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2013年12月

2013年12月31日 (火)

2013年ベストアルバム(暫定版)

早いもので今年もあと1時間弱となりました。今頃みなさん、今年最後を家でのんびり過ごしているのでしょうか?それともカウントダウンイベントの最中に、スマホで見てくださっている方も??今年も、当サイトをご愛顧していただき、まことにありがとうございました。で、恒例2013年ベストアルバムの暫定版。まだ今年に発売されたアルバムで未聴のアルバムもあるので、正式版はまた1月下旬に。

邦楽編

まずは上半期のベスト5を・・・

1位 Ten/キリンジ
2位 We are 東京カランコロン/東京カランコロン
3位 踊れ!踊らされる前に/ソウル・フラワー・ユニオン
4位 ダーティーサイエンス/RHYMESTER
5位 人間と動物/電気グルーヴ

これに続く、下期のベスト盤候補は・・・

予襲復讐/マキシマム・ザ・ホルモン
音楽はあるか/ウラニーノ
ハモ騒動~The Gospellers Covers~/ゴスペラーズ
公園デビュー/赤い公園

・・・・・・・・・うーん、正直言ってしまって、今年はかなり不作な印象があります。上記を見てわかるとおり、ベスト盤候補を並べても10枚に満たない・・・。ヒットシーン、特にシングルヒットは、いかにファンに複数枚買わせるか、の競争になってしまい、本当の意味での「ヒット曲」がなくなってから久しくなってしまったのですが、音楽シーン全体が停滞してしまったのでしょうか。ちょっと心配になってしまうこの1年でした。

洋楽編

1位 m b v/My Bloody Valentine
2位 SHOCK EL HAL(時代の棘)/GNAWA DIFFUSION
3位 More Light/Primal Scream

これに続く、下期のベスト盤候補は・・・

LOVE IN THE FUTURE/JOHN LEGEND
SNAPSHOT/THE STRYPES
Rewind The Film/Manic Street Preachers
MOJO JUJU/MOJO JUJU
REFLEKTOR/ARCADE FIRE
Govermment Plates/Death Grips
LIVE AT THE AVANT GARDE/MAGIC SAM

うって変わって洋楽は名盤づくしの1年!マイブラの待望すぎるニューアルバムやPrimal Screamの新譜も傑作でしたが、後半も傑作が続々。特にTHE STRYPESやJAKE BUGGなどといった新人からARCADE FIREのような中堅、さらにマニックスのようなベテランまで、様々な層のミュージシャンが傑作をリリースしてくれました。

今年1年を振り返ると、やはり邦楽シーンはちょっと寂しかった印象が。その反面、洋楽シーンの活況が目立ったような気がします。もっとも、まだ聴いていないアルバムも少なくないので、このイメージがまた変わるかもしれませんが・・・。また来年も数多くの名盤に出会えますように。

それではみなさま、よいお年を!

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2013年12月30日 (月)

2013年ライブまとめ

今年もあと2日。ということで、例年のライブまとめです。本当に1年、早いですね・・・。

1/20(日) チャットモンチー TOUR2013(Zepp Nagoya)
2/10(日) RHYMESTER「ダーティーサイエンス」発売記念ミニライブ&トークショー(CLUB SARU)
2/16(土) 米米CLUB a KOME KOME CLUB ENTERTAINMENT 2013 大天然祭~大漁歌い込み~(日本ガイシホール)
3/6(水) 電気グルーヴ ツアーパンダ(Zepp Nagoya)
5/11(土) 森、道、市場 2013(三ヶ根山ロープウェイ山麓駅跡周辺) その2
6/6(土) 橋の下音楽祭(豊田大橋下千石公園特設ステージ) その2
6/14(金) ソウル・フラワー・ユニオン 踊れ!踊らされる前に ~ミニアルバム発売記念ツアー(ell.FITS ALL)
8/24(土)25(日) スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド(富山県南砺市ヘリオス/フローラルパーク) その2  
9/9(月) BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR 「WILLPOLIS」(日本ガイシホール)
9/12(木) JFL 20TH ANNIVERSARY LIVE FOR THE NEXT(Zepp Nagoya)
9/22(日) 中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013(中津川公園内特設ステージ) その2 
10/5(土) ZIP AUTUMN SQUARE(久屋大通公園久屋広場)
11/25(月) ハルカトミユキ「シアノタイプ」発売記念 インストアイベント(タワーレコード名古屋パルコ店)
11/15(金) Phoenix Rising Asia Tour 2013 Nagoya(ボトムライン)
11/16(土) Peacetribe2013(岡崎公園一帯) その2
11/23(土) 黒木渚 2nd single「はさみ」発売記念インストアイベント(名古屋パルコ1階イベントスペース)
12/4(水) 矢野顕子 さとがえるコンサート2013(名古屋市芸術創造センター)

今年もたくさんの素晴らしいステージを体験することが出来ました。その中でベスト3は・・・

3位 UKANDANZ@スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド

今年も参加しました、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド。どのステージも素晴らしかったのですが、その中でも特によかったのがUKANDANZのステージ。エチオピア音楽にロックの要素を取り入れたダイナミックな演奏が迫力満点。変拍子も取り入れたりして、複雑なリズムに最初は立ちすくんでしまったのですが、徐々に身体が動き出し、気がついたら踊りまくっていたステージでした。

2位 電気グルーヴ@ツアーパンダ

以前から、ワンマンライブがあったら是非とも足を運ぼう、と思っていた電気グルーヴ。久しぶりのワンマンライブだったのですが、予想通り、いや予想以上に楽しいライブでした。相変わらず楽しいトークを間に挟みつつ、しかしサウンドはしっかり聴かせて踊らせるステージ。まさにエンタテイメント性満載のステージで、3時間近い長丁場ながら、あっという間のステージでした。

1位 チャットモンチー@TOUR2013

そして今年のベストライブは、今年のライブ初めのライブ。「2ピースの極み」ともいうべき基本2人だけでのステージだったのですが、その演奏力の高さに圧倒。2人が「お引越し」という言葉通り、場所を入れ替えつつ様々な楽器を演奏したライブなのですが、どの楽器の組み合わせでも見事な演奏を聴かせてくれた、2人の息がピッタリあったステージ。ロックバンド、チャットモンチーとしての実力を再認識させられたステージでした。

他にもRHYMESTER、米米、在日ファンク、ZAZEN BOYS、知久寿焼、ソウルフラワー、MARIANA BARAJ、ANTONIO LOUREIRO、OLIVER MTUKUDZI&THE BLACK SPIRITS、せっちゃん、トライセラ、泉谷しげる、System7、U-zhaan、宮内優里、矢野顕子・・・と、素晴らしいステージが多かったなぁ。ちなみに、今年はフェスもいろいろ行きましたが、ベストはやはり8月の中津川THE SOLAR BUDOKANかなぁ。来年も開催されたら是非とも行きたい!来年も、また多くの素晴らしいライブに足を運びたいです。

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2013年12月29日 (日)

44年ぶり

Title:Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Musician:THE ROLLING STONES

すいません、このライブ盤の感想の前にひとこと。2割冗談、8割本気です。

なんでストーンズの来日公演、東京のみでかつ平日オンリーなんですか(怒)。

この間のポール・マッカートニーの来日公演も平日オンリーだったし、そうやってチケットの売上を調整しているのかもしれませんが、もうちょっと地方の人のことを考えてほしいなぁ。一方では「最後の来日かも」って煽っておきながらあんまりです。

さて、そのTHE ROLLING STONESが今年7月6日と13日にロンドンのハイド・パークで44年ぶりに行ったライブの模様を収録したDVD+CD。彼らにとってハイド・パークのライブは大きな意味があって、44年前、1969年7月5日にハイド・パークでフリーライブを行ったのですが、その直前の7月3日に、グループを脱退したばかりのオリジナルメンバー、ブライアン・ジョーンズが急逝し、急遽彼の追悼ライブになったという、彼らにとって曰くつきの会場だったりします。

今回のこのDVDでは、ライブ映像の間にドキュメンタリー映像も挟まったりして、69年のライブとリンクしたような構成となっています。ただ、ドキュメンタリー映像はあくまでもおまけ的な要素で、メインはあくまでも2013年のライブ映像。ライブ自体も基本的に69年とリンクさせるような部分は少なく、過去に関係なく、今のストーンズのライブを楽しめる映像になっています。

そしてそのライブ、メンバー全員、齢70歳になろうというにも関わらず、現役感バリバリ。全盛期に迫ろうかというほどの勢いあるステージを見せてくれており、その年齢を感じさせません。特にそのキーとなるのがミック・ジャガー。彼のボーカルはいまなお艶があっていろっぽく、パフォーマンスもキレキレ。70歳のおじいちゃん(先日、ひ孫が誕生したとか!)とはとても思えません。「Happy」を歌うキースのボーカルが年齢なりなのと比べると、その若々しさは顕著でした。(もっとも、キースの年齢なりのボーカルも、「YOU GOT THE SILVER」のようなブルースナンバーではむしろピッタリ来るのですが)

もっとも、キースやチャーリー、ロニーの演奏も全くその年齢を感じさせません。もともと、ヘヴィーな音楽を体力重視で鳴らすようなバンドや、テクニック重視のバンドではないからこそ、この年齢になってもこれだけの演奏が出来るのでしょうが、その点を差し引いても、彼らのこの若さ、現役感は驚くべき限りです。

最初、正直このライブDVDは、70歳近いおじいちゃんバンドの演奏だし、どうしよう・・・・と思っていたのですが、実際に映像を見てみて、70年代あたりの演奏と大差ないクオリティーのステージにビックリしました。本当に、とんでもないバンドだなぁ。それだけに来日公演を・・・(苦笑)。

また、このライブ映像の構成自体も実に秀逸。ちょっと引きの映像でステージ全体や会場全体を映している映像や、観客の楽しんでいる顔の映像も多用しており、会場のハッピーな雰囲気が伝わってくる映像になっています。そういう意味でも素晴らしいライブDVDでした。

この歳にして、このライブの内容、ストーンズすごい!の一言。また、その雰囲気をちゃんと収録したこのDVDも見事な内容でした。それだけに、もっと多くの人が来日公演を楽しむ機会をつくってほしいのに・・・・・・。

評価:★★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES
GRRR!
HYDE PARK LIVE

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2013年12月28日 (土)

削除クロース(笑)

Title:終わらない映画
Musician:TOMOVSKY

前回紹介したウラニーノは歌詞が大きな売りのミュージシャンでした。今回紹介するTOMOVSKYもまた歌詞が大きな魅力のミュージシャンです。

何度かここでも紹介したことがあるのですが、TOMOVSKYは、80年代後半にカステラというバンドでデビューした大木知之のソロプロジェクト。世の中を斜めから見たようなユニークな人生訓を織り込んだ歌詞に、様々な音をユーモラスに取り入れた宅録の音がとてもユニークなミュージシャン。「人生訓」というと堅苦しく感じてしまいますが、でも彼は決して押し付けがましくなく、物事の視点をちょっとだけ変えたような歌詞は、聴いている時は楽しく聴きつつ、聴きおわってから「はっ」とその良さに気がつくような、そんな不思議な魅力があります。

今回のアルバムは本人曰くコンセプトアルバムだそうで、アルバムのコンセプトとなるキャラクターが、サンタクロースの親戚、「削除クロース」なる人物(笑)。「削除」がこのアルバムのテーマとなっているそうで、前半は時間の削除、後半は自意識の削除がひとつのコンセプトになっているそうです。

そんなコンセプトがしっかりしているからか、本作はここ最近少々薄味だった歌詞がインパクトあるものが出来上がったように思います。特にユニークだったのが「さしだせ」で、

「明日に期待したいのなら
それに見合ったなにかをさしだせ
未来に期待したいのなら
それに見合った今日までをさしだせ」

(「さしだせ」より 作詞 大木知之)

と「明日というのは今日までの積み重ねなんだよ」ということをユーモラスに語った歌詞には思わず考えさせられるものがありました。ほかにも

「人生の長さは神様が決めるとしても
一日の長さはこっちが決めるよ」

(「抵抗」より 作詞 大木知之)

「人のためだと手足は動く
自分の部屋はグチャグチャなままなのに」

(「ほうき」より 作詞 大木知之)

など、ユーモラスなので決して堅苦しさはないのですが、よくよく聴くと考えさせられるフレーズが要所要所に入っているがとてもおもしろいアルバムになっています。アルバムタイトルの元になっている「映画の中」も、メタ視点の歌詞がユニークなのですが、このどこかメタ視点を感じさせる点って、TOMOVSKYの歌詞全体に共通するよなぁ。そういう意味では、この世の中全体を映画に例えた「終わらない映画」というこのアルバムタイトルは、実にTOMOVSKYらしいといえるでしょうし、また、そのため、このアルバムも実にTOMOVSKYらしい作品になっていました。

思いっきり楽しんで、クスッと笑って、でも終わった後ちょっと考えさせられる、そんなアルバムでした。また例のごとく、ギターロックを主軸におもちゃ箱のような楽しい音をちりばめたポップなメロディーやサウンドもとても楽しくて魅力的。ここ最近、ちょっと物足りない感触のアルバムが続いていたのですが、久しぶりに満足が出来た傑作でした。やはりTOMOVSKYは楽しい!

評価:★★★★★

TOMOVSKY 過去の作品
幻想
秒針
いい星じゃんか!


ほかに聴いたアルバム

"X"Chronicle of SOIL&"PIMP"SESSINS/SOIL&"PIMP"SESSIONS

ジャズバンドSOIL&"PIMP"SESSIONS初となるベスト盤。ジャズバンド、というよりもジャズでありながらロック的なダイナミックな演奏を楽しめる楽曲が並んでおり、ホーンセッションが激しく吹き鳴らさせる楽曲は迫力満点。文句なくカッコよさを感じます。ただ、アルバム全体としては正直似たような曲が並んでしまっている印象も。代表曲を集めただけに、似たタイプの曲が並んでしまったのでしょうが・・・。

評価:★★★★

SOIL&"PIMP"SESSIONS 過去の作品
PLANET PIMP
SOIL&"PIMP"SESSIONS presents STONED PIRATES RADIO
MAGNETIC SOIL

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2013年12月27日 (金)

音楽シーンへの憤りも感じる

Title:音楽はあるか
Musician:ウラニーノ

最近、どうもメロディーやアレンジにしろ、歌詞にしろ、複雑で少々奇抜なものが評価されることが多いように感じます。確かに、複雑で奇抜な楽曲はそれだけでインパクトがありますし、耳を惹くものがあります。ただ、本当に複雑で奇抜な楽曲が優れた曲と言えるのでしょうか?もちろん、凝ったアレンジや歌詞の曲にも優れた曲はたくさんあります。でもメロディーやアレンジ、歌詞がシンプルであるのに、人の心を惹く曲はもっと高い評価を受けていいのではないでしょうか。

これがフルアルバムとしては2枚目となる2人組バンド、ウラニーノ。彼らの楽曲はちょっとフォークの要素の入ったシンプルなギターロック。正直、決して目新しくはありません。また、歌詞も比較的身の回りの出来事を取り上げることが多く、そのテーマ性に奇抜さはありません。しかし、ボーカル山岸賢介の書く歌詞は、その物語性やその視点の位置が実に見事。彼の書く歌詞は、今の時代、もっともっと高く評価されてもいいように感じます。

いままでウラニーノの描く歌詞の世界は主に日常を基軸とするものでした。今回のアルバムもそんな日常性は健在。しかし、それ以上に今回のアルバムはテーマ性を持った歌詞が多く見受けられました。

まずひとつ大きなテーマとなっているのが、現在の音楽シーンに対する問題提起。タイトルナンバーでもある「音楽はあるか」は今の世の中、ヒット曲不在で日常の中、影が薄くなってしまったような音楽に対する強烈な問題提起を行っていますし、「ブランクミュージック」では

「ロックミュージックもダンスミュージックもJポップでもなく
ジェネレーションも タイアップも 握手券も越えて
響け ぼくらの ブランクミュージック Oh Yeah!」

(作詞 山岸賢介 「ブランクミュージック」より)

と、「タイアップ」や「握手券」など、音楽とは関係ない要素でヒットが決まるような音楽業界を皮肉り、その上での決意を歌っています。

さらに今回のアルバムで目立ったが社会派のナンバー。特にインパクトが大きかったのは「愛してる」

「テレビを見ながら愛してる云々と薄っぺらい曲を作っていました
テレビの中では死んだ目の兵隊さん 国境を越えて海を越えて遠い国へ」

(作詞 山岸賢介 「愛してる」より)

テレビを媒介にしながら、現実に起こっている両極端のシーンを描き、問題提起を投げかける社会派な曲に。また、「無題」では、現在のインターネット社会に対しての皮肉を投げかけた歌詞になっています。

アルバム全体としてテーマ性のある歌詞が多く、現在の音楽シーンへの彼らの強い憤りを感じるアルバムになっていました。ただ、かといって決して重いアルバムというわけではなく、ところどころにユーモアさも交えつつ、展開のおもしろさも楽しめる作品。「夏なんです」みたいな、露骨に湘南乃風をパロッた曲もあり(笑)、アルバムを通じて聴いて、テーマ性ばかりが前に出て、堅いアルバムという印象はおそらく起きないでしょう。

一方ではいままでの彼らのような日常を切り取った歌詞も健在。特に秀逸だったのが「500円のクリスマス」で、クリスマスのカップルの素朴な会話を切り取った歌詞は落ちも含めて見事。個人的に、これ、槇原敬之が歌っていても違和感ないような(笑)。

最初にも書いた通り、こういう歌詞を書くミュージシャンが、もっともっと評価されるべきだと思うんですけどね。ウラニーノがもっと売れて、高く評価されるようになれば、音楽シーンはおもしろくなると思うんだけどなぁ。今回のアルバムを聴いて、強く、そう感じました。

評価:★★★★★

ウラニーノ 過去の作品
ランドリーとワールド
World end Happy end

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2013年12月26日 (木)

今年最後のチャートです。

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今年最後となるヒットチャートです。

今年最後のヒットチャートで1位を飾ったのは、コブクロのニューアルバム「One Song From Two Hearts」でした。ベスト盤やカバーアルバムのリリースはあったものの、オリジナルアルバムとしては4年4ヶ月ぶりのアルバムとなりました。堂々の1位獲得となりましたが、初動売上は9万9千枚。オリジナルアルバムとしての前作「CALLING」の23万1千枚を大きく下回るという厳しい結果になりました。

2位初登場はBENI「COVERS:3」がランクイン。女性シンガーBENIが、邦楽のヒット曲を英語でカバーする企画の第3弾。今回は、サザンの「涙のキッス」や安全地帯「ワインレッドの心」などをカバー。初動売上2万6千枚は、カバーアルバム第2弾「COVERS:2」の5万枚からは大きくダウンしてしまいましたが、直近のオリジナルアルバム「Red」の1万枚よりアップ。オリジナルの倍以上の売上を記録していることを考えると、この企画はまだまだ続きそう。

3位は「映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』~MUSIC BOX~」がランクイン。タイトルの映画の劇中で流れている曲を収録したアルバムで、先日のシングルチャートでベスト10入りしてきたCRUDE PLAY「サヨナラの準備は、もうできていた」も収録。ちなみに全曲作詞作曲は、亀田誠治だそうです。

続いて4位以下の初登場ですが、まずは5位。日本を中心に活動を行っている韓流男性アイドルグループCODE-V「代々木」がランクイン。なんかフォークグループのようなアルバムタイトルだな・・・。初動売上1万4千枚は、前作「初心」の1万3千枚から微増。

6位には765PRO ALLSTARS名義で「THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS+GRE@TEST BEST! -LOVE&PEACE!-」がランクイン。ゲームソフト「アイドルマスター」で使われたキャラソンの代表曲を集めたベスト盤の第4弾。初動売上1万4千枚は、第3弾「THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS+GRE@TEST BEST! -COOL&BITTER!-」から横バイ。

初登場最後は9位。吉井和哉「AT THE SWEET BASIL」が入ってきました。今年10月に、六本木STB139 スイートベイジルで行われた10周年プレミアムライブの模様を収録したライブアルバム。初動売上1万1千枚は、直近のベストアルバム「18」の3万枚からダウン。まあ、ライブアルバムなのでダウンは仕方ないところ。

さて、今週はさらに1枚。ベスト10に返り咲いたアルバムがあります。それが先週のベスト50圏外から一気に10位に返り咲いたChris Heart「Heart Song」。邦楽のヒット曲をカバーして話題となったサンフランシスコ出身のボーカリストによるカバーアルバム。9月16日付チャートから15週ぶりのベスト10返り咲きです。おそらく、チャート対象日の前日、12月15日に日テレ系バラエティー「行列のできる法律相談所」、TBS系バラエティー「ホムカミ」に出演した影響と思われます。紅白出場も決まっており、これからの年末年始のリリースが少ない週にロングヒットを記録しそうな予感が・・・。

今週のアルバムチャートは以上。これが今年のヒットチャート最後の更新になります。今年も、当サイト、ヒットチャートのコーナーをご愛顧しただいてありがとうございました。年明けは1月6日に12月23日~29日対象のチャートが公表されるそうなので、おそらく1月6日が最初の更新になりそうです。

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2013年12月25日 (水)

あの歌手の遺作がランクイン

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今年最後のヒットチャートとなりました。

まず今年最後のヒットチャートで1位となったのはSMAP「シャレオツ」。メンバーの草彅剛主演のフジテレビ系ドラマ「独身貴族」主題歌。初動売上は20万7千枚。前作「Joy!!」の32万7千枚よりダウン。ただ前作は50作目の記念作ということでプロモーションにかなり力を入れており、初動売上が大幅に増加していました。前々作「Mistake!」の16万1千枚からはアップしており、初動売上的にはそこそこ健闘した結果になっています。ちなみに両A面扱いの「ハロー」は、最近話題のロックバンドクリープハイプの尾崎世界観が手がけています。

2位はUVERworld「ナノ・セカンド」がランクイン。リズミカルなロックナンバー。メロは典型的なJ-POP、というよりちょっと歌謡曲っぽい作風になっています。初動売上は5万5千枚。前作「Fight For Liberty」の6万2千枚よりダウン。

3位はハロプロ系女性アイドルグループスマイレージ「ええか!?」が入ってきています。初動売上は3万3千枚で、前作「新しい私になれ!」の2万6千枚からアップで、ベスト3入りははじめて。

続いては4位以下の初登場です。まずは今週も韓流勢の男性アイドルが2組。4位にU-KISS「Fall in Love」、10位にBEAST「Sad Movie」がそれぞれ入ってきています。

U-KISSは今回も打ち込み主体の、爽やかなポップナンバー。初動売上2万6千枚は前作「Alone」の2万7千枚から微減。BEASTは、タイトルナンバーは哀愁たっぷりの歌謡曲ナンバー。両A面扱いで、稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」をカバーしています。初動売上1万5千枚は前作「Midnight -星を数える夜-」の2万枚からダウン。ここ数作、4万2千枚→2万枚→1万5千枚と減少傾向でちょっと厳しい状況に。次回作はかなりプロモーションをかけてきそうな予想も・・・。

そして7位初登場となるのが今週のタイトルに取り上げた島倉千代子「からたち小径」。今年11月に惜しまれつつこの世を去った彼女が、亡くなる3日前にレコーディングした楽曲。作曲は南こうせつなので、ど演歌というよりも歌謡曲テイストが強い楽曲で、演歌を聴かない世代にも受け入れらるかも。年末年始のリリースの谷間にロングヒットしそうな予感も。ただ・・・亡くなる直前の録音なだけに、声があきらかに衰えていて、少々痛々しさすら感じてしまいました・・・。最後の最後まで歌手でありつづけた彼女の意志の強さを感じます。あらためて、ご冥福をお祈りします。

なお、この曲の初動売上は2万2千枚。前作「愛するあなたへの手紙」は最高位58位初動売上1千枚だったので大きくアップ。意外なことにオリコンベスト10ヒットはこれがはじめて。累計130万枚売り上げた「人生いろいろ」も最高位16位だったそうで、かなり意外な印象があります。もっともこれは、島倉千代子の売上的な面でのピークが150万枚を売り上げた「東京だョおっ母さん」(1957年)、130万枚を売り上げた「からたち日記」(1958年)と、オリコンがスタートした1968年以前のヒットがメインのためと思われます。

最後にもう1曲。9位初登場は女性アイドルグループ愛乙女★DOLL「蒼い空を望むなら」。マイナーコード主体のアップテンポなナンバーはどちらかというとアニソンっぽい感じが。初動売上1万9千枚は前作「Paradise in the summer」の1万4千枚よりアップ。

今年最後となったシングルチャートは以上。今年最後のアルバムチャートは明日!

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2013年12月24日 (火)

荒々しいトラックが強烈

Title:MATANGI
Musician:M.I.A.

デビュー作「ARULAR」は父親のニックネーム、2枚目「KALA」は母親の名前、3枚目「MAYA」は本人のニックネームと来て、3年ぶりとなる新作では彼女自身の本名をタイトルとした作品をリリースしてきました。

前作では、楽曲のバリエーションが増え、グッとポップになった作品をリリースしてきました。結果、アメリカのビルボードチャートでは初のベスト10入りを記録するなどヒットを記録し、一躍その名前を広めた反面、その内容については賛否を巻き起こしました。

今回のアルバムは、その前作に比べるとトラックもグッとシンプルになり、M.I.A.らしい作品に戻った感じのアルバムでした。特に前半は強烈で荒々しいビートに、彼女の鋭いラップが載るスタイルが聴いていてインパクト大。特にトラックの荒々しさはインドかアフリカあたりの現地で売られているようなカセットテープから流れてきそうな音にも感じられるほど。まさに最前線で戦う戦士といったイメージの、荒々しさを感じました。

そんな強烈なトラックの続く前半は、その内容に強く惹きこまれる内容になっていました。その後中盤は、The Weekndを迎えた「Exodus」のようなR&B色の強いナンバーや「Bad Girls」のようなポップ色も強い作品が並び、ここらへんはバラエティーに富んだ構成に感じました。

ただ正直なところ後半に関しては、前半のような強烈なビートも薄めで、ポピュラリティーも下がってしまいちょっと失速気味に。特に前半が強烈なインパクトを持っていただけに、後半の失速がちょっと目立ってしまった感じも。全15曲入り1時間弱の内容は決して長くはないのですが、もうちょっと絞ったほうがよかったのかも?その点、ちょっと惜しくも感じたアルバムでした。

とはいえ全体的にはM.I.A.らしさを強く感じたアルバム。賛否両論だった前作をちょっと気に入らなかった方でも本作は気に入るかも。で、次のアルバムタイトルは??

評価:★★★★

M.I.A. 過去の作品
KALA
MAYA

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2013年12月23日 (月)

あの傑作アルバムの続編

Title:THE MARSHALL MATHERS LP 2
Musician:EMINEM

HIP HOPをわかりやすい視点で解釈した「入門書」として話題を集めた「文科系のためのヒップホップ入門」。当サイトでも紹介したのですが、この本の中で作者はヒップホップとは、ラッパーのキャラクター性、ラッパー同士の喧嘩などを含めた「場」、バックステージを含めた「物語」を楽しむものだ、ということを述べています。

その話を聴いた時、最初に思い出したのはEMINEMでした。彼はまさにその「場」をわかりやすい形でエンターテイメントに仕上げています。スリム・シェイディというキャラクターを作り上げ、そのキャラクター性を際立たせ、身内のラッパーだけではなく、様々な芸能人をおちょくり、喧嘩をふっかけることにより、HIP HOPの「ディス」の要素をわかりやすく表現しています。

そう考えるとEMINEMがあれだけ人気を獲得できたのは、HIP HOPを楽しむためのポイントをHIP HOPを聴かないようなリスナー層にもわかりやすい形で提示したからではないか、と思います。特に2000年にリリースし大ブレイクし、日本でもEMINEMの名前が一躍有名となった「THE MARSHALL MATHERS LP」ではそんなHIP HOPの楽しさが凝縮したアルバムでした。さらにもっといえば、例えば「STAN」のようにDidoの曲をわかりやすく楽曲に取り込み、「サンプリング」という手法をわかりやすい形で提示しています。

今回のアルバムは、タイトル通り傑作アルバム「THE MARSHALL MATHERS LP」の続編としてリリースされたアルバム。HIP HOPという音楽をどのように楽しむか、というポイントはこのアルバムでもわかりやすい形で提示されています。「BAD GUY」では、「THE MARSHALL MATHERS LP」の続編ということを堂々と提示し、あのスタンも登場。こういう前作から続くという物語性もまた、HIP HOPを楽しむポイント、ということでしょう。

「HEADLIGHTS」では、かつて彼のディスの対象となったEMINEM自身の母親がここに登場。さらに「EVIL TWIN」では、あのLADY GAGAも登場し、まさにEMINEMを巡る「場」を楽しませてくれます。さらにサンプリングという手法では、「RHYME OR REASON」で、The Zombiesの有名な「Time Of The Season」をわかりやすい形でサンプリングしており、サンプリングとはどういう手法なのか誰が聴いてもわかるのではないでしょうか。

また、そういう観点を除いても、ハードロックなトラックが心地よく、ロックリスナーも楽しめそうな「BERZERK」や、RIHANNAをフューチャーしポップ色が強い「THE MONSTER」など、HIP HOPリスナー以外にも幅広くアピールできそうなナンバーが並びますし、他にもEMINEMが力強く歌を聴かせてくれる、歌モノの「STRONGER THAN I WAS」のようなユニークな作品もあり、全80分近いボリュームのアルバムながら最後まで飽きさせません。

正直、「THE MARSHALL MATHERS LP」の続編という建て付けのため、目新しい挑戦はほとんどなく、いろんな意味でまさに「EMINEMらしい」作品になっている本作。そういう意味ではちょっと保守的かもしれませんが、ファンにとっては期待通りの作品であり満足度は高いのではないでしょうか。このアルバムを足がかりにあらたな一歩へ進みそうな予感のする作品。そういう意味ではこの次の作品、要注目かも。

評価:★★★★★

EMINEM 過去の作品
RELAPSE
RECOVERY

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2013年12月22日 (日)

今年のライブ締め

矢野顕子 さとがえるコンサート2013

会場 名古屋市芸術創造センター 日時 2013年12月4日(水)19:00~

Yano

まだ12月に入ったばかりでちょっと早いのですが、今年最後のライブ(予定)に行って来ました。矢野顕子の毎年年末恒例の「さとがえるコンサート」。矢野顕子のライブを見るのは、イベントなどを含めても全くのはじめて。12月に足を運ぶのに、何かいいライブはないかなぁ、と調べていたら、このさとがえるコンサートを見つけ、はじめて足を運んでみました。

今回のライブは「エレファントホテル」全曲演奏というコンセプトでのライブ。1994年にリリースされたアルバム「エレファントホテル」を、MATOKKUというバンドをゲストに招いて、今回のライブですべての曲を演奏しようという試みだそうです。「エレファントホテル」はリアルタイムで聴いたことはなく、今回、これを機にはじめて聴き、このライブに臨みました。

会場の芸術創造センターに行くのも今回はじめて。自分の列は前から9列目で、予想以上にステージに近い。それもありじっくりとステージを眺めて楽しむことが出来ました。この日のステージは、ピアノやドラムがドンと置かれたほか、使い道が不明な楽器らしきものが妙にたくさんステージ上に載っていました。

やがて開演予定時間を10分ほど過ぎると矢野顕子、そしてこの日のゲストMATOKKUが登場。矢野顕子が中央のキーボードに向かうと、まずアルバム「エレファントホテル」の1曲目「愛があれば?」からスタートしライブがはじめりました。

Yano2

序盤はさらに「ME AND MY SEA OTTER」と続き、まずはアルバム通りの展開で進んでいきます。ただ、楽曲のアレンジは原曲とは大きく異なりました。最初の2曲に関してはリズムマシーンを導入。打ち込みのリズムでエレクトロテイストの入ったアレンジになっており、楽曲の雰囲気はグッと今風なものとなっていました。

ライブは、矢野顕子がステージ中央で歌ったり、ステージ下手に置かれたピアノで弾き語りをしたり、そこにMATOKKUのメンバーの演奏が加わったり、さらにドラムのサポートも入ったりと、1曲ごとに様々なスタイルで聴かせてくれました。1曲毎に矢野顕子のMCが入りつつ、のんびり進んでいくステージ。矢野顕子のMCもまた、おっとりとした天然風味のMC(笑)。途中、楽譜を持っていくのを忘れたり、段取りを勘違いしたりと、間違いも多かったのですが、本人は至ってマイペースで、彼女いわく「これも初日ならでは(笑)」。

その後は「サヨナラ」「街」などをピアノ弾き語りで聴かせながらも、間には「リラックマとわたし」のような新曲も披露。ちなみに途中のMCでは、MATOKKUのメンバーが演奏する不思議な楽器も紹介していました。ひとつはテルミン、これはおなじみですね。もうひとつは、ステージ上に置かれた使い道が不明な楽器で、これはオンド・マルトノというフランス生まれの電子楽器だそうです。テルミンもオンド・マルトノも電子楽器なのですが、打ち込みのサウンドとはまた異なる、無機質な雰囲気と暖かみを同居させた不思議なサウンドを聴かせてくれました。

Yano3

中盤ではサンバ調の「PIPOCA」で、ドラムまで入ったフルメンバーで盛り上がり、後半は「OH DAD」「STRING OF PEARLS」をピアノの弾き語りで聴かせてくれました。

後半には、「にぎりめしとえりまき」の昔話風の歌詞を、和風なメロにのせ、さらっと歌いのけ、彼女のボーカリストとしての実力をあらためて見せつけ、「夢のヒヨコ」ではかわいらしいボーカルを聴かせてくれます。そして「すばらしい日々」。ご存知ユニコーンのカバーなのですが、この日もフリーキーに、そしてパワフルに自由に歌う彼女のボーカルに聴きほれるステージ。もう完全に矢野顕子の曲になっていました。本編最後は、アルバムでも最後の曲「てぃんさぐぬ花」で締めくくり。この曲もバンド全員が出ての演奏だったのですが、矢野顕子本人も、南米の太鼓(名前は忘れた・・・)をたたきながら、演奏を盛り上げていました。

もちろんその後はアンコールへ。アンコール1曲目は「ISETAN-TAN-TAN」というタイトル通り、10月にリリースしたばかりの伊勢丹のオフィシャルソングを披露。そしてラストは、「名古屋といえば中央線」という曲紹介のあと、おなじみTHE BOOMのカバー「中央線」で締めくくり。彼女の包容力あるボーカルでしんみり聴かせつつ、ライブは終了。約2時間のステージでした。

今回、矢野顕子のステージは完全にはじめて。かなり期待していたステージだったのですが、まさに期待通りの内容でした。彼女のボーカルは原曲のフレーズをおもいっきりはずしつつ歌うのですが、それても全く楽曲が破綻しないのはやはり彼女の実力なんでしょうね。フレーズははずしまくるのに、ボーカルには安定感があり、なによりも声量があり、生で聴くと、彼女はとんでもなく歌が上手いなぁ、ということを再確認できました。

今回「エレファントホテル」全曲演奏というコンセプトだったのですが、楽曲はどれもアレンジを大きく変え、原曲のイメージとは異なった雰囲気の曲もチラホラ。MATOKKUの電子楽器を用いた暖かいけどちょっと不思議な雰囲気の演奏も魅力的でしたが、それ以上に即興性の強い矢野顕子のボーカルが実に魅力的。「エレファントホテル」が再構築されていく様子をリアルタイムで楽しめる、そんなステージでした。

また彼女のおっとりとした、ちょっと不思議ちゃんも入った天然なMCもおもしろいなぁ。そのため、会場にもまったりとした独特の空気が流れていたステージでした。そんな空気を楽しみつつ、あっという間の2時間。素晴らしいライブでした。矢野顕子のステージ、やはりとてもいいですね!また足を運びたいです。

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2013年12月21日 (土)

早くも2作目!

Title:SHANGRI LA
Musician:JAKE BUGG

デビューアルバムが話題となったイギリスのシンガーソングライターJAKE BUGGの2枚目。あれ?デビューアルバムをリリースしたの、この間じゃない?早いなぁ・・・。と思ったのですが、それは国内盤の話で本国でのリリースからは1年経っているみたいですね。でも、洋楽としては1年のインターバルでのリリースはやはり早いなぁ。

(前にも同じことを書いたかもしれませんが)絶賛の元にデビューしたミュージシャンについて個人的に1作目より2作目の方が好みというケースが少なくなく、THE STROKESもARCTIC MONKEYSも評判の高かったデビューアルバムよりも2作目の方が好みだったりします。RADIOHEADも2作目「THE BENDS」が一番好きなアルバムですし、oasisも・・・これは言うまでもないか。

それは勢いのある曲がつまってミュージシャンの自己主張が激しい1作目よりも、ちょっと落ち着いてリスナーの側を考慮する余裕の出来た2作目の方が、いい意味でこなれた作品が出来上がることが多いから、のように思います。で、デビューアルバムが大きな話題となったJAKE BUGGの2作目。確かに勢いが先行した1作目と比べると、かなりこなれた印象を受けました。

デビューアルバムは前半、勢いのある曲が並び一気に惹きこまれた反面、後半は少々失速気味でした。しかし今回のアルバムに関しては印象が一変。前半に勢いのある曲が並ぶものの、中盤から後半にかけてもミディアムテンポのナンバーとアップテンポなナンバーがほどよいバランスで並んでいて、聴く側を飽きさせません。

また、楽曲についてもフォーク寄りの作品が多かった前作に比べると、グッとロック志向が強くなった印象が。「SLUMVILLE SUNRISE」「WHAT DOESN'T KILL YOU」のようなヘヴィーなバンドサウンドを押し出した曲が前半に並んでおり、その印象を強めています。中盤も、「ALL YOUR REASONS」のようなミディアムテンポのナンバーはいかにもUKロックといった雰囲気に。一方では「ME AND YOU」のようなフォーキーなナンバーも間に挟まっており、ここらへんもロックを主軸にフォークやカントリーの曲もほどよく配置されており、バランス感覚の良さを感じます。

そんな感じでデビューアルバムに比べてグッと聴きやすさが増した2作目。ただその一方でアルバム全体のインパクトとしてはちょっと薄味だったかも、とも思いました。前作の荒っぽさは消えて全体的に洗練された印象もあり、それがプラスでもありマイナスにもなっていたようにも感じます。

2作目の方が好みの場合が多い、なんていっていながらこういう結論になるのは申し訳ないのですが、JAKE BUGGのアルバムに関しては1枚目の方がよかったかなぁ。とはいえ、今回のアルバムも十分傑作だったと思います。ただ、このまま3枚目に進むと、そろそろ「マンネリ」という印象も首を持ち上げてくるかも。そういう意味では次のアルバム、要注目かもしれません。

評価:★★★★★

JAKE BUGG 過去の作品
JAKE BUGG


ほかに聴いたアルバム

COVERS(邦題:カヴァーズ~私のお気に入り)/NORAH JONES

ノラ・ジョーンズに影響を与えた、邦題どおり「お気に入り」のナンバーをカバーしたカバーアルバム。エヴァリー・ブラザーズやジョニー・キャッシュみたいなオールドナンバーが多く、なんとなくノラ・ジョーンズらしさを感じさせる選曲。一方ではウィルコのようなオルタナティヴなミュージシャンも選曲されている点も彼女らしいところ。

ちなみにこのアルバムに収録された「My Blue Heaven」は、以前紹介した、日本の戦前の人気ジャズシンガー二村定一も原曲を「青空」としてカバーしていて、アメリカのスタンダードナンバーと、日本の戦前のヒット曲が意外なつながりをみせていておもしろいところ。機会があれば、両者聴きくらべてみてください。

楽曲はどれもノラが感情込めてしんみり、そしてゆっくりと歌い上げており、まさに心に染み入るナンバーばかり。ただ、彼女が歌うことにより、しっかりとノラ・ジョーンズの楽曲に仕上げています。間違いなくノラ・ジョーンズのアルバム。オリジナルが気に入って、このアルバムが未聴なら急いで聴くべし。

評価:★★★★★

NORAH JONES 過去の作品
THE FALL

...FEATURING NORAH JONES(ノラ・ジョーンズの自由時間)
LITTLE BROKEN HEARTS

Music From Another Dimension!/AEROSMITH

純然たるオリジナルアルバムとしては、11年ぶりとなるエアロスミスの新作。楽曲は全体的に軽くポップ。ハードロック色は薄めで、むしろオルタナな方向性すら感じる作品。そういう意味では聴きやすいものの、ハードな側面を求めるファンにとってはちょっと物足りない作品だったかも。実際、Amazonのレビューなどでも評判は悪い模様。ただ個人的には、ハードロック志向ではないためかもしれませんが、言われるほど悪いアルバムではないと思うのですが・・・。

評価:★★★★

AEROSMITH 過去の作品
Devil's Got A New Disguise(エアロスミス濃縮極極ベスト)

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2013年12月20日 (金)

脱EDM

Title:CAPS LOCK
Musician:CAPSULE

ミュージシャン名義を大文字の「CAPSULE」に変更してリリースとなったニューアルバム。タイトルは、言わずと知れたパソコンのキーの名称。今回のアルバムは、そのタイトルだけではなく収録されている曲すべてにパソコンのキーの名称が付されており、ちょっとユニークな構成になっています。

ここ最近、ヘヴィーなビートを利かせたロック色も強い、最近流行りのEDMにカテゴライズされる楽曲がメインとなってきました。しかし、今回のアルバムはここ最近の方向性から大きくシフトしたアルバムになっています。まずアルバムの冒頭を飾る「HOME」。丸みを帯びた優しい感触のあるエレクトロサウンドはここ最近のCAPSULEの作風とは大きく異なる作品に。ともすれば初期CAPSULEの延長線、とも捉えられそうな作風かもしれません。

続く「CONTROL」「DELETE」は、比較的ビートの強い、EDMの匂いも残っているようなナンバーになっていて、いままでのCAPSULEの方向性が好みだった、という方にも受け入れられそうなナンバーですが、「12345678」ではまた方向は一変。機械的な音をサンプリングし、後半はこしじまとしこがエフェクトのかかったボーカルで数字の羅列を読み上げるだけ、という実験的な作風になっています。

ただアルバム全体としてはポップな色合いはむしろ増したようにも思えます。「SHIFT」はメロディアスなかわいらしいポップナンバーでちょっとアレンジを変えればPerfumeあたりにも流用できそうなナンバーですし、最後の「RETURN」はピアノの音色がメインとなったナンバーでCAPSULEの中では異色的なナンバーなのですが、その中で流れるシンセのメロディーがとてもポップな作風に仕上がっています。

タイトルとなった「CAPS LOCK」というキーはご存知の通り入力されるアルファベットを小文字から大文字に変える機能を持つキー。それにともないミュージシャン名義も大文字に変わったのでしょうが、楽曲の方向性も新たな段階にシフトした、という意味もあるのでしょう。

ただ、アルバムの内容としては刺激的だったここ最近の作品に比べるとちょっと拍子抜けしてしまった感は否めずインパクトもいまひとつ。新たな方向性を打ち出すための試験的、あるいは実験的なアルバムだった、とも言えるかもしれません。また久しぶりにこしじまとしこがジャケット写真に登場しないのも特徴でしょう。ここ最近、かなり影の薄くなってしまったこしじまとしこのボーカルは、本作ではさらに影が薄くなってしまっています(わずかに使われている曲についても強いエフェクトがかけられたりしていて・・・)。CAPSULEがあくまでも中田ヤスタカのユニットである、という点がさらに強調されたアルバムになっていました。

賛否のあるアルバムかもしれません。個人的には決して傑作ではないものの、これからのCAPSULEの方向性を示唆する重要なアルバムだと思います。この方向性を軸に、次はどんなスタイルの曲を聴かせてくれるのか・・・次回作が楽しみです。

評価:★★★★

capsule 過去の作品
FLASH BACK
MORE!MORE!MORE!
FLASH BEST
PLAYER
WORLD OF FANTASY
STEREO WORXXX
rewind BEST-1(2012→2006)
rewind BEST-2(2005→2001)

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2013年12月19日 (木)

久々の韓流1位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートでは久々となる韓流勢による1位獲得です。

1位を獲得したのは少女時代のニューアルバム「LOVE&PEACE」。シングルでは10月に2PMが1位を獲得していますが(こちらも久々の1位でしたが)、アルバムで韓流が1位を獲得するのは6月17日付チャートでINFINITEが1位を獲得して以来となります。初動売上12万9千枚は、オリジナルとして前作「GIRL'S GENERATIONII~Girls&Peace~」の11万6千枚からなんとアップ!アルバム購入者を対象に、14日に横浜アリーナでライブを開催したそうで、そのイベント効果も大きそう。

2位はRADWIMPS「×と○と罪と」がランクイン。途中、ボーカル野田洋次郎のソロプロジェクトillionとしてのアルバムリリースを挟んだこともあり、2年半ぶりのアルバムとなりました。前作「絶体絶命」に続いての2位。ただし初動売上7万6千枚は前作の15万2千枚から大きくダウンする結果に。前々作は21万3千枚だったので、厳しい状況が続いています。

そして3位には、LUNA SEAの、オリジナルアルバムとしては復帰後初、2000年の「LUNACY」以来13年ぶりとなるニューアルバム「A WILL」がランクインです。初動売上は3万4千枚。2011年にリリースしたセルフカバーアルバム「LUNA SEA」の初動1万7千枚よりアップ。13年前の前作「LUNACY」の初動21万2千枚よりは大きくダウン・・・これはもう時代が違うのであまり参考にならないですね・・・。

続いて4位以下の初登場ですが、5位に女性アイドルグループでんぱ組.inc「WORLD WIDE DEMPA」がランクイン。アルバムは2枚目にして、初のベスト10ヒット。前作「ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!」は最高位132位だったそうなので、こちらよりはもちろん大きくアップ。初動売上1万4千枚は、直近のシングル「W.W.D II」の1万8千枚から微増で、シングルとアルバムの売上の乖離が激しい女性アイドルとしては健等した結果に。

7位にもう一組韓流アイドルが。7位に男性アイドルグループEXO「12月の奇跡(Miracles in December)」が入ってきています。冬向けの企画アルバムだそうで、初動売上1万1千枚。8月にランクインした「1集 XOXO (Kiss&Hug) Repackage」以来2作目のベスト10ヒットで、こちらは最高位9位にランクインした週の売上が8千枚でしたので、それを上回る結果となっています。

最後、10位には人気女性声優茅原実里「NEO FANTASIA」がランクインしています。初動売上は1万枚。前作はいわゆるB面ベストの「Minori Chihara B-side Collection」で最高位28位初動3千枚なので、こちらからは大きくアップ。オリジナルとしての前作「D-Formation」の初動1万5千枚からはダウンする結果となってしまいました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年12月18日 (水)

企画モノが多いヒットチャート

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、妙に「企画モノ」のチャートインが多かったような・・・。

企画モノが多かったのは、やはり今週はどうがんばっても1位は取れないだろう、ということがあったからでしょうか。1位はAKB48「鈴懸の木の道で『君の微笑みを夢に見る』と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」。この非常に長いタイトルが話題になっていますが、長いタイトルといえば90年代、ビーイング系ミュージシャンが続々と長いタイトルのシングル曲を発表して話題になったことがありました。ということを考えていたらこの曲、そのビーイング系を支えた織田哲郎作曲なんですね。偶然なんでしょうか?初動売上は103万3千枚。前作「ハート・エレキ」の120万3千枚よりダウン。いわゆる「じゃんけん選抜」によるメンバーの曲のため大きくダウンしていますが、昨年の「永遠プレッシャー」の初動107万3千枚からダウン。次回作あたり、初動売上増のためテコ入れがありそうな予感が。ひょっとして禁断の「ミュージック・カード」とか??

で、2位は舞祭組「棚からぼたもち」。「ぶさいく」と読むこのユニットは、Kis-My-Ft2の「目立たないメンバー」横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永の4人からなるユニットで、いわゆる「企画モノ」的なユニット。もともとフジテレビ系バラエティー「キスマイBUSAIKU!?」でSMAPの中居正広がゲストで呼ばれた時に話が出て、中居正広全面協力の下に出来上がったユニットだそうです。初動売上は13万2千枚。直近のKis-My-Ft2のシングル「SNOW DOMEの約束」が初動26万7千枚なので、健闘したほうといった感じでしょう。

3位は韓流男性アイドルSUPER JUNIOR「Blue World」がランクイン。いかにも今風なエレクトロナンバー。初動売上6万8千枚は、前作「Sexy,Free&Single」の10万9千枚からダウンしています。

さて、今週2位に企画モノユニットがランクインしていますが、今週はこの「企画モノ」が多くランクインしています。その中でも今週目だったのが、ヴィジュアル系バンドシドが、2004年に発表した楽曲「妄想日記」を10組のヴィジュアル系バンドがカバーし発売するという企画。今週、ベスト10にこのうち2組がランクインしています。

それが4位のアリス十番×スチームガールズ@仮面女子「妄想日記」、9位のDaizyStripper「妄想日記」。アリス十番×スチームガールズ@仮面女子は、こちらはそれぞれ女性アイドルグループのコラボ。いかにもアイドルなボーカルで、完全にアイドルポップになっています。初動売上は3万7千枚。どちらもベスト10入りは初。前作も両者コラボしており、前作「仮面女子」が最高位13位初動8千枚からアップしています。一方、DaizyStripperは、和風な歌謡曲テイストが全面に出たロックナンバー。前作「Derringer」に続く2作目のベスト10ヒットで、初動売上1万4千枚は前作の1万1千枚からアップしています。

ちなみに他の8組は12位ν[NEU](7千枚)、25位Moran(3千枚)、29位R指定(3千枚)、34位DOG(2千枚)、38位カメレオ(2千枚)、52位DIV(1千枚)、117位ZORO(6百枚)、182位AYABIE(3百枚)となっています。

もういっちょ「企画モノ」が。それが6位にランクインしてきた鎧武乃風「JUST LIVE MORE」。誰かと思えば湘南乃風がテレビ朝日系「仮面ライダー鎧武」主題歌を歌うにあたって結成された別名義ユニット。ドラマチックなロックナンバーは、いかにも特撮モノの主題歌で、暑苦しい雰囲気は湘南乃風から引き継いでいますが、レゲエ色はほとんどありません。初動売上は1万9千枚で、前作「雪月花」の最高位12位初動1万1千枚からアップし2作ぶりのベスト10ヒット。こういう形でのヒットはファンにとっては複雑??でも、湘南乃風のファン層と、「仮面ライダー」のファン層は全くかぶらないような気がするんですが・・・。

最後10位には中川翔子「さかさまの世界」がランクイン。ゲーム「パズドラZ」主題歌。いかにも90年代初頭のガールズポップといった感じで、懐かしさすら感じます。初動売上1万枚は、最高位16位だった前作「続 混沌」の6千枚よりアップ。ベスト10入りは2010年にリリースした「フライングヒューマノイド」以来5作ぶり。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2013年12月17日 (火)

やさしくなりたい

シングル「やさしくなりたい」の大ヒット後も快進撃を続けている斉藤和義。今、もっともノリにのっている彼のアルバムは、その勢いを反映するようになんと2枚同時発売となりました。

Title:斉藤
Musician:斉藤和義

Title:和義
Musician:斉藤和義

2枚あわせてセルフタイトルという今回のアルバム。「斉藤」の方は、その大ヒットした「やさしくなりたい」をはじめ、映画「名探偵コナン」の主題歌になった「ワンモアタイム」や、「やさしくなりたい」同様、ドラマ主題歌となった「月光」など、前作「45STONES」の後にリリースされたシングルや、他のミュージシャンへの提供曲のセルフカバーを収録したアルバム。いわば一種の「ベスト盤」的な内容になっています。

一方、「和義」の方はシングル曲でいっぱいになってしまったため「斉藤」に収録できなかったようなアルバム曲。こちらは自分の好きなように書いた曲が多いためか、チバユウスケとの共作でやさぐれた雰囲気がチバらしい「恋のサングラス」やジャジーでムーディーな「流星」など、かなりバリエーションの多いアルバムになっていました。

さて、前作「45STONES」は震災及びそれに伴う原発事故直後にリリースされたアルバムということもあって、社会派な歌詞が多く、まさに「怒り」のアルバムになっていました。しかし、今回のアルバムはそこから一転、まさに大ヒットした「やさしくなりたい」を地で行くようなやさしさにあふれたアルバムになっているように感じました。

「やさしくなりたい」はもちろんですが、「もう一度 もう一度 あの空を飛んでみないか」と歌う「ワンモアタイム」に

「ドンマイ 雲の向こうにお日様
オーライ ひまわりの夢」

(「ひまわりの夢」より 作詞 斉藤和義)

と歌う「ひまわりの夢」。さらに「和義」の方でも、まさに等身大のラブソングの「Always」に「そのまままっすぐ行けばいい オマエならわかってるだろ」と歌う「カーラジオ」など、明るく前向き。まさにやさしさに充ちたような楽曲が続いています。

さらにこの2枚組のアルバムの最後を飾る「それから」「メリークリスマス」はバンドのメンバー全員で作曲を手がけており、メンバー全員の名前が作曲としてクレジットされています。それだけバンドの中の雰囲気がとてもいいんだなぁ、ということを感じますし、今回のやさしい雰囲気の作風は、そのバンドの雰囲気がまさにアルバムに反映された、ということなのでしょう。

今回もグッと来るようなフレーズや歌詞にたくさん出会えるアルバムなのですが、その中でも特に印象的だったのが「月光」の中の一節。

あっちの席でオッサンは言ったよ『オレは百人の女と寝たぜ』
こっちの席じゃ若者が『男の価値はなにで決まるのかな?』
そしたらとなりの女が『そんなの"家族"に決まってるでしょう!』

(「月光」より 作詞 斉藤和義)

2010年に、結婚15年目にして待望の第一子が誕生し、「パパ」となったせっちゃん。まさにそんな彼の家族に対する思いが垣間見れる一節で、このアルバムの中でとても印象に残りました。

もっとも、この手の優しい視点というのは斉藤和義の曲にいままでも数多く見られた視点。そういう意味では今回のアルバム、実に斉藤和義らしいアルバムだったといえるかもしれません。だからこそ、アルバムのタイトルに自らの名前を入れたのでしょうか。「やさしくないたい」のヒットで一躍時代の寵児に躍り出た彼。しかし、そんな周りをものともせず、きちんと斉藤和義らしさを貫くあたりもさすが。あらためて斉藤和義の魅力を強く感じたアルバムでした。

評価:
斉藤 ★★★★★
和義 ★★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~
ARE YOU READY?
45 STONES
ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio

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2013年12月16日 (月)

バラエティーはグッと広がったが・・・

Title:色彩協奏曲 Colors Of Concerto
Musician:末光篤

SUEMITSU&THE SUEMITHとしての活動に休止符を打ち、本名名義での活動を再開したシンガーソングライターの、約1年半ぶりとなる新作。デビューアルバム「Man Here Plays Mean Piano」ではまってしまって以来、アルバムは全作聴き続けています。正直、そのデビューアルバムを超える傑作に出会えず、残念に感じていたのですが前作のミニアルバム「For Your Pianist」は久々といっていい傑作になっており、続くフルアルバムも期待していました。

もともと、末光篤は楽曲については間違いなく強いインパクトを持っていました。それは彼が木村カエラに提供した「Butterfly」が大ヒットしたことを考えれば容易に理解可能だと思います。ただその一方でいまひとつ似たようなタイプの曲が多く、どれも楽曲をこれでもかというほど重厚なピアノの音で埋め尽くされるアレンジに、アルバムを通して聴くと少々飽きが来てしまう点が大きな問題点でした。

それを考慮してか今回のアルバムは前作に引き続き、かなりバラエティーが豊富な曲調になっていました。特に今回のアルバムはゲスト陣が豪華。「世界を変えるピアノが歌う」ではGOING UNDER GROUNDの松本素生がボーカルとして参加。さらに「恋を、した。」ではなんと斉藤由貴とデゥエットを披露。爽やかなポップチューンを聴かせてくれます。

他にも「We Gotta Get It」ではラッパーのVERSESが参加し、ラップを取り入れていますし、まさに「色彩協奏曲」というタイトル通り、様々なミュージシャンが参加した彩り豊富な楽曲が並んだアルバムとなっていました。

ただ、それだけバラエティー豊富な作品になった一方でインパクトの面で残念ながら今回はちょっと薄味になっていたように感じます。確かに今回のアルバムも、末光篤らしいポップなメロディーをきちんと聴くことが出来、楽しめるアルバムなのは間違いありません。しかしアルバムの中で、これといったキラーチューンがなかったのが残念。様々なミュージシャンとコラボした楽曲も、コラボが主軸になってしまって、楽曲としての勢いはちょっと薄かったように思います。

前作「For Your Pianist」が傑作だっただけに期待していたアルバムだったのですが・・・ちょっと残念でした。次のアルバムこそ、傑作を期待しています!

評価:★★★★

末光篤(SUEMITSU&THE SUEMITH) 過去の作品
Shock On The Piano
Best Angel for the Pianist-SUEMITSU&THE SUEMITH 05-08-
Dear Grand Piano
For Your Pianist


ほかに聴いたアルバム

MEGA OVER DRIVE/POLYSICS

5曲入りのミニアルバム。カヨが卒業して以来プレイしていなかった「I My Me Mine」「Baby BIAS」の2曲を新録で収録しています。まあ、そんな訳で事実上新曲は3曲のみ。どれもポリらしいエレクトリックなパンクナンバーなのですが、ギターが前に出てきていて、比較的ロック色が強い楽曲になっていました。

評価:★★★★

POLYSICS 過去の作品
We ate the machine
We ate the show!!
Absolute POLYSICS
BESTOISU!!!
eee-P!!!
Oh!No!It's Heavy Polysick!!!
15th P
Weeeeeeeeee!!!

Live at 日本武道館 130629~SPE SUMMIT 2013~/SPECIAL OTHERS

今年6月29日に行われた日本武道館でのライブの模様を収録したライブ盤。インストバンドが日本武道館でワンマンライブを行うのは初の快挙だとか。確かにポップで聴きやすいメロのインストナンバーがある反面、ジャムバンドの面目躍如といった感じのプレイを聴かせてくれる曲もあり、こういうバンドが武道館でライブを出来るだけの人気を集める点、リスナーの嗜好が幅広くなったのでしょうか。武道館よりも広い野外の会場で聴きたいなぁ、という感じですが、会場の楽しさは伝わってくるライブ盤でした。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS
Have a Nice Day

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2013年12月15日 (日)

驚愕のライヴ!

Title:LIVE AT THE AVANT GARDE
(邦題 驚愕の発掘ライヴ1968~ライヴ・アット・アヴァン・ギャルド)

Musician:MAGIC SAM

またも出ました、MAGIC SAMの未発表ライブ盤!今年8月に、廃盤になっていたライヴ音源をリイシューして話題となったばかりですが、今回の音源は未発表音源。1968年6月22日に、ミルウォーキーのコーヒーハウス「アヴァン・ギャルド」で行われたステージを、当時18歳のジェイムズ・シャーンが自ら機材を持ち込んで録音したそうです。

前にも紹介しましたが、一応再度ご説明させていただくと、MAGIC SAMは1969年に、わずか32歳の若さで亡くなったブルースギタリスト。今後の活躍を嘱望されながら、生前にわずかな音源を残してこの世を去ったミュージシャンなだけに、この手の音源を待ち望まれているのでしょう。

今回のアルバム、メディア等での事前の評判はかなり良く、まあ、もちろん宣伝文句なので話半分で聞いていたのですが、それでもかなり期待してこのアルバムを聴いてみました。

で。まじでカッコいいです、このアルバム!ここでいままで3枚のライヴ盤を紹介してきましたが、その中でベストの内容だったのではないでしょうか。まずとにかく音がいい。いままで未発表だったというのが信じられないくらいのクリアな音で、ライブの雰囲気や、バンドの力強い演奏、そしてすぐそこで歌っているようなMAGIC SAMの歌声もたまりません!

また、この日はベースのビッグ・モジョ・エレム、ドラムスのボブ・リッチーを率いての3人のみでの演奏だったようですが、この3人の息もピッタリ。MAGIC SAMのギターの音も、非常にエッジが利いていますし、アップテンポな曲では3人が対峙するような緊迫感ある演奏が、スローテンポの曲では3つの音がからみあうグルーヴィーな演奏が、実に魅力的でした。

特に「FEELIN' GOOD」の3人の息もつかせぬ演奏は、聴いていてもドキドキするような演奏。「I NEED YOU SO BAD」「SAN-HO-ZAY」のゴリゴリのギターのプレイもたまりません。そんなブルージーな演奏の合間に入っているサム・クックのカバー「THAT'S ALL I NEED」も絶品。軽快でポップなカバーがサムの音楽の幅の広さを感じます。

多分、ブルースが好きなら、一度このアルバムを聴きはじめると、最後まで止まらなくなっちゃうんじゃないかなぁ。それだけ魅力的なステージでした。また、彼の代表曲はもちろん、「HOOCHIE COOCHIE MAN」やOTIS RUSHの「ALL YOUR LOVE」をはじめ、ブルースの名曲も数多くカバーとして演奏しており、そういう意味でもブルースの入門盤としてもお薦めできそうなアルバム。まさに邦題の通りの驚愕のライヴでした。

評価:★★★★★

MAGIC SAM 過去の作品
LIVE 1969 RAW BLUES!
LIVE AT SYLVIO'S

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2013年12月14日 (土)

次は待望のソロアルバム?

ここ数年、徐々にソロとしての活動を再開し、昨年にはついに東京事変を解散した椎名林檎。このたび、ライブアルバムと、彼女が他のミュージシャンとコラボレートした楽曲を集めたコラボベストをリリースしました。

Title:蜜月抄
Musician:椎名林檎

まずこちらはライブ盤。どこかの公演を収録、という形ではなく、過去のライブ音源より選曲したライブベスト的な内容になっています。それも「歌舞伎町の女王」「丸の内サディスティック」のような代表曲だけではなく、様々なタイプの曲が収録されており、初心者に対するベスト盤代わりというよりもファン向けの内容になっています。

ただライブ音源といってもオリジナルから大きくアレンジが変わったような曲はなく。あえていえばよりバンドサウンドを押し出してヘヴィーさが増したような曲がチラホラ。まあ、あくまでもバンドのライブではなく椎名林檎のライブなので下手にバックが自己主張すべきではないのでしょう。そのため、このアルバムで一番魅力的だったのが椎名林檎のボーカル、それ自体。凛としていながら色っぽいボーカルが曲の中で実に映えていました。もともとのソロでの曲と彼女のボーカルの相性がよいという理由もあるのでしょうが・・・椎名林檎のボーカルの魅力がありありとわかるライブ盤でした。

一方、録音状況についてはライブであることを強調するためか、ライブ会場での反響音もそのまま収録したような音源に。そのため、曲によっては若干音が悪いんじゃないか、と思うような曲もありました。ただその反面、ライブ会場にいるような臨場感は強く感じられるような内容に。ライブの雰囲気がそのまま伝わってくるようなアルバムになっていました。

しかし、今回のライブ盤であらためて椎名林檎のソロの曲を聴いたのですが、正直、東京事変の曲も悪くなかったのですが、ソロの曲がより魅力的だったなぁ、と感じました。なによりも椎名林檎らしさが前に出ていますし、「茎」みたいに少々暴走気味の実験曲もユニークだし。確かに「加爾基 精液 栗ノ花」でちょっと暴走気味だった椎名林檎としての活動にブレーキをかける意味でもバンド活動は必要だったと思うのですが、東京事変の時に感じた物足りなさを、完全に解消するようなライブ音源でした。

評価:★★★★★

Title:浮き名
Musician:椎名林檎

こちらは他のミュージシャンとのコラボ曲を集めた企画盤。ただ、椎名林檎が主導となった曲だけではなく、MO'SOME TONEBENDERの「ロッキンルーラ」などコーラスやピアノでちょこっと参加しただけの曲も多く、椎名林檎は好きだけど椎名林檎以外のロックやポップスには興味ない、みたいな方には不満の残る内容だと思います。

もっとも彼女がコラボに参加しているミュージシャンは基本的に椎名林檎と音楽性に相通じるような部分があったり、彼女が尊敬しているミュージシャンばかりなので「椎名林檎以外は興味ないや」とほっぽり出すのも残念にも思います。これを機に、いままで知らなかったようなミュージシャンの曲にも興味を持ってほしいのですが・・・。

また、「蜜月抄」同様、やはり椎名林檎のボーカリストとしての魅力はこのアルバムでも存分に感じます。実際、メインでボーカルを取っている曲はもちろんですがバックコーラスにでも彼女の声が入ればすぐに「あ、林檎だ」とわかって、曲によっては楽曲の空気感すら変わるのが見事。椎名林檎の実力は、このアルバムでも遺憾なく発揮されています。

ただ、このアルバムの目玉であり新曲である、中田ヤスタカとのコラボ「熱愛発覚中」についてはちょっと期待はずれだったかなぁ。いまひとつ中田ヤスタカが椎名林檎に躊躇しているような印象もあり、中田ヤスタカの個性も椎名林檎の個性も十分に発揮されていない不十分な内容だったように思います。

椎名林檎がメインじゃない曲もあるために賛否はありそうですが、ただ、そんな曲でも基本的に椎名林檎に通じる部分がある曲だけに、是非ともこのアルバムはチェックしてほしいです。それで、より椎名林檎というミュージシャンの理解が深まると思うんだけどなぁ。

評価:★★★★★

椎名林檎 過去の作品
私と放電
三文ゴシップ


ほかに聴いたアルバム

BEAUTIFUL DEFORMITY/the GazettE

前作「DIVISION」は平凡なメロで、耽美なボーカルが鼻につくおもしろみのない作品でしたが、今回のアルバムはバンドのへヴィネスさが前面に押し出され、グッと面白みの増した作品。ハードコアに通じるバンドサウンドとポップなメロは、ONE OK ROCKみたいな最近ヒットシーンを賑わしているヘヴィーロックバンドに通じるところも。曲によってはやはり耽美なボーカルが鼻につくような部分もありマイナス要素なのですが、ヘヴィーロックが好きならヴィジュアル系というイメージ抜きにチェックしてみては?

評価:★★★★

the GazettE 過去の作品
TRACES BEST OF 2005-2009
DIM
TOXIC
DIVISION

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2013年12月13日 (金)

ソロじゃなくてバンドだよ

黒木渚 2nd single「はさみ」発売記念インストアイベント

会場:名古屋パルコ1階イベントスペース 日時:2013年11月23日(土) 17:00~

先日のハルカトミユキに続き、インストアライブに足を運んできました。ハルカトミユキは、タワレコに買い物に行ったところ、偶然ライブに遭遇したのですが、今回は当初から予定して足を運んだライブ。黒木渚というミュージシャン、実はこの段階で全く音は聴いたことなかったのですが、最近、いろいろと話題に聴くバンドなだけにせっかくの機会なのでライブを、と思い見に行きました。

この黒木渚というミュージシャンは、女性ソロシンガーのような名前ですが、3人組のバンドの名前。ちなみにボーカルの名前も黒木渚だそうです。ボーカル名=バンド名のバンドといえば、マリリン・マンソンやサンタナとかがいますが、日本では珍しいかも。

今話題のミュージシャンということもあり、ライブスペースにはビックリするぐらいの人だかりが。名古屋パルコ1階のイベントスペースでのライブは何度か見たり、あるいは通りがかったりしたことがあったのですが、その中では一番の観客数だったかも。その注目度合いがわかります。

ほぼ5時ピッタリにイベントはスタート。メンバーが登場となりました。この日はアコースティック形式でのライブ。ただメンバー3人以外にもサポート2人がついて計5名という、なかなか大所帯なステージでした。

そしていきなりライブがスタート。もちろん曲を聴くのははじめてなのですが、最初の曲はおそらく歌詞から類推してデビューシングル「あたしの心臓をあげる」だったと思います。アコースティックでのアレンジでしたが、楽曲はオルタナ系ロック。パワフルなボーカルはちょっと椎名林檎や鬼束ちひろあたりを彷彿とさせる感じがしました。

その後に演奏したちょっと寓話のような歌詞が印象的だった曲は椎名林檎に、続くバラードナンバーについては鬼束ちひろを思い出させるような雰囲気・・・と書くと、まるで林檎や鬼束のフォロワーのように思われますが、それはあくまでも雰囲気のレベルで(^^;;ボーカル黒木渚の力強いボーカルが印象的なナンバーでした。

ここでようやくMCで、簡単な自己紹介をはさみ、続いてはこの日のライブの主目的となるニューシングル「はさみ」へ。こちらはバラードナンバーながらもどこか歌謡曲っぽい雰囲気もあり、耳なじみやすいナンバーになっていました。

さらにその後のMCでは、「名古屋ではしるこサンドが流行っているんでしょ?」という話題や、「名古屋のお客さんはライブの時にみんないい顔をしている」なんていうネタ。卒のないMCといった感じで、までデビュー間もないバンドながらもこなれているような印象を受けました。

そして最後にもう1曲。いままでは聴かせるナンバーが主体だったのに対して最後は軽快なポップナンバーへ。客を盛り上げて・・・というほどではなかったのですが、最後は楽しい雰囲気で締めくくり。全5曲30分程度のステージが終わりました。

黒木渚の楽曲はこの日はじめて聴いたのですが、印象としてはよく出来たロックといった感じ。アコースティック編成だったのですが、「アコギ1本」みたいな形ではなくギターやベースにキーボードも入る編成でバンド編成でのライブ。そんなこともあってか、パワフルな曲調は完成度も高く垢抜けた印象を受けました。

ただ一方で、上に書いた通り、椎名林檎だとか鬼束ちひろだとかいうイメージが横切るような部分があり、そういう意味では、もっと黒木渚だけの個性もほしいかなぁ、と思った部分も事実。まだデビューしたばかりのバンドなのでこれからってところかなぁ。今後の活躍に期待したいです!

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2013年12月12日 (木)

こちらも男性勢が1、2

今週のアルバムチャート

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先週は日・英・韓の男性アイドルが1,2,3を獲得したアルバムチャートですが、今週も日韓の男性アイドルグループが1位2位に並びました。

まず1位にKinki Kids「L album」がランクイン。Kinki Kidsとしては約2年ぶりとなるニューアルバム。初動売上13万6千枚。ここ最近、19万枚→17万枚→15万枚と、アルバム毎に、2万人ずつ初動売上が減っており、13万6千枚という数値はほぼ予想通り(笑)。

2位には韓流男性アイドルグループ超新星「SIX」が入ってきています。初動売上は4万5千枚。前作は、代表曲とソロ曲を収録した企画盤的アルバム「SUPERNOVA COLLECTIONS」で最高位15位初動9千枚だったので、こちらからは大きくアップ。オリジナルとしては前作「GO FOR IT!」の2万6千枚から大きくアップしています。

そして3位にはユニークなアルバムが。「Mariya's Songbook」と題されたこちらのアルバム。竹内まりやのデビュー35周年にあわせて、彼女が他のシンガーに提供した楽曲を集めたオムニバス盤。広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」や河合奈保子の「けんかはやめて」なども収録。さらに、本人歌唱による「MajiでKoiする5秒前」が収録されており、こちらはかなり興味深いかも。

続いて4位以下の初登場ですが、4位に愛知は小牧出身のラッパー、AK-69「Road to The Independent King」がランクインしています。AK-69初となるベストアルバム。初動売上は2万枚。前作「The Independent King」の1万8千枚から若干アップしていますが、ベスト盤ということを考えると、少々寂しい結果かも。

もう1組、HIP HOPミュージシャンがランクイン。それが7位初登場RIP SLYME「GOLDEN TIME」。最近はメンバーのソロ活動が目立っており、RIP SLYMEとしては2年9ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム。初動売上は1万7千枚。前作「STAR」の2万2千枚よりダウンです。

初登場最後、10位にはロサンゼルス在住の女性シンガーChe'Nelleのベストアルバム「Best Songs」がランクインです。一応、マレーシア出身ロサンゼルス在住のシンガーということで「洋楽扱い」なのですが、事実上、日本のみで活動をしているミュージシャン。初動売上1万2千枚は、直近のオリジナル「AISHITERU」の1万7千枚からダウン。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2013年12月11日 (水)

男性ボーカル勢が1、2、3

今週のシングルチャート

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女性アイドルが目立つ中、今週は男性ボーカルグループがベスト3を独占。

まず1位は恒例のジャニーズ系。関ジャニ∞「ココロ空モヨウ」がランクイン。メンバーの一人、錦戸亮主演のフジテレビ系ドラマ「よろず占い処 陰陽屋へようこそ」主題歌。楽曲は、ミスチルやバンプあたりの亜流のような、下北系ギターポップ路線。初動売上19万2千枚は前作「涙の答え」の24万8千枚からダウン。CD販売形態が3種から2種に減少したことによるものと思われますが、3ヶ月連続シングルリリースの第1弾で、初動売上的には少々芳しくないスタートとなっています。

2位はEXILE系。三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの「SO RIGHT」が入ってきています。フジテレビ系ドラマ「ハニー・トラップ」主題歌。冬の曲らしい、マイナーコードが哀愁を誘う、アップテンポなエレクトロポップ。初動売上11万枚は前作「冬物語」の6万7千枚から大きくアップ。1枚500円のMUSIC CARDを8種リリースしたことによる売上水増しの影響と思われます。

そして最後は韓流。SHINee「3 2 1」が3位に入ってきています。こちらはテレビ東京系ドラマ「東京トイボックス」主題歌。今風のEDMチューンの爽やかないかにもアイドルソングといった雰囲気のナンバー。初動売上6万7千枚は前作「Boys Meet U」の8万8千枚よりダウン。前々作は初動4万8千枚を記録しており、イベントや様々な販促により、シングルによって売上の変動が大きい模様。

男性アイドルグループは今週もう1組。8位にももクロの弟分と言われる男性アイドルグループDISH//「いつかはメリークリスマス」がランクインです。前山田健一プロデュース+作詞作曲で、はちゃめちゃな展開の曲はまさに彼らしいナンバー。ただ、初動売上1万4千枚は前作「晴れるYA!」の2万8千枚を下回り、初のベスト10ヒットとなった前々作「I Can Hear」の1万5千枚を下回る展開に。同じヒャダインプロデュースなのに、男性アイドルになるといまひとつ聴かれなくなるのでしょうか?

続いて4位以下の初登場ですが、まず4位にハロプロ系女性アイドルグループJuice=Juice「イジワルしないで 抱きしめてよ」がランクイン。バリバリのアイドル歌謡曲路線は、作曲を手がけるつんくのお得意分野?これが2作目のベスト10ヒットで、前作「ロマンスの途中」の初動3万7千枚より微増の初動3万9千枚を記録。

6位は遊助ことタレント上地雄輔の「V」が入ってきています。こちら、「ボルト」と呼ぶらしく、テレビ東京系アニメ「ポケットモンスターXY」主題歌で、要するにピカチュウの電撃のことを指すらしいです。楽曲は、いい意味で子供向けのアニソンらしい爽やかなポップチューン。ただ初動2万5千枚は前作「とうもろこし」から横バイで、タイアップ効果はあまりなかった模様。

7位には、BREAKERZで活動しているDAIGOのソロ第2弾シングル「BUTTERFLY」がランクイン。エレクトロアレンジに甘いメロウなメロディーという、K-POPテイストな作風。初動売上1万6千枚は、前作「いつも抱きしめて」の1万8千枚から若干のダウン。

最後。アイドルグループSUPER☆GiRLSのメンバーが、3組のユニットを結成し、同時にシングルをリリース。うち1枚がベスト10入りしています。それが10位初登場のトゥィンクルヴェール from SUPER☆GiRLS「ジン ジン ジングルベル」。森高千里のカバーですね。初動売上は1万1千枚。他2枚は11位にキャンディーマキアート from SUPER☆GiRLS 「年下の男の子」、12位に前島亜美 from SUPER☆GiRLS 「センチメンタル・ジャーニー」がそれぞれランクイン。「年下の男の子」はキャンディーズの、「センチメンタル・ジャーニー」は松本伊代のそれぞれカバー。10位と11位の差は、11,666枚と11,640枚とわずか20枚差。12位は11,046枚と600枚程度の僅差となっています。多分、ほとんどのファンが3枚とも買ったんでしょうが・・・。ちなみにSUPER☆GiRLSの前作「常夏ハイタッチ」の7万5千枚より大きくダウン。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは明日に!

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2013年12月10日 (火)

話題のシンガーの新作

Title:ARTPOP
Musician:LADY GAGA

おそらく今、お茶の間レベルという意味ではもっともホットなミュージシャンの一人、LADY GAGA。日本で海外のミュージシャンが話題になることが、最近ではすっかり少なくなってしまった中、日本でもお茶の間レベルまで名前を知れた、最近では数少ないミュージシャンでしょう。そんな彼女の2年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。

LADY GAGAと言えば、やはり話題になるのはその奇抜なアートワーク。前作「Born This Way」では、彼女自身がバイクになる、という非常に奇抜なジャケット写真が目をひきました。今回のアルバムでは上の写真の通り「ARTPOP」というタイトルから類推されるような、昔の芸術作品をコラージュのように配し、彼女自身の姿もまるで芸術作品のように形どっています。今回もかなり奇抜なジャケットが目を惹く作品になっています。

ただ一方で楽曲自身についてはかなりシンプル。今回のアルバムでも今風なEDM路線を主軸にしつつ、ポップでメロディアスな楽曲を聴かせてくれます。楽曲にはアートワークのような奇抜さはほとんどなく、むしろ優等生的。もっともこの「ファッションは奇抜だけど楽曲はわかりやすいポップ」というバランスが、世界的な人気の理由なのかもしれませんが。

そんな訳で、楽曲についてはいままでのLADY GAGAが好きなら普通に気に入りそうな作品になっていました。もっとも悪くはないのですが、いつも通りという感想が長い目で見ては必ずしもプラスではないような気もします。まあ、下手にあらたな作風に挑戦してグダグダになるよりはいいとは思うのですが・・・。

実際、このアルバムのセールス、アメリカはもとより、イギリスやここ日本でもチャート1位を獲得するなど、相変わらずな高い人気を見せつけた一方で、アメリカでも日本でも販売初週の売上が前作を大きく下回るなど、明確にピークを超えた売上動向になってしまっています。ファッションが奇抜だったからこそ、逆に飽きられるのも早かったのでは、そんな心配もよぎってしまいます。

それだけに次は楽曲で新たなGAGA像に挑戦、という期待もないではないのですが・・・ただ、急に新たな作風にしないまでも、そろそろ少しづつでも曲調を変えていかないと、楽曲自体も急速に飽きられてしまうかも。このアルバム自体、決して悪いアルバムではないのですが、そんな不安もよぎってしまう作品でした。

評価:★★★★

LADY GAGA 過去の作品
The Fame
BORN THIS WAY

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2013年12月 9日 (月)

早すぎた名盤

Title:Inspiration Information/Wings Of Love
Musician:Shuggie Otis

「ゴッドファーザー・オブ・リズム&ブルース」と呼ばれ、リズム&ブルースはもとより黒人音楽の歴史に大きな足跡を残したジョニー・オーティス。今回紹介するアルバムのミュージシャンはその息子、シュギー・オーティス。かつて「天才ギタリスト」と呼ばれ、15歳の時にはかのアル・クーパーのアルバムに参加。さらにはミック・テイラーの後釜としてローリング・ストーンズへの参加を誘われるものの、ソロとしての活動を優先したいために断ったという伝説も残るミュージシャンだったりします。

しかし70年代後半、自身の体調の悪化もありシーンから姿を消します。その後も知る人ぞ知る的なミュージシャンとして絶大な支持を得て、プリンスやレニー・クラビッツなど彼をリスペクトするミュージシャンは未だに多いとか。そんな彼らがなんと昨年、活動を再開。今年には来日公演も実施するなど大きな話題となりました。

そんな彼が1974年にリリースしたのがアルバム「Inspiration Information」。今回、そのアルバムに、未発表曲集である「Wings Of Love」とつけて2枚組アルバムとして再発となりました。

まず「Inspiration Information」。彼を取り巻く評判に違わない、隠れた名盤ともいうべき作品でした。

楽曲の雰囲気としてはかなりシンプルで静か。メロウな雰囲気のサウンドに、ゆっくりと奏でられるギターのリズム。しかし、そのギターはしっかりとファンキーなリズムを刻んでいて、独特なグルーヴィーサウンドを楽曲に与えています。

楽曲に流れるのは一見、サラリとした雰囲気の空気感。しかし、しっかりと聴き出すと徐々に耳にねっとりと絡みつくようなギターの音に気がつきます。そのギターが実に魅力的。70年代前半の作品としては全く古さを感じず、むしろそのサウンドのシンプルさから、今風にすら感じられるかも。そういう意味でも、早すぎたアルバムと言えるかもしれません。

ただ、楽曲は全体的にインパクトが薄く、ある意味かなり地味。特に中盤から後半にかけて並んでいるインストの楽曲が並んでいて、その地味さに拍車がかかっています(笑)。まあ、そういう意味でも名盤は名盤だけど一方では隠れていた理由もわかっちゃうアルバム(笑)。レア・グルーヴ、そんな表現がまさにピッタリ来ます。

しかし、未発表音源集の「Wings Of Love」は「Inspiration Information」と大きく異なりちょっとビックリするのではないでしょうか。絶妙なサウンドとリズムで、聴けば聴くほどはまりそうな「Inspiration Information」と比べて、70年代後半以降の未発表曲を集めた「Wings Of Love」は一言で言うと大味。例えれば、「Inspiration Information」は味を極めた深い出汁の味が楽しめる料理だとすると、「Wings Of Love」はベチャっとしたマヨネーズで味付けしたような料理といった感じでしょうか。個人的にマヨネーズは好きですが(^^;;

楽曲のタイプもロックやフュージョンなどの要素がグッと増え、ソウルやファンクの要素は薄め。80年代テイストのサウンドも感じられ、良くも悪くも時代い寄り添いすぎで、ベタな雰囲気。この2枚のアルバムを聴かせて、どちらがより最近のアルバムか、と聴かれれば「Inspiration Information」を選びそう・・・そんな印象すら受けたアルバムでした。

そういうこともあり、正直、未発表音源集はちょっと蛇足だったかも、とも思ったアルバム。もっとも「Inspiration Information」は名盤なだけに、これを聴くだけでも十分お薦めできるアルバムなのですが・・・。ここ最近、活動を再開したシュギー。2013年の現在、久々のニューアルバム発売なるか?また発売されたらどんな音になるのか??

評価:★★★★

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2013年12月 8日 (日)

強烈なビートのHIP HOPユニット

Title:Govermment Plates
Musician:Death Grips

Governmentplatescover

昨日、ANARCHYのフリーダウンロードアルバムを紹介しましたが、本日紹介するのもフリーダウンロードで発表されたアルバムです。

Death Gripsがニュー・アルバム『Government Plates』を公開
http://www.iloud.jp/hotnews/death_gripsgovernment_plates.php

今回、フリーダウンロードでアルバムをリリースしたのはアメリカのDeath GripsというHIP HOPユニット。日本では残念ながらあまり知名度は高くないようですが、アメリカやイギリスでは高い評価を得ているユニットです。彼らの音楽は実に刺激的で攻撃的。音楽のジャンルは「オルタナティヴ・ヒップホップ」や「インダストリアル・ヒップホップ」「エクスペリメンタル・ヒップホップ」と言われているそうです。

特徴的なのはノイジーでヘヴィーなサウンドと、力強くパンキッシュなドラムのサウンド。そこにラップが載るのですが、楽曲のメインとなっているのはむしろサウンドの方。サウンドはハードコアやパンクの要素が強く、イメージ的にはHIP HOPのユニットというよりもインダストリアルのイメージの方が強いかも。

特にエレクトロサウンドに強烈なビートの「Feels like a wheel」「This is Violence Now(Dont get me wrong)」あたりはかなりライブでも盛り上がりそう。「Big House」あたりは、ビート的にはちょっと軽いのですが、アップテンポでスペーシーなサウンドが心地よく、こちらもライブ映えしそう。ガツンとくる攻撃的なサウンドが強烈なインパクトがあります。

ただ一方では決してヘヴィーなリズムとアップテンポなサウンドで観客を盛り上げる、というだけではなく、1曲1曲微妙に雰囲気を異なる曲が並んでいます。特に後半、「Govemment Plates」「Bootleg(Don't need your help)」あたりはエレクトロニカ風の実験的な雰囲気を感じる曲が並んでいますし、どの曲も凝ったサウンドメイキングが耳を惹く曲ばかり。ライブなどで強烈なビートで盛り上がりそうなサウンドと、挑戦的なサウンドのバランスが楽曲の中、絶妙にマッチングしているように感じました。

ちなみにこの前作「No Love Deep Web」では、リリース時期を巡りレコード会社のエピックレコードと対立。レコード会社が止めるのも聴かず、フリーダウンロードでリリースしたところ、レコード会社との契約を切られた、なんていうパンクなエピソードも持つ彼ら。その活動方針も、楽曲と同じく刺激的で攻撃的なのがおもしろいところです。

今年はフジロックにも出演しており、日本での知名度も徐々にあがってくるのでしょうか。最初、彼らの名前は全く知らず、フリーダウンロードなのでせっかくなので・・・という程度の感覚で聴き始めましたが、そのサウンドに一気にはまってしまいました。これを機に、みなさんも是非!日本でも人気が加速する日も近いかもしれません。

評価:★★★★★

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2013年12月 7日 (土)

日本流ギャングスター

Title:DGKA(DIRTY GHETTO KING ANARCHY)
Musician:ANARCHY

Dgka_anarchy

ANARCHYの新譜が大きな話題となっています。というのも、このアルバム、リリース形態がフリーダウンロードという形だったため。それも、純然たるオリジナルの新曲。確かにここ最近、フリーでアルバムをリリースするミュージシャンは増えていますし、海外ではミックステープとして有名どころも新曲をフリーダウンロードでリリースするミュージシャンが増えています。ただ日本では、まだANARCHYクラスの知名度があるミュージシャンがフリーでアルバムをリリースすることは珍しく、そういう意味でも大きな話題となりました。

そんなANARCHYの新曲はやはりフリーという形態だったからでしょうか、彼の日常を実に覆い隠さずストレートに表現した作品になっています。

1曲目からしてそのままズバリ「Gangstar」。「自分はギャングスターだ」と堂々と名乗る楽曲からスタートし、その後もまさに自分の身の回りをリアリティー持って描き出す歌詞が続いています。

特にかなりストレートだったのが「School Of Hard Knox」で、まさにANARCHYらしい下流社会からの叫びをそのままラップにしたような内容。

「格差を知らない恵まれたやつら
お前にこの痛みがわかってたまるか」

というあまりにもストレートなリリックが綴られてます。

そんなかなりハードな内容が続く強烈な内容なった本作。ただ一方、後半にはZEEBRAや漢などの実名を出しつつ、ラップへの愛情を綴る「Loyalty」や生まれ育った京都の街並みを、メロウで和風なトラックで綴る「Kyoto Chillin」など、優しさを感じる楽曲が続き実に魅力的。ハードコアというANARCHYのイメージとはまた異なった一面を感じさせます。

トラックにしても、強いビートのエレクトロナンバーから、ユーモラスな雰囲気の「Konnnichiwa Bitches」、さらに「Much Later」は全英語詞のラップということもあって、とてもファンキーな雰囲気が楽曲に漂うなど、どれもトラックだけでもカッコいい、バラエティーあるナンバーが並んでいました。

フリーというリリース形態だったからこそ、ANARCHYのやりたいことを思う存分に出来た、そんなアルバムだったように感じました。そんなアルバムの出来の良さゆえに評判も上々。なんと、このアルバムを配信したアメリカの最大手配信サイト、Datpiffではデイリー1位を獲得した上に、サーバーがパンクするなどという騒動も。まさにANARCHYの人気を海外にまで見せつけた結果となっています。

かなり強烈な内容のラップなだけに普段ラップを聴かないような方に無条件でお薦めできるようなタイプの作品ではありませんが、今の日本のHIP HOPシーンの勢いと実力がわかるような作品。興味がある方は是非。ダウンロードは↓のANARCHY公式サイトより。

ANARCHY公式サイト
http://anarchyjp.com/anarchy/pc.html

評価:★★★★★

Anarchy 過去の作品
Dream and Drama
Diggin' Anarchy


ほかに聴いたアルバム

ひとみみぼれ/秦基博

秦基博の最新作は、セルフセレクションアルバム。自身、思いいれのある曲や重要なポイントとなった曲を集めたアルバムだそうです。まさに秦基博らしい、良質なポップソングが集まったベスト盤的な内容の作品。ただ・・・比較的、しんみりと聴かせるナンバーが多く、以前リリースした、弾き語りでのベストアルバム「BEST OF GREEN MIND '09」に比べると、少々バラエティーに欠けていたような印象が。ちょっと薄味に感じてしまいました。

評価:★★★★

秦基博 過去の作品
コントラスト
ALRIGHT
BEST OF GREEN MIND '09
Documentary
Signed POP

Broken Bubbles/BBQ CHICKENS

Hi-STANDARDの横山健率いる4人組バンドの新作。前作「Crossover And Over」ではかなりメタリックな路線にシフトしたのですが、本作ではハードコア路線に戻ってきた感じのする作品。18曲ながらもわずか22分という短さは相変わらず。ここ最近、ハードコアバンドのブレイクが続いており、彼らももっともっと売れそうな感じが・・・。

評価:★★★★

BBQ CHICKENS 過去の作品
Crossover And Over

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2013年12月 6日 (金)

ビートルズの往年のライブ盤

Title:On Air~Live At The BBC Volume2
Musician:The Beatles

ここ最近、毎年のようにビートルズがらみの「何か」がリリースされています。そのたびにそれなりのセールスを記録して変わらないビートルズ人気を感じさせるのですが、今回発売されたのは、1994年にリリースされた「Live At The BBC」の第2弾。60年代前半に、イギリスのBBCラジオで演奏したライブ音源をまとめたアルバムだそうです。

正直、ビートルズに関してとやかく言いたくても、世間にはこれでもかというほどのビートルズマニアがうようよしていて、ビートルズは好きだけど「マニア」というほどではない私くらいがゴタゴタ言っていても説得力がない気がします。そんな訳で、あまり気のきいたような感想は言えないのですが・・・(^^;;

演奏については60年代前半、まだまだ若々しかった頃の彼らの演奏なだけに、若手バンド特有の勢いを感じます。雑誌やらレビューサイトやらからの受け売りですが、「Volume 2」の選曲は彼らのルーツを探るようなカバーが多かったような第1弾に比べて彼らの代表曲も多く、オリジナルとの聴き比べを楽しめるような選曲になっている・・・ということです。音的には何曲かあきらかに音がこもっているような音の悪い楽曲もあったものの、概ね音は気にならず楽しめる内容になっていました。

ただし、アルバム全体としては「マニア向け」とまではいかないまでも「ファンズアイテム」といったアルバムだと思います。一番の要因は曲の間にはさまるトーク。このトークの量が第1弾から多く増えています。

トークが間に挟まることにより、まるでラジオのような感覚で聴けるのかもしれませんが、日本人にとってはやはり英語が聞き取れないだけにファンではないと楽しめないかも。もちろん国内盤にはこのトークを含めた全訳がついているのですが、微妙なニュアンスなどはやはりネイティヴにしかわからない感じが。

またボーナストラックとしてメンバー4人のインタビューがついていて、こちらももちろん貴重なのですが、やはり全訳片手ではないと楽しめず、熱心なファン以外はちょっと厳しいものがあるかも。ビートルズという名前と収録されている代表曲につられてベスト盤感覚で買うにはちょっと辛いアルバムで、そういう意味で「ファンズアイテム」としての要素の強いアルバムでした。

一方インタビュー含めて貴重な音源や瑞々しさすら感じられるライブ演奏を楽しめるという点では言うまでもないのですが、ファンなら満足できそうなアルバムだと思います。しかし、手を変え品を変え、次々とビートルズからみのリリースが続きますね。次は一体・・・?

評価:★★★★

The Beatles 過去の作品
LOVE

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2013年12月 5日 (木)

日韓英の男性アイドルが

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、日本・韓国・イギリスの男性アイドルがベスト3を占めました。

まず1位は日本。ジャニーズ系KAT-TUNのニューアルバム「楔-kusabi-」がランクインです。初動売上は16万8千枚。最近、シングルチャートでは苦戦気味の彼らですが、なんとアルバムでは前作「CHAIN」の初動11万枚よりアップ。ただ、今回のアルバム、初回盤2種+通常盤の3種販売で、すべて収録曲が異なる仕様(前作は初回盤+通常盤)。さらにお値段は1,400円~2,100円といかにも複数枚買ってください的な仕様になっており(前作は3,100円及び3,500円)、その影響が大きかったのでしょう。

2位は韓国。男性アイドルグループBIGBANGのG-DRAGONのソロアルバム「COUP D'ETAT」がランクイン。初動売上は7万5千枚。これが日本でのソロデビューアルバムとなりますが、以前、同じくBIGBANGのTOPと組んだGD&TOPで「THE FIRST ALBUM」をリリースしていますが、その時の初動1万5千枚より大きくアップ。BIGBANGがらみのソロアルバムでは、2月にリリースされたD-LITE「D'scover」の初動3万5千枚、V.I.「LET'S TALK ABOUT LOVE」の1万9千枚を大きく上回る結果となっています。

そして3位はイギリス。人気アイドルグループONE DIRECTION「Midnight Memories」がランクイン。前作「TAKE ME HOME」はロングヒットの末、最高位2位までランクアップしましたが、本作はそれに続くベスト3入り。初動6万7千枚は、その前作の初動売上2万6千枚を大きく上回っています。

続いて、4位以下の初登場です。

4位にはテレビ東京系アニメ「銀魂」の主題歌などを集めた「銀魂BEST3」がランクイン。SPYAIRの「サムライハート」や黒猫チェルシーの「アナグラ」など、「銀魂」に使用された曲が収録されています。タイトル通りの第3弾ですが、初動4万6千枚は「銀魂BEST2」の初動9万1千枚を大きく下回る結果となってしまいました。

5位初登場は、シングルチャートでもチラッと話題にしました韓国の女性アイドルグループKARAのベスト盤「BEST GIRLS」。今後の活動が不透明な中、集大成的なベストになってしまいました。初動売上は4万2千枚。直近のオリジナル「FANTASTIC GIRLS」の4万枚より若干アップしたものの、ベスト盤ということを考えると苦しい結果になっています。

7位には、supercell「ZIGAEXPERIENTIA」がランクイン。メジャーでは3枚目となるアルバム。初動売上2万6千枚は前作「Today Is A Beautiful Day」の3万4千枚からダウン。デビュー作以降、下落傾向が続いており、そろそろ踏ん張りどころ。

最後8位。奥田民生「O.T.Come Home」が入ってきています。前作「OTRL」は『レコーディングライブ」と称して、ライブハウスに観客をあつめて衆人監視の中、すべての楽器を自ら演奏し、1曲ずつ仕上げていくスタイルだったのですが、今回のアルバムも、基本、すべての楽器を彼が演奏するスタイルで作り上げたそうです。初動売上1万9千枚は、その前作の2万3千枚よりダウン。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2013年12月 4日 (水)

まさかのふなっしー(笑)

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

タイトルは後ほど。

まず今週1位は乃木坂46「バレッタ」がランクイン。初動売上は39万5千枚。70年代あたりの懐かしさを感じさせる歌謡曲風のアイドルチューン。前作「ガールズルール」の初動33万7千枚よりもアップ。

2位は東方神起「Verry Merry Xmas」。典型的なクリスマスバラードといった雰囲気のナンバー。初動売上11万6千枚は前作「SCREAM」の13万4千枚からダウン。

続いて3位にランクインしてきたのはPerfume「Sweet Refrain」。テレビ朝日系ドラマ「都市伝説の女」主題歌。作詞作曲プロデュースはもちろん中田ヤスタカ。テクノポップな側面よりもポップなメロディーラインが目立ち、結果的にはちょっと「普通のポップ」になっちゃったような印象も。初動売上5万7千枚は前作「Magic of Love」の6万6千枚よりダウンし、これで2作連続ダウンという傾向も気になります。Perfumeに限らず、きゃりーぱみゅぱみゅもCAPSULEも一時期に比べて失速気味ですし、来年あたりは中田ヤスタカの正念場といった時期になるのでしょうか。

続いて4位以下の初登場です。

4位はGLAY「DIAMOND SKIN」が初登場です。「虹のポケット」「CRAZY DANCE」とのトリプルA面。GLAYらしい哀愁たっぷりの歌謡ロック。初動売上3万7千枚は前作「DARK RIVER」の4万2千枚よりダウン。

5位にはμ's「Music S.T.A.R.T!!」がランクイン。アニメ「ラブライブ!」挿入歌。アニメキャラクターによるアイドルユニットによる新作。前作もそうだったのですが、悪い意味でJ-POP的な前向き応援歌な歌詞に抵抗感が・・・。楽曲もふくめて、やっつけな印象が否めません。それでも初動3万6千枚は「No brand girls」の1万7千枚よりアップ。

7位初登場はKARA「フレンチキス」。こちらも爽やかなクリスマスソングなのですが、前作「サンキュー サマーラブ」同様、普通のアイドルポップになってしまって、K-POPらしさはほとんどなくなってしまった感じが。KARAはメンバーの一人ニコルの脱退が決定的な状況となっており、来年以降の活動が不透明な状況に。初動売上3万2千枚はその前作の初動6万9千枚から大きくダウンしていますが、このシングルを収録したベスト盤「BEST GIRLS」が同時リリースされた影響が大きい模様。ただ、そのベスト盤の売れ行きも決して芳しくないんだよなぁ・・・。今後の彼女たちの行方が気になるところです。

そして、8位には、まさかのあの曲がランクイン。ふなっしー「ふな ふな ふなっしー♪ ~ふなっしー公式テーマソング~」!ご存知、船橋市の非公式キャラクター、ふなっしーのテーマソング。ご当地キャラのテーマソングとしては初のベスト10ヒットだそうです。誰が作詞作曲したのかなぁ、と思ったら、まさかのふなっしーご本人!シンガーソングライターだったんですね、彼(笑)。ちなみにプロデューサーはTHE ALFEEの高見沢で、かなりアバンギャルドなハードロック風ナンバーに。ふなっしー自体「ゆるキャラ」っぽくない奇抜なリアクションが話題となりましたが、この楽曲の、この手のキャラのテーマソングとはかなりかけ離れた雰囲気の曲になっています。

9位はCRUDE PLAY「サヨナラの準備は、もうできていた」がランクイン。CRUDE PLAYは映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の劇中バンドで、三浦翔平、窪田正孝といった人気俳優らによるバンドだそうです。タイトルといい楽曲といい、完全に90年代のビーイング系っぽいのですが、作詞作曲は亀田誠治。でもこれって狙った・・・んだよね?

最後10位にはDEEP「I Promise You」が入ってきています。EXILEと同じ事務所に所属する男性ボーカルグループ。相変わらずの王道バラードナンバーのシングルが続いています。初動売上1万6千枚は前作「星影」の1万5千枚から微増。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2013年12月 3日 (火)

Peacetribe2013 その2

Peacetribe3

その1より

A Hundred Birds Trio feat. TeN@ECHO STAGE

←ECHO STAGEを外観から
映画の後、再びECHO STAGEに戻ると、既にA Hundred Bird Trioのステージがはじまっていました。A Hundred Birdsはオーケストラバンドだそうですが、この日はそのうち3名、Key. タケウチカズタケ Dr. 井戸本勝裕 G.田村成紀が「Trio」として参加し、プラス、ボーカルのTeNが参加するステージとなっていました。

最初、ステージに到着した時は、ボーカルTeNを除いた3人のみでのステージ。ドラムスとギターでダイナミックな演奏を聴かせつつ、キーボードのサウンドをからめたジャムサウンド。リズミカルなテンポのよい演奏を楽しむことが出来ました。

TeNはジャーマンっぽい雰囲気の衣装で登場。曲も最初はちょっと呪術的な雰囲気のナンバー。ただ、一度彼女が引っ込みジャム演奏をはさみまた登場して披露したナンバーは、至ってポップでテンポのいいディスコナンバー。いままで座ってみていたのですが、この曲では思わず立って踊りだしてしまいました。

その後もTeNが参加したボーカル曲はちょっとベタさも感じるポップなナンバーが多く、思った以上に聴きやすいナンバーが続きました。ボーカルもかなりパワフルなものを聴かせてくれて印象に残り、リズム隊3人のみの演奏とボーカル曲とでバラエティーの富んだステージが楽しめました。

AO YOUNG@TAOYO VILLAGE

続いての宮内優里までまた時間があったため再びメイン会場に戻りました。やがてメイン会場の中に設置されているTAOYO VILLAGEというステージでライブがスタート。登場したのはAO YOUNGという男性ミュージシャンでした。

彼がアコギを抱えつつ、バンドを率いてのステージ。基本的にシンプルなロック。楽曲によってはレゲエやブルースなどの要素を挟みつつ、歌詞の内容は社会派だったり、比較的ストレートな内容。イメージとしては斉藤和義に近いイメージだったかも?

比較的メロディーはシンプルで、歌詞についてもいかにもロックシンガーらしい青い感じの歌詞があったりと、良くも悪くもよくあるタイプといった印象。骨太なサウンドやブルースの要素を取り入れた楽曲などそれなりに楽しめたのですが、ちょっと物足りなさも感じました。

宮内優里@ECHO STAGE

そしてECHO STAGEのトリを飾ったのは宮内優里。彼一人だけのステージで、たくさんの機械とデジタルパーカッションを前に、ギターを抱えた彼が演奏をするスタイルでした。

途中、MCではその彼の前に並べられた多くの機械も説明してくれました。ループサンプラーという機械で、ひとつの音を録音するとループさせて無限に演奏し続けてくれるサンプラーだそうで、その場でトライアングルやマラカス、ピアニカなどを録音して実演してくれました。

そんなサンプラーを多用しつつ、彼自身はエレキギターを弾きつつのステージ。基本的に「エレクトロ」にカテゴライズされるのでしょうか。サンプルなどを多用したインストのメロディアスに聴かせるナンバーがメイン。ただ、基本的に暖かい雰囲気の楽器を主にサンプリングしているため、どこか優しさを感じられるメロディーが印象的でした。

この日は星野源がボーカルで参加した「読書」を、もちろん星野源なしで披露したり、その他コーネリアスがギターで参加した曲をコーネリアス抜きで披露したり(笑)、途中、サンプルなしの彼のギター1本の演奏となる曲を聴かせてくれたり。どれも優しい雰囲気の魅力的なポップソングでとても楽しいひと時を過ごせました。

Peacetribe4

MCもなかなかユニークで人柄もよさそう。ちなみに上の写真はMCで「私は写真を撮るのは自由ですから」と語っていたので撮らせてもらいました。

 

そんな訳で、今年おそらく最後となる野外フェス。ライブはなかなか魅力的なミュージシャンが揃っていて、とても素敵なイベントでした。特にU-zhaanと宮内優里がよかった!どちらもまた是非ともライブに足を運びたくなりました。

ちょっと残念だったのが、CHILLOUT ROOM HANAの場所とやっていることがわかりにくかったこと。せっかくライブとは違って「考えさせる」イベントだっただけに、もうちょっとわかりやすい場所だったらよかったのに・・・。

店もたくさん出ていて、屋台もおいしそうな店ばかりで、とても楽しく1日を過ごすことが出来ました。ちょっと残念だったのは、ECHO STAGEが飲食禁止で、ビールを飲みながらのんびり、ということが出来なかった点。これはおそらくこのイベントだからというわけではなく、もともとこの施設が飲食禁止だったんでしょうね。仕方ないけど、ちょっと残念でした。

あと、11月中旬ということで寒かった(笑)。まあ、これについては私がもっと暖かい格好をしていけばよかったのですが(^^;;

というわけで、楽しいイベントでした。もっとも、場所的に公園の中でのイベントなので「雰囲気を楽しむ」という感じのイベントではなかったので参加する面子次第になってしまうのですが、また、面子がよければ来年も足を運んでみたいです。

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2013年12月 2日 (月)

急遽、参戦

Peacetribe2013

会場 岡崎公園一帯 日時 2013年11月16日(土)

おそらく今年最後となる野外フェス。当初は行く予定はなかったのですが、先日行く予定だった、「森、道、市場」が台風の影響で中止となり、「これで今年のフェスは終わりってのも寂しいなぁ」と思い、もともとちょっと気になっていたイベントだったので、急遽参戦することにしました。

Peacetribe1

↑メイン会場。各種雑貨などの店や、屋台が並んでいました。まずはメイン会場へ。ちょうど昼過ぎで、最初のお目当てU-zhaanまではちょっと時間があったため、腹ごしらえ。前日の雨で足場はぬかるんでいたのが玉に瑕でしたが、それなりの賑わいを見せ、屋台もおいしそうな店がズラリ。アルコールもちゃんと販売していて、ビール片手にハンバーガーをおいしくいただきました。

U-zhaan@ECHO STAGE

1時半になったので、ECHO STAGEこと岡崎城二の丸能楽堂でタブラ奏者U-zhaanのライブへ。会場についてたら、まだ前の櫻井響のステージの最中でしたが、すぐに終わり、そのままU-zhaanと入れ替わり。セットチェンジなしでライブがスタートしました。

「ソロで演奏しろ、と言われているんですが、シンバル奏者にシンバルだけで演奏しろって言われているようなもんですよねぇ」

なんていうユーモラスなMCからライブはスタートしたのですが、演奏はインドの民族楽器、タブラのみの演奏。しかし、静かながら音で語っているような演奏に思わず聴き入ってしまいました。

途中、MCでタブラについての解説。ひとつひとつの音に名前があるそうで、その説明をした後、インドの古典の名曲を、ということでその曲名が

「ティキテキナテテティティトトナティティ」・・・・・・みたいな音の名前をそのまま曲名にしたようなタイトル(笑)(もちろん、この曲名、全然正確ではありません。なんとなくこういう雰囲気ということで)。それも一瞬で終わる感じで、演奏した後、「この名曲感、わからないかなぁ~」と言っていましたが、正直、わかりません(笑)。

でも、その後演奏された「夏の夕立」をテーマにした曲は、夕立の雨の音や、その中、鳴り弾きく雷の音をタブラで表現した演奏で、まさにその風景が目に浮かぶような演奏。うん、これは名曲とわかりましたよ。その演奏に聴き入ってしまいました。

その後はヒューマンビートボクサーの櫻井響との共演。U-zhaanのタブラの演奏を、櫻井響がそのままヒューマンビートボックスで真似するような演奏もあり、そのテクニックに聴きほれるステージ。事実上、パーカッションだけのステージでしたが、歌心があり、とても心惹かれるステージでした。

U-zhaanのステージ、はじめて見たのですが、とても素晴らしかったです!!以前から名前は知っていて気にはなっていたのですが、これだけ素晴らしいとは。また是非ともライブを見てみたいです!
(・・・と思って調べてみたら、U-zhaanって、元ASA-CHANG&巡礼のメンバーなんですね。彼らのライブなら見たことありました。あのASA-CHANGと向かい合ってタブラを演奏していたのが彼だったのか・・・・・・)

Peacetribe2

GOCOO@ECHO STAGE

次のお目当てGOCOOまでちょっと時間があったので、またメイン会場に戻り、ラーメンとビールで腹ごしらえした後、再びECHO STAGEへ。次のGOCOOは男女11人の和太鼓ユニット。会場に戻ると、ステージ上狭しと、数え切れない量の太鼓が並んでいました。

↑ちなみにこちらはメイン会場にいた謎のゆるキャラ。左は大府市の特産「木の山芋」をモデルにしたゆるキャラのいもメン、右は岡崎のゆるキャラ味噌崎城だそうです。謎だ・・・・・・。

ただ、時間になってもなかなかライブがはじまらない・・・。ようやくライブがスタートしたのは30分後。うーん、ちょっと待ちくたびれてしまいました。しかし、はじまったらまさにその太鼓のリズムに圧倒されるステージ。激しいリズムの応酬に目が釘付けになっていまいました。

途中、メンバーが狐のお面をきて、怪しい踊りを踊りながらパフォーマンスを繰り広げるちょっと芝居っぽい曲などもあり、和太鼓のみのステージとはいえバリエーションもありそのステージを楽しむことが出来ました。和太鼓のみのステージといっても、よくありがちな村の青年団が繰り広げられる和太鼓の演奏とはちょっと違い、エキゾチックな雰囲気の漂う、とライバル的な要素も感じられるステージ。実は彼らのステージは2005年にも見て今回8年ぶりとなるのですが、前回と同様、その独特なパフォーマンスにひきつけられたステージでした。

映画『ヒマラヤを越える子供たち』@CHILLOUT ROOM HANA

GOCOOのライブを途中で抜け出して、ちょっと興味があったのがCHILLOUT ROOM HANAこと巽閣という集会所で行われていた映画上映。チベットからヒマラヤ山脈を越えて亡命する子供たちを描いたドキュメンタリー。チベットでは、中国政府による弾圧のため、子供たちがチベット語での教育を行えないため、毎年多くの子供たちがヒマラヤ山脈を超えてインドに亡命。インドに設置されているチベット語の学校での教育を受けているそうです(ただ、それも北京オリンピック終了後、中国政府の締め付けが厳しくなり、亡命者数は減少しているそうです・・・)

ただ、会場についたら観客が私を含めて4、5人程度・・・寂しい・・・(^^;;場所もわかりにくかったし、せっかくの企画なのでもう一工夫あればよかったような。映画は命がけでインドに亡命してくる子供たちの姿をありのままに捉えており、日本だと、無邪気に暮らしている子供たちが過酷な状況におかれている事実に胸が締め付けられるような内容でした。詳しい感想を書き出すと、長くなってしまいそうなので、映画の公式サイトと、この日の主催者団体のサイトを紹介しておきます。是非とものぞいてみてください。チベット問題について深く考えさせられる映画だと思います。

Escape Over the Himalayas ヒマラヤを越える子供たち
http://www.tsg-kiku.com/eoth/

STUDENTS FOR A FREE TIBET JAPAN
http://www.sftjapan.org/

その2

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2013年12月 1日 (日)

音の洪水に圧倒されました。

Phoenix Rising Asia Tour 2013 Nagoya

ROVO and System7

会場 ボトムライン 日時 2013年11月15日(金)20:00~

Phoenix

2011年にお互いの楽曲をカバーし合うアルバム「Phoenix Rising」を発売した日本の人力トランスバンドROVOとイギリスのテクノユニットSystem7。そのジョイントライブが行われました。

もともと、今回のライブに行きたいと思ったきっかけはそんな彼らが2011年に行ったジョイントライブの模様を収録し、配信限定でリリースされたアルバム「PHOENIX RISING LIVE in KYOTO」。ROVOとSystem7のサウンドの融合に鳥肌モノだったこのライブ盤を聴いて、もしROVOとSystem7のジョイントライブがまた行われるなら駆けつけなくては!と思っていました。そしてついに待望のジョイントライブ開催!!もちろん、事前にリリースされた「Phoenix Rising LP」も購入し、この日のライブにかけつけました。

ROVO

この日は、まずROVO、System7それぞれのライブを行った後、両者のジョイントライブが行われるスケジュール。会場は8割程度の入りで、思ったほどの混雑ではありませんでした。ただ、ライブを見たり、踊ったりするにはちょうどよい感じの客の入りでしたが。

予定を10分強オーバーしたところでROVOが登場。ROVOのステージは昨年のフジロック以来。もちろん、ROVO単体でのステージも非常に楽しみにして来ました。

ライブは長尺の4曲で40分程度の内容。ダイナミックなバンドサウンドをテンポよく聴かせるトランシーなサウンドは相変わらずのステージ。ただ、個人的にこの日のライブ、何度か見たROVOのライブの中で一番の出来だったのでは??と思うほどのステージでした。

特にツインドラムのサウンドに圧巻。もちろんツインドラムのサウンドが鳴り響くステージはいつも通りなのですが、ボトムラインという狭い空間ではそのドラムのリズムがより腹に響き迫力が増していました。時々入るトライバルなパーカッションのリズムもまた非常に心地よく、ドラムのサウンドに耳を奪われるステージでした。

余談だけど、そのドラムスの2人はご両人とも髪の毛をスキンヘッドにしていたのも大きなインパクトでした(^^;;

さらにこの日はライブ初日ということもあって、全く疲れのないいい意味で軽く音楽を楽しんでいるような雰囲気が伝わってきたステージでした。なんというか、変な力みもなく、バンドの息もピッタリ。せめぎあうような緊張感というよりも、一緒にスペーシーな空間を作り出して楽しんでいる、そんな雰囲気が漂うステージ。これはやはりツアー初日ならでは、という感じでしょうか。そういう意味でも、いままで見たROVOのライブの中でベストの内容では?と感じたステージでした。

System7

そんなROVOのステージに圧倒されつつ、続いてはSystem7のステージへと続きます。そしてなんと驚くことに彼らのライブ、ROVOのステージをさらに上回る素晴らしいステージを見せてくれました。

まずステージ上にはメンバー2人が登場。その前にはリズムマシンにマックのパソコンがセット。2人でリズムマシンやシーケンサーをいじりながらのステージで、基本的には王道ともいえる四つ打ちのテクノが非常に踊りやすいリズムを作り出していました。

ただし、そんな中、ロックテイストが強かったのが彼らの特徴。途中、メンバーの一人、スティーブ・ヒレッジはギターを抱えて、ノイジーなギターサウンドを楽曲に入れてきたり、あるいはビートもとてもヘヴィーでノイジーなものを入れてきたり、ロック風のダイナミズムさを入れていて、これがまた身体にダイレクトに響き渡りました。もうカッコいいの一言でした。

で、この日はじめて知ったのですが、彼ら、メンバーの一人は女性なんですね・・・(^^;;なんか、女性メンバーのミケット・ジラウディーが、楽曲にあわせて妙に色っぽく踊るのもこの日のステージで印象に残りました。

彼らも40分程度のステージだったのですが、途中、ビートの強いナンバーをテンポをどんどん速めて煽る煽る(笑)。もう、会場は興奮のるつぼと化したステージで、おそらくこの日一番盛り上がっていたようにも思います。私も思わず腕を振り上げつつ、思いっきり踊ってしまいました。身体にダイレクトに響くリズムがとても心地よいステージで、難しいこと抜きで踊りまくれるサウンドがとてもインパクトがありました。System7、予想以上に素晴らしかった!また彼らのライブがあれば、是非とも足を運びたいです。

ROVO and System7

そして、System7が終わると、待望のROVOとSystem7のジョイントライブ。決して広くないボトムラインのステージ上に、ROVOとSystem7のメンバーがひしめき合う、賑やかなステージとなりました(笑)。

基本的に楽曲は最新アルバム「Phoenix Rising」からのナンバーがメインで、ROVOの演奏を主軸としてSystem7が加わるようなスタイル。そのためROVOのサウンドよりも分厚い、まさに音の洪水に、終始圧倒されるようなステージでした。

System7のメンバーは、リズムマシーンを駆使したエレクトロなリズムを作り出す・・・かと思えば、主にスティーブ・ヒレッジはギターを演奏、ミケット・ジラウディーはエフェクターをいじって、ノイズを作り出していました。

そんなサウンドももちろん十分に楽しめたのですが・・・正直言ってしまうと、事前に期待していたほどではなかったかなぁ。いや、ライブの内容としては申し分なく楽しめたんですけどね。でもライブアルバム「PHOENIX RISING LIVE in KYOTO」で感じたレベルには残念ながら及ばなかったように思います。

結局、System7のメンバーがギターとノイズで演奏に加わっていたため、ROVOの演奏の延長線上みたいになって、System7との融合という側面がちょっと薄れたのが大きな理由のような気がします。また、このジョイントについてはライブ初日の影響でしょうか、まだROVOとSystem7の融合がチグハグな部分もあったように思いました。

ただ一方、何曲かはSystem7が主軸となり、エレクトロなリズムマシンでトランシーなリズムを作り出した曲があったのですが、こちらは文句なしに鳥肌モノ。特にSystem7のエレクトロなサウンドと勝井祐二のバイオリンの音色の融合がなんともいえず緊迫感あるサウンドを作り出していて、非常に耳を惹きました。

ROVOとSystem7のジョイントは、今後ツアーが進むにつれ、徐々によくなっていきそうだなぁ。この日のライブも後半になるに従いチグハグさがなくなり、最後アンコールもあったのですが、徐々に両者で作り出すスケール感あふれるスペーシーなサウンドに身体が自然に動き出してしまう魅力的なサウンドを聴かせてくれました。

そんな訳で、最後のジョイントライブはアンコールを含めて1時間半程度。終わったのは11時半ちょっと前。ROVOも素晴らしかったのですが、それ以上にSystem7がよかったなぁ。両者のジョイントは予想していたほどではなかったものの、十分楽しめたステージでした。かなりボリュームのあるライブで、ヘトヘトにつかれましたが、とても充実した時間を過ごすことの出来たステージでした。

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