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2013年12月 8日 (日)

強烈なビートのHIP HOPユニット

Title:Govermment Plates
Musician:Death Grips

Governmentplatescover

昨日、ANARCHYのフリーダウンロードアルバムを紹介しましたが、本日紹介するのもフリーダウンロードで発表されたアルバムです。

Death Gripsがニュー・アルバム『Government Plates』を公開
http://www.iloud.jp/hotnews/death_gripsgovernment_plates.php

今回、フリーダウンロードでアルバムをリリースしたのはアメリカのDeath GripsというHIP HOPユニット。日本では残念ながらあまり知名度は高くないようですが、アメリカやイギリスでは高い評価を得ているユニットです。彼らの音楽は実に刺激的で攻撃的。音楽のジャンルは「オルタナティヴ・ヒップホップ」や「インダストリアル・ヒップホップ」「エクスペリメンタル・ヒップホップ」と言われているそうです。

特徴的なのはノイジーでヘヴィーなサウンドと、力強くパンキッシュなドラムのサウンド。そこにラップが載るのですが、楽曲のメインとなっているのはむしろサウンドの方。サウンドはハードコアやパンクの要素が強く、イメージ的にはHIP HOPのユニットというよりもインダストリアルのイメージの方が強いかも。

特にエレクトロサウンドに強烈なビートの「Feels like a wheel」「This is Violence Now(Dont get me wrong)」あたりはかなりライブでも盛り上がりそう。「Big House」あたりは、ビート的にはちょっと軽いのですが、アップテンポでスペーシーなサウンドが心地よく、こちらもライブ映えしそう。ガツンとくる攻撃的なサウンドが強烈なインパクトがあります。

ただ一方では決してヘヴィーなリズムとアップテンポなサウンドで観客を盛り上げる、というだけではなく、1曲1曲微妙に雰囲気を異なる曲が並んでいます。特に後半、「Govemment Plates」「Bootleg(Don't need your help)」あたりはエレクトロニカ風の実験的な雰囲気を感じる曲が並んでいますし、どの曲も凝ったサウンドメイキングが耳を惹く曲ばかり。ライブなどで強烈なビートで盛り上がりそうなサウンドと、挑戦的なサウンドのバランスが楽曲の中、絶妙にマッチングしているように感じました。

ちなみにこの前作「No Love Deep Web」では、リリース時期を巡りレコード会社のエピックレコードと対立。レコード会社が止めるのも聴かず、フリーダウンロードでリリースしたところ、レコード会社との契約を切られた、なんていうパンクなエピソードも持つ彼ら。その活動方針も、楽曲と同じく刺激的で攻撃的なのがおもしろいところです。

今年はフジロックにも出演しており、日本での知名度も徐々にあがってくるのでしょうか。最初、彼らの名前は全く知らず、フリーダウンロードなのでせっかくなので・・・という程度の感覚で聴き始めましたが、そのサウンドに一気にはまってしまいました。これを機に、みなさんも是非!日本でも人気が加速する日も近いかもしれません。

評価:★★★★★

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