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2014年1月27日 (月)

日本のロックバンド

Title:ザ・ベスト・オブ・ソウル・フラワー・ユニオン 1993-2013
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン

個人的に、「好きな邦楽ミュージシャンを5組あげよ」といわれたら、間違いなくその名前をあげるであろうミュージシャン、ソウル・フラワー・ユニオン。ライブは少なくとも1年に1度は足を運んでいますし、ひょっとしたら最もライブを見た回数の多いミュージシャンかもしれません。

そんな彼らの魅力とはなんなんでしょう?私はその魅力のひとつとして、人間が本来持っている沸きあがる感情をそのまま音にのせているバンドだから、という点があげられると思います。彼らのサウンドはロックに、日本やアイヌ、韓国の民謡、さらにはアイリッシュトラッドなどの要素も組み合わせた独特のミクスチャーロック。そう、彼らがそのサウンドに取り入れている音楽の多くは、民謡などの土着の音楽です。

こういう土着の民謡は、いわゆるクラッシック音楽のように理論立っているわけではありません。例えば労働歌だったり、例えば子守唄だったり、例えばお祭りでみんながあつまった時に騒ぐための歌だったり、そういう私たちの日常の暮らしの中から自然発生的に湧き上がってきたメロディーやリズムだったりします。

だからこそソウル・フラワー・ユニオンの音楽に小難しい理屈は必要ありません。ただただそのリズムやサウンドに身を任せて楽しむだけ。それは音楽理論によって構築されたような押し付けがましい音楽でもなく、商業ベースにのって売れることを意図されたような音楽でもありません。私たちの誰もがDNAベースで身体の奥底に染み付いているような音楽を奏でるバンド、それがソウル・フラワー・ユニオンの最大の魅力に感じます。

日本の民謡を音楽に取り入れていることから、彼らはまさに日本のロックを作り上げた、という見る向きもあります。そしてそれは間違いなく事実でしょう。ただ、それはおそらく「日本人にしかできないロックをつくろう」と考えた結果ではなく、日本人にとって気持ちのよいサウンドを求めていたら、日本の民衆が、むかしから歌い継がれた民謡にたどりついた、そういうことではないでしょうか。

でも、よく考えたらロックという音楽ももともとはブルースというアメリカ黒人の庶民の生活の中で産まれた歌に行き着きます。そういう意味では、ソウル・フラワー・ユニオンが音楽にとりいれた「日常生活から生まれた歌」というのは、まさにロックという音楽の本質をついているようにも思えます。そういう意味でも、ソウル・フラワー・ユニオンこそ、日本を代表するロックバンド、そう言ってしまっても言いすぎではない、そう思います。

デビュー20周年を記念してリリースしたベスト盤である本作。いままで何作かベスト盤はリリースしてきたのですが、オールタイムベストはこれがはじめて。彼らの代表曲がほぼ収録されているこのベスト盤は、ソウル・フラワー・ユニオンの魅力を知るには十分すぎるくらいの内容だと思います。まずロックが好きなら一度は無条件で聴いてほしいアルバム。そしてその上で、彼らの魅力はライブ!このアルバムで彼らの魅力に触れたら、是非、ライブにも!

評価:★★★★★

ソウル・フラワー・ユニオン 過去の作品
満月の夕~90's シングルズ
カンテ・ディアスポラ
アーリー・ソウル・フラワー・シングルズ(ニューエスト・モデル&メスカリン・ドライブ)
エグザイル・オン・メイン・ビーチ
キャンプ・バンゲア
キセキの渚
踊れ!踊らされる前に

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