注目の女性シンガー2人
今日紹介するのは、知名度的にはまだまだでも、高い注目を集めている女性シンガー2人です。
Title:0
Musician:青葉市子
まず一人目は青葉市子。ここでも何度か取り上げたことのあるシンガーソングライターです。今回のアルバムではなんとメジャーデビュー。メジャー移籍後、初となるアルバムとなりました。
正直言って、青葉市子がメジャーデビューというのはかなり意外でした。というもの彼女の歌は基本的にアコースティックギター1本。メロディーもしんみり心に染み入るようなメロながらも、彼女のボーカルもあわせて派手さはほとんどありません。いかにもインディーっぽいミュージシャンというイメージだったので、メジャーデビューというのはかなり意外に感じました。
ただ、メジャーデビュー作となった本作は、いままでの彼女の音楽とほとんど変わりはありません。相変わらずひとつの色で塗られただけのシンプルすぎるジャケットといい、アコースティックギター1本のみの演奏といい、いままでの彼女の曲と同じ。このスタイルのままメジャーデビューできるというのがちょっと意外にも感じましたが、彼女みたいなミュージシャンもメジャーデビューできるというのは、今の音楽シーンが多様になったからでしょう。
そんな訳で、基本的にいつもの青葉市子といった感じなのですが、サウンドにしろメロにしろ、そして歌詞も、極限まで削れる部分を削った楽曲が実に魅力的。シンプルな中に、歌詞にしてもメロディーにしても聴けば聴くほどはまってしまう奥深さを感じます。
今回のアルバムでユニークだったのが楽曲のうち「Mars 2027」「いりぐちでぐち」では大分のトンネルでフィールドレコーディングを行ったという点。基本的にはこちらもアコギのみの演奏なのですが、スタジオ録音とは異なる空気感が流れており(よくよく聴くと、野外のザワザワした音も聴こえてきたりします)不思議な感触が魅力的な作品になっていました。
決して派手さはないのですが、聴きこめば聴きこむほどはまってしまうようなアルバム。大ブレイクしそうなアルバムではないのですが、メジャーデビューしたからこそ、もっともっと多くの方に聴いてほしいなぁ。
評価:★★★★★
そしてこちらは、ジブリ映画主題歌で話題のシンガー。
Title:ジブリと私とかぐや姫
Musician:二階堂和美
スタジオジブリ高畑勲監督作品「かぐや姫の物語」で主題歌「いのちの記憶」を歌っているのがニカちゃんこと女性シンガーソングライターの二階堂和美。その楽曲も収録したアルバムが本作ですが、前半は、その「かぐや姫」からインスパイアされたオリジナルソングが、後半はジブリ映画でつかわれた楽曲のカバーが収録されています。
優しくて、どこか子供っぽい無邪気さを兼ね備えていて、でも一本芯が通っている二階堂和美のボーカルは、ある意味ジブリ映画の世界にもピッタリマッチ。「ケ・セラ・セラ」あたりは、まさに彼女のボーカルがピッタリあったカバー。ただ一方、「天空の城ラピュタ」でおなじみ「君をのせて」は中途半端に無機質な感じを出した結果、ちょっとチグハグな雰囲気だったかも。
ただ、前半のオリジナル曲、和風な雰囲気の楽曲のニカちゃんらしいポップが並んでいて、こちらは文句なしの名曲揃い。カバーも含めて二階堂和美のアルバムとして魅力的な1枚に仕上がっていたと思います。
残念ながら、ジブリ映画主題歌に採用され大ブレイク・・・という感じには行かなかったみたいですが・・・でも今後もこのアルバムのように、優しく無邪気な歌声で名曲を歌い続けてほしいですね!
評価:★★★★★
二階堂和美 過去の作品
にじみ
ほかに聴いたアルバム
DOPPEL/KANA-BOON
最近話題のロックバンドのオリジナルとしてはメジャー初となる作品。いきなりベスト10ヒットを記録するなど一気にブレイクしました。軽快なギターロックは確かにインパクト十分。ただ・・・私はちょっとピンと来なかったなぁ。つんのめるような勢いのあるリズミカルな楽曲が並んでいるのですが、似たようなタイプの曲が多く、ちょっとアルバム全体「暴走気味」という印象も。いい意味でも悪い意味でも若いバンドだな、という印象。
評価:★★★
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