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2014年1月 2日 (木)

恒例のブルースカレンダー

Title:2014-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar

今年最初に紹介するアルバム(?)は、昨年も紹介したアメリカのブルース・イメージ社という会社が毎年リリースしているブルースカレンダー。昨年1年間、私の部屋の壁を彩ってくれました。今年のヴァージョンも昨年に引き続き購入。新年より、私の部屋の壁に飾ってあります。

カレンダー自体も発売当時の貴重な宣伝のアートワークや写真で飾られておりまさに「目で楽しむ」ブルースといった感じ。この宣伝アートワーク、表紙を飾る絵もそうなのですが、どこかユーモラスを感じられるものが多く、ブルースという音楽があくまでもエンターテイメントである、ということをあらためて実感します。

さて、本体のカレンダーもまたとても重要なのですが、それと同じくらい、いやそれ以上にお目当てなのが付録としてついてくる全24曲入りのCD。戦前の貴重な音源が収録されており、ミュージシャンの名前を見ても「誰??」という人も多いのですが、今回の目玉は2012年8月に80年ぶりに発見されたというBLIND BLAKE幻の楽曲「Miss Emma Liza」とB面に収録されていた「Dissatisfied Blues」が収録されているという点。これだけでもまさに「買い」だと思います。

その「Miss Emma Liza」は、とても軽快で楽しく、ちょっとコミカルな感じのする楽曲。一方、「Dissatisfied Blues」は、メロディアスなギターの演奏が楽しめる作品。昨年のブルースカレンダーの付録CDでも同じように感じたのですが、この2曲に限らず、戦前ブルースは、テクニックを聴かせるというよりも、楽しくポップな曲を聴かせる、エンタテイメント性の高い作品が多いように感じます。このアルバムにしても冒頭を飾るHenry Thomasの「Bull Doze Blues」も、かわいらしい笛の音色が印象に残りますし、Mississippi Sheiksの「Cracking Them Thing」も軽快なバイオリン(フィドル?)の音色がワクワクします。

ただ、その中で異彩を放つのが、このシリーズ初登場のBessie Smith「Blue Spirit Blues」。感情たっぷりに歌い上げられるパワフルなボーカルは、今聴いても心に突き刺さるものがあります。さすがは「ブルースの女帝」といったところでしょうか。

それだけ魅力的な楽曲が多いCDなのですが、じゃあ無条件でお薦めできるか、と言われると正直ちょっと厳しいものが。というのも今回の作品、貴重な音源が多い反面、音が非常に厳しいものが多く、戦前ブルースがかなり好き、というのでなければ、途中で聴くのが厳しくなってくるくらいでした。

あくまでもCDはおまけでメインはカレンダーだからこそ、音の悪さを度外視してCDに収録できた、ということでしょうか。それはそれで貴重なのですが。そういう意味で聴く人は選びそう。ただ、戦前ブルースが好きなら、要チェックの作品だと思います。

評価:★★★★

2013-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar


ほかに聴いたアルバム

IN2TION(邦題:2CELLOS2~IN2ITION~)/2CELLOS

ユーゴスラビア出身の2人組による、2本のチェロだけでポップスやロックをカバーして話題となったミュージシャン。彼らの曲が日本でもドコモのCMソングに採用され話題となり、このアルバムは日本でもヒットを記録しています。

チェスをまるでギターのように、時には激しく、時にはヘヴィーにかきならす楽曲は確かにユニークで惹かれるものがありました。ただ、どうしてもチェロだと「綺麗な」音になってしまうため、曲によってはチグハグなカバーも。レッチリの「Californication」のカバーなどはやはりあのファンキーなリズムがあってからこそなので、正直、つまらなかった・・・。

とはいえ、アルバム全体としてはアグレッシヴな演奏を楽しむことが出来たアルバム。チェロだけでこれだけ様々な曲を奏でられるというのは驚きでした。

評価:★★★★

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コメント

ゆういち様

はじめまして
こんにちは

GAOHEWGIIと申します。

ブルースカレンダーってあるんですね。
しかもCD付きで。
コンピCDは非常に渋いですね。
ブルースは
BLIND BLAKEのシングルB面曲に喜べるレベルではないので、もっと精進します。

IN2TIONは知りませんでしたが
確かにアグレッシヴな弾きっぷり。
インパクトがありました。

投稿: GAOHEWGII | 2014年1月 3日 (金) 12時09分

>GAOHEWGIIさん
はじめまして!書き込みありがとうございます。
ブルースカレンダーはCDの内容も渋いのですが、カレンダー自体も渋くて、なにげに部屋のインテリアとしても良いんですよ。是非、一度挑戦してみてください!
2CELLOSはかなりアグレッシヴですよね。曲によっては単なるBGMレベルになってしまうのは残念ですが、チェロでロックという試みはおもしろかったです。

投稿: ゆういち | 2014年1月 6日 (月) 23時43分

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