日本を代表する名盤
昨年リリースしたベスト盤が大ヒットを記録し、その変わらぬ人気のほどを見せつけた山下達郎。今年は2枚のアルバムのリマスター再発盤がリリースされました。
Title:MELODIES(30th Anniversary Edition)
Musician:山下達郎
まずこちらは1983年にリリースされた7作目のオリジナルアルバム。山下達郎を代表するアルバムどころか、「日本の名盤」なる企画が行われた時にはよく選ばれる、まさに日本のポップスシーンを代表する名盤。あの「クリスマス・イブ」が収録されていることでも知られています。
・・・・・・って偉そうなウンチクをたれていますが、実は私、このアルバムを聴いたのは今回がはじめて(^^;;今回、30周年記念盤がリリースされたのをきっかけ聴いたのですが・・・いや、まじすごいや、このアルバム。もともとポップス職人として楽曲のクオリティーには定評の高い彼ですが、そんな彼の脂ののりきったアルバム。楽曲のキレの良さ、勢いが半端ではありません。
1曲目「悲しみのJODY(She Was Crying)」から、爽やかな風が吹く抜けるようなサウンドが流れる中、楽曲はメロディアスながらも胸をかきむしられるような切ないポップがたまりません。そしてその勢いのまま、彼の代表曲「高気圧ガール」へ。もう、この展開だけでやられてしまいました。
爽やかなポップソングの中に、ちょうどよい塩梅で配分されているソウルやファンクなどブラックミュージックの要素もまた絶妙。単なるポップソングではない楽曲の厚みもたまりません。中盤以降はしんみりメロウなナンバーが並ぶ中、最後に登場するのは名曲「クリスマス・イブ」。なんともいえない、最高の締めくくりです。
ちなみに30周年記念盤はその後ボーナストラックが収録。こちらはファンズアイテム的のおまけといった感じ。「クリスマス・イブ」のコード違いなんかはなかなかユニークで、アルバムの解説でも書かれているように、話のネタとして楽しめそう。
さて、アルバムの内容自体もさることながらも、このアルバムで気持ちよかったのは音の良さ。彼の爽やかなポップソングがより際立たせているサウンドは、非常にクリアで抜けの良いものに感じました。特に、1つ1つの音がクリアに聴こえてくるのが印象的でさすが音にこだわる山下達郎ならでは。すいません、これがはじめて聴くアルバムなので過去に発売されたバージョンとの比較は出来ないのですが・・・この音の良さはさすがといった感じでした。
ちなみに歌詞カードには山下達郎本人による1曲1曲の解説がついており、これを読みながらも楽しめる内容に。ベスト盤でも1曲1曲解説していたけど、基本的に語りたがりなんでしょうね。こういう点もオタク気質だ(笑)。
評価:★★★★★
で、同時にリリースされたのが、こちらのアルバム。
Title:SEASON'S GREETINGS(20th Anniversary Edition)
Musician:山下達郎
こちらは1993年にリリースされた、全曲クリスマスソングからなる企画盤。1993年といえば、私は既にポピュラーミュージックを聴きはじめていた頃で、91年にリリースした「アルチザン」もリアルタイムで聴いていたのですが、このアルバムは正直聴いた記憶がない・・・・・・当時はまだ山下達郎の良さがいまひとつわからなかったので、企画盤ということもありスルーしたのかなぁ。
内容は、クリスマスソングのスタンダードナンバーを中心に、ある曲は一人アカペラで、またある曲はオーケストラアレンジで収録。これからの季節(といってもまだちょっと先ですが)、部屋でのんびりと聴きたいアルバムです。
彼のアルバムなので当たり前なのですが、曲の作りこみ方が半端なく、重厚な一人アカペラはもちろんですが、オーケストラアレンジの曲も必要以上にベタにならず、さらりと聴かせてくれるのはさすが。
企画盤ですが、ちゃんと山下達郎のアルバムとして仕上がっているのは言うまでもありません。こちらはあまり「名盤」みたいに取り上げられるケースは少ないかもしれませんが、文句なしに「名盤」と言えるだけの傑作だと思います。
この2枚のアルバムと昨年のベストで、ここ最近、ちょっと山下達郎にハマリ気味(^^;;いまさら感は否めないのですが(笑)。
評価:★★★★★
山下達郎 過去の作品
Ray of Hope
OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~
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