壮大なスケール感
Title:Phoenix Rising LP
Musician:ROVO and System7
日本のトランスバンドROVOと、イギリスのテクノユニットSystem7のコラボアルバム。以前、同タイトルのアルバムをリリースしていましたが、こちらはお互いの曲をお互いがカバーするという企画盤。その後、両者のジョイントライブが行われ、その模様は配信限定でアルバムリリースされました。
ROVOとSystem7のコラボはそんな感じで以前から続いていただけに、両者が合体してひとつの曲を作り上げるアルバムが今回がはじめて、というのは逆にちょっと意外な感じ。11月からは台湾でのライブも含むコラボツアーもスタート。来年にはイギリスでもライブを行う予定ということです。
さて、そんな両者のコラボ作は、以前ライブ盤でも体験したのですが、基本的に今回のアルバムはそのライブ盤での雰囲気をそのまま引き継いだようなスタイルになっています。「Hinotori」では、勝井祐二奏でるエレクトリックバイオリンやROVOのバンドサウンドを主軸に、System7の打ち込みが重なりスペーシーな雰囲気を作り出しています。逆に続く「Love for the Phoenix」ではSystem7のトランシーなサウンドを主軸としてROVOのサウンドが重なる感じ。どちらもスペーシーなサウンドを持ち味にしているだけに、その相性はピッタリ。その音の持つ世界観を両者の音で増幅している、という印象を持ちました。
エレクトリックでトランシーなサウンドと、バンドサウンドが相互に折り合いながら様々なパターンをつくりあげているだけに、70分強という長いアルバムでもほとんどだれることなく楽曲は展開していきます。後半になると、ちょっとトライバルなパーカッションがインパクトとなる「Sino Dub」や、キラキラした雰囲気のサウンドが幻想的な「Unseen Onsen」のようなタイプの違う楽曲もあらわれ、アルバムを締めくくります。
そんな壮大なスケール感を感じさせるコラボアルバム。文句なしの傑作です。ただ、配信限定のライブアルバムと比べると、ライブ盤の方が楽曲がより突き抜けていたかなぁ、と感じます。その点、このアルバムは若干抑え気味だったような。ここらへん、ライブとスタジオ音源の違いかなぁ。その分、ライブは圧巻のステージが期待できそうですが・・・。
評価:★★★★★
ROVO 過去の作品
NUOU
ROVO Selected 2001-2004
RAVO
PHOENIX RISING(ROVO×SYSTEM7)
PHOENIX RISING LIVE in KYOTO(ROVO×SYSTEM7)
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