹介されている昨年の「ベストアルバム」のうち、ノーチェックだった作品を、新譜も少なめな1月2月で聴きなおしているのですが、今回は「ミュージック・マガジン」誌のHIP HOP部門で1位を獲得したA$AP ROCKYのアルバムをチェック。リリースされたのは既に昨年の1月なのですが、ビルボードチャートで1位を獲得し、大ヒットを記録したアルバムです。

A$AP ROCKYが大きく注目された点は、ラップのスキルもさることながら、そのトラックの要素が強いようで、例えば今回のアルバムでも「Wild For The Night」ではプロデューサーにSkrillexを起用し、ダブ・ステップを取り込んだ今風のサウンドが大きな話題となっているようです。

確かに、サウンドに関してはかなりカッコよさを感じました。言ってしまえばいかにも「今風」なサウンド。音数を抑えつつビートを強調する手法が印象的な作品で、エッジの効いたサウンドが耳に残るトラックが多く見受けられました。ラップ以上にトラックを聴きこむだけでも十分最後まで楽しめるアルバムのように感じます。

また、ゲストに参加したラッパーもかなり豪華。今話題のKENDRICK LAMARやDRAKEが参加した「F**KIN' PROBLEM」や、同じくKENDRICK LAMAR参加の「1TRAIN」は、軽快なマイクリレーが楽しめる作品になっていました。

他にもピアノの音色を効果的に用いた「PHOENIX」や、Florence Welchが美しいボーカルを聴かせてくれるメロディアスな「I COME APART」などバリエーションも豊富。そういう意味でも、非常に良く出来た構成のアルバムになっているように感じました。

・・・・・・ただ、正直、良いアルバムだとは思うのですが、はまったかどうかと言われるとちょっと微妙だったかも。確かに、今風のトラックはカッコよかったのですが、一方では似たようなタイプの曲も多く、これといって耳を惹くようなフックの効いたナンバーが少なかったようにも思いました。

また、今風のサウンドであることは間違いないのですが、すごく新鮮で真新しいか、と言われると、最近、このタイプの音、増えてきているよね、という印象も受けるのも間違いないし・・・。そういう意味でも、いいアルバムとは思うけど、「年間1位」と言われるとそこまでかなぁ、という感じも受けてしまいます。

もっとも、このアルバムがリリースされてから既に1年が経過していて、先端を行く音だからこそ、1年前に聴いていればもうちょっと印象も変わったかも、という感じもないことはないかも・・・。次にどのようなステップを進むのか、楽しみな1枚ではあるのですが。

評価:★★★★

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