フィリピン台風30号被災者への支援アルバム
Title:Songs for the Philippines
昨年11月にフィリピンを襲った台風30号。フィリピン全体で死者6,000人以上、行方不明者1,700名以上という甚大な被害をもたらしました。それから1ヶ月足らずでリリースした、フィリピン被災者への支援を目的としたチャリティーアルバムがこちら。iTunesでのダウンロードでのリリースですが、私もさっそく購入し、微力ながらチャリティーに参加させていただきました。
収録曲は全39曲。ビートルズやボブ・ディランという大御所から、Lady Gaga、fun.といった今をときめくミュージシャンまで豪華なメンバーがズラリとならんでいます。この内容とタイトルで思い起こすのは、東日本大震災直後にリリースされたチャリティーアルバム「Songs for Japan」。こちらも短期間でiTunesでのリリースとなりましたが(その後CDもリリースされましたが)形式的にはそのアルバムと同じ目的のアルバムといった感じでしょう。
「Songs for Japan」の時もそうなのですが、こういうアルバムに感想を言うのは野暮なことかもしれません。ただ、そうとはいっても聴いているうちに思う部分があるのは事実。特に最新のヒット曲をリリースしているミュージシャンの曲が数多く収録されているため、「Songs for Japan」もそうだったのですが、意図せずアメリカの今の音楽シーンを俯瞰できるようなアルバムになっています。
そのため、2011年にリリースした「Songs for Japan」と比べて、音楽シーンの微妙な変化を感じます。そこで思うのは、2011年当時のシーンに比べると、グッとシーンがおもしろくなってきたなぁ、ということでした。
エレクトロポップやR&Bバラード主体だった2011年に比べるとバリエーションも増え、なによりも純粋にメロディーや歌詞を聴かせるポップソングが増えたような印象を受けました。その中で特におもしろかったのがニュージーランド出身の女性シンガーソングライターLordeの「The Love Club」。メロディアスなガールスポップながらも、コーラスを多用したアレンジとシンプルなリズムトラックが印象的なポップソング。最新アルバムがビルボード4位にランクインし、グラミー賞にノミネートされるなど話題のシンガーで名前は知っていたのですが、この曲はおもしろい!一気に興味がわきました。
まあ、ヒットシーンを総括するようなコンピではないので、これで単純にヒットシーン云々いえない部分もあるかもしれませんが、それでもアメリカの音楽シーンは少しずつ勢いを取り戻しつつあるのかなぁ、ということを感じたコンピ盤でした。
もっとも、そういう点は差し置いても、フィリピン支援のために是非。このコンピ発売で思うのは、アメリカという国は、こういうチャリティー活動に関しては本当に積極的で、かつ迅速だなぁ、という点。こういう姿勢は見習いたいですね。また、こういうコンピをこれだけ迅速にリリースできるようになったのはやはりダウンロード販売あったからこそ。こういうチャリティーコンピが迅速に発売できう点ではネットの大きなプラスだよな、と思います。
ちなみにダウンロードはこちらから↓(iTunesが立ち上がるかもしれないのでご注意を)
https://itunes.apple.com/jp/album/songs-for-the-philippines/id764022051
評価:★★★★★
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