« 今年はじめてのチャート | トップページ | 紅白/レコ大の影響は? »

2014年1月 7日 (火)

ユーミンvsみゆき

発売日が同日になり、ヒットチャートでもならんだ松任谷由実と中島みゆきのニューアルバム。同じ女性シンガーソングライターとしてよく比較される両者。もっとも、楽曲のタイプは全く違うし、今回のアルバムも発売が同日というだけで、一方はオリジナル、もう一方はシングルベストと全く別物なので、単純な比較は意味がないかもしれませんが・・・。

Title:POP CLASSICO
Musician:松任谷由実

ベスト盤を挟んで約2年7ヶ月ぶりとなるニューアルバム。前々作「そしてもう一度夢見るだろう」前作「Road Show」は、バブル時代のイメージから抜け出し、ちょっとオールドスタイルのポップソングを聴かせてくれました。本作に関してもまた、ユーミンらしい、奇をてらわない良質なポップソングが揃っています。

ただ、原点回帰的な雰囲気をみせたここ数作に対して、今回のアルバムはもっと80年代や90年代、いわゆるバブル時代の象徴だったころのユーミンの匂いもちょっと感じられるようなポップソングに。ここ数作、「バブルの女王」的なイメージから抜け出そうとしていた彼女でしたが、ベスト盤リリースを機に、そのバブル時代のイメージも含めて松任谷由実というミュージシャンなんだ、ということを確認したような、そんなイメージも受けました。

もっとも、だからといって今回のアルバム、バブル期のアルバムのように、キラキラしたアルバムではありません。もっと自然体になった彼女が、松任谷由実らしいポップソングを聴かせてくれる、そんなアルバムでした。

とはいえ、楽曲の勢いとしてはいまひとつでインパクトのある曲も少なめ。良くも悪くもこなれた感じもするアルバム。前々作、前作同様、この程度で終わるミュージシャンではない、はずなのですが・・・。

評価:★★★★

松任谷由実 過去の作品
そしてもう一度夢見るだろう
Road Show
日本の恋と、ユーミンと。

Title:十二単~Singles4~
Musician:中島みゆき

中島みゆきのニューアルバムは、シングルベスト。2003年にリリースした「銀の龍の背に乗って」から、2012年にリリースした「恩知らず」までのシングルがカップリング曲も含めて収録されています。

「銀の龍の背に乗って」は、「地上の星」や「空と君とのあいだに」のような、ここ最近の中島みゆきのヒット曲のイメージを引き継ぐような作品になっていますし、そういう意味では若干のマンネリ感は否めないものの、力強さを感じるシングル曲が続いており、そのパワーはいまでも健在。1970年代から2000年代まで、4つの10年代でシングルで1位獲得という記録をもっている彼女ですが、2010年代もあと6年。条件さえそろえば、まだまだ十分1位は獲得できそう。握手券とかつけてみる??(笑)

このアルバムで、特に印象に残ったのが「時代」「命のリレー」のライブバージョン。どちらもシングルのカップリング曲としてリリースされたものが収録されています。言うまでもなく声量ある中島みゆきのボーカルが魅力的なのですが、なによりもボーカルに「すごみ」があります。その声にただただ圧倒されるようなライブ音源。この2曲、要チェックです。

そんな訳で、まだまだ現役感バリバリの中島みゆき。これからの楽曲も楽しみになってくるようなシングル集でした。

評価:★★★★★

中島みゆき 過去の作品
DRAMA!
真夜中の動物園
荒野より
常夜灯


ほかに聴いたアルバム

Joyus/冨田ラボ

冨田ラボの最新アルバムはとにかく参加ミュージシャンが豪華。原由子に椎名林檎、横山剣、さかいゆうといったメンバーが参加。メンバーそれぞれの個性を上手く引き出した、楽しいポップソングがつまったアルバムになっています。

評価:★★★★

冨田ラボ 過去の作品
Shipahead

|

« 今年はじめてのチャート | トップページ | 紅白/レコ大の影響は? »

アルバムレビュー(邦楽)2014年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ユーミンvsみゆき:

« 今年はじめてのチャート | トップページ | 紅白/レコ大の影響は? »