王道ソウル
Title:LOVE IN THE FUTURE
Musician:JOHN LEGEND
THE ROOTSと組んでリリースした傑作「WAKE UP!」から3年。純然たるオリジナルアルバムとしては「once again」から5年。久々となるJOHN LEGENDの新作がリリースされました。
うん、王道のソウルナンバーだ(笑)。伸びやかでパワフルなボーカルとメロディアスなメロディーライン。まあ、確かに今のアメリカのヒットシーンでも、メロウなナンバーを歌い上げてくれる男性黒人ミュージシャンは今でも決して珍しくありません。Ne-YoとかUsherとかクリス・ブラウンとか。
ただ、彼らに共通するのは、コンテンポラリーなポップ色が強いという点。それもまた悪くはないですが、ちょっとソウルという面からは物足りなさを感じたりもします。
そんな中、まさに21世紀の今でも、ソウルから続く流れを強く感じるのが彼。薄味なポップシンガーが多い中、しっかりと黒いソウルを、その歌声から聴かせてくれます。もちろん、さすがにオーティスのようにシャウトする60年代のソウルではなく、もっとメロウな楽曲がメインではあるのですが。
今回のアルバムでも、例えばSealとのデゥオである「We Loved It」など、まさに力強いボーカルが印象的。事実上の1曲目「The Beginning...」でもそのボーカルをしっかりと聴かせてくれます。一方では、美しい旋律も実に魅力的。個人的にこのアルバムで気に入ったのが「All Of Me」。ピアノバラードなのですが、切なさを感じるメロディーと、その切なさに寄り添うような優しい歌声が、実に魅力的なナンバーでした。
ただ、その一方でEXECUTIVE PRODUCERとして今をときめくカニエ・ウェストが名前を連ねていたりして、決して懐古趣味に留まっていない点も大きな魅力。例えば「Made To Love」あたりはメロディーは彼らしいものの、リズムトラックは今風で、新しさと懐かしさが共存しているようにも感じます。
アルバム全体的にはいつものJOHN LEGENDといった感じもして、真新しさもあまりないかもしれませんが、彼の魅力がしっかりと詰まった傑作。最初から最後まで、その甘い世界にどっぷり浸れました。
評価:★★★★★
John Legend 過去の作品
once again
WAKE UP!(John Legend&The Roots)
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