15年ぶりのタッグ
Title:1200Ways
Musician:Shing02+DJ $HIN
Shing02としては2008年の「歪曲」以来5年ぶりとなるニューアルバムは、DJ $HINとのコラボアルバム。もともとShing02とDJ $HINは1998年にEP「Pearl Harbor」でコラボをしており、それから15年ぶりの共演となりました。
今回の作品は、とてもメロウでポップテイストの強いトラックが印象的。Shing02のアルバムというと、彼のしっかりと語るようなラップで緊迫感がある内容というイメージがあるのですが、今回のアルバムはとてもリラックスした大人な雰囲気の空気が流れています。
例えば「Sweet Discovery」はとてもムーディーでかつジャジー。「When You Come Around」ではラテンなギターが流れ、最初は哀愁たっぷりの歌からスタートしているというちょっと異色なナンバーになっています。「Look Fwd」などは明るいポップなナンバーになっており、Shing02のラップもリラックスして楽しんでいるような雰囲気を感じます。
また、そんなポップでメロウなトラックを主軸としながらも1曲1曲にバリエーションがあり、その凝った展開を楽しめます。「Squeeze On It」はメロウな前半とはちょっと異なるロッキンなナンバーですし、最後の「Tag Monkey」はタイトル通り猿の鳴き声が入るどこかユーモラスなトラックが楽しめます。
そんなトラックだけでも楽しめるアルバムなのですが、やはり魅力的なのがShing02のラップ。今回のラップは全部英語詞になっており、端整な英語ラップを聴かせてくれます。ただ、基本的に言葉のひとつひとつを大事に噛み締めるようなラップするスタイルは日本語と一緒。テンポよく言葉を上手くリズムにのせているラップ自体がひとつのインパクトとなっているように感じます。
英語詞のため、リリックの内容がダイレクトに入ってこないのは残念。個人的にはやはり日本語の方がよかったよなぁ、と思います。久しぶりのアルバムですしね。まあ、日本語詞の作品は次回作に期待。
とはいえ、このアルバムももちろん傑作なアルバム。日本語の内容が直接わからなくても、とても魅力的なサウンドとラップが楽しめました。
評価:★★★★★
Shing02 過去の作品
歪曲
SURDOS SESSIONS: Nike+ Training Run
ほかに聴いたアルバム
氣志團入門/氣志團
タイトル通り、氣志團の入門的な位置付けを目指したセルフカバーによるベスト盤。ただ、セルフカバーとはいえ、原曲とはあまり変わっておらず、そういう意味でも「入門」的な役割を意図したアルバムなんでしょう。ただおととしにベスト盤をリリースしたばかりで、その間発売されたアルバムも1枚のみという現状では、ちょっとベスト盤のリリースが早すぎないか?ちょっとネタがマンネリ気味なのも否めず、そろそろ次の一歩を・・・ということを言い出してからも、もう久しいのですが・・・。
評価:★★★★
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