15周年のベスト盤
結成15年をむかえたロックバンドSHAKALABBITSが、ベスト盤を2枚同時にリリースしました。
Title:Rabbits,Rabbits,All the way 1
Musician:SHAKALABBITS
まず1枚目はファン投票により決定した上位20曲を収録したベスト盤になっています。
Title:Rabbits,Rabbits,All the way 2
Musician:SHAKALABBITS
で、同時リリースのもう1枚。こちらはメンバー選曲のベスト盤になっています。
SHAKALABBITSというバンド、175Rと組んで2002年にリリースした「STAND BY YOU!!」の大ヒットで一躍ブレイクしました。ただその後、雨後の竹の子のようにパンクバンドが次々とデビューし、いわゆる「青春パンク」のブームが訪れ、そのブームもあっという間に終息。SHAKALABBITSに関してもそんなバンドと共に、正直人気は一時期に比べると寂しいものであることは否定できません。
ただ個人的にはキライじゃないんだよなぁ、SHAKALABBITS(笑)。タイプ的には完全にかつてのレベッカ、LINDBERG、ジュディマリあたりから連なりそうなガールズポップスロックバンドの延長的なバンド。個人的にその流れが結構好きだった私にとっては、彼女たちの音は壺に近いものもあったりします。特に、その流れは、例えばSCANDALのようにアイドル路線が強くなってしまっている現在、彼女たちみたいな存在はある意味貴重にも感じます。
じゃあ彼らのことを手放しで絶賛し、無条件でお薦めできるか、と言われるとそれもちと微妙な部分があるのも事実で。確かにメロディーはポップでインパクトもあるものの似たようなタイプの曲が多くメロディーのバリエーションはいまひとつ。サウンドも平凡なパンクサウンドがほとんどで、決して面白みのある音を出しているかといわれると微妙な部分があります。
この2枚のベスト盤にしても、特にファン選曲による「1」にその傾向が明確にあらわれています。軽快でポップなナンバーの連続で、最初はそれなりに楽しめるものの、似た曲ばかりが並んでいるだけに最後には飽きが来てしまいました。
その点、メンバー選曲の「2」の方はそんな似た曲が多いという傾向を本人たちも気にしているのでしょうか、楽曲のバリエーションはグッと増えます。もっとヘヴィーなサウンドを前に押し出した楽曲があったり、カントリー風の音を入れた楽曲があったり、コミカルな雰囲気の曲もあったりと、彼らなりの挑戦がうかがえます。
そんなバリエーションのある楽曲がファン投票では選ばれず、ファン投票で上位に来たのは、典型的なSHAKALABBITSらしい曲ばかりという点、彼らにとってはジレンマを感じるのではないでしょうか。ただもっともSHAKALABBITSらしさからはなれたような曲は、バリエーションの豊富さを感じる一方、少々インパクトも薄く、シャカラビらしい個性という側面からは物足りなさを感じるのも事実。ここらへん、彼らにとってももどかしいところでしょうし、また、このあたりが、SHAKALABBITSが一時期に比べて停滞してしまった理由なのかもしれません。
もっともヒットした曲を中心に、ポップなナンバーはインパクトもあり十分楽しめ、私のようにガールズロックバンドが好きな方にとっては、その王道を行くような彼女たちの楽曲は、難しい理屈抜きで楽しめるのではないでしょうか。SHAKALABBITSという名前に懐かしさを感じる方や、ガールズロックが好きという方はチェックしてみてもいいアルバムかと。
評価:いずれも★★★★
SHAKALABBITS 過去の作品
SHAKALABBITS
4 ALL AGES
Phasemeter Trippin' Bug Shake
Condenser Baby
BRACKISH
ほかに聴いたアルバム
CM4/cornelius
国内外でcorneliusが手がけたリミックス曲を集めた作品集。Beastie Boysの「Make Some Noise」のようなHIP HOPから、三波春夫の「赤とんぼ」のような童謡まで、多岐にわたる仕事ぶりが耳を惹きます。アレンジも、彼らしさを感じるエレクトロな作品もありますが、基本的には楽曲ごとに様々な雰囲気の曲を聴かせてくれます。ただどの曲も音を選んで、決して必要以上に過剰にならないアレンジが印象的。その仕事ぶりには思わず聴きいってしまう魅力があります。
評価:★★★★★
cornelius 過去の作品
CM3
FANTASMA
「NHKデザインあ」
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