N'夙川BOYSの完成形?
Title:Timeless Melody
Musician:N'夙川BOYS
昨年来、はまっているバンドN'夙川BOYS。昨年、アルバム「24HOURS DREAMERS ONLY!」がリリースされ、今年ベスト盤がリリースされるなど、勢いが続いていますが、その勢いにのるように早くもニューアルバムがリリースされました。
先行シングルとなった「Hello,999」は、また彼ららしいポップでロッキンなナンバー。サビの部分は彼らのお得意ともいえる、女性ボーカルと男性ボーカルで違うフレーズを歌うというスタイル。N'夙川BOYSの魅力をしっかり詰め込んだ先行シングルで、否応なくアルバムへの期待も高まりました。
そんな彼らのニューアルバムは、まさにN'夙川BOYSらしいポップチューンの連続。彼ららしいポップでキュートな「Boys and Girls」からスタート。「It's all lie」はテンポよいリズムの軽快なダンスナンバーに。先行シングルのカップリング「全、力、女、子!」は思いっきり明るい女の子への応援歌で、90年代前半あたりのちょっと懐かしいガールズポップの匂いも感じさせるナンバーになっています。
メジャーからのリリースとしてはこれが3枚目となるアルバムですが、本作、N'夙川BOYSのひとつの完成形のように感じました。本作の大きな特徴としては、いままで以上ポップス色が強くなった点。「Hello,999」「全、力、女、子!」などはもちろんですが、その他にもシングルカットできそうなインパクトのあるポップナンバーが揃っています。
その一方で、ガレージ色というか、初期のN'夙川BOYSにあったような「はちゃめちゃ」な感じがちょっと薄らいでしまった感じが。「kiss kiss」や「Change」あたりはノイジーなギターサウンドが前に出て、ガレージパンク色が前に出ており、ガレージロックバンドの雰囲気を強く出していたのですが、アルバム全体としてはガレージ色はちょっと後ろに下がってしまった感じがあります。
その結果としてアルバム全体としてまとまりが出たようにも感じられます。いままでのアルバムは、メンバーが好きなことを好き勝手にやっていて、その結果、名曲もあった一方、ハズレもあったのも事実。その一方、今回のアルバムに関してはまとまりがあったため、あれ?といった大ハズレはありませんでした。
もっともその反面、いままでのアルバムにあったような、どこへ暴走するのかわからない、いい意味でも予測不能さがなくなってしまい、ともすれば「小さくまとまってしまった」といえなくもない部分も。個人的には、前作のように、もうちょっとガレージロックの要素が強かった方が好みだったかもしれません。
ただ、N'夙川BOYSとしてやれることを上手くまとめて詰め込んだアルバムは、上にも書いた通り、まさに彼らにとってひとつの完成形と言えるでしょう。いろいろと思う部分もありますが、今回もまたそのポップでキュートなメロディーにはまってしまったのも事実。まだまだしばらくは彼らにはまっていそうです。
評価:★★★★★
N'夙川BOYS 過去の作品
PLANET MAGIC
24HOURS DREAMERS ONLY!
THANK YOU!!!
ほかに聴いたアルバム
ROCK/木村カエラ
木村カエラのニューアルバムは、チャットモンチーや石野卓球、斉藤和義、くるりの岸田繁という実力派ミュージシャンたちと組んでロックの名曲をカバーしたカバーアルバム。ちなみに、今日、上で紹介しているN'夙川BOYSも参加しています。カバーした曲も「Take On Me」「MY GENERATION」などメジャーな曲がメイン。エレクトロを主体としたアレンジで、正直、手を組んだ個々のミュージシャンたちの個性が十分に出ていない点は残念でしたし、彼女のボーカルも決して絶賛できるような表現力はないのですが、素直にロックという音楽を楽しんでいる要素は十分に伝わってきており、ロックのエンターテイメント性という側面を上手く引き出しているカバーだと思います。なにより聴いていて素直に楽しいと感じるアルバムでした。
評価:★★★★★
木村カエラ 過去の作品
+1
HOCUS POCUS
5years
8EIGHT8
Sync
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