Phoenix Rising Asia Tour 2013 Nagoya
ROVO and System7
会場 ボトムライン 日時 2013年11月15日(金)20:00~
2011年にお互いの楽曲をカバーし合うアルバム「Phoenix Rising」を発売した日本の人力トランスバンドROVOとイギリスのテクノユニットSystem7。そのジョイントライブが行われました。
もともと、今回のライブに行きたいと思ったきっかけはそんな彼らが2011年に行ったジョイントライブの模様を収録し、配信限定でリリースされたアルバム「PHOENIX RISING LIVE in KYOTO」。ROVOとSystem7のサウンドの融合に鳥肌モノだったこのライブ盤を聴いて、もしROVOとSystem7のジョイントライブがまた行われるなら駆けつけなくては!と思っていました。そしてついに待望のジョイントライブ開催!!もちろん、事前にリリースされた「Phoenix Rising LP」も購入し、この日のライブにかけつけました。
ROVO
この日は、まずROVO、System7それぞれのライブを行った後、両者のジョイントライブが行われるスケジュール。会場は8割程度の入りで、思ったほどの混雑ではありませんでした。ただ、ライブを見たり、踊ったりするにはちょうどよい感じの客の入りでしたが。
予定を10分強オーバーしたところでROVOが登場。ROVOのステージは昨年のフジロック以来。もちろん、ROVO単体でのステージも非常に楽しみにして来ました。
ライブは長尺の4曲で40分程度の内容。ダイナミックなバンドサウンドをテンポよく聴かせるトランシーなサウンドは相変わらずのステージ。ただ、個人的にこの日のライブ、何度か見たROVOのライブの中で一番の出来だったのでは??と思うほどのステージでした。
特にツインドラムのサウンドに圧巻。もちろんツインドラムのサウンドが鳴り響くステージはいつも通りなのですが、ボトムラインという狭い空間ではそのドラムのリズムがより腹に響き迫力が増していました。時々入るトライバルなパーカッションのリズムもまた非常に心地よく、ドラムのサウンドに耳を奪われるステージでした。
余談だけど、そのドラムスの2人はご両人とも髪の毛をスキンヘッドにしていたのも大きなインパクトでした(^^;;
さらにこの日はライブ初日ということもあって、全く疲れのないいい意味で軽く音楽を楽しんでいるような雰囲気が伝わってきたステージでした。なんというか、変な力みもなく、バンドの息もピッタリ。せめぎあうような緊張感というよりも、一緒にスペーシーな空間を作り出して楽しんでいる、そんな雰囲気が漂うステージ。これはやはりツアー初日ならでは、という感じでしょうか。そういう意味でも、いままで見たROVOのライブの中でベストの内容では?と感じたステージでした。
System7
そんなROVOのステージに圧倒されつつ、続いてはSystem7のステージへと続きます。そしてなんと驚くことに彼らのライブ、ROVOのステージをさらに上回る素晴らしいステージを見せてくれました。
まずステージ上にはメンバー2人が登場。その前にはリズムマシンにマックのパソコンがセット。2人でリズムマシンやシーケンサーをいじりながらのステージで、基本的には王道ともいえる四つ打ちのテクノが非常に踊りやすいリズムを作り出していました。
ただし、そんな中、ロックテイストが強かったのが彼らの特徴。途中、メンバーの一人、スティーブ・ヒレッジはギターを抱えて、ノイジーなギターサウンドを楽曲に入れてきたり、あるいはビートもとてもヘヴィーでノイジーなものを入れてきたり、ロック風のダイナミズムさを入れていて、これがまた身体にダイレクトに響き渡りました。もうカッコいいの一言でした。
で、この日はじめて知ったのですが、彼ら、メンバーの一人は女性なんですね・・・(^^;;なんか、女性メンバーのミケット・ジラウディーが、楽曲にあわせて妙に色っぽく踊るのもこの日のステージで印象に残りました。
彼らも40分程度のステージだったのですが、途中、ビートの強いナンバーをテンポをどんどん速めて煽る煽る(笑)。もう、会場は興奮のるつぼと化したステージで、おそらくこの日一番盛り上がっていたようにも思います。私も思わず腕を振り上げつつ、思いっきり踊ってしまいました。身体にダイレクトに響くリズムがとても心地よいステージで、難しいこと抜きで踊りまくれるサウンドがとてもインパクトがありました。System7、予想以上に素晴らしかった!また彼らのライブがあれば、是非とも足を運びたいです。
ROVO and System7
そして、System7が終わると、待望のROVOとSystem7のジョイントライブ。決して広くないボトムラインのステージ上に、ROVOとSystem7のメンバーがひしめき合う、賑やかなステージとなりました(笑)。
基本的に楽曲は最新アルバム「Phoenix Rising」からのナンバーがメインで、ROVOの演奏を主軸としてSystem7が加わるようなスタイル。そのためROVOのサウンドよりも分厚い、まさに音の洪水に、終始圧倒されるようなステージでした。
System7のメンバーは、リズムマシーンを駆使したエレクトロなリズムを作り出す・・・かと思えば、主にスティーブ・ヒレッジはギターを演奏、ミケット・ジラウディーはエフェクターをいじって、ノイズを作り出していました。
そんなサウンドももちろん十分に楽しめたのですが・・・正直言ってしまうと、事前に期待していたほどではなかったかなぁ。いや、ライブの内容としては申し分なく楽しめたんですけどね。でもライブアルバム「PHOENIX RISING LIVE in KYOTO」で感じたレベルには残念ながら及ばなかったように思います。
結局、System7のメンバーがギターとノイズで演奏に加わっていたため、ROVOの演奏の延長線上みたいになって、System7との融合という側面がちょっと薄れたのが大きな理由のような気がします。また、このジョイントについてはライブ初日の影響でしょうか、まだROVOとSystem7の融合がチグハグな部分もあったように思いました。
ただ一方、何曲かはSystem7が主軸となり、エレクトロなリズムマシンでトランシーなリズムを作り出した曲があったのですが、こちらは文句なしに鳥肌モノ。特にSystem7のエレクトロなサウンドと勝井祐二のバイオリンの音色の融合がなんともいえず緊迫感あるサウンドを作り出していて、非常に耳を惹きました。
ROVOとSystem7のジョイントは、今後ツアーが進むにつれ、徐々によくなっていきそうだなぁ。この日のライブも後半になるに従いチグハグさがなくなり、最後アンコールもあったのですが、徐々に両者で作り出すスケール感あふれるスペーシーなサウンドに身体が自然に動き出してしまう魅力的なサウンドを聴かせてくれました。
そんな訳で、最後のジョイントライブはアンコールを含めて1時間半程度。終わったのは11時半ちょっと前。ROVOも素晴らしかったのですが、それ以上にSystem7がよかったなぁ。両者のジョイントは予想していたほどではなかったものの、十分楽しめたステージでした。かなりボリュームのあるライブで、ヘトヘトにつかれましたが、とても充実した時間を過ごすことの出来たステージでした。
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