驚愕のライヴ!
Title:LIVE AT THE AVANT GARDE
(邦題 驚愕の発掘ライヴ1968~ライヴ・アット・アヴァン・ギャルド)
Musician:MAGIC SAM
またも出ました、MAGIC SAMの未発表ライブ盤!今年8月に、廃盤になっていたライヴ音源をリイシューして話題となったばかりですが、今回の音源は未発表音源。1968年6月22日に、ミルウォーキーのコーヒーハウス「アヴァン・ギャルド」で行われたステージを、当時18歳のジェイムズ・シャーンが自ら機材を持ち込んで録音したそうです。
前にも紹介しましたが、一応再度ご説明させていただくと、MAGIC SAMは1969年に、わずか32歳の若さで亡くなったブルースギタリスト。今後の活躍を嘱望されながら、生前にわずかな音源を残してこの世を去ったミュージシャンなだけに、この手の音源を待ち望まれているのでしょう。
今回のアルバム、メディア等での事前の評判はかなり良く、まあ、もちろん宣伝文句なので話半分で聞いていたのですが、それでもかなり期待してこのアルバムを聴いてみました。
で。まじでカッコいいです、このアルバム!ここでいままで3枚のライヴ盤を紹介してきましたが、その中でベストの内容だったのではないでしょうか。まずとにかく音がいい。いままで未発表だったというのが信じられないくらいのクリアな音で、ライブの雰囲気や、バンドの力強い演奏、そしてすぐそこで歌っているようなMAGIC SAMの歌声もたまりません!
また、この日はベースのビッグ・モジョ・エレム、ドラムスのボブ・リッチーを率いての3人のみでの演奏だったようですが、この3人の息もピッタリ。MAGIC SAMのギターの音も、非常にエッジが利いていますし、アップテンポな曲では3人が対峙するような緊迫感ある演奏が、スローテンポの曲では3つの音がからみあうグルーヴィーな演奏が、実に魅力的でした。
特に「FEELIN' GOOD」の3人の息もつかせぬ演奏は、聴いていてもドキドキするような演奏。「I NEED YOU SO BAD」や「SAN-HO-ZAY」のゴリゴリのギターのプレイもたまりません。そんなブルージーな演奏の合間に入っているサム・クックのカバー「THAT'S ALL I NEED」も絶品。軽快でポップなカバーがサムの音楽の幅の広さを感じます。
多分、ブルースが好きなら、一度このアルバムを聴きはじめると、最後まで止まらなくなっちゃうんじゃないかなぁ。それだけ魅力的なステージでした。また、彼の代表曲はもちろん、「HOOCHIE COOCHIE MAN」やOTIS RUSHの「ALL YOUR LOVE」をはじめ、ブルースの名曲も数多くカバーとして演奏しており、そういう意味でもブルースの入門盤としてもお薦めできそうなアルバム。まさに邦題の通りの驚愕のライヴでした。
評価:★★★★★
MAGIC SAM 過去の作品
LIVE 1969 RAW BLUES!
LIVE AT SYLVIO'S
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