2013年ベストアルバム(邦楽編) その2
昨日6位まで紹介した2013年私的ベストアルバム。今日は5位から1位までです。
5位 We are 東京カランコロン/東京カランコロン
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赤い公園に引き続き期待の新人。様々な音楽をごちゃまぜにしたひねくれポップ的な要素と、J-POPっぽいベタなメロディーを両立させたユニークな音楽性が魅力的。上期も書いたのですが、ポップになったクラムボン、という表現がピッタリ来そう。これからまだまだ伸びそうで、一気にブレイクもありそうな期待の新人です。
4位 音楽はあるか/ウラニーノ
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先日、わずか61歳でこの世を去ったプロデューサー佐久間正英。その彼が最後に手がけていた仕事がこちら。男性2人組バンドウラニーノの最新作。シンプルな歌詞とメロが特徴的ながらも、文学的で物語性ある歌詞の世界はインパクトがあります。本作では特に、今の音楽シーンに一言物申すような歌詞も多く、強いメッセージ性も感じます。佐久間正英の名前云々以前に是非聴いてほしい傑作です。
3位 第5作品集「無題」/downy
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つい先日、感想をアップしたばかりなのですが・・・活動を再開したポストロックバンドの9年ぶりとなる新作。変拍子を多用しつつ、シューゲイザー的な要素やエレクトロニカからの影響なども感じつつ展開していく楽曲は非常に独特のもの。ただ一方で、1曲あたりの時間は比較的短く、複雑な作風ながらも「ポップソング」的に聴けてしまう部分も大きな魅力。downyらしさを詰め込んだ傑作でした。
2位 Ten/キリンジ
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兄弟2人組デゥオとしては最後となるキリンジの新作。上半期の1位作品で、その時も書いたのですが、ラストアルバムながらも、これで最後という気楽さからか、変な気負いもなく、結果として兄弟それぞれの魅力がしっかり出ている傑作になってしまいました。これが最後というのはとても残念なのですが・・・堀込兄弟のこれからにも期待です!
そして・・・
1位 予襲復讐/マキシマム ザ ホルモン
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もうね、本年度断トツの1位はこちら。文句なしに一番はまりました。ロック好きが文句なしに楽しめそうな音を全部詰め込んだサウンドに、中学時代という誰もが抱える苦く切ない過去を一歩下がった視点から描いた歌詞も大きな魅力。売上的にも大ヒットを記録しましたが、それも納得の作品で、ロック好きとしての血が騒いだ傑作でした。
そんな訳で、あらためてベスト10を振り返ると・・・
1位 予襲復讐/マキシマム・ザ・ホルモン
2位 Ten/キリンジ
3位 無題/downy
4位 音楽はあるか/ウラニーノ
5位 We are 東京カランコロン/東京カランコロン
6位 矢野顕子、忌野清志郎を歌う/矢野顕子
7位 踊れ!踊らされる前に/ソウル・フラワー・ユニオン
8位 ダーティーサイエンス/RHYMESTER
9位 人間と動物/電気グルーヴ
10位 公園デビュー/赤い公園
暫定版の時にも書いたのですが、傑作揃いの洋楽シーンとは一転、10枚選ぶのも難しいような、はっきりいって不作の1年になったように感じます。他にベスト10候補だったのは・・・
1-2-3/THE BAWDIES
オレらは肉の歩く朝/前野健太
TIC TAC/サイプレス上野とロベルト吉野
ハモ騒動~The Gospellers Covers~/ゴスペラーズ
I/いきものがかり
森は生きている/森は生きている
グレイテスト・アイドル/Mitchie M feat.初音ミク
The Entertainer/三浦大知
といったあたりでしょうか。なんで今年の邦楽はいまひとつなのかなぁ、と考えたのですが、そのひとつの要素って、やけに複雑で凝った、情報量を詰め込んだ曲が多く、かつそれがもてはやされる傾向にある、というのがひとつの理由のような印象を受けます。
もちろん今回のベストアルバムに入れた赤い公園や東京カランコロン、downyも比較的情報量の多い楽曲を書くミュージシャンですし、情報量の多さも上手くはまればとても魅力的そのためそれが「悪い」とは思いませんが、情報量の多さがおもしろいという傾向には疑問。そういう最近の邦楽の「良し」とされる傾向と、個人的な好みとが乖離しているのが、今年、いまひとつ傑作が少なかった理由なのかもしれません。
とはいえ、ベストアルバムにもウラニーノ、東京カランコロン、さらにベスト10候補にも森は生きているなど期待の新人が入ってきていますし、個人的にベスト10に入れようか最後まで迷ったMitchie M feat.初音ミクなど、初音ミク界隈のミュージシャンに次々おもしろいミュージシャンが出てきていて、こちらも目が離せなさそう。
またひとつ大きかったのはロック勢の活躍。洋楽1位のTHE STRYPES、邦楽1位のマキシマム ザ ホルモン、どちらもロックのカッコよさを久しぶりに実感できたアルバムでした。ロック勢の盛り返しも、2014年の大きな注目点のように感じます。そういう意味で2014年の音楽シーンは期待と不安が入り混じった1年になりそう。今年もたくさんのいい音楽と出会えますように。
2007年 年間1 2
2008年 年間1 2 上半期
2009年 年間1 2 上半期
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2012年 年間1 2 上半期
2013年 上半期
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コメント
ゆういちさん、こんばんは。
年間ベストアルバム読まさせていただきました。
ホルモンがダントツ1位でしたか~!確かにあれはすばらしいアルバムですもんね!僕の中でもナンバー1です。
あと、オウガや夙川、さらにはモーサムやたむらぱんなどの高評価の作品が候補にも入らなかったのが、ちょっと意外でした。
これからも楽しみにしてますよ!
PS 総評の期待の新人の中でウラニーノが二回出てきてますよ。
投稿: 通りすがりの読者 | 2014年2月 5日 (水) 00時34分
>通りすがりの読者さん
ホルモンよかったです!今年一番はまりまくったアルバムです!!本当にいいですよね~。
夙川やたむらぱんは確かによかったのですが、正直、ベスト10入りした前作とかに比べると、一段落ちてしまうかなぁ、といった印象です。モーサムも同じく、傑作ですが年間クラスベストと言われると微妙で・・・。
オウガの最新作は基本的に過去のアナログ盤の曲をまとめた企画盤なので、今回、ベスト10には入れませんでした。でも、内容は文句なしのベスト10級だと思いますよ!
>ウラニーノ
すいません、ご指摘ありがとうございますm(_ _)mさっそく修正させていただきました。
>これからも楽しみにしてますよ!
どうもありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。
投稿: ゆういち | 2014年2月 5日 (水) 01時42分
ゆういち様
こんばんは
キリンジはラスト・アルバムでしたが
有終の美を飾りましたね。
1位はマキシマムザホルモンですか。
幅広いチョイスだと思います。
実は自分も最近総括記事を書いたので
宜しければご覧ください。
(1位はノーナリーヴスでした)
投稿: GAOHEWGII | 2014年2月 6日 (木) 23時19分
>GAOHEWGIIさん
キリンジのラストアルバム、とてもよかったと思います!今度もKIRINJIとして活動を続けていくみたいなので、こちらも期待です!
GAOHEWGIIさんのブログも拝見しました。NONA REEVES、今回のアルバム、聴いていないんですよ・・・これは是非チェックしないといけないですね!
GAOHEWGIIさんがベストアルバムにあげられたアルバムは、聴いていないアルバムも多いので、機会があれば是非聴いてみたいです!
投稿: ゆういち | 2014年2月10日 (月) 00時04分