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2014年1月18日 (土)

原点回帰?

Title:love and pain
Musician:たむらぱん

たむらぱんといえば、ここのサイトでもアルバム毎に紹介していますが、突拍子もないコード進行をみせながらもちゃんとメロディアスにまとめあげるポップスを聴かせてくれ、ポピュラリティーがありつつも癖になりそうなメロが大きな特徴でした。

しかし、今回のアルバムに関しては、そんな「ひねくれポップス」の曲がほとんどありません。「手が目が」やラストを飾る「やってくる」では、彼女らしいちょっとひねくれたコード進行の部分が垣間見れるとはいえ、アルバム全体としてはむしろシンプルなポップソングが並んでいるように思います。

今回のアルバム、彼女曰く「原点回帰」ということ。ただ、たむらぱんのアルバムはメジャーデビュー作「ブタベスト」から聴いていますが、その頃にはすでにユニークな構成の曲が特徴的でした。インディーズ時代のアルバムは聴いていないのですが・・・これが「原点回帰」というのはちょっと意外な印象も受けます。

でも彼女の言う「原点回帰」というのは、たむらぱんとしての活動の原点回帰ではなく、ひょっとしたらもっと本質的な部分のことを言っているのではないでしょうか。要するにポップシンガーとしての原点回帰。ポピュラーミュージックというのはあくまでもシンプルなメロが基本。もちろん彼女のようなひねくれポップは僕も好きです。でもポップスの本質は、もっと素直な展開であって、たむらぱんもポップシンガーとしてそんな「原点」に戻ろうとする、そんなアルバムだったのではないでしょうか。

たむらぱんといえば、以前からそのユニークな楽曲から「天才」と称してきました。今回のアルバムはそのシンプルさゆえに「天才」と感じる部分はあまりないな、と最初思いました。しかし、よくよく聴くとその才能は今回のアルバムでも随所にあらわれているように感じました。

特に感じたのはその楽曲展開のスムーズさ。表題曲「love and pain」「第2ステージ」あたりが顕著でしょうか。フレーズからフレーズのつながりが非常にスムーズで、実に見事にフレーズとフレーズがつながっています。ここらへん、いつものたむらぱんの「ひねくれメロ」みたいなわかりやすさはありませんが、やはり彼女は稀代のメロディーメイカーだなぁ、ということを感じることが出来ます。

今回のアルバムでもうひとつ特徴的だったのは、彼女らしい明るいポップが少なめで、全体的にしんみりとした曲が多かった点。そういう意味でもちょっとアルバム全体地味さはあったかもしれません。ただそれでも、きちんとたむらぱんとしての才能を感じることが出来るアルバムでした。

さて、こんな「原点回帰」のアルバムをリリースしてきた彼女。次の一歩は?また以前みたいな「ひねくれメロ」のアルバムを作るのか?それとも新たな一歩に??これからも楽しみになってくるアルバムでした。

評価:★★★★★

たむらぱん 過去の作品
ブタベスト
ノウニウノウン
ナクナイ
mitaina
wordwide


ほかに聴いたアルバム

25 To Life/ZEEBRA

ZEEBRAの約2年ぶりとなるニューアルバム。エレクトロアレンジの曲やコミカルな曲などがあり、それなりにバラエティーある内容ながらも、基本的な路線はいつものZEEBRAといった感じ。良くも悪くもZEEBRAらしさをきちんと押さえたアルバムといった印象でした。

一方おもしろかったのは初回限定盤のボーナスディスク。ブルーノートでのフリューゲルホルン奏者のTOKUとのコラボライブの模様を収録したライブアルバムですが、ジャズとラップの融合がユニーク。メロウなジャズがとても心地よく、それにのっかかるZEEBRAのラップも迫力というよりはしっかり聴かせるラップで、ジャジーなサウンドにもマッチしていて心地よい楽曲を楽しむことが出来ました。

評価:★★★★

ZEEBRA 過去の作品
World Of Music
The Anthology
Black World/White Heat

MAGIC/大橋トリオ

クリスマスソングのカバーを集めた企画盤。「恋人がサンタクロース」「All I Want For Christmas Is You」といったナンバーを、大胆に大橋トリオ流にジャジーにカバーしてなかなかユニーク。アルバム全体的に似たようなタイプの曲が並んでしまっているのはちょっとマイナスですが、しんみり聴かせる「大人のクリスマス」を楽しめるアルバムになっています。

評価:★★★★

大橋トリオ 過去の作品
A BIRD
I Got Rhythm?
NEWOLD
FACEBOOKII
L
R

FAKE BOOK III
White
plugged

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