他のどのアルバムとも異なる・・・
Title:Nothing Was The Same
Musician:Drake
デビュー作「Thank Me Later」が新人としては異例の大ヒットを記録し、一躍注目を集めたアメリカのラッパー、Drakeの3枚目となるアルバム。このアルバムも、アメリカでは初動売上65万枚という大ヒットを記録。前作「Take Care」を上回る売上を記録しています。
ただ、「Thank Me Later」「Take Care」と聴き馴染んできた方には今回のアルバム、最初少々違和感を覚える方もおられたかもしれません。メランコリックで、柔らかい丸みを帯びたサウンドというDrakeのいままでのサウンドの雰囲気が、この作品では大きく減退していたからです。
今回のアルバムは重低音のリズムを強調したエレクトロなサウンドが主軸になっています。いい意味でも悪い意味でも今風のHIP HOPのサウンド、といった感じでしょう。そういう意味では、いままで2枚のアルバムで築いてきたDrakeらしさという点はあまり感じなかったアルバムかもしれません。
しかし、表面的には確かに変わってしまったかもしれませんが、アルバムを何度か聴いて感じるのは、やはりこのアルバムもまた、Drakeらしさがちゃんとあらわれていたアルバムだったなぁ、ということでした。
「Furtheast Thing」や「Hold On,We're Going Home」などメランコリックな雰囲気を漂わせるポップなナンバーもちゃんと要素要素で主張をしており、デビュー作以来感じたDrakeの歌心は本作でも健在。一方では「The Language」をはじめとして音数を絞ったタイトなトラックに力強いラップをのせた楽曲も印象的。サウンドの強度はいままでのアルバムに比べてより増した印象を受けます。
今風のHIP HOPのスタイルに寄り添いながらも、しっかりDrakeとしての味付けを加えて、彼らしい作品に仕上げた傑作。タイトル通り、他のどのミュージシャンのアルバムと比べてももちろん、自らの過去の作品と比べてもタイトル通り「同じものはない」と言い切れる自信作に感じました。まだまだDrakeの快進撃は続きそうです。
評価:★★★★★
DRAKE 過去の作品
Thank Me Later
TAKE CARE
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