ディープなソウルだけど
Title:SOUL DEEP:DELUXE EDITION
今回紹介するアルバムは、タイトル通りディープなソウル、要するに60年代70年代のソウルのうち、一般的にあまり知られていないような名曲を集めたコンピレーションアルバム。もともとは1972年に先日亡くなった、音楽評論家で日本におけるソウル・ミュージックの第一人者、桜井ユタカ氏が監修して発売された、3枚のコンピレーションアルバム。そのコンピレーションアルバムをもとに47曲を音楽評論家の鈴木啓志氏により編集し、CD化したのが今回紹介するコンピレーションアルバム。もともと、「BLUES&SOUL RECORDS」で紹介されていてはじめて知り、さっそく購入して聴いてみました。
知る人ぞ知る的なディープなソウルサウンドが収録されたアルバムですが、内容は決して一般に知られているようなヒット曲に全くひけ劣りません。もっとも、参加ミュージシャンにはAretha FranklinやらBen E.KingやらJames Carrやら有名どころの知られざる曲もチラホラ入っており、内容的に聴きどころを押さえないと楽しめない、的なマニアックな内容ではなく、ディープという名前ですが、ライトなソウル好きにも十分楽しめる内容でした。
全体的には、選曲にはバラードナンバーが多く、正直ちょっと様式化しちゃっているかなぁ、なんて思う曲もないことはなかったのですが、それでもやはり聴き込めば聴き込むほどその魅力にはまっていく曲が多く、そんな中でやはり際立っていたのがAretha Franklinの「My Song」。これが初CD化のようですが、いままで埋もれていたのが不思議になるような名曲のバラード。文句なく、一発で心つかまされてしまいました。
他にも個人的に感情こもったボーカルが魅力的なClarenece Carterの曲は全体的によかったなぁ。Hoagy Landsの「Baby Come On Home」やLeon Haywoodの「Clean Up Your Own Backyard」なども曲はもちろん、ミュージシャン名もこのコンピではじめて聴いたのですが、特に気に入りました。そして最後を締めくくるThe Soul Clanの「Soul Meeting」が圧巻。Solomon BurkeやBen E.Kingなど、実力派シンガー5人が集まったユニットだそうですが、そのパワフルなボーカルは、このアルバムの中でも圧倒的でした。
ちなみにCDは7インチレコードサイズ。中には選曲した鈴木啓志氏による熱のこもった解説もあり、こちらを読みながら楽しめるアルバムに。上にも書いた通り選曲はディープかもしれませんが、決してマニアでないと楽しめないアルバムではなく、普通に良質なソウルミュージックを聴く感覚で楽しめる作品。きっと1曲2曲お気に入りに出会えるはず。
販売はワーナーミュージックダイレクトのみで、そういう意味でもちょっと敷居が高いかもしれませんが、ソウル好きなら間違いなく気に入るアルバムだと思います。文句なし、要チェックです。
評価:★★★★★
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