大人なマニックス
Title:Rewind The Film
Musican:Manic Street Preachers
マニックスの3年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムは、アコースティックテイストの強い、いままでのギターロックバンド、マニックスのイメージからちょっと違うアルバム、ということを事前の情報として入手していました。
正直、そういう事前情報もあり、今回のアルバムはあまり期待していなかったのですが、アルバムを聴きはじめて、そんな不安はあっという間にふっとびました。大丈夫、今回も実に魅力的なマニックスのアルバムに仕上がっています。
確かに出だしの「THIS SULLEN WELSH HEART」からアコースティックな作風ですし、タイトルナンバーになった「REWIND THE FILM」も、ストリングスを入れたムーディーな大人のポップスという雰囲気。「4 LONLEY ROADS」も、Cate Le Bonという女性ボーカルを起用し、優しい雰囲気のギタポに仕上がっており、マニックスのイメージからはちょっと異なるかもしれません。
ただ、インパクト十分な美しいメロディーラインというマニックスの特徴は本作でもしっかり健在。確かにダイナミックなバンドサウンドこそ出ていませんが、「SHOW ME THE WONDER」なんかは間違いなくマニックスらしさが出ていますし、ラストを飾る「30-YEAR WAR」もしっかりとマニックスらしいロックなナンバーに仕上げています。
ダイナミックなバンドサウンドという部分に強く惹かれる方にとっては物足りなさも感じるかもしれません。しかし、その一方、メロディーの良さに関してはここ最近のマニックスの中でも一番の充実作のように感じました。地味な雰囲気のナンバーの中でしっかりと主張して心に残るメロディーは実に美味。アコースティックな作風に最初物足りなさを感じても、最後まで聴き通せば、きっとその魅力に気がつくはず。
今回私は輸入盤を購入したので歌詞の内容までは詳しくわからないのですが、邦題「映画を巻き戻して(=Rewind The Film)」というタイトル通り、過去を振り返るような、大人になったマニックスが垣間見れる内容になっているとか。2011年にはベスト盤もリリースした彼らが、デビュー以来ひとつの区切りをつけたアルバムと言えるのかもしれません。
もっとも、雑誌のインタビュー記事によれば、バンドサウンドを前面に出したロックなナンバーも既に用意できており、来年春にはリリースするんだとか。このアルバムを聴く限りでは今勢いも感じられる彼らなだけにそちらおアルバムもとても楽しみです。
評価:★★★★★
MANIC STREET PREACHERS 過去の作品
Journal For Plague Lovers
POSTCARDS FROM A YOUNG MAN
NATIONAL TREASURES-THE COMPLETE SINGLES
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