話題のシンガーの新作
Title:ARTPOP
Musician:LADY GAGA
おそらく今、お茶の間レベルという意味ではもっともホットなミュージシャンの一人、LADY GAGA。日本で海外のミュージシャンが話題になることが、最近ではすっかり少なくなってしまった中、日本でもお茶の間レベルまで名前を知れた、最近では数少ないミュージシャンでしょう。そんな彼女の2年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。
LADY GAGAと言えば、やはり話題になるのはその奇抜なアートワーク。前作「Born This Way」では、彼女自身がバイクになる、という非常に奇抜なジャケット写真が目をひきました。今回のアルバムでは上の写真の通り「ARTPOP」というタイトルから類推されるような、昔の芸術作品をコラージュのように配し、彼女自身の姿もまるで芸術作品のように形どっています。今回もかなり奇抜なジャケットが目を惹く作品になっています。
ただ一方で楽曲自身についてはかなりシンプル。今回のアルバムでも今風なEDM路線を主軸にしつつ、ポップでメロディアスな楽曲を聴かせてくれます。楽曲にはアートワークのような奇抜さはほとんどなく、むしろ優等生的。もっともこの「ファッションは奇抜だけど楽曲はわかりやすいポップ」というバランスが、世界的な人気の理由なのかもしれませんが。
そんな訳で、楽曲についてはいままでのLADY GAGAが好きなら普通に気に入りそうな作品になっていました。もっとも悪くはないのですが、いつも通りという感想が長い目で見ては必ずしもプラスではないような気もします。まあ、下手にあらたな作風に挑戦してグダグダになるよりはいいとは思うのですが・・・。
実際、このアルバムのセールス、アメリカはもとより、イギリスやここ日本でもチャート1位を獲得するなど、相変わらずな高い人気を見せつけた一方で、アメリカでも日本でも販売初週の売上が前作を大きく下回るなど、明確にピークを超えた売上動向になってしまっています。ファッションが奇抜だったからこそ、逆に飽きられるのも早かったのでは、そんな心配もよぎってしまいます。
それだけに次は楽曲で新たなGAGA像に挑戦、という期待もないではないのですが・・・ただ、急に新たな作風にしないまでも、そろそろ少しづつでも曲調を変えていかないと、楽曲自体も急速に飽きられてしまうかも。このアルバム自体、決して悪いアルバムではないのですが、そんな不安もよぎってしまう作品でした。
評価:★★★★
LADY GAGA 過去の作品
The Fame
BORN THIS WAY
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2013年」カテゴリの記事
- 44年ぶり(2013.12.29)
- 荒々しいトラックが強烈(2013.12.24)
- あの傑作アルバムの続編(2013.12.23)
- 早くも2作目!(2013.12.21)
- 驚愕のライヴ!(2013.12.15)
コメント