事実上、神聖かまってちゃんのベスト盤
Title:神聖かまってちゃん
Musician:の子
ご存知、神聖かまってちゃんのボーカルで作詞作曲を手がけるの子によるソロデビューアルバム。そのタイトルは「神聖かまってちゃん」・・・・・・ってなかなか人を食ったようなタイトルをつけちゃってますが、それが彼らしいところなんでしょうね(^^;;
で、その内容も、神聖かまってちゃんの曲のセルフカバー。ご存知「ロックンロールは鳴り止まないっ」や、何回目だ?的な「23歳の夏休み」、また、エリオをかまってちゃん名義でリリースされた「Os-宇宙人」のセルフカバーなども収録されています。
それでソロによるセルフカバーなので内容もバンドとは違う・・・・・・・というとそうでもなく、むしろ基本的に神聖かまってちゃんのイメージそのまんま。ただ、やはり他からミュージシャンを呼んでいるだけにかまってちゃんの時のような破天荒さはちょっと薄れたような印象もあります。もっとも、の子のエキセントリックなボーカルは相変わらずですが。
そんな訳で、神聖かまってちゃんの代表曲を並べた、いわばベスト盤的に楽しめるのが今回のアルバム。特に代表的なナンバーを並べただけに楽曲のエキセントリックな部分よりもメロディーのポピュラリティーが目立つ流れになっていました。
そのため、今さらながらあらためて感じるのは、彼の書く曲って、基本的に王道なギターロックだよなぁ、ということ。ま、この話はいまさら感もありますし、多くの方も指摘していることですが、エキセントリックなボーカルやその歌詞の世界に隠れがちなのですが、の子の書くメロディーって基本的にシンプルでメロディアスなポップソング。そんなポップなメロディーとエキセントリックな歌詞というバランス感覚が神聖かまってちゃんの魅力なわけですが、このアルバムではよりポップな側面の魅力を再認識できるアルバムになっていたと思います。
もっともその一方でこのアルバムを聴いて、おそらく多くの方が同じ疑問を感じたと思うのですが・・・これって、ソロアルバムでリリースする意味あるの??確かにオリジナルに比べて多少はエキセントリックな部分が抑えられた感じもするのですが、曲の雰囲気が変わった、というほどの違いはありませんし、じゃあ、神聖かまってちゃんでのセルフカバーでもよかったんじゃない?という疑問を感じてしまいます。
まあ神聖かまってちゃんは一般的なバンド幻想をあまり抱えていないバンドですし、メンバーとしても別にの子がソロでどんな活動をしようとどうでもいい、というスタンスなのかもしれませんが。せっかくソロならソロにしか出来ないことをやってほしかったなぁ、という感想も持ってしまった訳で。
そんな感じで、神聖かまってちゃんのベスト盤的な感覚でお薦めのアルバム。ただ、の子のソロとしてはちょっと物足りなかったかなぁ。神聖かまってちゃんというバンドに、の子の個性がかなりつぎこまれている部分が大きいので、ソロとの差をつけにくかったのかもしれませんが。
評価:★★★★
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