シューゲイザー色がより強く
Title:ALARMS
Musician:Galileo Galilei
デビュー以来、売れ線傾向が強かったギターロックバンドとして、CMタイアップで一気にブレイクを果たした北海道出身の3人組ロックバンド。しかし前作「PORTAL」では、エレクトロやシューゲイザーの影響を強く受けたサウンドを取り入れ、一気にその様相を変えてきました。
その後、ミニアルバム1枚を経てリリースしたフルアルバムとしては約1年8ヶ月ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムも基本的には「PORTAL」の路線を引き継ぐものとなりました。ただ、それに加えて今回の作品はよりシューゲイザーの傾向が強くなったアルバムに感じます。
序盤から分厚いホワイトノイズを聴かせるギターサウンドと、甘いメロディーラインというシューゲイザーの王道とも言うべき楽曲が続きます。特にその傾向が顕著だったのは「Jonathan」あたりでしょうか。キラキラしたようなサウンドにキュートさを感じさせるような明るいポップスが聴いていてとても気持ちよさを感じさせます。
一方歌詞の世界も「ロンリーボーイ」や「フラニーの沼で」のように孤独な心境を描いたような曲が多く、ここらへんもいかにも80年代から90年代のオルタナ系ギターロックバンドらしい立ち位置。いい意味で王道路線を貫いているように感じます。
ただ、そういう王道路線だけあって、「PORTAL」の時と同様に目新しさという観点からはやはり物足りなさも感じます。良くも悪くも90年代以降、日本にもよくありがちだったタイプのギターロックバンドという枠組みは残念ながら今回も出ていませんでした。
しかしその一方でシューゲイザー路線をより強調した結果、個人的な好みの問題もあるのですが、「よくありがち」という感触よりも「サウンドの心地よさ」が上回ったように思います。そういう点があり、今回のアルバムは十分楽しんで最後まで聴くことができました。ただ、やはり次の作品はよりGalileo Galileiらしさを出した作品を期待したいところなのですが・・・。
評価:★★★★★
Galileo Galilei 過去の作品
パレード
PORTAL
Baby,It's Cold Outside
ほかに聴いたアルバム
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"/スキマスイッチ
最近、ツアーのたびにライブ盤をリリースしているスキマスイッチ。確かに彼らのライブは楽しいのですが、基本的にそこまで「ライブが売り」といった感じはしないのですが・・・。いじわるな見方をするとお小遣い稼ぎかなぁ。ただ今回のアルバムは2人だけの演奏によりリアレンジした企画盤「DOUBLES BEST」リリースに伴うツアーで、2人だけでまわったツアーとか。基本、ピアノとギターのみの演奏となっていて、記録的な意味合いも強いライブ盤かと。
評価:★★★★
スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"
POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
終わらないミラクルの予感アルバム/サンボマスター
サンボマスターの新作は、うーん、良くも悪くもいつものサンボマスター。パンキッシュなサウンドに熱いシャウト。サンボマスターらしいスタイルの曲が並んでいます。ただその反面、今回のアルバムで目立ったのは打ち込みの楽曲。「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」のヒット後、いまひとつ伸び悩んでいる感のある彼らでしたが、どこかそんな現状から抜け出そうとしている印象を受けたアルバムでした。
評価:★★★★
サンボマスター 過去の作品
音楽の子供はみな歌う
きみのためにつよくなりたい
サンボマスター究極ベスト
ロックンロール イズ ノット デッド
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