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2013年10月22日 (火)

伝説のユニットのデビュー作

Title:FURTHER ALONG-20th anniversary mix-
Musician:Spiral Life

後にAIRとして活動する車谷浩司と、最近ではもっぱらプロデューサーとして活動を続ける石田小吉(現在は石田ショーキチ)。その2人が1993年に結成したユニットがSpiral Life。その頃既にBAKUというバンドを解散させた直後で人気も高かった車谷の新バンドとして注目を集めました。

(本人たちは否定していましたが)その頃一種のブームとなっていた「渋谷系」のミュージシャンとして捉えられることの多かった彼ら。徐々に人気を集めていたのですが、2人の音楽性の違いが鮮明となり、わずか3年、3枚のオリジナルアルバムをリリースし、1996年の横浜アリーナでのライブを最後に解散してしまいました。

その後の両者の活躍はご存知の通り。それだけに後追いでSprial Lifeというミュージシャンを知った方も少なくないのではないでしょうか。かく言う私も、リアルタイムでSpiral Lifeという名前は一応知ってはいたものの、ちゃんと音源を聴いたのは解散後のベスト盤が最初。そしてこのたびリリースされたのが、デビューアルバム「FURTHER ALONG」のリリース20周年を記念してリリースされた新バージョン。メンバーの石田ショーキチが、あらためてミックスダウンしたアルバムだそうで、今回のアルバムではじめて彼らのデビューアルバムを聴きました。

Spril Lifeの最大の魅力は、車谷、石田という個性の異なるミュージシャンの絶妙なバランスの上に成り立った至極のポップサウンドだと思います。両者、ビートルズのようなポップソングを軸足にした共通点はあるものの、車谷はヘヴィーなバンドサウンド、石田はエレクトロサウンドも取り入れたようなよりポップなメロディーを志向しています。

このデビューアルバムから、そんな2人の音楽性の違いは明確にあらわれているように感じます。基本的に車谷作詞、石田作曲となっているのですが、「MOON RIDE~記憶の着陸~」あたりのギターサウンドには、その後のAIRの雰囲気がちらつきますし、「THE ANSWER」のようなエレクトロサウンドは、石田ショーキチのその後の音楽性につながっています。さすがに基本的には統一感はあるものの、音楽性の違いからわずか3年で活動に幕を下ろす彼らの萌芽は感じられます。

ただその一方、ヘヴィーな音楽性とポップでキュートなサウンドが絶妙なバランスの中で成り立っています。まさにこれこそがSpiral Lifeの最大の魅力。そして、このデビューアルバムは、ひとつの曲の中に、へヴィネスとキュートさが見事に両立しており、実に魅力的なポップソングが並んでいます。

ベスト盤レベルでは聴いたことある曲も多かったのですが、デビューアルバムをちゃんと聴いたのはこれがはじめて。デビュー時から、ある意味完成されたバンドだった、ということを感じます。逆にこれだけ完成されちゃっていたからこそ、徐々に両者の音楽性の違いが目立ってしまい、わずか3年で解散ということにもなったのでしょうか・・・。

20年も前の作品ながらも、今なお全く色あせることのない名盤。「渋谷系」で括られていたことも多い彼らですが、イギリスのギターロックバンドに強い影響を受けている彼らは、いまなら「ロケノン系」と呼ばれそう(苦笑)。ただ、ギターロックが好きなら間違いなく気に入るアルバム。Spiral Lifeというミュージシャンがもし初耳でも、これを機会に是非。

評価:★★★★★

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