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2014年2月 5日 (水)

ヒットチャート総入れ替え

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週はベスト10が総入れ替えのチャートとなりました。

その中で1位を獲得したのはモーニング娘。'14「笑顔の君は太陽さ」が獲得。今風のEDMを上手くアイドル歌謡曲に取り入れたポップで、こういうところ、つんく♂は相変わらず上手いなぁ、と思います。初動売上14万9千枚は前作「わがまま 気のまま 愛のジョーク」の14万4千枚から若干アップ。4作連続1位で、ここ最近「再ブレイク」と表現しているメディアもあるみたいですが、一方ではこのシングルも6枚セットを同時に購入するとイベントへの参加券を得られるという、複数枚買い戦略はかなり露骨。正直、こういう「売り方」を取り上げずに「再ブレイク」を強調しているメディアは、「メディア」としてそもそも信用してはいけなさそうです。

ベスト10総入替で、やはり今週も多かったのが女性アイドルグループ。他にも7位にClariS「CLICK」、8位にベイビーレイズ「恋はパニック」がそれぞれランクイン。ClariSはどちらかというと「アニソン」の枠組みかもしれませんが・・・。ベイビーレイズはバンドの鶴が作詞作曲のギターロックナンバー、って、またこの方向性のアイドルグループですか。ClariSは初動売上2万枚で前作「カラフル」の3万9千枚から大幅減。ベイビーレイズは初動1万8千枚で、前作「暦の上ではディセンバー」の1万3千枚よりアップで、順調に売上を伸ばしています。

さて、ベスト3に戻ると2位初登場は氷川きよし「大利根ながれ月」。一体いつの時代の曲だよ、と思うど演歌で全く面白みがありません。初動売上4万6千枚は前作「満天の瞳」の4万5千枚から微増。前々作「しぐれの港」も初動4万5千枚で、ここらへん、手堅い感じ。

3位には安室奈美恵「TSUKI」が入ってきています。映画「抱きしめたい-真実の物語-」主題歌。ちょっと和風な雰囲気が漂うバラードナンバー。初動売上4万2千枚は前作「Big Boys Cry」の2万3千枚からアップ。前々作「Go Round」の水準(初動4万6千枚)まで戻しました。

続いて4位以下の初登場ですが、上に書いた女性アイドルグループの他、総入れ替えでやはり目立ったのはアニメ・キャラソン系。4位にアニメキャラクターによるアイドルユニットμ's「タカラモノズ」、6位にゲームソフト「アイドルマスター」の登場人物によるユニット765PRO ALLSTARS「M@STERPIECE」、そしてその2曲とはちょっと色合いが違うのですが、人気男性声優神谷浩史「START AGAIN」が10位にぞれぞれランクインしています。

μ'sと765PRO ALLSTARSはまさに「狙ったような」アイドルソング。μ'sは初動3万6千枚で、前作「Music S.T.A.R.T!!」から横バイ。765PRO ALLSTARSは初動2万7千枚で、前作「CHANGE!!!!」の2万3千枚からアップ。神谷浩史は・・・前作と同様ナルシストっぽいPVがちょっと苦笑いなんですが、初動1万6千枚は前作「Such a beautiful affair」の2万1千枚よりダウンしています。

これで10曲中8曲まで紹介したのですが、おもしろいことにあと2曲はいずれも女性シンガーソングライターによる新作。4位にaiko「君の隣」、9位に家入レオ「チョコレート」がそれぞれランクインしています。ちょっとややこしいことに、aikoの「君の隣」がロッテ「ガーナミルクチョコレート」のCMソングで、家入レオ「チョコレート」はテレビ朝日系バラエティー「お願い!ランキング」エンディングテーマで、チョコのCMとは関係ありません。

aikoは初動3万6千枚で、前作「Loveletter」の4万3千枚よりダウン。ここ最近、7万2千枚→4万6千枚→4万3千枚→3万6千枚と減少傾向が続いているのが気にかかります。家入レオは初動1万8千枚。前作「太陽の女神」の初動1万7千枚より微増となりました。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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コメント

同じくモー娘。の再ブレイク煽り、自分も辟易しています。

実際自分の周りがモー娘。にハマったと言う人は見かけませんし、
こんな商法をやっても、リスナーを敵に回すだけで、
いつまで経っても、本当の意味での再ブレイクってできないと思いますけどね・・・。

また、最近ゆういちさんも毎回のヒットチャートレビューで述べられている通り、
近年のアイドル系がロック系の作風にしたり、その手のミュージシャンを迎えている点も、
ロックリスナー層を見方につけようと狙っているようにしか見えず、
自分も今一つアイドルが好きになれない理由だったりします。

今年の元旦の記事でも書かれていましたが、
そろそろこの流れを大きく変えてくれるようなミュージシャンが現れて欲しいです。

投稿: HK | 2014年2月 6日 (木) 00時03分

僕も周りにモー娘。好きは一人もいません
48グループと同じ商法やることはチャートに詳しい音楽ファンを敵に回すことに気付いてないんですかね?

ここ最近、KANA-BOONやクリープといった若手ロックバンドが急激に台頭していますが、ほかの若手ミュージシャンはアイドルの握手券や複数売り商法が原因でなかなか頭角を現しにくい状況です

僕も音楽ブログを書いていてたまに若手アーティストの楽曲感想を書いたりしていますが音楽シーンを変えられるミュージシャンはまだまだたくさん眠っていると思います
※例を挙げるならphatmans after school、Hello sleepwakersなど

メディアはもう少し若手アーティストを取り扱ってくれるといいなあと切に思います

あと、サウンドスキャンと呼ばれるチャートを参考にすると面白いですよ
ここではパッケージごとに集計されるの正確な数字がわかりやすいです

投稿: softman | 2014年2月 6日 (木) 14時38分

>HKさん
そうなんですよね。なんか、「売り方」を競うばかりな状況になっていて。
かつ、それを音楽メディアがほとんど批判的に報じないのがすごく疑問に思います。
>ロックリスナー層を見方につけようと狙っているようにしか見えず
ご同感くださってありがとうございます。そういう「戦略」はひとつの戦略としてありなのかもしれませんが、最近、この「サブカル系」狙いがあまりにも多すぎるように思います。かつ、こういう「戦略」についても音楽系メディアが良くも悪くも完全スルーなのも非常に気になるところです。

>softmanさん
サウンドスキャンは知ってますよ~。あそこはパッケージ毎で集計していて、私も時間があれば参考にして、もっと分析したいところなのですが・・・。
確かにおもしろいバンドがどんどんと出てきている状況なんだから、こちらももっともっと取り上げてほしいですね。(phatmans after schoolははじめて聞く名前です。機会があれば聴いてみたいですね!)
こういう若手をもっと取り上げてこそ、音楽シーンも活気づくと思うんですけどね・・・。

投稿: ゆういち | 2014年2月 9日 (日) 23時59分

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