HOME MADE 家族は「HIP HOP」か?
Title:家宝~THE BEST OF HOME MADE 家族~
Musician:HOME MADE 家族
名古屋出身の3人組HIP HOPユニット、HOME MADE 家族が、メジャーデビュー10周年を記念してリリースした初のベストアルバム。良くも悪くもすっかりJ-POPに取り入れられたラップという音楽。そんな中でもHOME MADE 家族というグループはラップをJ-POPに取り入れたグループの一組という認識が一般的じゃないでしょうか。良くも悪くも彼らはポップなラップを歌っています。
同じポップなラップグループとしては現在活動休止中のKICK THE CAN CREWやRIP SLYMEなどが思い浮かぶでしょう。ただ、彼らの音楽は、間違いなくHIP HOPのマナーにのっとった、間違いなくHIP HOPというジャンルにカテゴライズされる音楽。その実力も折り紙つきです。
もう一方で、自分たちの音楽にラップを取り入れているグループとしてソナーポケットやFUNKY MONKEY BABYSといったグループもいます。彼らの場合、間違いなく基本的にポップソングの中で、ラップというスタイルをちょっと拝借したもの。その良し悪し、好き嫌いはともかくとして、彼らの音楽を「HIP HOP」として語る人はいないのではないでしょうか。
そう考えるとHOME MADE 家族というグループは、ちょうどその両者の中間に位置するようなグループに思います。今回のアルバムを聴いていても「fantastic3」みたいなゲストを招いてのマイクリレーはやはり聴かせるものもあるし、「アイコトバ」などは、HIP HOPのパーティーチューンとして楽しさを感じさせるナンバー。そのスキルをグッと聴かせるというほどではないものの、きちんとライミングはしているし、HIP HOPな曲は決して少なくありません。
ただその一方で、これは・・・と思うようなベタなJ-POP的なナンバーも少なくありません。今回のアルバムはベスト盤なだけに、さすがにそれなりの曲が揃っているものの、「Tomorrow」あたりはちょっとベタなメロディーが鼻につくイメージがありますし、「Love is...」なども、女性ボーカル+ラップというスタイルがいかにも「売れ線」狙い。ここらへんはやはりあまり面白みも感じません。
そういう意味でHOME MADE 家族というグループ、まさに「HIP HOP」と「普通のポップス」の境界線に居るようなグループだな、ということをこのベスト盤を聴いてあらためて感じました。そのため、HIP HOPを聴かないような方でも比較的聴きやすく楽しめる反面、HIP HOP好きからしたら、あまりにもJ-POP的すぎて面白くない、と感じる方もいるかも。
でも、もっとポップス寄りのグループがヒットを飛ばすケースが多くなった今、彼らのようなグループがもうちょっとがんばってほしいなぁ、とも思います。やはりなんだかんだいっても地元名古屋出身という意味でも応援したいですしね。一時期に比べて、ちょっと人気の面で落ち着いちゃった感じもするだけに、このベスト盤リリースを機に、心機一転、またガンガンとヒットシーンに飛び出してほしいです。
評価:★★★★
HOME MADE 家族 過去の作品
HOME
Heartful
Best Song "Thank You!"
CIRCLE
FAMILY TREE~Side Works Collection Vol.1~
seven emotions
AKATSUKI
3RISE
ほかに聴いたアルバム
try∴angle/TOKYO NO.1 SOUL SET
うーん、正直ここ最近の彼らのジャケットデザインって、もうちょっとどうにかしてほしいんですが、このダサさは逆に狙っているの?(^^;;前半は、いつもの彼ららしいラテン調のナンバー。ある種の「王道」ではあるものの、ちょっとマンネリ気味にも感じ、いまひとつかなぁ・・・とも思ったのですが、中盤以降、ダンスナンバーやギターロック、HIP HOP調のナンバーなどバラエティー富んだ展開に。TOKYO NO.1 SOUL SETらしさと、「新しい」部分がほどよくバランスされたアルバムに仕上がっています。ここ最近、比較的安定して充実した作品が続いているような印象。
評価:★★★★★
TOKYO NO.1 SOUL SET 過去の作品
No.1
Beyond The World
Best Set
全て光
Grinding Sound
幻のSP盤復刻! 戦前オールスター・大ヒットパレード大全集
戦前に数多くのヒット曲を世に送り出したレーベル、ポリドールのSP盤を復刻してまとめたオムニバスアルバム。東海林太郎や上原敏といったその時代の大スターのヒット曲も数多く収録。特に戦時色の強い楽曲も多く時代を感じさせます。そんな中、山中みゆきの「ほんとにほんとに御苦労ね」(後にドリフターズがカバーしてヒットした曲です)や上原敏の「泣くな坊やよ」などは戦地の兵隊や、戦地に赴く兵隊の歌を歌っているのですが、まだちゃんと人としての感情が読み込まれています。いずれも昭和14年の作品。ちょうど第二次世界大戦がはじまった年なのですが、まだまだこのころは、ちゃんと人としての素直な感情を歌に織り込むことが出来たんだな、ということも感じさせます。
全体的には民謡の流れを汲んだ、後に歌謡曲へとつながるような曲が多く、バタ臭い曲、ジャズの影響を感じる曲は少なめなのですが、おそらく当時のヒット曲の王道は、ここに収録している曲なんでしょうね。昭和初期、徐々に暗さが忍び寄っているものの、まだまだ明るさも感じられる時代の空気がつめこまれたオムニバスでした。
評価:★★★★
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